今、わしは知らぬ建物に来ておる。
あこに呼ばれ来てみたが、ここはどういった建物なのじゃ?
随分と綺麗な建物じゃが。
「あ!はっくーん!」
「!」
しばらく待っていると、あこが歩いて来た。
いや、他にも4人の気配がある。
「久しぶり!彼氏君!」
「久しぶりね。」
「あぁ、どうも。お久しぶりです。」
この2人は前に合ったのう。
確か、湊友希那と今井リサじゃったか......。
そして、もう2人の方は......。
「こ、こんにちは......白金燐子です......」
「氷川紗夜です。よろしくお願いします。」
「白石琥珀です。どうぞよろしく。」
さて、なんでわしは呼ばれたんじゃ?
女子ばかりじゃし、わしがいる意味はないはずじゃが......。
「それで、なんで俺は呼ばれたんだ?」
「皆があこの彼氏に会ってみたいって言うから。」
「なるほど。」
あこのことを心配していたのか、興味なのか。
どちらかは分からぬが、まぁ、いいじゃろう。
見たところ、悪意はないようじゃし。
「なーんか最近、あこが大人びてきてさ。やっぱり彼氏の影響なんじゃないかなってねー。」
「そうなんですか?」
「えぇ。今までは良くも悪くも子供らしかったのですが。」
妖になり、精神性に影響を及ぼすことはある。
新たな人格が生まれるようなこともあれば、今までの自分を見失い、忘れることもある。
と言うても、あこに新たな人格が生れた気配はない。
じゃが、後者なら根の方が変わらぬ故、気付きずらいはずなんじゃが。
この4人は気づいたというか......。
(よき友を持っておる。)
「ツインテールもやめてしまって......」
「あこももう高校1年生ですから。良い変化と言う風にとらえてもいいのではないでしょうか。」
この時期に変えたのは正解だったやもしれん。
人の年齢で言うと、今は変化の激しい時期じゃ。
多少の人格の変化ならば、問題ないじゃろう。
「人は誰しも、大人になります。あこにもその時が来たという事です。」
「そうなんでしょうか?」
「えぇ。そして、その変化に俺が関わっているならば、それもまた嬉しいことでしょう。」
「も、もー///」
わしが話しておると、あこは照れたようにそう言う。
うむ、愛いのう......。
「少なくとも、俺はどんなあこでも愛していますから。」
「ひゅー♪ラブラブだね~!」
「は、恥ずかしいよぉ///」
「ははは。」」
ふむ、今日は来てみてよかった。
こんなに照れているあこを見られたのじゃから。
十二分に価値ある時間じゃ。
「......なんか、ちょっと心配してたけど安心そうだね。」
「そうね。と言うより、胸やけしそうよ。」
「ですね。」
「......」
「白金さん?」
「え?あ、す、すみません。」
「どうかしたんですか?」
「......(む?)」
あの女子......白金燐子じゃったか。
その者から視線を感じた。
悪意はないが、不思議なものでも見ているような目じゃ。
もしや......
(なんていうか、あこちゃんと同い年のはずなのに、すごく年上な感じがする......)
わしの正体に感づいた......いや、違和感を感じておるな。
ならば、無問題じゃな。
どうとでもなることよ。
わしはそう考え、一度、あの者を置いておくことにし、あこと共にその場を離れた。
__________________
“あこ”
「__もうっ!///もうーっ!///」
みんなと分かれてから、はっくんの結界に入って、あこはそう叫んだ。
さっきはほんとに恥ずかしくて死にそうだった。
妖になって伸びた寿命が減りそうだったよ。
そんなあこを見て、はっくんはいつも通り笑ってる。
「はっはっは、あこは怒っていても愛いのう。」
「あこ、すっごく恥ずかしかったんだよ!?///そりゃ、好きって言ってくれるのは嬉しいけど......///」
「分かっていてそうしたからのう。」
はっくんはあっさりとそう言った。
やっぱり、そうだったんだ。
なんだか、ずっとニコニコしてると思ったんだよ......。
「はっくん、ちょっとだけ性格悪くなった......?///妖力を流してる時も楽しそうだし......///」
「楽しいからのう。あこはどんな時でも可愛いのじゃ。」
「うぅ......!!///」
あれ、ほんとに変な感じするんだよね......。
まるで、お腹の奥を直接刺激されてるみたいな......。
それに、なんか体が熱くなるし......。
「はっくんのえっち......///」
「?」
(あ、通じてない......)
これもそう言えば横文字だったね。
通じてなくてよかった......。
「将来、子どもが欲しくなったら大変そうだよ......///」
「む?あこは子が欲しいのか?」
「そりゃあ、2人の愛の結晶だし......///」
「ならば、好都合じゃな。」
はっくんの言葉にあこは首を傾げた。
好都合?
どういう意味だろ?
「妖は繁殖力が高いのじゃ。わしの知る限りでは、30人の子を持つ妖もおる。」
「30人!?///」
「あの者は何百年も人間と共に生活し、何十の男と結ばれてきたからのう。」
ど、どんな妖なんだろう。
そう言う種族なのかな?
あこの今の価値観じゃちょっと理解できないけど。
「あこが望むならばすぐにでも。」
「ま、まだダメだよ!///せめて、高校は卒業してから!///」
「あと2年と少しほどか。ふむ、瞬きに等しい。」
「はっくんにしてみればそうかもね。」
いつか、あこもこういうこと言うようになるのかな?
今じゃ想像もつかないけど。
百年経てば、そうなっていくのかな?
「では、今日もあこの修行を始めるとしよう。」
「へ?」
「あこが妖として成長すればするほど、子がいる状態が安定するのじゃ。今すぐと言われれば、わしが手を貸していたが、2年あるならばちょうど良いじゃろう。」
はっくんの手がこっちに向いて、青い白い光を放つ。
妖力が手に集まってる。
「ちょ、ちょっと待って、まだ心の準備が__」
「大丈夫じゃ。痛くないからのうー。」
「そうじゃな__ひぃぃぃぃぃん♡」
それから、あこははっくんに妖力を流し込まれた。
なんだか、子どもの話が出て、はっくんもやる気が出たみたいで。
いつもに比べて、妖力の出力が高かった......。