シンオウに出動!ポケサンカンパニー!!   作:生牡蠣

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気が付いたら半年放置しててワロエナイ…


名探偵!?ババ隊員!

“ギイィ…”という不気味な音をたてながら、僕は洋館の扉を開く。

錆びた金属が擦れる音といい、扉の開きにくさといい、そのどれもがこの洋館がしばらく手入れをされていないことを物語っている。

 

「ごほっ!ごほっ!…カビ臭ッ!?」

 

扉を開けた瞬間に襲ってきたカビ臭さと埃でむせ込みながらも、僕は洋館の内部を確認する。

玄関を開けると、すぐに奥へとつながる扉と大きな2つの階段が目に入る。

うわっ(ひっろ)!…床とか剥がれてて少し汚いけど、昔はすごく立派なお屋敷だったんだろうなぁ……

しかし、昔は立派でも今は幽霊やおばけが出そうな気味の悪い建造物だ。探索したくないなぁ~…

 

「あ~…まだ頭が揺れてる感じがする……最悪だよまったく…」

 

僕の後ろからやって来たババ隊員が、頭を抑えながら僕の隣に立つ。

脇には自らの頭を揺らした元凶(カデンガー)を抱え、それを睨みつけているのは多分気のせいではない。

やがてババ隊員はカデンガーから視線を外し、洋館の内部を目視する。

 

「えっと……うん、思ったより綺麗に残ってる。これなら探索できそうかな」

 

ババ隊員は頷きながらそう言った。

…やっぱり探索しなくちゃだめだよなぁ…

この洋館に入る覚悟はまだできていないけど、ここまで一緒に来ておいてやっぱり嫌ともいえないし、ナタネさんにも申し訳ない。

腹を括るしかないか…あれ、そういえば…

 

「ババ隊員、そういえばこの洋館の噂ってどういうものなんですか?」

 

僕は先ほどの会話を思い出し、ババ隊員に聞いた。

確か、おばけだか幽霊だかが出るという噂であったという内容であったと思う。

……本当はあまり聞きたくはないが、今から件の屋敷を調査するのだ。情報ぐらい耳に入れておいた方が良いだろう。

 

「あ~一応説明しておいた方がいいよね。少し長くなるけど、噂の経緯か説明しよっか」

 

そう言ってババ隊員は玄関にカデンガーを下ろし、一息つくとこの洋館の噂を語り始めた。

 

「昔、とある女の子がポケモンを追いかけて洋館に入っちゃって、そのまま行方不明になったそうだよ。それに続くよう女の子を探しに行った実のおじいさんも行方不明になってしまったらしいんだ」

 

「それから、近隣に住む人々は『あの屋敷に入ると呪われる!』とか『人食い屋敷だ!』とか不気味がって近づかなくなっちゃったんだって」

 

「でも、中には人達は肝試し感覚で入ってしまう人たちもいてね……その人達たちが見たらしいんだよ。『2階の部屋で女の子を見かけたと思ったらいつの間にか消えていた』とか『食堂でおじいさんがこっちを見ていた』とか…それが噂となって広がり始めて、現在に至るって所かな?」

 

ババ隊員が話を終え「長い話をすると喉乾くよね~」とのんきそうに“おいしいみず”をカバンから取り出して飲み始める。

うわぁ…結構ガチ目の心霊話じゃん……

ワンチャンもっとこう…物音が聞こえてくる位の小さめの物を期待したんだけど、女の子とおじいさんの霊見えちゃってるじゃん……

 

「そ、それじゃあ、この洋館には女の子とおじいさんの霊が今も居るって事ですか…!」

 

僕はババ隊員に縋りつくように聞いた。

本当は「そんなことない」と否定して欲しいのだが、絶対その答えは返ってこないのだろうと心の中で覚悟をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~……そんなことないんじゃないかな?」

 

 

 

しかし、ババ隊員の答えは、意外にも僕の期待していたものであった。

……えっ、そんなことないの?幽霊が出るって話を今までして来て…?

期待していた答えが返ってきたのにもかかわらず、予想外の返答に僕は混乱していた。

 

「いや、何かは居るんだろうけど……本当にその女の子達の霊なのかなぁ…」

 

混乱する僕に気付かない様子で、ババ隊員が呟く。

何かは居るけど、霊じゃない…?

 

「あの…どういうことですか……?」

 

考えてみても意味が分からなかった為、僕はババ隊員に問いかけた。

 

「実はこの洋館について前もって調べていた時、ある仮説が浮かんでね。正直、出発前は確信が持てなかったけど、実際に洋館を見てその仮説が正解なんじゃないかって思えて来たよ」

 

ババ隊員が屋敷の柱を叩きながら話を始める。

 

「仮説?」

 

「そう。まず、人間が住む家ってどれだけ立派なものでも手入れをしないとすぐに駄目になるんだ。この屋敷は特に立派だけど、埃とか床の穴とかを見るに手入れとかはしてないよね。でも、外観は比較的綺麗で柱もしっかりしてる方だから…素人目だけど多分この館って築100年前後くらいだと思う」

 

「それを前提とした仮説だって事で聞いてね」と続けるババ隊員。

洋館の年数…幽霊と何の関係があるのだろうか?

 

「まず、俺はこの館の噂を聞いてからハクタイシティの図書館で地元新聞の過去の記事や街の歴史なんかを調べたんだ。女の子とおじいさん、2人も行方不明者が出たら流石に大ニュースになると思ってね。でも、そんな新聞記事も記録もなかったんだよ。念のため、シンオウでも一番大きいミオシティの図書館も調べたり、ハクタイシティの人達にも聞き取りをしたんだけど、結果は同じだった」

 

「まぁ、オレが見落としてる可能性もあるけどね」と頭を掻くババ隊員。

んん?……2人。それも内1人は幼い子どもが行方不明になったのなら、もっと騒がれる気もするのになぁ…

いや、ババ隊員が言った通り、この洋館が100年前の物だとしたら、昔のこと過ぎて伝わらなかったのかも…

 

「でも、仮に100年も前の事なら伝わらずに忘れられてしまったり、間違って伝えられた結果幽霊屋敷の噂になった、とかじゃないですか?」

 

「う~ん…それもありえなくはないけど、可能性としては薄いと思うよ」

 

僕の所見にババ隊員は首をひねって考えた後、否定とも取れる言葉を返した。

 

「コウキ君、『100年経った』って聞いてどう思う?」

 

今度はババ隊員の問いかけに、僕が首を捻る番であった。

100年ってどう思うって言われても…今までそんな事考えたこともないから上手く言葉を続ける事が出来ない

 

「えっと…長い時間が流れた…とか?」

 

やっとの思いで出した言葉は、幼稚園児のような感想であった。

……これでも頑張って考えたんだよ?

 

「あははっ!俺も同意見だ」

 

ババ隊員は少し笑った後、真面目そうな表情を浮かべた。

 

「確かに、俺達にとって100年は途方もなく長い年月に感じる。でもね、それはこの星の、生命たちの歴史で見れば結構最近の事なんだよ。例えば、100年前から生きていた人たちはそうそういないだろうけど、70歳、80歳のお年寄りはいるよね?もし昔に行方不明事件なんてあったら、その人達の親や祖父母の世代から語り継がれてもいいはずなんだ。『○○さん家の○○ちゃんが森で行方不明になっちゃったんだよ。だから森に入っちゃいけないよ』とかね。それが子ども向けに内容をおばけとか幽霊とかに改変されたとしても、なおさら原型となった物語が完全に忘れられるのはありえないと思うんだ」

 

「それに100年どころじゃない、モンスターボール技術がまだ確立されていない時代の資料が歴史の教材として語り継がれているくらいだよ?100年やそこらで完全に忘れられるのは考えにくいよ」

 

ババ隊員の言葉に、僕は納得の2文字が頭に浮かんだ。

確かに、僕も歴史の本でノブナガを始めとした大昔の戦国武将たちなんかを見たことがある。

それこそ、100年以上前の人物達が何を行い、どのようなポケモンを相棒にしていたかすら、その本には載っていたし、その本は大昔に残された文献などを元に作られていると聞いたことがある。

それを考えると、100年やそこらの事件なら何かしらの記録が残っていたり、誰かしらが正しく覚えていてもおかしくないような気がする。

 

「ちなみに他の説で、何らかの理由でハクタイシティの住民が結託して事件を隠してる説もあったけど、これもないね」

 

急にババ隊員の口からサスペンス的内容の話が飛んで来るが、それもすぐに自ら否定する。

ちょっ!?ツッコミ間に合わないって!?

 

「そ、それは何故です…?」

 

「だって、もしハクタイシティの住民が結託してるとしたら、ナタネさんもグルってことだよ?それなら俺とコウキ君って部外者に屋敷内を見られるのを一番嫌がるはずなのに、こうして調査の許可が出たのがその証拠さ。……それに、隠し事できないじゃん。あの人…」

 

最後に付け加えた一言を、ババ隊員は苦笑いを浮かべながら言った。

あぁ…確かに、ナタネさんが隠し事しようとして、めっちゃ焦ったり目がすごく泳いでいる絵が容易に想像できる。

なんなら、最初の推理なんてなくても「ナタネさんは隠し事できないでしょ」と言われただけでも納得してしまいそうだ。

 

「まぁ、ここまでのは俺の推理であって本当かどうかわからないけど、多分そんなに悪いことは起きてないんじゃないかな?」

 

その言葉で締めるババ隊員。

いや、大分説得力があるぞ!?

確かに真実かどうかはわからないが、現状を整理すると少なくとも凄惨な事件でこの世に恨みを持った悪霊とかの類ではなさそうだ。

 

ありがとうババ隊員!これで怖さが和らいだよ!!

 

そんな僕の思いを察したかのように、ババ隊員が笑みを向ける。

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、目撃例とかはあるから何かが洋館内で起こってることは確定だし、俺の推理が正しければ女の子とおじいさん以外の正体不明の霊がいる可能性が浮上してくるわけだけどね!」

 

 

……ババ隊員、そんな満面の笑みでもっと怖くしてどうするんすか…

 




・もりのようかんの仮説
ただのガバガバ独自解釈
でも、私の知る限りもりのようかんに関しては噂程度しか本編でも言及されてないし、事件性はないと思う
つまりウラヤマさんは濡れ衣だった…?

・ナタネさん黒幕説
あんなに可愛いナタネさんが黒幕なわけないだろっ!いいかげんにしろっ!(過激派)
……冗談はさておき、ナタネさんの性格上、仮に噂通りにようかんの人達虐殺とかしてたら心がぶっ壊れてジムリーダーなんてまともにできるわけないと思うの

・ノブナガ
コー〇ーからの刺客
ゼクロムやら黒レックウザを相棒にしてるやべー奴
ランセ地方の時系列がよくわからないため、今作では大昔の設定

・正体不明の霊
シオンタワーの”ゆうれい”かな?
シルフスコープ手に入れなきゃ…


久しぶりの更新なのに全然進んでない…
更新頑張らなきゃなんだけど、展開考えるのめっちゃ体力削られるのぉ…


ここまでご拝読ありがとうございました
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