ダンジョンで英雄を目指すのは間違っているのだろうか 作:おやしお
「フレイヤ様、昨夜宴からお帰りになってから随分とご機嫌が宜しいようですが何か嬉しい事があったのですか?」
「オッタルそうね……」
ダンジョンの蓋でありオラリオで最も高い摩天楼のバベルの最上階。そこをフレイヤの住居として貸し出されているのだ。
そこから彼女は女王として朝の街並みを見渡していた。
そして後方には忠実な従者。身の丈2
その重厚な肉体は二つ名【
「宴で面白い噂を聞いたわ」
そしてベルの名を出さなかったがフレイヤの美貌の噂とその崇拝と寵愛を得る為に
「そうやって、苦手な事から逃げるようでは大成しないが、フレイヤ様が気にすると言う事はまだ他が有るのですね」
「そうね、逃げるのでは無くてダンジョンでの女性との出会いを求めるのに
コロコロと笑いながら「ねっ、楽しいでしょ」と続けるのだった。
「もし、フレイヤ様を見て同じ事を言えたのなら大物ですな」
「嬉しいわ。他の
「恐縮です」
そのまま頭を下げるオッタルだが内心は敬愛する主神を軽く扱う名も知らぬ冒険者に怒りを覚えていたのだった。
そして、魂の色を見る事が出来るフレイヤが見覚えのある特徴ある魂の輝きの持ち主が
この日も無事にバベルから戻ったベルだが昨日神様が言われたように数日留守にすると言われ不在でも不安では無いが誰も居ない寂しい部屋と言うのはお祖父ちゃんが亡くなった当時を思い出しそれを忘れる為にも中庭で刀を振るう事にしたのだ。
「それで、何時までその変な格好をしているの?」
昨夜ガネーシャの所でヘスティアからお願いと言われ最後まで聞かずに拒否をしたヘファイストスだが、そのまま執務室にまでやってきたヘスティアはタケミカヅチ直伝のドゲザで彼女にヘファイストスの所の武器を譲って欲しいと願っているのだ。
下界に降りてきて面倒を見ていたが一向に独立をする気が無く居候を決め込んでいた事に腹を立てて、追い出したら
「自慢では無いけどヘファイストスのロゴは安くないのよ。オラリオだけでなく都市外の世界中に知られるブランドでその為に多くの
彼女の言葉にもそれでもヘスティアはドゲザで頼むしか無かった。
「第一冒険者になって半月足らずの子に身の丈の合わない武装は身を亡ぼす元よ。それが判っていないあなたでは無いでしょう」
更に溜息を吐いて言葉を重ね「何故それ程こだわるか?」と再び問い質す彼女。
「ベル君は今強くなろうと足掻いているんだ」
ヘファイストスの言葉に説得するのは今しかないと己の想いを全てぶつけるヘスティア。
「
「わかったわ。作ってあげる」
ヘスティアの願いに神意を全てぶつけた事に応えてやろうと「甘やかせ過ぎ」と自覚しながらも彼女は立ち上がった。
「それでも何十年、何百年掛かろうともあなたが代金を支払うのよ。ただで渡す事はあり得ないんだからね」
釘を刺し彼女の決意を確かめ、ついでに怠惰な性格を改める好機だとも思わないとやっていられなかった。
「あなたの子供の使う得物は確か極東の刀だったわね」
ロキとの口喧嘩でサムライでミノタウロス相手に凌いでいたと言っていたのを覚えていたのだ。
「そうだよ。研ぎ直したけれどガタが来て寿命が近いんだ」
だからこそ入手の難しい刀で出来るだけ上等なのが欲しいと続けるのだった。
「ソロで上層ならそろそろ帰っているわよね」
「えっ? 本当だもうこんな時間になっている。うん、いつもなら戻って来ている筈だけど?」
疑問に思う彼女を他所に、その言葉を聞いたヘファイストスは
「主神様お呼びですか?…… おや久しぶりに元居候殿も居られるのですか」
しばらくして現れたは派閥の団長である椿・コルブランド。極東のヒューマンの女性と大陸のドワーフの男性との間のハーフドワーフで170
「あなたに来て貰ったのは、ヴェルフを呼んでほしいの」
「ヴェル吉を? いよいよ売れないから最後通牒ですかな」
カラカラと笑いながら物騒な事を告げて主神を呆れさせていた。
「違うわよ。今日はバベルに納品に向かっているから連れてきてね」
「あい、判った」
そのまま特に理由を聞かずに出かける椿。
「バベルだから直ぐに戻ると思うから待っていてね」
「そのヴェルフって人の作品を売ってくれるの?」
「まさか! これはあなたとの完全なプライベートな案件なのよ。他の団員を巻き込む事は出来ないわよ」
「それじゃぁ、神匡の君が打ってくれるんだ。これ以上嬉しい事は無いよ」
「忘れているかもしれないけれど
むしろ発展アビリティのある上級鍛冶師の方が特殊効果のある強力な武器を打てるだろう。
「でもそれでも君に打って貰う方が嬉しいよ」
ヘスティアの裏表のない笑顔にこれだから嫌いになれないと内心思っていたりする。
しばらくして片手に青年を引き摺って椿が現れた。
LV.5の椿に
「ヘファイストス様、何か用事があるとお聞きしましたが」
椿が冗談で口にしたように自分の作品が売れていない事を自覚していて、無茶な移動だけでなく緊張で顔を青くしていたのだった。
「ちょっとお使いに言って貰いたいの。椿だと目立つからこの地図の所のベル・クラネルという冒険者を武器を持って来て欲しいと告げてここに案内して」
「???」
ヴェルフが態々主神が気に掛ける冒険者を自分が呼ぶ理由が判らず、他の女神も同席しているのを見て尚更疑問が重なっているが敬愛する女神からの叱責ではなく依頼だったから「判りました」と素直に応じて「出来るだけ急いでという言葉に頷いて部屋を出て行ったのだ。
「椿も仕事に戻ってよいのよ」
「主神様が気に掛けるベル何とかという冒険者と、何をするのか興味が有って残らせてもらう」
そう言って椿も同席してヴェルフの帰還を待つことになったのだ。
原作よりも早く折れたヘファイストスは甘いのか?
椿も彼の存在を早く知った模様
そしてオッタルのベルへの感情は今後どうなるか?