リコリス・リコイル~3年D組の千束先生   作:トッシー00

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第15話です。


第15話:chapter1-5-サイレントな協力者

「時は来た!!」

「「おー」」

「我々喫茶リコリコの面々は、都会の中心地で武装した女子高生と出会ったのだ!!」

「「おー」」

「……君たちなんでそんなにやる気なし棒読みなんですか? もっとほらテンションアゲてさー」

 

 DA学園の教頭との電話から数日後。

 クルミの仕事の休みと喫茶店の店休も被り、千束を襲った謎の女子高生の捜索日和となった今日この日。

 なぜか事件に巻き込まれた張本人はいたって張り切っているという謎の光景に、ほかの協力者二人は全くやる気を出さない。

 

「僕たちはこれからピクニックに行くわけじゃない、武装した女子高生を探すとかいう物騒な事件性のあることを、貴重な社会人の休みを使ってやらなきゃいかんというのになぜテンションを上げなきゃいけないんだ? お前はいいよなまだ無職なんだから」

「無職言うなや! 内定はもらってるんだぞ!」

「……その内定いただいている学校がお前をターゲットに刺客をよこしたんだがな。本当に大丈夫なのか? 出方によっては内定取り消されるぞ?」

「うぐっ……」

 

 クルミの言う通り、これから千束を教師として出迎えようとしている学校は、今千束にとって立ちふさがる敵という矛盾の現実。

 刺客を差し向けてくるとして、その刺客が学園の生徒である以上、就職予定の千束が下手にケガを負わせてしまえば、学校側としては内定を取り消すだろう。

 だがどんな状況であれ、まずは千束がどうして狙われるのか。そこにどんな目的があるのか。

 それを知る必要があるのである。それによっては、この街の安寧がかかっているという考えられる。

 

「まあまあクルミ。もしなんかあって就職先がなくなったら私の手伝いをしにくればいいさ」

「おじさ~ん。その時は私、喫茶店の看板娘になるよ~」

「もう娘って歳でもないくせにんぎゃ!」

 

 ミカの親心のやさしさに触れ感激する千束。そしてそこに横やりを入れるように余計なことをいうクルミに千束は平手で頭を叩いた。

 

「だがしかしだ。相手は女子高生とはいえ拳銃を所持している。そんな奴らに丸腰で相手取るつもりかお前たち」

「……そこなのよね。まあ相手がどれだけの人数で来るかはわからないが、やはり牽制がてら何かを持って行った方がいいのかなぁ」

「僕も、せめて木刀があれば……」

 

 千束もクルミも、徹底抗戦の構えをするわけではない。

 目的は相手の調査。真っ向から戦いつぶすのが目的ではない。

 故に武器の所持などは無粋だろう。だが丸腰ではただ一方的にやられて終わりという味気ない結果にもなるだろう。

 自己防衛の武器の所持も考えたが、用意するには至らなかった。そんな二人を見てミカはやはりといった顔でこう切り出す。

 

「……店の奥で保管してあるぞ」

 

 そう言ってミカは店の奥の倉庫から何かを持ってくる。

 それはかつて、千束やクルミがこの街の争いに巻き込まれていた毎日で使用していた道具たちであった。

 街の抗争で勝ち続ける上で、ミカが経験と実績で発明したその武具や小道具の数々。

 千束達からすれば戦いの青春を共にした仲間ともとれる。彼女たちを立派に支えてきた物たちである。

 

「また懐かしいモノ引っ張り出してきて。もう使うことはないと思ってきたが……」

「この世に争いは絶えないというわけか。おやっさんも粋なことをしてくれる」

「……本当はもう、こんなものをお前たちに手にしてほしくはなかったんだが。これはお前たちが自分や、大切なものを守るためにまた必要になるかもしれないと思ってな」

 

 二人をつねに大人として支え続けてきたミカの心遣いに、千束とクルミは心打たれつつ感謝を表情に出した。

 これがあれば、相手がどれだけの戦力だろうが負けないと、自信に満ち溢れる二人。

 クルミはかつて使っていた刀を手に、千束は数多くの小道具を手に取り。

 こうして謎の女子高生相手への対策も所持したところで。ようやく街へと出向くことになる。

 その前に、クルミが千束にこんなことを口にした。

 

「実はだ。二人だけだとさすがに戦力として不安だったから、一人協力を取り付けた」

「協力?」

「あぁ。かつてこの街で沈黙、不動明王と恐れられた。サイレント・ジンだ」

 

 クルミが口にした協力者、サイレント・ジン。

 かつて千束達アラン機関と対峙した敵対勢力、そしてなんやかんやで同盟を結び最終的には味方に加入した男。

 その実力は当時の者たちからは【沈黙】【不動明王】の二つ名で恐れられたやり手である。

 気づいたときにはそこにいて、得物を構えた時にはすでに勝負は決している。

 故に沈黙――サイレント。千束やクルミともけして引けを取らない人物。

 そんな人物が協力してくれるとならば、もう何人襲い掛かってきても負けはないだろう。

 

「マジか!? あいつきたらもう勝ったも同然だな!!」

「だろう~? あいつもお前の危機なら協力してもいいっていう話よ」

 

 千束もジンの協力にはまさに鬼に金棒といった風に喜びを表情に浮かべた。

 ジンはかつて千束をリーダーと慕った男。千束も認める実力者。

 

「中心街で待ち合わせってことになってるから、とりあえず行くぞ」

「よ~し。待ってろよ謎の女子高生集団!!」

 

 こうしてクルミとなぜかターゲットになっているはずなのにやたらテンションが高い千束は、いよいよ武装した女子高生と相対することとなる。

 

「おじさんもなんかわかったら教えてよ~」

「はいはい、二人とも気を付けてなぁ~」

 

 店の外にて、千束とクルミを送り出すミカ。

 ミカは店に残ってパソコンで二人のサポートに徹する手はずになっている。

 彼の元には、様々なところから情報が入ってくる。今なお古巣からの信頼も厚いほどに、横の繋がりが多い人物なのである。

 

 ――――――数時間後

 

 クルミの自家用車に乗り中心街へ。

 土日と言うこともあり住人達がいつもよりも多く活気があふれている街中。

 かつては争いが絶えず暴力と狂乱で溢れかえっていたこの街も、今は青空の元、穏やかな毎日が住人を包み込んでいる。

 住人の笑顔、笑い声、何気ない日常。

 それを普通だと感じる日々に感謝ができる。久しぶりに街に戻ってきた千束からすれば、他からすれば大したことがないことであろうとも、うれしいと感じるものであった。

 

「さて中心街に来たわけですが。ここらへんでゲストと待ち合わせをすることになっているんですが~」

「街ロケかよ。これから物騒なことになるかもしれないんだぞ」

 

 吞気すぎる現状ターゲットになっている女とそれに軽くツッコミを入れる友人。

 物騒なことに対することへの体制が付きすぎているからか、危機感などまるで感じず普通に街探索を満喫している二人。

 歩いて数分、千束の言うゲストらしき人物がスマホを操作して二人を待っていた。

 大柄で挑発の男。風貌からはとても感じられないがこれでも千束やクルミより1つ年下である。

 

「あらジンくん~。久しぶりだねぇ。元気だったか~い?」

「……」

 

 手を大きく振り陽気に挨拶をする千束に対し、ジンは無表情、そして言葉を一切発せず千束の方に顔を向ける。

 この男の沈黙という二つ名の由来には、戦闘スタイルのほかに、無表情かつ無口というそのキャラクター性からもきていた。

 一見するとなんだこいつはと思うこともあるだろうが。千束達からすればこのキャラクターにも慣れたものであった。

 そんな彼には、無口無表情とは別の特徴的な部分がある。

 

「……」

 

 言葉を一切話さないで、ジンはスマホを触る。

 手元を見ると女子高生でも驚くくらいの高速フリック入力である。

 そして数秒で千束のスマホにメッセージが届く。

 

『久しぶり~(*^^*)。リーダー全く変わってないねぇ~( ゚Д゚)』

「……目の前にいるんだから口で言えばいいだろうが」

 

 彼は無口で無表情。故に他人とのコミュニケーションに会話ツールを使用する。

 それも本人のキャラからはとても想像が続かないくらいほど文面がやったら軽々しいものなのである。

 クルミが言った通り目の前にいるのでわざわざ文章で会話をする必要などないのだが、彼のよくわからない拘りなので一切直すつもりはないらしい。

 

『リーダー(千束のこと)。また厄介な奴に付け狙われてるんだってぇ(?_?)』

「そうなんだよ聞いてくれよぉ。街に久しぶりに戻ってきてライフイズビューティフルしようと思ったら女子高生に銃で撃たれたの。しかもどてっぱらに3発だよ大変だよ」

『女子高生に銃を腹部に突き付けられて撃たれまくるなんて大変だったねぇ~(/ω\)』

 

 傍から見たら千束がスマホを操作している無口の男性に一方的に話しかけて無視させているようにしか見えないのだが、本人は気にしていないようであった。

 そんな感じで昔馴染みの仲間との会話を堪能しつつ。噂の女子高生の探索をつづける。

 途中何人かDA学園の制服を着ている学生を何名か見かけるが、普通に認知されている黒色の制服であった。

 時間は刻々と過ぎていき、昼下がり。ここまででなんの情報も得られていない。

 朝から何も食べていないこともあり、3人はとりあえず近くの喫茶店に入ることに。

 

「……ただの休日じゃないかこれでは」

「そもそも本当に女子高生に銃で撃たれたのか? 映画の見過ぎで現実と空想の区別がつかなくなっただけじゃないのか?」

「本当のことよ! 赤い制服の顔が綺麗な女の子に!!」

 

 千束の言っていたことが今になってもよく信じられていないクルミは再度千束に事実確認をする。

 当然それは思い込みでもなんでもなく事実起こったことであると千束は必至な表情で返してくる。

 

「まあ確かに誰もいない夜道ならともかく、普通に町中に銃持ってそんな奴は現れないか。ひと気が少なくなるまで待つか?」

 

 飛んで火にいる夏の虫というほどあっさりと待ち人は簡単に現れないだろう。

 調査を始めて1日目。千束としてはなるべく早めに決着をつけてしまいたいところであった。

 何せ勤務が始まるのは2週間後。まだ実態がなにもつかめていない。

 自分が教師として出向く高校が、生徒に銃を所持させている。それが誠な事実であるならば、そんなところにいるのが危険だからである。

 だからといってその事実に対し無関心を通せないのが、千束という人間であるのもまた事実。

 

「……怪しいなら内定辞退して、普通に別の仕事したらどうだ千束? お前だったら何にでもなれるし、どこからでも声掛かるだろ?」

「そんなわけにいくか! 教師になるのは私の夢だったんだから!!」

 

 クルミの何気ない提案に対し千束はムキになったようにそう返した。

 その千束の言葉に対し、クルミはどうも哀しそうな表情を浮かべ、彼女にこう言葉を返した。

 

「そのお前の夢は、何かに"とらわれた"ものなんじゃないのか?」

「……なに?」

「お前は教師に"なりたい"じゃなくて、"ならなきゃいけない"と。お前、今もまだ捕らわれていないか? 僕たちに争いを強制した"あの女"に」

「……」

 

 クルミに自分が隠し続けていたい、秘匿し続けていたいうちに潜むものをほじくり返されているような気分になり、千束の表情がゆがむ。

 千束にとって教師という存在は、学生を導く完璧な大人像。

 それは千束が想像や物語から感じた理想とするものである。

 だが彼女やクルミが学生の頃、アラン機関高等学校の教師というのは、彼女たちにとっては忌むべき存在であった。

 出来の悪い生徒など人として扱わず。優秀な生徒の肥やしとする言ってしまえば悪く、汚い大人であった。

 千束は優秀で出来の良い生徒、クルミは暴力にまみれた掃き溜めとして扱われた生徒。

 千束はそんな差別的な現状を、そしてそれらが渦巻く周りの劣悪な環境をなんとかしたいと必死にもがき。

 その彼女の心を利用した悪い大人によって、本来味わうべき青春を全て犠牲とした偽りの正義の集団というものの中心人物へと作り上げられた。

 結果としてアラン機関は街の正義として扱われたが、その称賛は全て利用していた大人たちに奪い取られ。

 全てが終わるころには、千束達に残されたものはわずかな学生生活と、虚無感だけとなった。

 

「銃を持った女子高生と対峙した時、お前は自分の身の危険よりもこう思ってしまったんじゃないか? 私たちのように学生に武器を持たせている大人が、まだこの街にいるのではないか……と」

 

 そうクルミに今自分が抱え込んでいる想いを次々と看破されているどうにも絶妙な空気感が漂っていたが。

 その空気感が、すぐに別のモノにかき消されることとなった。

 

 カラン♪

 

 喫茶店の扉が開く音。

 そして今自分たちがいる喫茶店に、一人の女性が駆け込んできたことを皮切りに始まる。

 

「はぁ……はぁ……。助けて! 悪い男たちに追われてるんです!!」

「「嫌です」」

「即答!?」

 

 悪い男に追われ助けを求める一人の麗しき女性。そこから始まる物語もあるはずである。

 だがそんな物語など始めさせてたまるかと言わんがごとく、電光石火の速さで千束とクルミはその助けを断った。

 

「普通は「どうしました?」くらい聞くものじゃないの!?」

「んなもん映画かバラエティ番組の見過ぎですよ。なんですかこれモニ〇リングの収録ですかこれ?」

 

 あまりの速度で断られた女性のツッコミに対し千束が冷静にそう返した。

 そもそも普通の日常で今どき悪い人に追われているから助けてくださいなんてことなど起こるはずがない。

 明らかに非日常的なこの現状は、検証番組の企画くらいでしか起こりえないだろう。

 それ以外にあるとしたら、千束を中心とする得体の知れない何かが、すでに近くに来ているということだろうか。

 千束達は何気ない会話をしつつ、自分たちが喫茶店に入った後の場の変化に何かしらの違和感を感じ続けていた。

 喫茶店に入店してから一定の間隔で他の客が退店していき、わずか数十分ほどで客が千束達だけになっていく。

 そして客が減るにつれ、ウエイトレスのバイトをしている"学生"が、何かをカウントするように電子機器を操作していたこと。

 普通なら全く気にもならない小さな変化の連鎖。だが千束はあえてそこに気を張っていた。

 客が千束達だけになってそれまた一定のタイミングでこれだ。こうなってはもうすでに、獲物を捕らえる準備が始まっているということ。

 

「おい待てやこの女!!」

「わしらから逃げられると思うんじゃねえぞこらーーー!!」

「たっぷりと礼はさせてもらうぜ覚悟するんだなこr」

 

「うるさーーーーーーーーーーーい!!」

 

 その後まさに狙ってきたように入ってきた強面の男たちをこれまた電光石火の速さで店の入り口から蹴り飛ばす千束。

 あまりにも茶番すぎる一連の流れが、千束にとってはあまりにもつまらなかったらしい。

 それならベタでもいいから直接街中で集団でいきなり仕掛けでもしてきてほしいくらいであった。

 

「誰だこの脚本考えたやつ!! アルバ〇ロスでもこんなB級映画撮らねえよ!!」

 

 アルバ〇ロスとは低予算でB級映画を世に出し続けている映画配給会社である。

 基本的に有名作品のチープな作品ばかりであり、一部のマニアから受けがいいらしい。

 まあ中にはア〇リなどヒットした作品もある。補足ですが。

 

「い、一瞬で蹴散らした……」

「ほらほらお姉さんお逃げなさいや。あとは私たちでシメておくから……」

 

 そう言って千束は助けを求めてきた女性の両肩に手を置いてすぐにこの場から離れるようにと誘導。

 ちなみに今に至るまでのやり取りに3分も時間がかかっていない。

 

「さてさて強面のエキストラの方々。この茶番はどういうつもりか聞かせてもらおうか?」

「うぐっ……。ちゃ……茶番がなんなのかは知らないが。あのクソ女に逆ナンされて、そしたら急に街中で大声で叫びだして俺らに痴漢されてるとか言い出し始めるから追いかけたらここに……」

「あっはっはこりゃ傑作だ! うまいこと利用されたなあんたたち~」

 

 どうやらこの男たちは仕込みではなく、千束達と争いをさせるために先ほどの女にうまいこと利用されていただけであった。

 それもそれでなんというかかわいそうな話ではあるが。

 

「つか姉さんよぉ。いきなり俺らに蹴りかましといて、笑って済まそうとか考えてないだろう……!?」

 

 奥の方の男がそう言って千束に突っかかろうとしたその時。

 店の奥から出てきたクルミとジンを目にして全身を固めた。

 

「おいおいなんで。狂瀾怒濤のウォールナットと沈黙――サイレント・ジンがここに!?」

「なんでってただの休日だよ。だめなの? ウォールナットが喫茶店でコーヒーブレイクしてたら」

「いやいやいやいや!! そんなこと全然ないです!」

「……なんでこんな小さい女に怯えてるんですkむぐっ!?」

「少し黙れ! 聞いたことないのかウォールナットって名前を!! かつてアラン機関とかいうやべえ集団、その中でもいわくつきでやべー人だよ!!」

 

 どうやらクルミやジンのやばーい逸話は、今の若者や当時をよく知る人たちにも知られているようであった。

 中には当時の抗争の時には小さい子供だった人もいて理解していない輩もいるみたいだが、とにかくアラン機関を知る者たちの大半は、その恐怖は伝播しているようであった。

 この街の戻った平和の裏には、かつての抗争を支配していた者たちの支配が根付いている。

 アラン機関の支配が伝わっている広い街の中で絶対に問題を起こしてはいけないと言われているいわくつきの場所がある。そう、千束達が根城にしている喫茶リコリコもその一つなのである。

 

「……ひょっとして今もあのメンバーって残ってるの?」

「少数だけど何人かはこの街に残ってるぞ。流石にあの頃みたいな凶悪なことはしてないから安心しろ。僕やジンも含めて」

 

 10年前の伝説とされている者たちは今もこの街に強い影響を与えているのだとクルミは語る。

 そんな中で最も最強にしてそれを従えていた人物が街に帰ってきてしまっているのだが。

 

「まあいいや。せっかくだからお兄さんたち。DA学園の色違いの制服を着たヤバイものを所持した女子高生の噂って知らないですか?」

「DA学園? ああ3年前に新しく新設した最新鋭の学校のこと? なんでもAIとか取り入れているとかいうあの?」

「そうそう。その制服の色違いなんだけど」

 

 そう言って千束はDA学園の制服の写真を男たちに見せる。

 この制服の色違い。その写真を目にした時。

 何人かの男たちが戦々恐々とした表情を浮かべた。

 それは何かを知っていそうな表情であった。

 

「……ひょっとしてこれの、"白"とか"紺色"とかっすか?」

「私が見たのは赤色なんだけど。つまり白と紺色の制服があるってこと?」

「赤色は見たことないっすけど。身内から噂で聞いたことある。一見普通の女子高生なんだけど、拳銃を持ち歩いてたって?」

「(ビンゴ!!)その女子高生のこと詳しく教えて!!」

 

「そいつらのこと、巷ではリコリs――」

 

 そう男が、謎の女子高生の詳細を口にしようとした、その瞬間であった。

 高速で飛んできた一発の銃弾が男のこめかみを直撃した。

 そしてそれは直撃した瞬間に破裂し、まるで血しぶきのような霧状の物体がその場で飛び散る。

 それはまさしく、千束が食らったというフランジブル弾のそれであった。

 激しく吹っ飛ばされる男。そして次々と男たちに銃弾が撃ち込まれた。

 気が付けば、男たちは殲滅されていた。

 千束達は、銃弾が飛んできた方向に目を向ける。

 そこにいたのは、先ほど男たちが話をしていた"紺色の制服"を着た女子高生が二人。

 うち一人が、ターゲットを捕捉しニタリと笑顔で、宣戦布告かと、口からこう言い放った。

 

「――さあ、狩りの始まりっすよぉ~」

 

 ――乙女サクラ。

 錦木千束を始末するために送り込まれた。"二人目の刺客"である。

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