今日は日曜日。だけど、お休みってわけじゃない。
ライブハウスに集まって、バンドの練習をしてる。
前よりはマシにはなったけど、練習は厳しい。全力を出さないと、ついて行けない。
「うへぇ......腕、きっつぅ......。」
「大丈夫......?」
そんな練習をしてれば、腕も上がらなくなる。
もうパンパンだよ......。
「ねぇねぇ、あこ~。」
「どうしたのー......。」
疲れて項垂れてるあこにリサ姉が話しかけてきた。
なんだか、声が弾んでる気がする。
何かいいことでもあったのかな?
「最近、すごい男子に絡みに行ってるけど、どうしたの?」
「!?///」
「え、そうなの......?」
「確か、黒い髪で、あまり特徴のない......。」
友希那さんも見てたの!?
ぜ、全然気づかなかった......。
「お弁当とか渡してたじゃん!好きなの?ねぇねぇ~。」
「あ、え、えっとぉ......///」
「放っておいてあげればいいじゃないですか。宇田川さん、顔真っ赤ですよ?」
「えー!気になるじゃーん!可愛い後輩が青春してるんだし~!」
リサ姉、こういう話好きそうだもね.......。
いや、別に聞かれて困ることなんてないんだけどさ。
流石にみんなの前じゃ、ちょっと恥ずかしい......。
「でさ、実際のところどうなの?」
「えっと......すき、だけど......///」
「きゃ~!かわいいね~あこ~!」
「わわっ!くすぐったいよ、リサ姉~!///」
ワシャワシャと頭を撫でられる。
まるで、ペットの犬みたい。
「湊さんとしては、色恋というのはどうなんですか?」
「いいんじゃないかしら。あこの調子はいいみたいだし、それに、プライベートにまで口は出せないわ。」
「まぁ、そうですね。」
友希那さんと紗夜さんも認めちゃった!?
ていうか、もう全員にバレちゃったよ......。
すごい恥ずかしいよぉ......。
「あうぅぅ......///」
「ねぇねぇ、あこ!」
「ど、どうしたのぉ......?///」
しばらく項垂れてると、リサ姉がまた喋りだした。
今度は何だろう.......?
もう、あこのライフはゼロなんだけど......。
「男子への良いアピール方法、知りたくない?」
「なにかあるの!?」
「うわっ!」
(あこちゃん......一気に元気に......。)
大人なリサ姉のアピールの仕方。
それが上手く行ったら、白石君も意識してくれるかも!
ちゃんと聞いてみよう。
「男の子ってね、ギャップが好きなんだよ!いつもと違う髪型とか、そういうのが好きなんだよ!」
「そうなの?リサが男子と挨拶以外してるの見たことな__」
「あたしのことはいいの!」
「ムググ......(いいの......?)」
リサ姉はそう言って友希那さんの口を塞いだ。
なんだろう、ちょっと不安になってきた。
大丈夫なのかな......?
「と、とにかく!ギャップって大事なの!その人だけに見せる特別?みたいなのは絶対に効くの!」
「そ、そっかぁ。」
「もー!あたしも彼氏欲しいー!!」
(リサ......)
(今井さん......)
(そもそも、あこちゃんも彼氏じゃない......)
リサ姉はしばらく、こんな感じで喚いてた。
とりあえず、ギャップ......試してみよ。
なんだか不安だけど。
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と言うわけで次の日。
あこは高校で初めて、髪を下ろしてる。けど、あこ、クセッ毛なんだよね。
白石君がサラサラな髪が好きだったらどうしよう......。
「あっ、あこ、髪下ろしてるじゃん。今日の白石君へのアピール?」
「う、うん!」
「可愛いね!これならきっと、白石君も振り向いてくれるよ......!」
(よ、よかった。変じゃなかった。)
明日香とロックの反応はいい。
ロックはともかく、明日香はハッキリ言うタイプだし、大丈夫だ。
取り合えず、白石君には見せられる。
「__おはよう。宇田川。」
「!///」
そうこうしてる間に白石君が来た。
いつも通り、優しそうに笑ってる。
かっこいい......。
「お、おはよう!///」
「あぁ。」
白石君はそう言って、鞄を机に置いた。
そして、椅子に座って、あこの方を向いた。
「なんだ、今日は髪を下ろしてるのか?」
「あ、う、うん///どう、かな......?///」
「似合ってる。可愛いよ。」
「......///(白石君に、褒められた......///)」
すごくドキドキする。
ていうか、可愛いって言った!?
もしかして、やっぱり脈ありなの!?
実は白石君、意外とあこのこと.......。
(白石君って、あこのこと好きなの?)
(普通に可愛いって言うとるけど......どうなんだろう......?)
「あこ、クセッ毛だけど、白石君はどう思う......?///」
「いいんじゃないか?」
「ひょわ!?///」
サラっと、顔の横にある髪を撫でられた。
その手は段々と上に移動していって、頭を撫でられる。
な、なんで撫でられてるんだろう......?
「......フワフワで、触り心地の良い髪だ、俺とは違って。」
あこの頭を撫でながら、白石君はそう呟いた。
照れくさいけど、なんだかホッとする。
撫でられるの、嬉しい。
「えへへ///白石君もフワフワじゃーん///」
「おっ。」
そう言いながら、あこも白石君の頭を撫でた。
やっぱり、すごく柔らかい髪だ。
なんだか、ワンちゃんみたい。
「白石君って座っててもおっきいね!///あこ、腕伸ばすの疲れるもん!///」
「まぁ、宇田川よりはな。」
(何イチャついてんだか......。)
(あの2人、もうカップル成立するやろ......。)
これは急接近なんじゃないかな!?
白石君に触られてるし、あこも触ってるし。
これは、すごい進歩なんじゃないかな!?
「あ、今日もお弁当あるけど、食べたい......?///」
「おぉ、それはそれは。ありがたくもらおうかな。」
「うん!///」
今日はアピール大成功だ!
この調子でどんどん距離を縮めていこう!
次は何しようかな.......!