生まれ変わるのは間違っているだろうか   作:瞬間接着剤

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どんなアニメも一話がいちばんワクワクする。あると思います。



※主人公の二つ名を変更しました。


白兎/ベル・クラネル

 

その日、僕は神様にあった。何度も、何度も色々なファミリアに冒険者にしてくださいと頼んでも追い払われてきた僕に唯一手を指す伸ばしてくれた神様。

 

 

僕は絶対に英雄になる。この、神様の元で。

 

 

 

……………でも、あの【赤腕】が同じファミリアとは聞いてません。神様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideヤクサ

 

 

 

その日はいつも道理の日の、筈だった。

今日のダンジョンは中層。そして昼には切り上げていつものホームに帰ってきたその時

 

 

 

「やぁ、ヤクサくん!帰ってきたね!」

 

 

 

そこにはニコニコと、それはそれはとても嬉しそうな笑顔を見せているヘスティアがいた。

そしてその後ろには白髪のアルビノのような少年が申し訳無さそうに立っていた。

 

 

 

「紹介しよう!僕たちの新しい家族(ファミリア)のベルくんだ!」

 

 

 

……………………………マジですか。

 

 

 

「あ、あの!僕、ベル・クラネルって言います。よろしくお願いします!!」

 

 

 

マジか。ついにうちに二人目が。俺が引退するまでに二人目が。

それにこの少年、礼儀正しい。好感が持てる。

アマゾネスなら俺を舐めいるように見るしエルフなら明様な態度だし、獣人なら荒々しいし、冒険者志望のヒューマンなら大概は礼儀がなっていない。だからこそ礼儀があるだけで何故だが嬉しい気持ちになってしまう。

ただ、貧相だな。体がまだできていない。それに礼儀だけではダメだ。…少し吹っ掛け見るか。

 

 

 

「あぁ、俺はヤクサだ。済まないが姓は無い。それと突然で申し訳ないが君はどうして冒険者になりたいんだ?」

 

 

 

その俺の一言に少年はゆっくりと体を起こし真っ直ぐと俺の目を見て言った。

 

 

 

「僕は…英雄になりたい。お爺ちゃんとお義母さんにそう誓ったから」

 

 

 

家族に…ね。コイツの目には言葉には確かな意志を感じた。生半可な物じゃない。ただの口先だけではないらしい。

面白くなってきた。

 

 

 

「すまんな。少年。いやベル。意地悪して。合格だ。そして改めて名乗らせもらう。俺はヘスティア・ファミリア団長【赤腕】ヤクサ。宜しく」

 

 

 

俺の改めての名乗り。まさかこんなにちゃんと名乗ることになるとは思いにもよらなかったな。そしてベルはそんな俺の名乗りとともに差し出した手を両手で握り煽れんばかりの笑みで返してきた。

 

 

 

「はい!!」

 

 

 

うん。実にいい返事だ。良し、では行くとしよう。

まず初めにファミリアに入り冒険者となるなら向かわなくてはならない場所。

 

 

 

「よし、ベル。まずはギルドに行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、すごい…」

 

 

 

ふむ、圧倒されているな。まぁ無理もないか。冒険者、つまりファミリアに入らなければここに特にダンジョン入口付近にあるこの受付まで来ることは殆ど無いからな。

特にこの時間帯は昼、バベル自体に用事のある人間、更にはダンジョンに向かう冒険者または帰ってきた冒険者。多種多様な人達で入り乱れている。

まぁそれはそれとして俺はあいつを…お、いた。

 

 

 

「エイナ〜」

 

 

 

手を振って伝えれば、よし。後はこの圧倒され続けているベルを…

 

 

 

「おいベル、いつまで圧倒されてる。行くぞ」

 

 

「は、はい!」

 

 

 

そう言って付いてくるベル。ふむ、何だか少し、心配になってきたな。まぁそれはこのあとどうにかなるだろ。

まずはこいつをエイナに紹介しなければ。

 

 

 

「ヤクサ氏、どうされました?何か忘れ物でも?」

 

 

「いや、そういうわけじゃない。今回はコイツの用事だ」

 

 

 

そう言って後ろに親指で指をさす。それに対して疑問のある顔。まぁそうだろうな。

 

 

 

「コイツの冒険者登録を頼みたい」

 

 

 

その瞬間、このフロア全体から音が消えた。

先程まで騒がしいくらいだったこの場所が風の音が聞こえるほどに静まり返り誰一人として動いていなかった。

あぁ…だろうな。さて、耳を塞ぐか。

 

 

 

「「「「はァァァァァァァァァァ!?」」」」

 

 

 

 

「あのヘスティア・ファミリアにか!?」

「嘘だろ!?」

「万年ボッチファミリアに!?」

 

 

 

…そんな風に思われていたのか。というかエイナ。お前いつまで固まっているつもりだ?口が空いたままだぞ?

 

 

 

「おい?おいエイナ?起きろ〜お〜き〜ろ〜」

 

 

「はっ!?ちょ、ちょっと待って下さい!もしかして新人ですか!?」

 

 

「あぁ」

 

 

 

おい、担当。なんでそこまでして驚く。まぁともかくこのままでは話が進まん。

 

 

「まぁともかくベルのこと。頼んだぞ。それと教育の方も頼む」

 

「きょ、教育…ですか?」

 

 

俺の言った教育。どうやらこれにベルは疑問を思ったらしい。まぁそれもそうだな。冒険者登録に何故教育とな。

 

 

「ベル、世の中知っているやつが一番得するのさ。ダンジョンでも知っていれば対策できることは知っていなければ対策できない。知っている、知らないの差は思っているよりも大きいのだ。特にダンジョンではな」

 

 

ベルはどうやらこれで通じたらしい。良かった良かった。俺もせっかく入った団員が直ぐに居なくなるのは辛いからな。

いやしかし、この状況。明日から大変なことになるだろうな。特にベルにとっては変な枷とならなければいいのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺達はまたもダンジョンに来ていた。

理由は唯一つ、ベルにダンジョンでの戦い方を教えるためだ。知識があってもそれを実行できる力がなくては知識が本当の意味で生きる事はない。それに初めてのダンジョンで初めてのモンスター。

どうやらベルはモンスター自体は見かけたことがあるようだが。

突然新人が戦えと言われて戦えるはずもない。だから教える必要がある。それに仮に戦えたとしても変な癖がついてしまえば大変なことになる。そういった癖は中々直すに苦労する。

 

 

 

「さてベル。ダンジョンに入る前に俺が言ってことを覚えているか?」

 

 

「はい。相手の動きをよく見て隙を貫け、ですね」

 

 

 

ウム。覚えているようだ。いまベルが持っている武器はナイフだ。軽く、扱いやすいがその分、リーチの短さに決定力が乏しい手数で勝負する武器だ。

俺個人としては初心者が最も扱いやすいものの一つだ思いっている有用武器だ。

 

 

 

「あぁ、お前の持つ武器はリーチが短いし威力もない。だから相手の動きをよく見て相手が止まったら一撃で急所を狙う必要がある。今回狙うのはゴブリン。最も多くの冒険者が出会うモンスターだ」

 

 

 

この階層。1階層で現れるモンスター、ゴブリン。特にこれといった特徴がなく人型のために弱点も容易に想像できる正しく初心者向けのモンスター。

そして目の前には都合よくたったの一匹。お誂え向きだな。

 

 

 

「ベル。百聞は一見に如かず。ちょうど目の前に一匹だけいる。やってみるぞ」

 

 

 

ベルはそれにハイと返事をしてその手にナイフを逆手で構えた。

声が震えていたな。初めてモンスターと対峙して初めての実践。無理もないか。だがそれでも構えは出来ている。目線も恐らくブレずにしっかりと見ているだろう。

 

 

そんな事を考えているとベルを視認したゴブリンはその顔を歪めて笑みを浮かべた。正しくニチァ…だな。相手を完全に舐め腐っている。流石は数多の世界でやられ役を抜擢される先輩だ。面構えが違う。だが家のベルを舐めてもらっては困るな。

 

 

そしてゴブリンが駆け出した。それと同時にベルはより強くナイフを握りゴブリンを捉えている。ゴブリンとベルまでの距離が人一人分ほどまでに縮まったその時、ゴブリンは飛び上がりベルへと襲いかかったがその動きを目に捉えていたベルは直ぐ様行動に移した。焦るわけでもなく冷静に足を横に運びゴブリンの跳躍を避けうらへと回り込みその首の後ろにナイフを突き立てた。

 

 

…本当に初めてか?とてもじゃないが初心者の動きとは思えないな。確かにどうすればいいかを教えはしたがまさか回答に百点満点で返されるとは思わなかったな。

ただし相当集中していたのか息が荒いな。それにこの様子だと周りのことも頭に入っていなかっただろう。確かに百点満点だがまだまだだな。だが初めからこれなら伸び代がある。本当になれるかもな。英雄に。

 

 

 

「はぁ、はぁ、やった!僕でもできた!」

 

 

 

ベル。流石に一匹倒したぐらいでその喜びようだと毎回喜ぶことになるぞ。

 

 

 

「ベル。嬉しいのは分かるがほら足元。魔石、しっかりと拾っとけよ。大事な初給料だぞ?」

 

 

 

そう言うとベルは少し慌てた様子で小さな、しかしベルにとっては大きいであろう魔石を広い腰のポーチに入れた。

…………コイツ、忘れてたな?嬉しさのあまり。何でだろうな。俺、コイツを一人にしていると何時か取って食われそうな気がしてならんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草木ですら眠ってしまうような夜の時間。ヘスティア・ファミリアのホームである廃教会の地下で一人の男が魘されていた。

 

 

 

男の脳裏にはあの日起こった自身のルーツとも言える最悪の事件が鮮明に映し出されていた。

 

 

 

幸せな家族。その間を一瞬で引き裂いていった魔物(モンスター)。魔物の足元には潰れた父親が。壁には腹を割かれ力無く壁に倒れている母親が。

そして自身の足元には血溜まりが。その血溜まりは魔物の口に咥えられ消えていった左腕に繋がっていた。

 

 

 

「アアアアアアアア!!!」

 

 

 

ヤクサは悲鳴のような絶叫を上げて眠っていた椅子から飛び起きた。全身を嫌な汗が覆い、無いはずの左腕が悲鳴を上げている。

ヤクサは無いはずの左腕があった肩を撫でると椅子から立ち上がり一人、誰に気付かれることなく外に消えていった。

 

 

 

「……君はまだ、囚われているのかい?」

 

 

 

ただ一人、その姿を静かにしかし泣きそうな目で見ていたヘスティアを除いては。

 

 

 

 

 

 

 

 




僕はね。曇らせはとても良いと思うんだ。


またまた一部設定

・ヤクサ
過去、モンスターに左腕と家族を奪われた過去を持っている。その時はたまたま近くにクエストで来ていた冒険者に救われ一命を取り留めた。その後は口減らしの為と冒険者に対する憧れから僅か7歳の時に村を出てオラリオへと向かった。
今では家族を奪われることが地雷となっている。
今でも悪夢と幻肢痛に悩まされており、その際には無心になるために鍛錬することが何時ものルーティンにもなっている。



・ヘスティア
ベルには恋愛感情を。そしてヤクサには母親として接している。長い間共にしているが未だにトラウマが治っていないヤクサを心の底から心配している。



・ベル
英雄になる。そう、誓ったのだから。



・お義母さん
ベル・クラネルの義母。元Level7。ベルとは僅か2年のみ共に家族として過ごした。ベルと共に過ごすと決めたときには既に全身を病魔が進行し魔法を使うだけで吐血しベットの上から出ることが危険であったがそれでも彼女は僅か2年に彼女の持つ愛をベルへと注いだ紛うことなき母親。



・お祖父ちゃん
変態親父。ベルの幼い女性観を破壊した元凶。しかしそれでも彼もベルに自身の知りうる英雄を教えそして夢を与えた。
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