あこと白石君の勝負は超接戦だ。
白石君、本当に強くて、ほとんどストライクを取ってた。
けど、あこも負けない。今日はすごく調子が良くて、ストライク連発!
最後の一投まで、スコアはずっと並んでる。
「__しまった。」
「!」
白石君の最後の一投はピンを一本残した。
それを確認して、苦笑いを浮かべて、あこの方を見た。
「この勝負は俺の負けだ。宇田川は強いな。」
「し、白石君も強かったよ!」
正直、なんだか不思議な勝負だった。
あこ、いつもはこんなストライク取れないし、何回も変な動きをした。
まるで、魔法みたいに。
「それにしても、少し疲れたな。休憩してから、次に行く所を考えるか。」
「そうだね!」
白石君はソファに腰を下ろして、飲み物に口をつけた。
運動した後でもクールでかっこいい......。
そんなことを思いながら、あこは白石君を見た。
「どうした?」
「あ、な、なんでもないよ.....///」
「そうか。」
そう言って、テーブルに飲み物を置いた。
どうしよう、目が勝手に白石君の方を向いちゃう。
変な子だって思われないかな......。
「それにしても、宇田川は強いな。初めてとはいえ、まさか負けるとは。」
「ま、まぁね!」
ほとんど偶然だったんだけどね!
ていうか、絶対にガーターになる場面もあったのに、なぜかストライクになってるし。
なんというか、誰かが操ってるみたいだった。
(あれ、どう考えてもおかしいよね.......)
「宇田川。そろそろいい時間だし、昼食でもどうだ?」
「え、あ、うん!そうだね!ここ、フードコートもあるから、そこで食べよ!」
「ふーどこーと?」
「うん!行こ!」
「あぁ(?)」
あこと白石君はそんな会話の後、フードコートに向かった。
いっぱいボウリングしてお腹すいたー!
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フードコートに来て、ご飯を買ってきた。
あこはハンバーガーで、白石君はきつねうどん。
うどんが好きなのかな?
「__いただきまーす!」
「いただきます。」
学校以外で一緒にご飯食べることはあるけど、2人きりって初めてかも。
そう思うと少し緊張するけど、ボウリングで打ち解けたから、なんとなく大丈夫。
着実に距離が縮まってるかも!
「うむ、これは中々......」
「美味しい?」
「あぁ。最近の食事は美味しいな。」
「そうだねー!(最近の?)」
白石君って昔の人みたいなこというよね~。
田舎出身って言ってたから、こういうご飯が新鮮なのかな?
じゃあ、もっとおいしいお店とか一緒に行けるんじゃないかな!
次のデートの口実が出来た!
「白石君ってどんな所に住んでたの?田舎って言ってたよね?」
「どんな所、か......。本当に木と川しかないような場所だったぞ。特に語る事もないくらいには。」
「そんなになんだ。どういう生活してたの?」
「まぁ、ご近所さんが野菜とか肉とかを持ってきてくれるって感じだな。熊とか猪とか。」
す、すごい。
熊とか猪を狩ってるんだよね。
なんだか、漫画みたい。
「まぁ、田舎は田舎でいい生活だったな。のんびりしてて。」
「そうなんだぁ!いつかあこも行ってみたいなぁ!」
そこで両親に挨拶とか......。
それで仲良くなって、とか、色々考えちゃうな~。
「いつか、あこも行ってみたいなぁ。」
「あはは、やめておいた方がいい。本当に何もないからな。」
白石君はそう言ってから、油揚げを一口食べた。
なんだか、幸せそうな顔をしてる気がする。
いつも無表情だから、数倍可愛く感じる......!
「美味しいな。」
「そうみたいだね!(きゃ~!可愛い~!///)」
うどんじゃなくて、油揚げが好きなんだ。
じゃあ、いなり寿司とかも好きなのかな?
今度、お弁当に入れてみようかな?
そんなことを考えながら、あこもハンバーガーを食べ進めた。
「__ねぇねぇ、白石君ってどんな女の子が好きなの?」
「ん?」
そんな折に、あこはそんなことを尋ねた。
こんなに白石君のこと好きだって言ってるけど、まだまだ謎も多い。
やっぱり、女の子の好みとかは知っておきたい。
「そうだなぁ......」
白石君は考えるような仕草をした。
あ、あるんだ。
聞いといてあれなんだけど、ないと思ってた。
「......特定の誰かとも、特定の誰かではないともいえる、かな。」
「?」
「いや、なんでもない。気にしないでくれ。」
白石君はそう言って、うどんのスープを飲んだ。
どうしたんだろう?
なんというか、少し焦ってるような気がする。
いつも反応が薄いから、余計にそう見える。
「宇田川。」
「どうしたの?」
「この世にもし運命があるとするなら、どういうものだと思う?」
「え?」
難しい質問だ。
運命って、何なんだろうね?
なんていうか、元々決まってるものみたいなイメージしかないかも。
「うーん、難しい......。」
「あはは、そうかもな。こういうのは、出会って初めて知るものだし。」
「白石君は知ってるの?」
「......」
あこがそう聞くと、白石君は微笑んだ。
けど、なんだか不思議だ。
いつも通り優しそうなのに、いつもと違う何かを感じる。
不思議な笑顔だ。
「悪い、少し席外す。」
「え?」
「トイレに行きたくてな。その回答は戻ってきたらしよう。」
そう言って、白石君は席を立った。
あこはそれを見て、行ってらっしゃいって言って、見送った。
それから、あこは少し背伸びをした。
(運命、かぁ......)
それがどういうものか聞かれると、難しいよね。
なんとなく意味は分かるけど、ちゃんとは分からない。
いや、そもそも、白石君が言いたいのは意味とか、そう言うのなのかな?
もっと、違う何かに感じた......ような気がする。
(......あこが白石君と出会ったのも、運命なのかなー?///)
そうだったら、素敵だなぁ......。
前世で恋人とか、夫婦なら、最高かも。
だって、2回も一緒にいられてるんだから。
(そう考えると、なんとなくだけど、運命感じるn__)
(ジリリリリリリ!)
「!?」
頭の中でいろいろ考えてると、急に大きな音が聞こえて、現実に引き戻された。
な、何の音?
そう思いながら、あこは周りを見回した。
(こ、これは......!?)
さっきまで遊んでた人たちが慌ててる。
けど、あこはそこはあんまり気にならなかった。
それ以上に目に入ってきたのは、どこから上がってるのか分からない、ドス黒い煙だった。