妖と恋する聖堕天使   作:火の車

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二五話

 日差しが強くなって、肌が少しチリチリする。

 この季節になると、人や学年によるけど、あこにとって嬉しいイベントが来る。

 そう、それは......

 

「夏休みだー!」

「そうだねー。」

「なんだか、すぐに夏休みになっちゃったね。」

「いやいやー!夏休みもいっぱい遊べるよ!」

「あたしは夏期講習がない日だけね。」

「えー!?」

 

 明日香は夏期講習なんて行くんだ。

 真面目だなぁ......。

 あこはそんなこと考えもしなかったよ。

 

「明日香は真面目だねー。」

「まぁ、いい大学行きたいからね。」

「私も勉強はしないと......」

 

 みんな真面目だなー。

 りんりん達も受験勉強してるし、去年程は遊べない。

 ていうか、あこってどういう風に生きていくんだろう。

 もう、普通の人生設計は出来ないし。

 そもそも、妖は最悪食事なしでも生きていけるってはっくんが言ってたし。

 うーん......

 

(あこはこれからどうやって生きていくんだろう。)

 

 はっくんと一緒にいるのは当たり前なんだけど。

 それ以外のことはどうしようかな。

 やっぱり、2人で話した方がいいよね?

 

「まっ、休みの日なら付き合うよ。皆で予定合わせよ。」

「うん!」

「また連絡するね......!」

 

 そんな話をしながら、あこ達は学校まで歩いた。

 2人とも遊びたいけど、やっぱりはっくんとも遊びたいな。

 今日一緒にいるとき、話してみよっと。

__________________

 

 終業式が終わって2人と別れてから、あこははっくんの結界に来た。

 ここってすごいんだよね。

 今は夏のはずなのに、すごい快適な温度になるんだもん。

 はっくんのオリジナルらしいけど、やっぱり天才なのかも。

 

「ねぇねぇ~、夏休みどこか遊びにいこーよー!」

「良いぞ。」

「やったー!」

 

 まぁ、はっくんが断るとは思ってなかったんだけど。

 うーん、どこ行こうかなー。

 夏はいろんな候補があるけど、お祭りと海は外せないよね。

 後は......。

 

「そう悩むこともない。わし達にはいくらでも時間がある。」

「そうだけどー、折角の初めて一緒に過ごす夏だよ?特別な思い出とかほしいじゃん!」

「長い時を生きると、そういう事柄に鈍くなってのう。じゃが、そうよのう、特別な思い出というのも大切じゃな。」

「うんうん!」

 

 やっぱり、まずは海かなー。

 ちょっとくらい、はっくんのドキドキしてる姿を見たいし!

 あこでそれが出来るかは分からないけど......。

 

「じゃあ、海行こうか!」

「おぉ、いいのう。」

「行ったことあるの?」

「うむ。航海中の船を狙う妖がいてのう。500年前に消しに行った。」

「なるほど。」

 

 じゃあ、今の海が遊べるくらい平和なのははっくんのおかげなんだ。

 日本は海外とのやり取りも重要だし。

 はっくん、思ったよりすごいことしてるんじゃ......。

 

「今の海がどういう風になっておるのか見るのもよいじゃろう。」

「驚くと思うよー!」

 

 さて、今年の夏休みの予定は一つは決まったね。

 後は夏祭りも行きたいな。

 まっ、そういうのはあとで考えよ!

 

「あ、そう言えば。」

「む?」

「今日、学校行くときに明日香たちと将来の話をしたんだけどさ。」

「ふむ。」

 

 はっくんは少し首をかしげてる。

 多分、将来って概念がないのかな?

 もう千年も生きてるし。

 

「あこはもう妖で、普通の人間とは違うじゃん?そうなったら、これからどういう風に生きていけばいいのかなって。」

「好きに生きればよいと思うぞ?現にわしも今は学校に通っておる。」

「でも、やっぱりこの間まで人間だったし、大学とか言った方がいいのかなとか、色々考えちゃうんだよ。」

「ふむ。」

 

 やっぱり、普通ならお金は稼がないといけない。

 Roseliaも続けていくだろうし......うーん。

 考えれば考えるほど分からない。

 

「あまり先のことばかり考えすぎても仕方ないのじゃ。人生、何が起きるか分からぬからのう。」

「うーん......」

「その時にしたいことをすればよい。勉学も運動もばんども、思う存分楽しめばよい。後悔しないよう、備えは必要不可欠じゃがのう。」

 

 その時にしたいことをする......。

 それって、想像以上に難しいんだよね。

 逆に何をしたらいいか分からなくなるし。

 

「今まで通り、楽しく人生を謳歌すればよい。わしの願いはあこと共にあること。それ以上に、あこが幸せであることじゃ。」

「!」

「あこが楽しいことならば、何百年でも付き合おう。」

「うん!でも、あこははっくんにも楽しんでほしいな!」

「わしは十分、楽しんでおるよ。あこが共におるだけで。」

 

 はっくんって、こういう所あるよね。

 あこのこと好きすぎるって言うか。

 自分のことよりあこのことの方が嬉しそうというか。

 はっくんにも楽しく生きて欲しいあことしては複雑だけど、こんなに愛されてると嬉しいんだよね。

 

「じゃあ、先のことは一旦考えるのやめて、楽しいことを考えよう!海、いつ行くか決めよっか!」

「うむ。」

「どんな水着着ようかな~!はっくんは何色が好き?」

「あこの魂のような、綺麗な青色が好きじゃ。」

「え~!わかんないよ~!」

 

(......そうじゃ、あこはまだ、先のことを考えてはいけない。その時が近づいて来た時に考えればよい。それまでは、ただ楽しく生きて欲しいものじゃ。)

 

 それから、あこははっくんと夏休みの話をした。

 折角の高校1年生の夏休み。

 何も考えず、パーっと遊んじゃおー!

 

 

 

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