リコリス・リコイル~3年D組の千束先生   作:トッシー00

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逃走中編第一話となります。


最新話
短編~錦木千束、逃走中!(1stステージ、喫茶リコリコ編)


「よし。部屋の掃除完了。見たいテレビ番組の予約完了。足りないものは昨日のうちに買い物も済ましたし……。昼からは自分の時間だ!!」

 

 週末。それは社会人にとって本来は休みを意味する。

 のだが、千束は仕事が残っていたら休みでも仕事に出てこなければならないため、しばらく休みのない日々が続いていた。

 DAという組織は常日頃、日常を脅かす者達と相対している。時として、自分のプライベートを犠牲にしなければならない。

 にしても、DAの上司は千束をこき使いすぎな気もするが。本人もそう感じてはいるが、自分が所属している組織であり職場なのだから受け入れるしかない。悲しいが。

 そんな多忙な彼女にとって、今日は本当の意味で貴重な休みなのである。誰にも縛られない、自分の時間なのである。

 まずは朝一からできていなかった部屋の掃除から始め、日常用品の買い出しは昨日のうちに済ましている。

 全ては昼から、自分のやりたいことをやるために。である。

 

「見たかった映画を梯子しようか、いや久しぶりにおじさんのところ(喫茶店)に顔を出しに行ってからにしようか。まぁともかく、いざ外へレッツラゴー!!」

 

 そう張り切って、千束が住んでいるアパートの扉を開けた。

 

 ガチャ……。

 

 すると、目の前にはたきなが待ち構えていた。

 

 ……ガチャ。

 

 千束はそれを見てそっと扉を閉じた。

 

「……外出は中止。今日は家でゆっくり過ごそう」

 

 そう言って急遽予定を変更。

 このまま外に出てしまうと、いつものアレが始まるのである。

 間違いなく外で待ち構えている可愛い生徒からの、「勝負しましょう」が口から出てくるのである。

 それを聞いてしまえば最後。千束の休み一日は、たきなとの勝負で丸っと潰れてしまうのである。

 だから見て見ぬふりをした。何が何でもそれは回避すべきだった。

 最悪反対側の窓からこっそり抜け出そうかとも考えたが、安易な考えなど見抜かれるだろう。

 とか色々考えていると。

 

 ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪

 

「……」

 

 ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪

 

 外に出てこない千束にしびれを切らしたのか、たきながアパートのチャイムを連打し始めた。

 このパターン。以前にも覚えがあった。

 このままチャイムが鳴り続けても扉を開けなければ、たきなは思いっきりアパートの扉を蹴破るあの流れである。

 それは千束的には非常に迷惑だが。しかしそこで心折れてはいけないのだ。

 

 ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪

 

 そう心を閉ざしている間にも、チャイムは鳴り続けた。

 

 ―――5分後。

 

 ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪ピンポ~ン♪

 

 ガチャ!!

 

「うるっさーーーい!! なんで今日に限ってそんな陰険な攻め方する!?」

「いつまでチャイム鳴らしたら我慢できなくなるのかなと思って……」

「あぁ5分で限界だったわ!! 勝負ですか!? しません! 私の貴重な休み奪わないでください!!」

「どうして私が先生の家に来たら勝負って流れになると勝手に決めつけるんですか? あなたはバカなんですか? 勉強を教えてもらいに来たとか、任務のことで相談があるとか色々可能性はあるでしょう? まぁ要件は勝負なんですけど……」

「結局勝負じゃねぇか! 君が私を素直に頼りに来ることなんてまずありえないもんねぇ!」

 

 結局たきなの陰険なチャイム連打に我慢できなくなり部屋の扉を開けたきなに怒鳴り散らす千束。

 要件は結局のところ千束との勝負。意地悪く色々遠回しな言い方だがたきなが千束に求める物などそれしかないのである。

 

「あのねたきなさんね。これが普通の教師と普通の生徒の何気ない勝負事なら小一時間くらいで済むから軽く受けてあげることもできるんだろうけどね、私と君がまともに勝負したら丸一日潰れるんだわ。なぜかって、君が納得するまで勝負が続くんだよ。君が勝とうが私が勝とうが、結果的に君が納得しないと勝負が終わらないんだよ……」

「いいじゃないですか。いい休みの気分転換になりますし」

「自分の価値観を私に押し付けるんじゃない。疲れるの、仕事でもないのに。ファーストリコリスを本気で相手したら下手なテロリスト相手するより大変なの。君ね、自分がどれだけ本気出しても私なら平気だとか思ってるでしょ?」

「はい」

「素直に答えんじゃないよ。私は君の気持ちに対してにどう受け止めりゃいいの……」

 

 たきなからすれば、千束はまさにどれだけ乱暴に扱っても壊れないおもちゃのようなもの。

 DA最高戦力のファーストリコリス。その中でも最凶と評される彼女。

 まともに相手になれるのはごく一部の存在。その中でも千束は適任であった。

 それでもってたきなとしては千束に対抗心をむき出しにしている。千束と勝負は、己の飢えを満たす貴重な時間なのである。

 最も、千束としてはたまったものではないのだが。

 

「先生。私にだって日ごろ抱えるストレスがあります。不平不満があります。それを解消してあげるのも教師としての役割では?」

「やかましいわ。都合のいい時だけ都合の良いことを。とにかく勝負はしません。私との勝負以外にもストレスや不平不満を発散できることなんてたくさんあるでしょう。それを自身で見つけることもまた人としての成長、暇ならそれを自分で見つめなおす時間に使いなさい。ほら帰った帰った」

 

 そう言って千束はたきなを追い返そうとする。

 千束がたきなに背を向ける。その時だった。

 

 ガシッ!

 

 たきなが千束を背中から抱き着いたのだ。

 

「ちょっと? そんな甘えた風なことしたって……」

「……」

 

 そしてそのまま……。

 

 ぎゅーーーーーーーーーー!!

 

「いたたたたたた!! ちょっとどこ掴んでんの離せ! って力強っ!! ちょっとやめ、やめろぉぉぉ!!」

 

 そのまま思いっきりの力で千束をホールドして床に倒し押さえつけ。

 千束が参ったというまで地面の叩き伏せる。千束も戦闘能力こそ高いが単純な力関係では、肉体を強化されているリコリスには歯が立たず負けてしまうのである。

 そのまま3分ほど経ち、体力も大きく削られ、結果として千束は心折れた。

 

「わ……。わかった……。勝負、する……。から。は、離して……」

「……」

 

 その千束の降伏を耳にして、たきなは小さく笑みを浮かべた。

 そして千束を解放し、無理やり勝負することを強制させる。

 

「勝負内容は私が決めるからね……」

「簡単なものであっさり終わらせようとしても私は引き下がりませんよ」

「ぐっ……。とはいってもまともに戦うってことになったらDAの敷地でも借りないといけないし、楠木教頭が許可出さないでしょ」

 

 そう、千束とたきなの度重なる勝負の数々。

 簡単なもので終わる時もあるが、まともな勝負となるとほぼ大体周りに迷惑がかかる激しいものになってしまう。

 それでどれだけDAの施設や備品を損壊させたことか、ひどすぎる時は楠木からがっつり怒られることもある。

 今日は久しぶりの勝負。おそらくたきな的には簡単なものではなく、しっかりとした勝負をしたいはず。

 たきなが納得しつつ、組織に迷惑が掛からない勝負。そんなことを考えていた時、千束の家のテレビから番宣が流れる。

 

『逃〇中。今夜7時ぃ~♪』

 

 それはフ〇系列人気番組、逃〇中の番宣であった。

 聞きなじみのある癖の強いナレーションの声、それを耳にして千束が思いついた。

 

「よし、二人で逃走中やろう。たきなさんがハンターで私が逃走者。指定した時間以内に君が私に一撃でも入れたら君の勝ち、一撃も食らわなかったら私の勝ちってことで」

 

 バンッ!!

 

 その千束のざっくりとしたルール説明を聞いて、たきなが咄嗟に持っていた銃を千束にぶっ放した。

 当然千束はいつも通り飛んでくる弾丸を避ける。その千束に対してたきなは舌打ち。

 

「ちっ……」

「まだ始めって言ってないでしょうが!!(怒)それにここ私の家! 物騒な物ぶっ放さないでくれるかな!?」

 

 人様の家の中で銃を容赦なく撃つたきなに千束はキレる。

 さすがに今すぐ開始してしまうと、千束の家の中でたきなとの戦闘が発生してしまうため結果的に千束の家の中がぐちゃぐちゃになる。

 そもそも本家でもいきなり逃走者がハンターの目の前にいる状態から始まったりはしないだろう。

 なので勝負に際してルールを決めなければならない。千束は考え、ルールを決めて改めてたきなに開示する。

 

 今回の逃走中対決、決めたルールはこんな感じ。

 

 ①時刻は現在昼の12時過ぎ。タイムリミットは夕方6時(千束が逃走中を見たいため)。それまでにたきながいかなる方法を用いて千束に一撃入れたら勝ち。

 ②勝負場所は千束達が住んでいる街全域。互いに街から出てはいけない。逆に街中ならあらゆる手段でどこに逃げても良い。

 ③逃走者、ハンターは共に一般人を巻き込んだり一般人に迷惑をかけたりしてはならない。そして移動手段に公共の乗り物を使用してはならない(バスだったりタクシーだったり)。ルールから逸脱した場合その時点でその者が負けとなる。

 ④開始場所は街の駅。そこから10分間逃走者は逃げる時間を与えられ、10分後にハンターは捜索を開始する。

 

 といった内容を聞いて、たきなは思ったことを口にした。

 

「……私ずいぶん不利な勝負内容ですね」

 

 そう、相手は錦木千束。目の前にいたとしても攻撃を与えることは容易ではない相手。

 それを時間こそあれど、広い街の中から見つけ出して一撃を加える。どう考えてもハンターが圧倒的不利な内容なのである。

 千束は反撃こそしてこないだろうが、見つかっても全力で回避してくる。それを一般人を巻き込まずに一撃を入れるというのは、不意打ちやだまし討ちは上等手段、正攻法ではまず無理だろう。

 

「君たちは狙った獲物を逃さないスーパーエージェントのリコリスなんだろう? ならば街中に潜むターゲットを、他の民衆に気づかれることなく打倒する術を数多く有しているはずだ。その立場と能力を余すことなく発揮して私を打倒してごらんなさいよ」

 

 そう千束なりにたきなを煽って見せる。

 これはいつもの二人の勝負であり、たきなのリコリスとしての能力を見定める試験的な内容でもある。

 たきなは個々の戦闘能力は他を圧倒するほど群を抜いている。だが他人との協調性がなく、常に自分の力のみであらゆる場面を解決してしまう。

 だが時としてその個人の能力だけでは成し得ないこともあるだろう。千束としてはそれを身に染みて理解してほしい思いもあったのかもしれない。

 ターゲットは自分。リコリスが相手取る獲物としては最上の敵だろう。普通に考えれば、たきなであっても一人だけでは時間内に街から見つけ出し一撃入れるのはほぼ不可能と思われる。

 

(いつも通り正攻法で挑んでくればまず私が負けるはずがない。たまには思い切り叩きのめして負けを認めさせることも必要だろう。私に勝負を挑んだことを後悔させてやる……)

 

 そんなことを千束は頭の中で思いながら、その後たきなが乗ってきた単車で二人は街の駅まで移動する。

 そして駅に着くなり、千束はさっそく徒歩でたきなの前から姿を消した。

 たきなは10分間そこから動けない。そして10分ほど経ち、千束は駅からだいぶ遠くのところまで離れたところまでやってきた。

 

「さてと10分経ったな。結構離れたところまできたが相手は移動手段(単車)を持ってる。次の手を考えないとあっさり追いつかれる。移動手段は限られてるし、どうしたものか……」

 

 千束に与えられた10分というメリット。今回のルール的には逃げる側がだいぶ有利なこの勝負。

 だが相手はたきなだ。簡単に逃げられる相手ではない、一度見つかれば簡単に撒くことはできないだろう。

 可能ならば一度も見つからずに逃げ切るのが得策だ。その場で一撃食らわなかったとしても、見つかって場所を特定するような手段でも取られれば(発信機を取り付けるなど)一気に千束が不利になるからだ。

 そんなことを色々考えていると、さっそく思わぬイベントと遭遇する。

 道中のコンビニを通りかかった時である、コンビニから見知った相手が出てきて千束に話しかけてきた。

 

「あれ、千束? なにしてんのこんなところで」

 

 買い物袋を持った金髪の小柄の女性、そうクルミである。

 珍しく街まで買い物まで行かず基本的にはネットで買い物を澄ますような人物だが、この時はコンビニまで足を運んでいたのであった。

 

「よう久しぶり、珍しいねコンビニに買い物なんて」

 

 千束は最近仕事が立て込んでおり、知り合いに会うのも一週間ぶりくらいであった。

 

「買い忘れがあってね、ネットだとすぐに届かないから仕方ないから車走らせてここまで来たんだ。まったく無駄なことをしたと思うよ」

「いいんじゃない? たまには仕事以外で外出も必要だと思うよ」

「僕は基本インドア派なんだよ」

 

 そんな会話をしながらとりあえず二人はクルミが止めてある近くの駐車場まで移動する。

 駐車場に着くなりクルミの口から文句が出てくる。

 

「ったくたかが数分の買い物のために車止めるのに駐車料金もかかる。この国は債務者からどれだけ金をむしり取るんだまったく」

「色々と稼ぎまくってんだから数百円くらいで文句言うなよ……」

「んで話途切れたけど、なんでこんなところで歩いてたんだ?」

 

 そう再度クルミは千束に質問をする。

 千束は今自分に置かれている状況を口にしようとするが、そこで少し考えて。

 

(……下手なこと言うとこいつ私の居場所をたきなさんにリークしたりしそうだな。適当にごまかしてさっさとこの場から離れるか)

 

 呑気に会話をしているが、今もたきなが千束を探し回っていることだろう。ひょっとしたら近くにいるかもしれない。

 そしてクルミに下手なことを言ったら最後、面白半分でたきなに千束が近くにいることをチクリ、場合によっては足止めまでしてくるかもしれない。

 基本的にクルミは自分が面白いと思った方の味方をする。ひょうきんな奴だと理解しているからこそ、軽口で勝負しているとは言えないだろう。

 

「私だってたまにはゆっくり外を散歩したいと思うこともあるさ、はっはっは」

「よくわからないが、ていうかお前暇か? なら……」

 

 テンテレレテレレレテンテンテン……♪

 

 と、クルミとの会話中にクルミの持ってるスマホが鳴った。

 誰かから電話がきたのか、クルミがスマホを見る。

 

「電話?」

「……あぁ、ちょっと職場から」

 

 そう言ってクルミが千束の背にして電話を取る。

 

「もしもし? うんわかった。はい……。はいはい、なるほど、はーい」

 

 と、1分ほどで電話が終わり、スマホをポケットにしまうとクルミは千束に会話を続ける。

 

「あぁ悪いね、してお前今暇なの?」

「い、いや暇ではないんだけど……」

 

 クルミの問いに対して、千束は少しごまかすようにそう返した。

 暇かと言われれば、当たり前だが暇ではない。今全力で最強のハンターから逃げてるなんて口には出来ないし。

 だが他者から見ればどうにも暇そうにしているように見えているだろう。そんな千束にクルミは少し不満げそうにこう言葉を続けた。

 

「お前、最近リコリコに顔出してる?」

「……あー、そういえば忙しくて全然行けてないかも」

「そうだろ? 仕事が忙しいのはしょうがない。お前の仕事は普通じゃないからな。だがリコリコはお前の実家みたいなもんだし、おやっさんは親父さんみたいなものなんだろ? だったら空いた時間で顔くらい見せに行ったら?」

「う、うん。でもちょっと今日はその、車も家に置いてきちゃったし」

 

 この場所から喫茶リコリコまでは徒歩で行くには時間がかかる(ルールで公共の乗り物が使えない)。ハンターから逃げながら徒歩で喫茶店まで行くのは至難の業だろう。

 千束はたきなの単車に乗って駅まで来たため長距離の移動手段を自力で用意できないのである。

 かといってクルミを誤魔化すのも難しくなってきた。この場でクルミと討論になって動けないでいるのも非常にまずい。

 そんなことを考えていると、クルミから思いもかけない提案が。

 

「しょうがないな、僕が車出してあげるからリコリコまで連れてってやるよ。昼ご飯もどうしようかと思ってたし」

「……」

 

 そのクルミの提案を聞いて、千束は瞬時に頭を回転させる。

 この場合、移動手段はクルミの黄色いスイ〇ポ。つまり公共の乗り物ではない。つまり"車で長距離を移動できる"。

 すると今度は、一般人に迷惑をかけるかどうかの問題が浮き彫りになる。千束とたきなの勝負に、クルミを巻き込むことが一般人を巻き込むに該当するかどうかである。

 つまるところ、クルミは千束やたきな目線で一般人として該当するか、ということになるのだが。

 

「……クルミよ、お前の戦闘力は例えるならどれくらいかな?」

「どうした急に?」

「ファーストリコリスには勝てないわな」

「そりゃまあ。お前もそうだが人間やめた連中には悔しいが敵わないよ」

「セカンドリコリス相手ならどれくらい戦える?」

「まぁ、5人くらい束でかかってきても勝てるんじゃない?」

「……つまりリコリスを相手取れるやつは申し訳ないが一般人とは言えない。つまり私は一般人じゃないやつが運転する車で移動するわけだから、ルールには引っかからないと」

 

 とか色々と問答を繰り返したのち、自分の中でこれはセーフという結論に至り。

 

「お願いしまーす!!」

「よくわからないが、とりあえず助手席に乗れよ」

 

 というわけで千束は貴重な移動手段を、GETしたのじゃ。

 これで時間と距離が稼げる。車で喫茶リコリコまで10分ほど。

 たきなは千束が移動手段が徒歩しかないと思っているため、これは意表をつくことができるだろう。

 こうしてクルミのスイ〇ポに乗って、千束は喫茶リコリコまで移動。

 その道中……。

 

「あぁそうだ。現金降ろさなきゃなんだ。喫茶リコリコはQR決済に対応してないからな」

「私も時折その話おじさんにするんだけどね」

「今の時代はスマホ決済が増えてきたからなぁ。ってことでちょっと現金降ろしに途中銀行に寄るわ。時間取らせて悪いな」

 

 と、クルミはめずらしく謙虚な物言いをする。

 車を出してもらっているのは千束なのだが、どうにもクルミが親切すぎる気がした。

 だがそこに特に裏を感じることもなく、千束は快く受け入れる。

 なぜなら、時間をたくさん使ってくれるなら越したことはないからだ。

 時刻は14時手前。タイムリミットは18時である。本当ならこのまま18時まで街中を車でうろうろしててほしいくらいである。

 そして現金を下ろして再度出発。その数分後。

 

「……あぁそうだ買い忘れがあるわ。ダ〇ソー寄っていい?」

「いいよ~」

 

 と、今度はダ〇ソーに寄る。

 そして数分ほどしてクルミが買い物を終えて再度出発。

 それにより本来喫茶リコリコに付くまでの時間より10分ほど多く時間がかかる。

 その間たきなは、まさか千束がクルミの車に乗って移動しているなんて思ってもみないだろう。

 といった感じで、14時頃に目的地へ到着。

 千束からすれば久々の喫茶リコリコである。

 

「おじさんひさしぶり~」

「おう千束。会いに来ないから心配してたんだぞ~」

 

 と、約1週間ぶりに千束の姿を見て、店長のミカは安心した表情を見せた。

 ほぼ毎日のように通っていた愛娘のような千束が、仕事の忙しさで姿を見せずに落ち込んでいたのは事実なのであった。

 そして千束とクルミは席について、周りを見渡すと。

 平日だというのに今日は混んでおり、ミカも忙しそうにしていた。

 

「すまんなせっかくご飯食べに来てくれたのに今日は忙しいんだ」

「繁盛してるのはいいことじゃ~ん。いつまでもこの喫茶店が残ってくれないと私は困るんだよぉ~」

「はっはっは。ありがとう千束」

 

 そう親子のような温かい会話を交わす二人。

 そしてその後常連客から声を掛けられ、千束は他愛もない会話をして注文した料理を待つ。

 

「あぁそうだ。料理が来るまで前菜と言ってはなんだがこれでも食べて待ってなさい」

 

 そう言ってミカは、ケーキ一切れを皿に乗せて千束とクルミのテーブルに出した。

 

「え!? いいのこれ食べても? 注文してないのに」

「サービスだ。あとこれは今日臨時で来てくれたバイトの子が作ったものなんだ。おいしいからお客さんにタダで振舞ってるんだ」

 

 ミカのその言葉を聞いて千束が改めて店内を見ると、確かに見慣れない女の子が赤い制服を着て働いていた。

 その赤い制服は、千束が学生時代に喫茶店を手伝っていた時に来ていたお下がりであった。

 

「知り合いの子?」

「まぁそんなところだ。今日は忙しいから数時間だけ入ってもらったんだ」

 

 今のところ忙しい店内なのか顔は見れていないが、長い黒髪を結った女の子の後ろ姿だけが千束の目に移る。

 千束はその時は特にその女の子のことは気にならなかった。料理が来るまでの時間をクルミとチェスをしながら待つことに。

 そして料理を頼んで10分ほど経ち、バイトの女の子が料理を運んできた。

 

「おまたせしました。リコリコランチセットのBです」

「ありがとう。ところで君会うの初めてだね、名前聞いてもいいかn」

 

 と、千束が料理からバイトの女の子に顔を向けた時であった。

 そのバイトの女の子の顔を見る。それは明らかに初めて目にする女の子の顔ではなかった。

 なぜなら千束は、その子の顔をよ~く知っていたからだ。好みの顔だし、そして忘れたくても忘れられない少女の顔であった。

 髪型がいつもと違うから後ろ姿では気づくことができなかった。その少女は料理を机に置くと、次に喫茶店のバイトの少女が持っているわけのないものを取り出し千束にそれを向けた。

 どっからどうみてもそれはデトニクス.45コンバットマスターにストライクプレートをつけたモデルの拳銃。

 そしてそれを千束に突き付けて、少女は口にする。

 

「こちらセットを頼まれたお客様につくおまけの銃弾になります」

「コ〇ダ珈琲のおまけでついてくる豆菓子のノリで物騒なこと言わないでもらっていい? てかなんでお前がここにおんねんたきなさんんんん!?」

 

 そう物騒なことを言う少女に対して千束が冷静にツッコミを入れる。

 もうお分かりだろう。バイトの少女の正体は井ノ上たきなである。

 なぜか、どうしてか、千束がリコリコに到着するより先にバイトとしてリコリコに潜入し千束を待ち構えていたのだ。

 

「っていうか待て待て! 他にも客いるんだぞ!? そんなもの今すぐ仕舞いなさい!!」

 

 そう焦って千束は他の客の動向を気にする。

 喫茶店に潜入したエージェントが拳銃なんて取り出しているこの状況、他の客の騒ぎにでもなったらどうするのか。

 そんなことを危惧していた千束だが、どうにも思っているより喫茶店内は静まり返っており。

 

「この料理美味しいねぇ~」

「そういえばこの前さ~」

「あぁ~。締め切りが近いわ~」

 

 といったように、拳銃を構えるバイトの少女などまるでこの喫茶店内に存在していないかのように他の客は見向きもしないのである。

 その珍妙は状況に対し、千束は死んだような目で虚無のような表情を浮かべる。

 そしてミカの方を見る。ミカはゴホンゴホンと咳払いをして何かを誤魔化そうとしている。

 その後今度はクルミの方を一瞥する。千束のその視線は冷たく、怒りに満ちているような表情。

 千束に視線に対してクルミは、つい見ていられなくなったのか視線をゆっくりとそらし始めた。

 つまり、この状況は……。

 

「こいつら全員グルかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そう、ここにいる千束以外の人間。喫茶店の店主から店の客に至るまで全てたきなに協力している人たちであった。

 そしてそのパイプ役がクルミだろう。確かに妙にクルミが優しいとは思っていたが、きっと車に乗れと提案した辺りではすでにこの計画は仕込まれていたのだろう。

 これにはさすがの千束も予想できなかった。たきなは千束を追走するのではなく、特定の場所に千束を嵌めるように動いていたのである。

 なら問題は、コンビニで千束のクルミが偶然遭遇した辺りから仕掛けが始まっていたのか。といったところだが。

 

「一応補足しておきますが。クルミさんと千束先生が遭遇したのは全くの偶然です」

「ぐっ! じ、じゃあどこでクルミとコンタクトを……。あ、あの職場からの電話ってもしや!?」

 

 あの時……。

 千束とクルミはクルミが止めてあるスイ〇ポの駐車場に着いた時である。

 DAは街のありとあらゆる監視カメラにアクセスすることができる。それにより場所を駅付近の絞って監視カメラを見たたきなは、クルミと千束が一緒にいるところをたまたま発見したのである。

 そしてたきなは作戦を練る。このまま千束がいる場所に行くのではなく、逆に千束を特定の場所へ誘い出すという作戦を。その場所に指定したのが、喫茶リコリコである。

 その後たきなはクルミに電話をかける。たきなとクルミが繋がったとするなら、クルミと千束が会話している最中に鳴ったクルミのスマホの着信である。

 あれがたきなからの着信だったとするならば、辻褄が合う。

 

「お前と遭遇して間もなく唐突な狂犬ちゃんからの電話。謎に街を散歩とか言い出す千束とバッタリ会った途端の電話だ。着信画面を見てすぐに状況を察したよ」

「さ~すがクルミさん! 私の一方的な電話内容に的確なアドリブで返してくれましたよ」

 

 そう言ってたきなとクルミがハイタッチを千束の前でわざとらしくする。

 千束はまんまと罠にはめられたというわけだ。

 

「だから途中に金下ろすだのダ〇ソー寄るだの……。あれはたきなさんが先にリコリコに付いて準備をするための時間稼ぎか?」

「えぇ、事情を説明したら店長さんやお客の皆さんが快く協力を承諾してくれましたよ」

「なんでそんな!? 私なんか悪いことした!? 確かに最近店には顔出してなかったけど、それによる罰かなにか!?」

 

 千束は困惑する。なぜ皆がたきなにすんなり協力をするのか、そして自分を陥れようとするのか。

 それに対してクルミは半笑いでこう答えた。

 

「千束、お前が無様に負けて悔しがる姿が見れるなら、僕たちはタダでも引き受けるよ」

「やかましいわ! っていうかたきなさんその制服私が働いていた時に着てた制服なんだけど!? 勝手に着ないでよ!!」

「……(スンスン)」

「匂いを嗅ぐな!」

 

 たきなは千束にそう言われて、嫌そうな表情を浮かべてつい制服の匂いを嗅いでしまった。

 とくに変な匂いがするわけではないが、なんか心外だと千束は傷つく。

 

「くっそふざけんなよ。私はこの喫茶店のオーナーの娘だぞ。こんなことしてタダで済むと思ってんのか!?」

「千束先生。この喫茶店にいるお客さんたちは、かつてあなたに辛酸を舐めさせられた者達だ」

「うぐっ!」

 

 そうどこかで聞いたような流れの会話でたきなに論破される千束。

 改めてこの状況だが。千束は逃げようがない。

 喫茶店という室内に閉じ込められている状態。ハンターのたきなの他、周りの人間すべてが千束を見張っている。

 千束お得意の姑息な算段で逃げおおせるのは不可能。だがそんな状況に置かれても、千束はまだ策を練ろうとしている。

 

「とりあえず銃弾を避け続けて様子を探るか……」

「おいおい千束。お前が狂犬ちゃんの銃弾を避けるってことは喫茶店内で銃弾が着弾する。そうなったらそれは一般人に多大な迷惑をかけてるってことにならないか?」

「先に銃発射するやつを咎めろよ!?」

「お前が身体を張って銃弾を食らえばいい話だろ。この場合銃を撃ったやつより銃弾避ける奴が悪いってことになる」

「おかしくないかなぁ!?」

 

 そうクルミの理不尽な理屈に対して千束は抗議するが。周りがたきなの味方をしている以上どうあがいても千束が100悪いということになってしまう。

 基本的には逃げられず、下手なことをすると千束の負けが確定するこの状況。

 だが千束は諦めずに思考を巡らせる。往生際の悪い千束に対して、ミカはこう優しく声をかけた。

 

「千束、諦めてあげなさい」

「おじさん……」

「今回の勝負に際して、たきなちゃんが立てた作戦は完璧だった。それはたきなちゃんの指導者として素直に褒めてあげるところじゃないのか?」

「……」

 

 ミカにそう言われ、千束は多少同調する。

 今回の勝負で、千束はたきなが"他の人を頼る"という選択をするとは思ってもいなかった。

 これは立派に千束の裏をかいた、千束に確実に一撃を入れるというたきなの立案した作戦が功を奏したということ。

 結果的にこの状況を生み出している。これはもう負けても恥にはならないだろう。

 たきなの勝ちに多大な誉を得るものになるだろう。それは、教師として素直に賞賛すべきものではないだろうか。

 

「今回の成功体験は、たきなちゃんをまた一つ強くすることだろう。だから千束、今回は素直に負けを認めるのが私としては一番最良の選択だと思うぞ」

「……」

 

 そうミカに説得され、強張っていた千束の表情が緩やかになったような気がした。

 ここでようやく千束は負けを認めたか、それはわからないが、たきなは改めて銃を千束に向ける。

 

「出力は最低限のものにしてます。痛いものは痛いですが……」

「……そうかい」

 

 そう観念した千束、たきなが銃の引き金に指をかける。その時だった……。

 

「……ただぁ!」

「……」

 

 ここにきてまた悪あがきか。

 周りの人間もあきれ果てている。千束はこれ以上何を口にするのか。

 

「なんですか?」

「その、今の君は喫茶リコリコの店員なんだろ?」

「そうですけど」

「私は一応この喫茶店のオーナーの娘だ。つまり喫茶店の関係者だ。だから口出しさせてもらうんだが、例えこの状況が仕込まれたものであったとしても、リコリコの店員がお客に銃を撃つというのは看過できない」

 

 その千束の発言に対して、周りの客やクルミ、ミカは賛同する。

 それは店主であるミカを実の父親と慕うからこそ心から出た言葉であった。

 店主からお客まで悪乗りでやったこととはいえ、店員が客を傷つけるという事実が、喫茶店内であってはならない。それが千束の想いであった。

 その言葉の重みに関しては、勝利を欲しているたきなも、冷静に自分を見つめなおして銃を下ろした。

 

「……それに関しては、あなたの言う通りですね」

「わかってくれればよろしい。ってことで私は一度店の外へ出よう、そうすれば私はお客では無くなるわけだから、銃で撃たれても問題ないというわけで」

「……外に出た瞬間全力疾走でその場から逃げ出そうとか考えてませんか?」

 

 ………………。

 

 店内に静寂が流れる。そして周りの人間の冷たい視線が千束に振りかかる。

 

「……なら店の外に出てから5秒間その場から動かないという制約もつけよう。5秒あれば私に一撃入れられるでしょう?」

「……わかりました。ではそれで」

 

 こうして千束は両手を上げた状態で店の出口の方へ身体を向ける。

 そこから数歩下がった後ろを、たきなは銃を構えた状態で付き添う。

 一歩、また一歩と二人は店の外へと足を運ぶ。他の人たちは何を見せられてるのだろうかとも思ったが、貴重な千束の敗北シーンを見逃してはなるまいと皆で見つめる。

 

「さすがにこの状況からなんかやらかさないだろうか……」

「いくら千束でも、もう手はないと思うが……」

 

 クルミとミカは一応千束が不正を働かないように見つめていた。

 一歩、そして一歩とゆっくりと出口へと向かっていく。

 

(距離、場所は問題ないはず。あとはもう、この手しか残されていない。一生のうちで、一番長い40秒だ)

 

 そして出口の真ん前まで来て、千束が出口の扉の手をかける。

 たきなは、念のため千束から数歩距離を取ったところで銃を構えている。間近にいては、何かの手段で動きを無力化するといったことをしてこないとも限らない。

 そう、その数歩距離を取るというたきなの選択。それが、この勝負の明暗を分けた。

 この後、千束以外の誰しもが、思いもよらぬ衝撃の光景が映し出される。

 

 ガシャン!!

 

「!?」

 

 大きな音が鳴る。その瞬間、たきながその場から姿を消した。

 何が起こったのか、一瞬で皆状況を把握できずにいた。

 そしてその場所を見ると、たきながいた喫茶店の床が真っ二つに割れていた。

 たきながそのせいで、喫茶店の床の下に落下したのであった。

 

「はあーーーーーーーーーー!?」

 

 その光景に驚きを隠せないクルミ。

 そしてその状況で、冷静なのは千束だけだった。

 千束はあの場で、あの状況で、最後の仕掛けを討ったのであった。

 そう、それはこの喫茶店の一部の人間しか知らないとんでもないギミック。

 喫茶リコリコには、落とし穴ギミックが仕掛けられており、それを千束が発動したのであった。

 

「出口手前の床を、1秒の感覚を開けずに右で3回、左で1回足踏みをする。やはり私はこの仕掛けを覚えていた……」

 

 その言葉と同時に、焦りに支配されていた千束の表情が、勝ち誇った笑みへと変わる。

 そしてそれから数秒ほどして、ミカもその仕掛けについて思い出し。

 

「あーーー!! あれはこの喫茶店を立ち上げた時にノリと勢いで作った迷惑客撃退用の落とし穴ギミック!!」

(何してくれてんだこの親父!!)

 

 そのミカの言葉を受けて周りの客が頭の中でミカを盛大に批判。

 そして目線を店の外に出た千束の方へ向ける。

 店の外に出て5秒間動かないという制約を、千束は余裕をもって5秒数えていた。

 

「5、4、3、2、1、ゼロ―――!! はーい千束動けまーす!! なのでこの場から逃げまーす!! あぁおじさん自転車借りてくね~! 勝負終わったら返しにまた来るから! じゃあね皆さん、私は負けませーん!!」

 

 といってついでに自転車という移動手段までゲットし、千束は意気揚々とその場から逃げ出してしまった。

 あともう少しだった。たきなの勝利は目の前だった。だが千束の最後のとんでもない奇策が飛び出し、決着はつくことが無かった。

 

「あーーーーーもう! もう少しだったのにーーー!!」

 

 協力していたクルミも心から悔しがっていた。

 

「店長さん、あとで話あるんだけど(怒)」

 

 そして他の客から一斉にミカへの大クレーム。

 その客達をたしなめるミカ。そして視線は落とし穴の方へ。

 

「っていうかロープかはしご持ってきて! たきなちゃん助け出さないと!!」

 

 客の一人がミカにそう指示をする。

 落とし穴の深さは3m(どんだけ深い落とし穴作ったのか)。自力では脱出することはできない。

 と、思われていたのだが。

 

 ガッ!!

 

「……」

 

 念のためもう一度言っておくが、落とし穴の深さは3mである、

 だが落とし穴の出口付近にたきなの手が見えた。

 そしてロープやはしごを使うことなく、たきなは自力で落とし穴から這い上がってきたのである。

 そのたきなの長い髪の毛が前側に垂れてたきなの顔が見えない状態になっている。嫌でも他の人たちにはあれを連想させた。

 

(貞〇?)

(〇子だ……)

 

 その様子は井戸から這い出てくるあの有名ホラー映画の名物キャラにそっくりだった。

 そして髪をかき上げて、たきなは出口の方をとんでもない表情で睨みつけてそれもまんま貞〇だった。

 結局たきなの立てた作戦をもってしても、千束を仕留めることはできないという結論に至った。本当に惜しかったのだが。

 

「……みなさんすいません、ここまで協力してくれたのに」

 

 千束への怒りを一度収め、まずは自分に協力してくれた人たちへの感謝を口にする。

 

「大丈夫か狂犬ちゃん。なんだったら僕も手伝おうか?」

「いえ、クルミさんにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないので。それに、こうなった時のための"仕掛け"はもう討ってあります」

「……そうか」

 

 なにやらたきなには、まだ千束に勝つための秘策があるらしい。

 そしてたきなは改めて皆に礼をして、千束を追いかけるため店の外へと出ていく。

 これから困難に立ち向かう彼女に、ミカは一声かける。

 

「たきなちゃん!」

 

 そのミカの声に、たきなは強い眼差しを向け振り返る。

 

「……一応15時まで店手伝うって約束だから、ちゃんと働いていってね」

「……」

 

 千束とたきなの逃走中対決は、2ndステージへと続くのであった。

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