妖と恋する聖堕天使   作:火の車

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九話

 入院してから1週間くらいで、あこは退院した。

 別に、大きな怪我したわけでもなかったけど、お医者さんが念のためにって言うから入院してた。

 けど、あの火事の中で無傷......やっぱり、あれは......。

 いや、考えてもわかんないや!

 

 何はともあれ、今日も元気に学校だー!

 

「__おっはよー!」

「おはよー。退院したばっかなのに元気だねー。」

「当たり前じゃん!別に怪我したわけじゃないし!」

「元気そうでよかった......。」

 

 教室に入ってすぐ、あこは明日香と六花に挨拶をした。

 この2人も入院中は何回もお見舞いに来てくれた。

 授業のノートも取っておいてくれたし、いい友達だなぁって思う。

 

「ていうか、災難だったね。せっかくの白石君とのデートだったのに。」

 

 明日香は残念そうにそう言った。六花も同じような顔してる。

 まぁ、あの日はほんとに大変だった。本気で死ぬかと思ったし。

 でも、白石君と楽しくボウリングで来たし、残念だけってことは全然ない。

 

「気にしてないことはないけど、そんなに落ち込んでないよ!ボウリングで遊ぶの、楽しかったし!」

「そ、そうなんだ......。よかった......。」

「六花は優しいねー!」

「わっ......!」

 

 あこは六花の頭をワシャワシャと撫でた。

 フワフワで、なんだか犬を撫でてるみたい。

 六花って可愛いなぁ。

 

「__朝から元気だな。宇田川。」

「!///」

「あ、白石君。」

「お、おはよう......!」

「これは、どういう状況だ?」

 

 そんなことをしてると、白石君が教室に入ってきた

 いつも通り、ニコニコしてる。いや、少し首をかしげてる。

 まぁ、教室に入って、あこが六花を撫でてたら困惑するよね。

 

 って、そんなことはいいんだ。

 白石君、やっぱり元気そう。よかった......。

 けど、やっぱり、腕には包帯が巻かれたままだ。

 

「白石君も怪我、大丈夫?結構、厳重にまかれてるけど。」

「あぁ、大丈夫だ。これは医者が大袈裟にまいてるだけ。」

「そう、なの?」

 

 白石君は軽く腕を回して見せた。大丈夫だってアピールするみたいに。

 そして、あこたちの方を見て......。

 

「宇田川にはもう説明してるが、これは個人的な怪我だよ。火事はそこまで関係ない。」

(助けに行ったのは、間違いないか。)

(大袈裟って言ってもあの包帯......どんな怪我してるんだろう......?)

 

 多分だけど、白石君はあこを助けに来てくれてた。そんな気がする。

 だって、白石君があこを見捨てて1人で逃げるような人に思えないし。

 それに、今までにも、助けてもらったことがあるから。

 

「それよりも、この間は本当に災難だった。俺としては、宇田川との思い出をあの形のままではしていたくないな。」

「え?」

 

 白石君の言葉にあこは目を見開いた。

 え、それって、どういう意味......?

 

「また、2人でどこかに行こう。次は......そうだな、火事にならなそうな所に。」

「!///」

 

 白石君はそう言って、ニコっと笑った

 

 白石君も、また、一緒に遊びに行きたいって思ってくれてるんだ。

 よかった。もうダメかと思ってた......。

 ていうか、やっぱり脈ありじゃない?

 

(今回はダメだってけど、次は......キャー!///)

 

 また、白石君とデートに行ける。

 それが嬉しくて、心の中でガッツポーズしまくってる。

 でも、あんまり騒ぎすぎたら変な子って思われるし、落ち着かないと。

 

 それに、白石君に聞きたいこともあるし。

 

「あ、そういえば、白石君?」

「ん?どうしたんだ?」

「その、白石君の故郷って、結構な田舎なんだよね?」

「あぁ、そうだが。」

 

 あこの問いかけに、白石君は頷いた。

 聞いておきたいこと、それは、あの日に見たナニカについて。

 あの日から、あのナニカが頭から離れない。

 

 あの火事の中で助かったのは、あのナニカのお陰だから。

 

「白石君の地元でさ、神様の言い伝えとかある?」

「神様?」

「あこ、何言ってるの?」

「あの火事の日、ナニカに助けられたの。火を操って、落ちてきた瓦礫も止めちゃって。」

 

 あこはあの日にあったことを話した。

 

 異様なオーラがあって不思議だった。

 姿は覚えてないというか、見えなかったけど、人間じゃないことは確かなのに、触れた感じは人間みたいだった。

 あれは、もしかしたら、神様だったのかもしれない。

 

「......」

「......?(白石君?)」

「あこちゃん、後遺症が残って......」

「ないよ!?」

「いや、そんな非現実的な話聞かされると、ね?後遺症じゃないなら、いつもの中二病?」

「違うってー!」

 

 明日香と六花は本気であこのことを心配してるみたい。

 後遺症でも嘘じゃないのに.......。

 

「俺も分からないな。あんな火事の中だったし、何かと見間違えたんじゃないか?」

「そ、そうなのかな......」

 

 白石君もこう言ってるし、やっぱり、気のせいだったのかな?

 でも、あれは、見間違いとかそういう次元じゃなかった。

 意識ははっきりしてたし、それに、あの鈴の音も声もはっきり覚えてる。

 あれを夢や見間違いで片付けちゃうのは......。

 

「まぁ、もしかしたら、本当に存在するかもしれないからな。一概に否定するのも良くない。宇田川がこの状態でいられるのだって、十分、奇跡だからな。」

「そ、そうだよね!」

「まっ、それにしても突拍子のない話だけど。」

「本当にいたら、素敵だよね。」

 

 白石君にフォローされて、この話はここで終わった。

 

 皆には否定されたけど、やっぱり、あれが見間違いとは思えない。

 神様かは分からないけど、絶対に存在する。

 出来ることなら、どこかでまた会って、助けてくれたお礼がしたいな。

 

 あこはそう思いながら、いつもの日常に戻って行った。

 

 

 

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