リコリス・リコイル~3年D組の千束先生   作:トッシー00

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第18話です。


第18話:chapter1-6-狩人と獲物

 狩人に睨まれた獲物が取る反応など、大抵は二つの行動が予測できる。

 狩人に狩られまいと犯行をするか、その場から全力で逃げだすか……である。

 なぜなら狩人と獲物の力関係とは、狩人の方が大きくなりがちだから。

 その理由の一つに、優勢に立つために所持するもの。すなわち武器を所持していることが大きい。

 人を襲う獣がそこにいたとして、襲うはずの人が拳銃などを持っていれば、その拳銃がその獣を逆に刈り取るのだ。

 そんな獣相手でも、拳銃という武器はそれを黙らせることができるのだ。当然、丸腰の人間が銃を突きつけられれば、それはもう逃げるという選択肢が真っ先に頭をよぎるだろう。

 

 今この場で、排除すべきターゲットを目の前にして銃を突きつけ、その状況に対して余裕の表情を乙女サクラは浮かべている。

 余裕なのは当然だ。飼ってしかるべき立場なのは当たり前だ。なぜなら自分たちが狩人で、相手は得物だからだ。

 得物を見下し余裕を醸し出す以上、獲物がどういう行動をとるかを悦に浸る権利はこちらに与えられる。

 

「さ~て、無謀にかかってくるんならぶちのめすし。全力で逃げても確実に排除する! どうあがいてもあんたたちはもうおしまいだ!!」

 

 そう歌舞いてみせるサクラ。

 そんな彼女に対して、得物と化した千束がどういう反応を見せたか。

 それは、彼女をよく知る身内なら、想像にたやすくないものであった。

 

「お~。かっこいいね~。さながら私に対して、お前の心臓をぶち抜くぜ……ってやつ?」

「……う、うん?」

「ていうかそんなもんでむやみに人を撃ったら危ないでしょ。さっきの男の人たち怖がって逃げちゃったよ、実弾じゃあなさそうだけど見た感じ人に当たると危ない代物でしょそれ? そんなもの振り回してないで家に帰って勉強でもしなさいしなさい」

 

 狩人に睨まれた獲物、にしてはどうにもこの場をわきまえない様な態度と発言をする千束。

 そこにあるのは余裕なのか、それとも状況を理解できていないだけなのか。

 どうにも予想外すぎる反応をしてきたので、サクラが困惑していた。

 

「にしても痛そうだったなさっきの連中。あれがお前がどてっ腹に3発も食らったフランジブルなんたらって弾か?」

「そうそう本当に銃で撃たれたっていうくらい今死ぬかもしらんってくらい痛かったんだぞあれ。玩具にしては子供に与えていい物じゃない」

 

 と、狩人の少女の前でもそれをまったく気にもしないでクルミと千束が呑気に会話をし始める始末。

 この扱いにはたまらずサクラが割って入った。

 

「おーい!! なに余裕ぶっこいてんだよ撃つぞ!!」

「えぇ? そんないきなり撃つぞなんて言われたってさぁ。こちとら女子高生に銃で撃たれるようなことした覚えないから狙われてる実感が湧かないだけだよ」

 

 そう千束が自分は無実と訴えて、続けてこう口にする。

 

「そもそもこっちも、君たちが街の平穏を脅かそうとしてるって伝えられて実際に本当か確かめに来てるんだけど。そんなもの向けられたら本当だって思うしかないじゃん」

「……楠木教頭があんたらをおびき出すために言った誘い文句真に受けてここまできたんすかあんた?」

「なんだと!? あのおばさんこの私をだましたんか!?」

(わざとらし……)

 

 当然千束はあの楠木の言葉を真に受けているわけなどない。

 罠だと知っていて出向いているし、実際にピンチな状況でもおちゃらけてみせるほどには心に余裕もある。

 実際のところ、千束の目的は自分たちを襲おうとしている女子高生の調査であり、返り討ちにすることなど今の時点では考えてはいない。

 

 ――今から約1時間前のことである。

 

「目的の連中が現れてもこちらからは手を出すなだと?」

 

 そう千束に指示をされ、クルミがそう聞き返す。

 そのクルミの反応に対し、千束がこう説く。

 

「私たちの目的は何も謎の女子高生の討伐じゃない。武装してるとはいえどういう連中かもわからない以上戦う構えは取らない」

「とは言ったって、相手はお前を襲おうとしてるんだろ?」

「らしいけど、そこにも何かしら理由があるってことでしょ? そこを探る必要もある」

 

 千束がそう言った後、ため息交じりでこう続ける。

 

「それに、危険な連中が現れたら徹底的に潰すっていうやり方はもうあの時に終わった。今この街は平和だ、争いごとはなるべくしたくない」

「……それに関しては同調するけど」

「話し合いで解決するかもしれない。まずは情報収集だ。一方的に力でねじ伏せるってやり方はもう無しだ。私たちはもう……。大人になったんだから」

「……そうだな」

 

 千束の心から平和を願ったうえで出てくるその言葉に、クルミは呆れながらもそう口にする。

 

『あの暴力の化身と恐れられていたウォールナットが争いをさけるなんてなぁ(^O^)』

「お前は後で僕が殺してやるよサイレント・ジ~ン」

 

 そうクルミがジンに人睨み聞かせた後、千束にこう念押しするようにこう言った。

 

「だがな千束、お前を含め僕たちも一方的にやられるつもりはない」

「と言いますと?」

「あっちが先に手を出してきたら、こっちもやり返していいよな?」

「……」

 

 クルミのその提案に対して、千束は苦い顔を浮かべる。

 だが手を出す状況になるということは、自分の軽率な行動で仲間を巻き込むという結果になるため。

 そうなった場合は、やむを得ず撃退する道を取るしかない。

 

「……その時はまあ、いいんじゃない?」

 

 ――そして時は今に戻る。

 

「あのさ、私たちをその銃で撃つ前にだ。なぜ私が狙われなきゃいけないのかってことだけ先に教えてくれない?」

 

 千束は純粋に、自分が狙われている理由が知りたかった。

 理由によっては納得するかもしれない。最も狙われる覚えがないのだが。

 それを聞かれ、サクラは当たり前かのようにこう返した。

 

「そりゃあんたが悪人だからっすよ?」

「ざっくりしすぎてるなぁ……。それじゃあ納得できない」

「あたしらはこの街に巣くう悪い連中を片っ端から排除するように"言われてるんっすよ"。だからあんたが狙われてるってことは、そういうことだってことっすよ!」

「う~ん……」

 

 サクラの言い分はあまりにも簡略化しすぎていて、当然千束はますます自分が狙われていることが理解できるはずもない。

 いきなり顔も知らない相手からあなたは悪人だから消えてくれと言われて、納得しろという方が難しいだろう。

 そう言われたことに首を傾げつつ、だがサクラが口にした単語の中で一つ気になったものがあった。

 それは、サクラがさりげなく口にした。排除するように"言われている"。ということ。

 言われている。つまり裏でこの女子高生たちに悪人の掃除を指示している者がいるということである。

 

「……あの」

 

 このままでは埒が明かないとみたか、サクラの横にいた少女が会話に入ってくる。

 その人物はエリカであった。

 エリカはファーストのフキ、要は上の命令でサクラに同行するためこの場にいる人物であった。

 

「悪人っていきなり言われてもキョトンとしてると思って。だからきちんと説明しますね。あなたはその……。前にこの街で争いごとがあった時に、その中心に居たって聞いています」

「……あぁ、電波塔の事件の時か。それは確かに事実よ」

「そう……。あなたが争いの火種で、あなたの存在がこの街の人々に恐怖を与えたっていう風に言われています。それは……事実ですか?」

 

 なんということか、10年前、この前を恐怖に包んだ争いの数々の原因が、千束にあるとエリカは言い出したのである。

 実際には、千束とその仲間たちは、裏にいる大人たちに言われるがまま危険な争いに手を出し、暴力の鎮圧をしていた。

 つまりエリカたちに伝わっていることとは逆のことをしていたはずだ。だが時がたって今、まるで千束こそが暴力の渦の中心にいたということになってしまっている。

 これにはたまらず、千束の仲間であるクルミが黙っていられなかった。

 

「なっ!? なんだその言いぐさ!! そんなことあっていいはずが!!」

 

 そのクルミの庇うような言葉に、千束が待ったをかける。

 それ以上をクルミに言わせてしまえば、変に争いに発展しかねないと千束が考えたからだ。

 そのエリカの問いに関しては、千束自身が答えねばならないと。

 

「……完全な事実……。じゃあないよ。けど、見方や聞こえ方によっては、そうと思われても仕方ないかもしれない」

「千束!?」

 

 その千束が自信を責めるようにいう言葉には、クルミは納得がいっていないようであった。

 どうにも含みのあるようなその千束の言葉を聞いて、エリカは神妙な表情を浮かべていた。

 エリカや他のリコリスたちが、千束がそういう人物であるという情報の元千束のところに来ているのは事実であった。

 だがエリカの観点で見て、目の前にいる千束が、本当にそんな悪人であるようには見えなかった。

 だからこそ考える。フキも言っていた。この邂逅には、なにかが裏で動いていると。

 そんな沈黙を破ったのは、サクラの容赦ない言葉であった。

 

「ほーら! やっぱりアンタは悪人ってことだ! ってことであたしに撃たれてくれませんかね? あんたを撃てば大手柄らしいんで!!」

 

 そう言ってサクラは再び銃を構えた。

 どうやらサクラは臨戦態勢に入ったようだ。

 そのサクラの行動を見て、千束は観念したような表情を浮かべて。

 

「……わかったよ。ほら近くに寄って来い。仕留めるというなら確実にな」

「あらずいぶんと素直っすねぇ。つまんねぇな、抵抗してくれたならもっと容赦なくぶちのめせるのに」

「ほらほら、ちこうよれちこうよれ」

 

 そう千束はサクラを近くへ、より近くへと引き寄せる。

 サクラはそれを聞いて、多少警戒しながらも近くへ、もっと近くへと千束の方へと寄っていく。

 その道中、サクラはあることを思い出した。そう、千束が超至近距離でたきなの銃弾を躱したあの映像。

 サクラはあれはフェイクだと思っていた。目の錯覚だと思っていたが。

 今実際に、あの映像で写っていたであろう距離まで千束の近くへと、寄った。

 そして千束は銃の近くに顔を寄せた。

 

「あ、あんたなにやって……」

「ほらこれなら確実に撃って仕留められるでしょ? 大人なりのサービスだよ」

 

 当然サクラ達に与えられた銃の弾は実弾ではないとはいえ、この至近距離で顔の直撃をしたらただでは済まない。

 だが千束はそんな危険性も顧みずに、ただ一言「撃て」というのだ。

 ここまでされれば、サクラが抱く感情は畏怖へと変わっていく。

 

「じ、自分で言ったんだからな。何があっても文句言うなよ」

「あぁ、大人だからな」

 

 そう千束が追加の一言を言ったと同時に、サクラが引き金を、引いた。

 

 バンッ!!

 

 その銃声が鳴り、事の結末、結果を認識した時には。

 サクラは、"床に伏せていた"。

 そして千束は床に伏せたサクラに対し、逆に銃を突きつける。

 

「……は?」

 

 何が起こったか。

 千束はあの映像に映し出されたことと同様に、超至近距離で放たれた銃弾を"躱した"。

 そして躱されたことをサクラが認識するよりも先に、サクラの銃を奪い取り床に倒した後に。

 サクラに奪った銃を突きつける。といったことが数秒の間に行われたのであった。

 

「……なん、で。あたしが……。逆に……」

「はい、あなた今……。"1回死んだ"ぞ」

 

 その千束の言葉に、サクラはゾクリと身体を震わせ。

 

「くそっ!」

 

 そしてすぐに銃を奪い返し。

 その場から身体を回転させ距離を取り、少し遠めから千束を銃で数発撃つ。

 

「おっとっと!!」

 

 すると今度は千束はまるでタップダンスを踊るかのように足元に飛んできた銃弾を避ける。

 その動作を行っている合間に、サクラはすぐにその場から立ち上がり千束の方へと接近する。

 そして体術を交えながら至近距離で銃弾を撃ち込むが当然軽く躱され。

 銃の中の弾数が尽きる。だが千束との距離が近いため段数を補充する隙などない。

 銃が打てなくなったその瞬間、千束が右手で銃の構えを作り、サクラの胸元にその指先を充てた。

 そして一言、勝ち誇ったようにこう言い放った。

 

「はい、"2回目"だ。もし私が銃を持っていたら、今ので2回死んだ」

「くっ……」

 

 その言葉と同時に、サクラは距離を取る。

 今のわずかなやり取りからでさえ、そこにいる誰からもその目で見て分かる。

 狩人と獲物の、"実力の差"である。

 サクラがけして素人な動きをしたわけではない。一般的な女子高生にしてはありえないくらいに機敏、そして戦い慣れているのがわかる。

 だが相手にした千束という人物が、常識すら無下にするほどに、格が違うのである。

 

「あ、あんた! やっぱりどっかの回し者か!? 一般人を装い、あたしらを潰すために誰かに雇われたり!?」

「そんな物騒なことを。私は見たまんまただの一般人です」

「目の前で撃たれた銃弾避ける一般人がどこにいる!?」

「そんなのそこらへんにいるでしょ? 帝丹高校の空手部の女子高生とか」

「それは創作の話だろ!!」

 

 千束は某探偵漫画のことを言っているのだが、実際にそんな感じに銃弾を避ける一般人などいるはずもない。

 千束は立場上一般人なのは事実。だが己に与えられた神からの祝福(ギフト)

 そしてかつてあった戦いの数々が、彼女の実力を確固たるものとしたのである。

 

「い、今のでわかった。やっぱりあんた普通じゃない。こうなったら本気を出すしか……」

(アダムズギフテッド。やっぱりフキちゃんが睨んだ通り……)

 

 サクラは千束の実力の底が理解できていないが、エリカは何かしらを理解していた。

 そんな彼女らに対して、千束は諭すように二人にこう口にする。

 

「おいおいわかってくれよ。こっちは戦うつもりはない。さっきだって一般人なりの自己防衛のたぐいだ。ここはひとつ穏便にいこうよ」

「まだ言うかこいつ……」

 

 もうただの一般人では済まされない状況でありながらも千束は一般人を貫き通し、サクラがそれに対してより警戒心を強めた。

 

「あんたを野放しにしてたらこの街に何の被害が及ぶかわかったもんじゃない!! あたしらが排除する!!」

「だーかーらー。なんもする気ないって言ってるでしょうが~」

 

 このままだと押し問答である。埒が明かない。

 そんな会話の中、クルミが千束の体をポンポンと叩き、あっさりとした口調でこう言った。

 

「お~いもういいだろ帰るぞ千束~」

「く、クルミ?」

 

 唐突にその場から去ることを提案するクルミ。

 この状況に飽きたのか、それともその提案には何か意味があるのか。

 

「おい何さりげなく帰ろうとしてんすか!」

「こんな子供遊びに付き合うだけ無駄だろ。お腹もすいたしさっさと行くぞ~」

 

 その発言には、何かしら演技めいたような含みが感じられる。

 まるで私たちはあなたたちなんて相手になんてしていない。時間の無駄だと。

 そうサクラ達に伝わるように言っているようにも感じられる。

 

「逃げるな! せめて錦木千束だけおいてけ!!」

「お前たちも理解しないなぁ。わかれよ、僕たち大人はな、子供のわがままに付き合ってやるほど暇じゃないんだよ」

「さ、さっきから子供の遊びだとかわがままだとか。あたしらをなんだと思って!」

「なんだとって。さっさとこの場から去れって言ってるんだよ。チ・ン・ピ・ラ」

 

 あまりにも挑発的なクルミのその言動。

 それに対し、サクラは静かに怒りを表し始める。

 その言葉、けしてサクラ達に対しては聞き捨てならなかったものであるからだ。

 

「ちょっとクルミ!」

「ほらほら帰るぞ帰るぞ~」

 

 まるで、何かを待っているかのように白々しくそう言葉にするクルミ。

 

 ――その時であった。

 

 バンッ!!

 

 千束達の背後から銃声が聞こえた。

 そして横にいたクルミが、銃で思いっきり撃たれてその場に倒れたのだ。

 実弾ではないとはいえ相当の衝撃力。小柄な体が一瞬宙を浮いたのが分かる。

 千束が振り返る。そこには怒りを抑えきらず、獣の唸りの声のようなものを出すサクラがいた。

 

「サクラ! その人はターゲットじゃない!! なんで撃ったの!?」

「うるせぇ!! ターゲットを逃がそうとしてる時点で排除の対象だ!! なにより、あたしらのこと……。あたしらリコリスをチンピラだと!? ゆるせねぇ!!」

 

 サクラの怒号が飛び交う。

 先ほどの銃弾1発は、先ほどまでこの場を穏便に済まそうとする千束の意思を捻じ曲げるには充分すぎる物。

 これはもう、確実に争う原因でしかない。

 千束は仲間を撃たれたことに対して、サクラ達に敵意を向けるか。

 だが千束の表情は、それではなかった。

 動揺と呆れ。近くにいたジンも神に祈るような動作をするくらいだ。

 そう、連れの二人は撃たれたクルミを心配などしていなかったのだ。

 そして肝心の撃たれたクルミはというと、あの一撃を食らったうえでむくりと起き上がった。

 

「く、クルミ?」

「……千束。あっちから手を出してきたぞ」

「……」

「手を、出してきたぞ?」

 

 そのクルミの圧力がかった言葉を聞いて、千束は深くため息をついた。

 そして無言で首を縦に振った。

 それは、やり返してもいいよ。という意味を含む。

 

「なんだよ最初からやる気だったんじゃねぇか。いいよもうめんどくさい、あんたら3人ともまとめてぶっ潰してやるっすよ!!」

「……ウォールナット。フキちゃんが言ってた」

 

 そんなサクラの挑発的な叫びに対し。

 クルミは静かに標的に目線を合わせる。

 そして腰に装着していたホルダーから、真黒な物体を取り出した。

 異質に黒く染まったそれは、なにやら模造刀の形をしていた。

 黒く染まった中央部分、線が入った模様の部分が黄色く染まり一つの武器が形を現した。

 その模様。例えるならば、スズメバチを思わせる。

 

「ご立派に武器まで携帯しているし。しかも刀とは趣味が合うなぁ。すぐにでもあたしも刀を使いたいところだが、一般人にラジアータ使うのはさすがに……」

 

 ドカッ!! ズンッ!!

 

「がっ!!」

 

 サクラが自分語りをしているその合間であった。

 クルミがとてつもない速さで接近、そしてサクラの頭部を思いっきり模造刀でぶっ叩き。

 そのままサクラを地に叩き伏せた。

 そして上から見下すように、クルミはサクラに言い放った。

 

「しゃべってる暇があったら構えろ。最も、お前が僕と戦うなんて……。100万年早いってことを教えてやる」

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