妖と恋する聖堕天使   作:火の車

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三話

 今日は日曜日。だけど、お休みってわけじゃない。

 ライブハウスに集まって、バンドの練習をしてる。

 前よりはマシにはなったけど、練習は厳しい。全力を出さないと、ついて行けない。

 

「うへぇ......腕、きっつぅ......。」

「大丈夫......?」

 

 そんな練習をしてれば、腕も上がらなくなる。

 もうパンパンだよ......。

 

「ねぇねぇ、あこ~。」

「どうしたのー......。」

 

 疲れて項垂れてるあこにリサ姉が話しかけてきた。

 なんだか、声が弾んでる気がする。

 何かいいことでもあったのかな?

 

「最近、すごい男子に絡みに行ってるけど、どうしたの?」

「!?///」

「え、そうなの......?」

「確か、黒い髪で、あまり特徴のない......。」

 

 友希那さんも見てたの!?

 ぜ、全然気づかなかった......。

 

「お弁当とか渡してたじゃん!好きなの?ねぇねぇ~。」

「あ、え、えっとぉ......///」

「放っておいてあげればいいじゃないですか。宇田川さん、顔真っ赤ですよ?」

「えー!気になるじゃーん!可愛い後輩が青春してるんだし~!」

 

 リサ姉、こういう話好きそうだもね.......。

 いや、別に聞かれて困ることなんてないんだけどさ。

 流石にみんなの前じゃ、ちょっと恥ずかしい......。

 

「でさ、実際のところどうなの?」

「えっと......すき、だけど......///」

「きゃ~!かわいいね~あこ~!」

「わわっ!くすぐったいよ、リサ姉~!///」

 

 ワシャワシャと頭を撫でられる。

 まるで、ペットの犬みたい。

 

「湊さんとしては、色恋というのはどうなんですか?」

「いいんじゃないかしら。あこの調子はいいみたいだし、それに、プライベートにまで口は出せないわ。」

「まぁ、そうですね。」

 

 友希那さんと紗夜さんも認めちゃった!?

 ていうか、もう全員にバレちゃったよ......。

 すごい恥ずかしいよぉ......。

 

「あうぅぅ......///」

「ねぇねぇ、あこ!」

「ど、どうしたのぉ......?///」

 

 しばらく項垂れてると、リサ姉がまた喋りだした。

 今度は何だろう.......?

 もう、あこのライフはゼロなんだけど......。

 

「男子への良いアピール方法、知りたくない?」

「なにかあるの!?」

「うわっ!」

(あこちゃん......一気に元気に......。)

 

 大人なリサ姉のアピールの仕方。

 それが上手く行ったら、白石君も意識してくれるかも!

 

 ちゃんと聞いてみよう。

 

「男の子ってね、ギャップが好きなんだよ!いつもと違う髪型とか、そういうのが好きなんだよ!」

「そうなの?リサが男子と挨拶以外してるの見たことな__」

「あたしのことはいいの!」

「ムググ......(いいの......?)」

 

 リサ姉はそう言って友希那さんの口を塞いだ。

 なんだろう、ちょっと不安になってきた。

 大丈夫なのかな......?

 

「と、とにかく!ギャップって大事なの!その人だけに見せる特別?みたいなのは絶対に効くの!」

「そ、そっかぁ。」

「もー!あたしも彼氏欲しいー!!」

(リサ......)

(今井さん......)

(そもそも、あこちゃんも彼氏じゃない......)

 

 リサ姉はしばらく、こんな感じで喚いてた。

 

 とりあえず、ギャップ......試してみよ。

 なんだか不安だけど。

____________________

 

 と言うわけで次の日。

 あこは高校で初めて、髪を下ろしてる。けど、あこ、クセッ毛なんだよね。

 白石君がサラサラな髪が好きだったらどうしよう......。

 

「あっ、あこ、髪下ろしてるじゃん。今日の白石君へのアピール?」

「う、うん!」

「可愛いね!これならきっと、白石君も振り向いてくれるよ......!」

(よ、よかった。変じゃなかった。)

 

 明日香とロックの反応はいい。

 ロックはともかく、明日香はハッキリ言うタイプだし、大丈夫だ。

 取り合えず、白石君には見せられる。

 

「__おはよう。宇田川。」

「!///」

 

 そうこうしてる間に白石君が来た。

 いつも通り、優しそうに笑ってる。

 かっこいい......。

 

「お、おはよう!///」

「あぁ。」

 

 白石君はそう言って、鞄を机に置いた。

 そして、椅子に座って、あこの方を向いた。

 

「なんだ、今日は髪を下ろしてるのか?」

「あ、う、うん///どう、かな......?///」

「似合ってる。可愛いよ。」

「......///(白石君に、褒められた......///)」

 

 すごくドキドキする。

 ていうか、可愛いって言った!?

 もしかして、やっぱり脈ありなの!?

 実は白石君、意外とあこのこと.......。

 

(白石君って、あこのこと好きなの?)

(普通に可愛いって言うとるけど......どうなんだろう......?)

 

「あこ、クセッ毛だけど、白石君はどう思う......?///」

「いいんじゃないか?」

「ひょわ!?///」

 

 サラっと、顔の横にある髪を撫でられた。

 その手は段々と上に移動していって、頭を撫でられる。

 

 な、なんで撫でられてるんだろう......?

 

「......フワフワで、触り心地の良い髪だ、俺とは違って。」

 

 あこの頭を撫でながら、白石君はそう呟いた。

 照れくさいけど、なんだかホッとする。

 撫でられるの、嬉しい。

 

「えへへ///白石君もフワフワじゃーん///」

「おっ。」

 

 そう言いながら、あこも白石君の頭を撫でた。

 やっぱり、すごく柔らかい髪だ。

 なんだか、ワンちゃんみたい。

 

「白石君って座っててもおっきいね!///あこ、腕伸ばすの疲れるもん!///」

「まぁ、宇田川よりはな。」

(何イチャついてんだか......。)

(あの2人、もうカップル成立するやろ......。)

 

 これは急接近なんじゃないかな!?

 白石君に触られてるし、あこも触ってるし。

 これは、すごい進歩なんじゃないかな!?

 

「あ、今日もお弁当あるけど、食べたい......?///」

「おぉ、それはそれは。ありがたくもらおうかな。」

「うん!///」

 

 今日はアピール大成功だ!

 この調子でどんどん距離を縮めていこう!

 次は何しようかな.......!

 

 

 

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