ダンジョンで英雄を目指すのは間違っているのだろうか   作:おやしお

10 / 16
10 神の宴

 ホームに帰ってからヘスティアに今日の出来事を換金したお金と一緒に報告したベルであった。

 

「それから、刀について気にしなくて良いから無理にダンジョンを挑戦しないで」

 

「それって?」

 

「明日、夕方から出かけてしばらく帰らないと思うけれど、その間に目途を付けて来るから決して無理をしないで」

 

「は、はい」

 

 よく理解を出来なかったがとにかく神様を信用しようと思ったのだ。

 

 そして恒例のステイタス更新

LV.1

 力  G228→G266

 耐久 H192→G202

 器用 G243→G298

 敏捷 F334→F386

 魔力 I0

 

 魔法【】

 スキル【】(【憧憬一途(リアリス・フリーゼ)

        ・早熟する

        ・懸想(おもい)が続く限り効果持続

        ・懸想(おもい)の丈により効果向上)ベルには秘匿

 

 トータルの上昇値が152と相変わらずの数値にヘスティアは内心引き攣っていたのだ。

 

 

「行って来ます!」

 

 今日も元気に朝5時に起きて素振りと型稽古の後に朝食準備とヘスティアを起こし腹ごなしとダンジョン前にウォーミングアップを兼ねてバベル迄駆けていくベル。

 【戦姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。彼女は冒険者仲間からダンジョンに潜る時間の方が地上に居るよりも長くてモンスターの大群を単独撃破を行ったりして二つ名の【剣姫】をもじって付けられた渾名である。

 そしてベル・クラネルと言えばこの半月でダンジョンに潜らなかったのはミノタウロスと接触する前日のみで、その日も半日は鍛錬と連続した戦闘による型の乱れの矯正で疲れも普通なら取れ切れる物では無かったが、そこは若さとキシュラナ流剛剣()術の鍛錬法の効果であろう。

 充分【戦姫】もとい【戦鬼】と呼ばれる素質がある行動であった(既にウォーシャドウ程度なら殲滅している)。

 

 一方本物の【戦姫】ではなかった【剣姫】アイズは昨日タケミカヅチの柔術を見てティオナ、ティオネのヒリュテ姉妹と共に対抗手段などを練習し結論は発展アビリティで拳打を持つ彼女らと違い、剣士であるアイズは同じ土俵の格闘術よりも剣術の方が効果的という当たり前の結論に達しただけであった。

 そして今日は久しぶりにダンジョンと思ったが、朝食後に。

 

「アイズ~! 遊びましょ」

 

 ティオナの乱入に断り切れずに今日も街中へ外出となったのだ。

 遊びに行くメンバーは想い人である団長のフィンと一緒に居たい姉のティオネを無理矢理引っ張り、「わ、私も一緒で良いですか?」とエルフらしく魔導士(後衛)のレフィーヤもおずおずと聞いてきて屈託なく同意して四人で遊びに行く事になったのだ。

 

「それでどこに行くのよ」

 

「まずは買い物。アイズの服を買おうよ。

 アイズは折角美人なのにロキの選んだ服以外は禄に持っていないんだからオシャレをしましょ」

 

 姉の言葉にティオナは答え、バベルを中心に八方向あるメインストリートの内、都市最北端にある黄昏の館に近い北は商店街としても発展しており、世界各国から各種族が集まっているオラリオは種族に地方の風俗が集まり大手商人が注目しそこに商業系ギルドが参入して活況した所に更に神々の先進的なセンスが混ざり服飾関係が発展していたのだ。

 最初に連れられた店は当然アマゾネス専用店でありアイズと何よりもレフィーヤが強硬に反対をしてヒリュテ姉妹が自分用のを幾つか買っただけでエルフ向けを推薦したレフィーヤに対して「動き辛い」とティオナが文句を言って、結局ヒューマン向けの店でアイズを着せ替え人形にして楽しんでいたのだ。

 その後数着を購入し着替えたまま店を出る時に「アイズの笑顔を見たいから勝手にやった事だから」と奢りだと代金受け取りを否定してご機嫌だったティオナだったがすれ違った幼女を見て落ち込んでしまった。

 

「一体どうしたの?」

 

「あの幼女神()小さいのに胸がすごく大きかった」

 

「アホらし」

 

「持つ者には判らないんだ」

 

 双子ヒリュテ姉妹は姉のティオネはフィンに気に入られるように髪を伸ばしたりお淑やかになる様に努力しているが最大の違いはその胸部であった。

 ティオナ曰く母親のお腹の中で全て取られたと虚しく主張しているので何時もの事と聞き流されていた。

 

 

『あの娘、ヴァレン何某と昨日一緒に居たからロキの所のアマゾネスだね。

 神の恩恵(ファルナ)をうまく隠しているが、どんなドーランを使っているのかな?』

 

 ヘスティアは地上に降りてから神友(しんゆう)のヘファイストスの所で追い出されるまで働きもせずに居候をしていたのだった。

 その結果普通なら知っている神の恩恵(ファルナ)を隠す(ロック)の掛け方以前に存在も知らないポンコツであった。

 それはさて置き服屋の店員と必死に交渉中だった。

 

「頼むよ。このケープも買うから仕立て直してよ」

 

「お客様、うちはその様なサービスはしてませんので」

 

「そこを何とか、ここで仕立てたものだし、今晩は宴だから」

 

 神の宴

 様々な神が暇つぶしを主目的に開くパーティー。

 ファミリアの規模や主神の性格で格式が変わりドレスコードも様々だがそれでも最低限の服装が必要で、貧乏ファミリアのヘスティアはドレスではなく一張羅のワンピースの手直しで臨もうとしていたのだ。

 

 

「神様ただいま」

 

 その日の夕方ダンジョンから怪我も無く無事に帰ったベルが見たのは、ベルには読めない神聖文字(ヒエログリフ)で書かれた招待状を手にしたヘスティアだった。

 

「ベルくん、これから何日か留守にするけど心配しないで。そして絶対に無理をしないように」

 

「神様、どこか出かけるのですか?」

 

「友人のパーティーに顔を出して皆の顔を見ようと思ってね」

 

「それなら遠慮なく行って下さい」

 

 ベルの屈託ない声と表情にヘスティアは絶対に成功させて見せると内心生き込んだのであった。

 

 黄昏の館でも四人娘が帰った時にロキが珍しくドレスに着飾って出かける所だった。

 

「お~っ!アイズたん可愛いな」

 

 普段ロキの選んだ服か戦闘服(バトルクロス)しか着ていないのにティオナたちが選んだ服を見てグヘヘと笑うロキ。

 

「ロキこそドレスなんか着てど~したの~」

 

 ティオナの疑問に対してロキは。

 

「ドレスも買えない貧乏なドチビを揶揄ってやろうと思ってな」

 

 普段はティオナと同様に絶壁な胸部でドレスを着ないのにそういう訳かとドチビとは誰か不明でも皆は納得したのだった。

 そして嫌がらせに態々商人から高価な箱馬車まで借りて乗り込むという徹底ぶりである

 御者台のファミリア二軍のリーダーであるラウルは如何にも貧乏籤を引いたという顔でいたが。

 

「ほな、行ってくるわ」

 

「行ってらっしゃい」

 

 神の宴に行く事だけは理解して手を振った四人であった。

 

 神の宴

 一般的には暇つぶし目的で神脈作りや新しい話題の提供などがあるが今回のガネーシャは【群衆の主】と自他ともに認められギルドに協力しての治安維持組織でもある大派閥。

 故に交流も広くオラリオに居る神々にほとんどに案内状を出して大盛況なのはファミリアの本拠地(ホーム)「アイアム・ガネーシャ」である。

 これも普通のファミリアだと防諜と広間の収容人数の関係でギルドなどの公共施設を使うのだが、ここもガネーシャは違っていた。

 そもそも「アイアム・ガネーシャ」自体が全高30M(メドル)の胡坐をかいた自身の像であった。

 素顔は象面で隠されているのは普段からそうだが、出入り口が股間と言う事で団員は泣きながら毎日出入りしているとか、そんなところも神々は気にせずに今も堂々と入っていた。

 目的も暇潰しとか財力の誇示と言った物では無く数日後に開かれるギルド主催、【ガネーシャ・ファミリア】協力の怪物祭(モンスターフィリア)の協力とまでいかなくても愉快犯として邪魔だけはしないでくれと言う懐柔が目的の催しであった。

 ロキは今更そんな事に興味が無くて出席する心算が無かったがにっくきロリ巨乳(ここ重要)なドチビがが出席すると聞いて普段の男装ではなくドレス姿でやって来たのだ。

 その姿を見たゴシップ好きな男神などが「ロキ無乳」や「絶壁」などとドレス姿を嗤っているのを「よし潰す」という意思を込めてニッコリするとそそくさと場から離れるのも愉快犯として生き延びる神らしかった。

 

「それにしてもガセだったか」

 

 ドチビことヘスティアを探していると顔馴染みのデメテルとディオニュソスに出会ったのだ。

 ヘスティアと同様にその巨乳に顔を引きつるが、豊穣神としてその大らかな性格には流石のロキも反感を持つことが出来ないデメテルであった。

 

「ここのワインも君の所の葡萄で出来た物だろう。葡萄酒にうるさい私も認めるよ」

 

「ふふっ、ありがとう」

 

 ロキの様な単純な酒好きではなく酒神としてディオニュソスに認められ商業系ファミリアで農業としてオラリオに農産物を卸しているデメテルは嬉しそうだった。

 

「それでロキは怪物祭(モンスターフィリア)に行くのかい?」

 

 探る様な目をして聞くディオニュソスに対して情報管理を徹底して他派閥を探るのはこいつの何時もの事だと大して気にせずに最初は行くつもりも無かったが気が変わって行く事にすると返事をする。

 

「おーい、ドチビ~」

 

 そして目的の神物(じんぶつ)を見付け駆けだすロキ。

 

「何を考えているの?」

 

「何をって?」

 

 デメテルの言葉に質問で返すが。

 

「あなたのその笑顔の時は決まって悪だくみの時ですから」

 

 同郷の神故に付き合いが長いデメテルの目は誤魔化せなかった様だがそれでも笑顔だけで流していた。

 宴に出席した事により祭に行く事を決めたロキ。

 これが今後どう影響していくのか?




 ヘスティアナイフフラグ回です。これが無いと戦争遊戯後のオリキャラが増えて続きが書けません(ビバ借金生活)
 新しい神物登場です。
 今回の出番はこれだけですけど、今後原作の活躍の様に頑張ってくれます。

 ステイタス更新追加です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。