ネズミとタヌキ 作:タマチュウ
タイトルは「21:還るべき場所へ」と「48:約束」
つまり、二人の命日です
「……ビスケット」
「久しぶり……オルガ、三日月」
「うん」
「俺は!……あの時……お前に…」
頭が回らない
思い出す『言葉』
『オルガ!手を離して!』
蘇る『記憶』
『返事をしろ!ビスケットォ!』
消えない『最後』
『俺…たちで………鉄華団……を……』
「 僕はあのときのこと、後悔してないよ 」
「っ!」
「逆の立場だったら、オルガだって同じことするだろう?」
「――――!?」
「実際やったからね、オルガ」
ミカからの追い撃ち
「あーやっぱり?」
「…………何も言えねぇ」
「でも」
「そんなオルガだから、皆が着いていくんだ」
「……!」
『団長!』『オルガ!』『オルガァ!』『オルガ団長!』『オルガさん!』『だろ……オルガ』
「とにかく!またここから始められるんだ、だから次こそは!」
「 皆で辿り着くんだ! 」
「……あぁ!!」
――――――――――――
「ひとまず情報共有といこう」
「僕たち鉄華団の方は、気が付いたらイサリビとホタルビに居た感じかな」
「アストンやハッシュとかのパイロットは少し離れたデブリ帯でMSと一緒に転移してたみたい」
「私とその一派はバエルとハーフビーク級1隻、それから小惑星に作った隠れ家と転移した」
「そしてどちらにも共通するのは、あの世界で死んだ者のみこちらに来ているということ」
「施設や装備はその時近くにあった、関連の深いものが転移しているようだ」
「なお今は私の隠れ家、『ヴィフレスト』を拠点として他の転移者を探している」
「今回はオルガたちが居たフォールクヴァング周辺の宙域でエイハヴウェーブが確認されたから捜索に来たんだ」
「ああ………………」
「オルガ?」
「……………!……悪い、ボーッとしてた」
「お疲れだろう、後の情報共有はヴィフレストに帰還してからにしよう、オルガ団長」
「あぁ……すまねぇな……ちょっと仮眠してくる……」
「初陣は心身共に響くものだからな、ゆっくり休むといい」
「ちょっとオルガ!頭ぶつかるよ!」
高身長と寝ぼけによってブリッジのドアに頭をぶつけながら退出したオルガとそれを支えるビスケットだった
―――――――――――
「チョコの人も初陣はそんな感じだった?」
「あぁ……あいつも私も初陣後は泥のように寝たものだ……」
「……チョコの隣の人か」
「……今思えばあいつらの手を取る選択もあったのだろうな」
「ふーん」
「三日月オーガス、私は君のことを荒々しい王狼のようだと思っていた」
「……」
「だが、その姿は孤独ではなく群れるからこそそう在れたのだろう」
「実際の君は王狼ではなく昔から語られる『
「『俺』には出来ない生き方……それが眩しかった」
「この世界でもアンタはまた一人で進むの?」
「『俺』は……」
「アンタが決めることだ、今じゃなくてもいつか必ず」
「……今はまだわからない」
「……が考えていこうと思うよ」
「『俺』としての在り方を」
「感謝しよう、三日月オーガス」
「……あ」
「何か甘いもん持ってない?」
――――――――――――――
「大丈夫……ですか?」
「あぁ……えぇと君は……」
「アストン・アルトランド……です」
「僕は……ナディム・サマヤ……」
「あのMSは……パーメットスコアを上げると負荷が大きくてね……」
「ちょっと……無理しすぎた…か…な……」
腰掛けていたベッドから崩れ落ちる
「まずい!救護班は医療ポットの用意を!お前らはブリッジに連絡を!」
辿り着きたい場所へ
進めば進むほど近づける
苦しい「涙」で足を止めれば
きっとそこで終わってしまう
でも進み続ければ
いくらでも近づける
たとえその目的地が存在しなくとも
その道を進むこと自体が
共に往く仲間との「絆」が
「少年」の頃憧れてた
「希望」そのものなんだ