はっくんと呼ぶようになって2週間、あこ達はラブラブだ。
毎日一緒に学校に行ってるし、帰ってるし、お昼も一緒だし。
なんだか色々あったけど、すごく幸せ。
それに......。
「林間学校だよー!」
「楽しみだね......!」
「りんかんがっこう?」
そう!1年生でのお泊り行事、林間学校がある!
小中学校でもしたけど、今回ははっくんも明日香もロックもいる。
絶対に楽しい!
「あこ、それはどういうものなんだ?」
「知らないの?」
「あぁ。」
「林間学校って言うのはねー......なんかこう、楽しいのだよ!」
「そうか。」
正直、林間学校で何をするかなんて分かってない。
友達と一緒にお泊りするってイメージしかないし。
「一応、学習なんだけどね。登山とか飯盒炊爨が何の学習になるのか分からないけど。」
「なるほど。」
「白石君ってそう言うの得意そうだよね。」
「まぁ。(あれはそう言う事だったのか。)」
はっくんは大体のことは出来そうだし、安心だね!
女子はあこと明日香とロックで確定だから、心配ないし!
......ん?
「はっくんって、男子の友達いるの?」
「いや、急にどうしたの?」
「いっつもあこ達と一緒にいるし、いないんじゃないかなって。」
「あぁ、いないぞ。」
「いないの......!?」
ロックは目を真ん丸にしてる。
うん、そうだよね?
ほんとに話してるところ見たことないもん。
ていうか、なんでちょっと誇らしげに?
「まぁ、なんとかなる。」
「そう?」
「あぁ。」
そうして、あこ達は朝の時間を過ごした。
はっくん、班のメンバーどうするんだろう?
心配だけど、大丈夫って言ってるし、良いかな?
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“狐白”
林間学校とやらの班?を決めるらしい。
正直、この場にいる人間たちのことはよく知らん。
それに、あこに邪な感情を向ける輩がおるやもしれん。
故に、わしがする行動は一つ。
「白石さん、班のメンバーは......」
「これで。」
「これは......」
別に、何も難解なことはない。
ただ、いると思わせればいいだけのこと。
造作もないことよ。
「分かりました。役割もこれで間違いありませんね?」
「はい。」
「では、行っていいですよ。」
わしは席に戻る。
まぁ、こんなものだろう。
これで、あこに変な虫がつくことはない。
「はっくん、まさか、使った?」
「あぁ。」
今のあこに、わしの催眠系の術は通じない。
一度、わしの妖力に触れさせたからのう。
耐性が出来たのじゃろう。
「他の男をあこに近づけたくないからな。」
「も、もう///」
(愛いのう......)
わしはあこの頭を撫でた。
柔らかい髪じゃ。
やはり、よく似ているのう。
「な、撫でるの、好きなの?///」
「あぁ。」
「そ、そっか......///」
幸せそうな顔をしよる
そんなに嬉しいものかのう?
「あ、そうだ!バス、隣座ろうね!」
「分かった。」
わしはそう言って、頬を緩めた。
りんかんがっこう......じゃったか?
思っているより、楽しめそうじゃ。
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“あこ”
放課後、あこははっくんの不思議な力で送ってもらってる。
あんなにすごいこと、こんな気軽に使っていいのかな?
疲れたりしないのかな?
そんなことを思いながらも、甘えてしまうあたり、妖術って便利だなって思う。
「妖術ってすごいよねー。こんなに楽に移動できるなんて。」
「そうかのう?早く移動するなら、飛ぶ方が楽じゃし、大したものでもないんじゃが。」
「あこも出来るようになりたいなー!はっくんはどうやって使えるようになったの?」
「......まぁ、使えるようになるのは簡単じゃよ。ただ、あこにはまで早い。」
「?」
はっくんは少しだけ暗い表情を浮かべた。
絶対に、はっくんは何かを隠してる。
そう言う確信はあるけど、これ以上は踏み込めない。
なんというか、まだダメな気がする。
「いつか分かる時が来る。(そして、それが......)」
「はっくんって年上っぽいよねー。」
「一応、あこより1000は年上じゃが。」
「あ、そっか。」
「見た目は20の頃から変わらんからのう。所謂、不老不死と言われるものじゃ。」
え、そうなの!?
妖ってみんなそうなのかな?
それとも、はっくんが特別なのかな?
(いつか、はっくんみたいになれる可能性もあるのかな?)
(......あまり勧められんのう。妖術も、不老不死も。)
ずっと感じてたけど、あこの人生、すごいことになってるよね?
こんな出会い、絶対に他の人できないよね?
なんか、選ばれし者みたい!
「ふっふふ~♪」
「どうかしたかのう?」
「なんだか、あこが夢見てたことが現実になってるみたいで、すごく面白い!」
「それはよかったのう。」
「うん!」
まだまだ、楽しいことがたくさんある気がする!
はっくんとなら、どんなことでもできる気がする!
なんて、こんな呑気なことを考えてたあこは、バカだったと思う。
はっくんと一緒にいるのがどういうことか、あこはすぐに知ることになる。
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数日後、朝早くにあこたちは学校に来てる。
全員は少しだけ眠たそうで、なんだかこっちも眠たくなる。
眠気って移るのかなぁ?
「眠そうだな、あこ。」
「あ、はっくん~。」
「おはよう。」
はっくんは全然、眠そうじゃない。
あこたちとはやっぱり違うのかな?
羨ましい......。
「おはよ~。」
「はは、仕方ないな。」
「!」
はっくんは笑いながら軽く指を振った。
すると、あこの体からはダルさが消えて、体が軽くなった。
これも、妖術か。
「折角の旅だ。楽しく行こう。」
「うん!そうだね!」
はっくんの言葉にあこは頷いた。
その後、クラスが先生に呼ばれて、バスに乗り込んだ。
さぁ、林間学校に出発だー!