妖と恋する聖堕天使   作:火の車

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二四話

 今、わしは知らぬ建物に来ておる。

 あこに呼ばれ来てみたが、ここはどういった建物なのじゃ?

 随分と綺麗な建物じゃが。

 

「あ!はっくーん!」

「!」

 

 しばらく待っていると、あこが歩いて来た。

 いや、他にも4人の気配がある。

 

「久しぶり!彼氏君!」

「久しぶりね。」

「あぁ、どうも。お久しぶりです。」

 

 この2人は前に合ったのう。

 確か、湊友希那と今井リサじゃったか......。

 そして、もう2人の方は......。

 

「こ、こんにちは......白金燐子です......」

「氷川紗夜です。よろしくお願いします。」

「白石琥珀です。どうぞよろしく。」

 

 さて、なんでわしは呼ばれたんじゃ?

 女子ばかりじゃし、わしがいる意味はないはずじゃが......。

 

「それで、なんで俺は呼ばれたんだ?」

「皆があこの彼氏に会ってみたいって言うから。」

「なるほど。」

 

 あこのことを心配していたのか、興味なのか。

 どちらかは分からぬが、まぁ、いいじゃろう。

 見たところ、悪意はないようじゃし。

 

「なーんか最近、あこが大人びてきてさ。やっぱり彼氏の影響なんじゃないかなってねー。」

「そうなんですか?」

「えぇ。今までは良くも悪くも子供らしかったのですが。」

 

 妖になり、精神性に影響を及ぼすことはある。

 新たな人格が生まれるようなこともあれば、今までの自分を見失い、忘れることもある。

 と言うても、あこに新たな人格が生れた気配はない。

 じゃが、後者なら根の方が変わらぬ故、気付きずらいはずなんじゃが。

 この4人は気づいたというか......。

 

(よき友を持っておる。)

「ツインテールもやめてしまって......」

「あこももう高校1年生ですから。良い変化と言う風にとらえてもいいのではないでしょうか。」

 

 この時期に変えたのは正解だったやもしれん。

 人の年齢で言うと、今は変化の激しい時期じゃ。

 多少の人格の変化ならば、問題ないじゃろう。

 

「人は誰しも、大人になります。あこにもその時が来たという事です。」

「そうなんでしょうか?」

「えぇ。そして、その変化に俺が関わっているならば、それもまた嬉しいことでしょう。」

「も、もー///」

 

 わしが話しておると、あこは照れたようにそう言う。

 うむ、愛いのう......。

 

「少なくとも、俺はどんなあこでも愛していますから。」

「ひゅー♪ラブラブだね~!」

「は、恥ずかしいよぉ///」

「ははは。」」

 

 ふむ、今日は来てみてよかった。

 こんなに照れているあこを見られたのじゃから。

 十二分に価値ある時間じゃ。

 

「......なんか、ちょっと心配してたけど安心そうだね。」

「そうね。と言うより、胸やけしそうよ。」

「ですね。」

「......」

「白金さん?」

「え?あ、す、すみません。」

「どうかしたんですか?」

 

「......(む?)」

 

 あの女子......白金燐子じゃったか。

 その者から視線を感じた。

 悪意はないが、不思議なものでも見ているような目じゃ。

 もしや......

 

(なんていうか、あこちゃんと同い年のはずなのに、すごく年上な感じがする......)

 

 わしの正体に感づいた......いや、違和感を感じておるな。

 ならば、無問題じゃな。

 どうとでもなることよ。

 

 わしはそう考え、一度、あの者を置いておくことにし、あこと共にその場を離れた。

__________________

 

 “あこ”

 

「__もうっ!///もうーっ!///」

 

 みんなと分かれてから、はっくんの結界に入って、あこはそう叫んだ。

 さっきはほんとに恥ずかしくて死にそうだった。

 妖になって伸びた寿命が減りそうだったよ。

 

 そんなあこを見て、はっくんはいつも通り笑ってる。

 

「はっはっは、あこは怒っていても愛いのう。」

「あこ、すっごく恥ずかしかったんだよ!?///そりゃ、好きって言ってくれるのは嬉しいけど......///」

「分かっていてそうしたからのう。」

 

 はっくんはあっさりとそう言った。

 やっぱり、そうだったんだ。

 なんだか、ずっとニコニコしてると思ったんだよ......。

 

「はっくん、ちょっとだけ性格悪くなった......?///妖力を流してる時も楽しそうだし......///」

「楽しいからのう。あこはどんな時でも可愛いのじゃ。」

「うぅ......!!///」

 

 あれ、ほんとに変な感じするんだよね......。

 まるで、お腹の奥を直接刺激されてるみたいな......。

 それに、なんか体が熱くなるし......。

 

「はっくんのえっち......///」

「?」

(あ、通じてない......)

 

 これもそう言えば横文字だったね。

 通じてなくてよかった......。

 

「将来、子どもが欲しくなったら大変そうだよ......///」

「む?あこは子が欲しいのか?」

「そりゃあ、2人の愛の結晶だし......///」

「ならば、好都合じゃな。」

 

 はっくんの言葉にあこは首を傾げた。

 好都合?

 どういう意味だろ?

 

「妖は繁殖力が高いのじゃ。わしの知る限りでは、30人の子を持つ妖もおる。」

「30人!?///」

「あの者は何百年も人間と共に生活し、何十の男と結ばれてきたからのう。」

 

 ど、どんな妖なんだろう。

 そう言う種族なのかな?

 あこの今の価値観じゃちょっと理解できないけど。

 

「あこが望むならばすぐにでも。」

「ま、まだダメだよ!///せめて、高校は卒業してから!///」

「あと2年と少しほどか。ふむ、瞬きに等しい。」

「はっくんにしてみればそうかもね。」

 

 いつか、あこもこういうこと言うようになるのかな?

 今じゃ想像もつかないけど。

 百年経てば、そうなっていくのかな?

 

「では、今日もあこの修行を始めるとしよう。」

「へ?」

「あこが妖として成長すればするほど、子がいる状態が安定するのじゃ。今すぐと言われれば、わしが手を貸していたが、2年あるならばちょうど良いじゃろう。」

 

 はっくんの手がこっちに向いて、青い白い光を放つ。

 妖力が手に集まってる。

 

「ちょ、ちょっと待って、まだ心の準備が__」

「大丈夫じゃ。痛くないからのうー。」

「そうじゃな__ひぃぃぃぃぃん♡」

 

 それから、あこははっくんに妖力を流し込まれた。

 なんだか、子どもの話が出て、はっくんもやる気が出たみたいで。

 いつもに比べて、妖力の出力が高かった......。

 

 

 

 

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