「博士、やっぱりこれ失敗作じゃないのか?」
「おっかしいですねぇ~ちょっと中開けて確認しますか~」
あれからしばらく経ち、こんらん状態から回復した博士は『ポケモン色々言えるかな?』のピコハンが出てきた部分に顔をつっこみ、修理を始めた。
ゴルゴさんも隣で工具の受け渡しをしながら心配した様子で見守っている。
それにしても、今の発明品の具合を見てこの博士がすごいんだかすごくないんだかよくわからなくなったな。いや、発明品は壊れてしまったが、このようなものは作ろうと思って簡単に作れるものじゃないし、きっとすごいんだろうな。あっ、今度は博士の尻が布団たたきで叩かれてる。
いまいちかっこつかないなぁと考えていると、しょこたんさんが話しかけてきた。
「ねぇコウキ君、もしかしてトレーナー初心者?」
「あっはい、昨日フタバタウンから来たばかりですけど…」
「あーやっぱりか。さっきの問題の正答率を見るとちょっと初心者かなって」
どうやらさっきの問題の正答率があまりよろしくなかったのでトレーナー初心者とわかったらしい
「あーやっぱりさっきの問題に答えられないとまずいですかね?」
「うーん、トレーナーとしての目標にもよるけど、タイプ相性は覚えておいて損はないから覚えておいたほうがいいかなー」
「トレーナーとしての目標、ですか?」
「そう、例えば目標が『ポケモンと気ままに旅をエンジョイしたい』なら多分バトルもそんなにしないだろうし、最低限自分のポケモンの相性を覚えておけばいいんだけどね、極端になっちゃうけど『チャンピオンになりたい』とかなら、自分のポケモンのほかにもいろいろなポケモンの相性や使ってきそうな技、持ち物なんかも考えないといけないから大分おぼえること多いよ」
「えっそんなにですか」
うーん、覚えることが多いな。さっきのクイズでつまずいているようではこの先厳しいか…?
少し不安になってきた。
「あっ、さっきも言ったけどこれは個人の目標にもよるからそんなに重く考えずゆっくり覚えていけばいいよ。ちなみに、コウキ君はトレーナーとしても目標ってあるかな?」
トレーナーとしての目標。
そういえば考えたことがなかった。ヒカリちゃんに釣られ…もといナナカマド博士から頼まれたからという理由で、幼馴染のジュンに付き合ってなど旅を始めたきっかけが頭をよぎるがすべて他人に流された形であり自分で考えて、行動したものとは言えないのではないかと思えてきた。
仲よくなったポケモンと一緒に旅をしたいという思いもあったのだが、それは目標というよりやりたいことという感じだし…
あれ、僕この旅の目標なくね?
「……」
「あー…まぁ旅を始めたばかりだからね!!目標もこれから見つけようよ!! そういえば、ジム戦って興味ない!!」
何も答えられない僕に何かを察したのか、話題を少し強引に変えてきた
「ジム戦って、ポケモンリーグに挑戦する権利のための試合でしたっけ?」
「そう!目標がなんであれバトルで強くなることはメリットが多いし、ジムリーダーの人もいい人ばかりだから得られるものも多いと思うよ。それにジムバッチを持っていればひでん技も使えるしね!」
自然界には人が行動するには危険な地域や環境が多く存在する。
そこでポケモンの技により、人が踏み入ることのできない水上や崖の上を進み、邪魔な木や岩を除去し先へ進んでいくことができる。
それらの技はひでん技と呼ばれている。しかし、ひでん技は危険なものが多く一歩間違えば命を落としかねないものも多く存在する。
そこで、バトル以外でそのひでん技を使うには車の免許のように学校に通って長い時間をかけて免許を取る必要がある。
しかし、いくつか例外もあり、その一つがジム戦勝利でもらえるジムバッチである。
ジムバッチにはポケモンリーグの挑戦資格のほかにも個数や種類によってトレーナーの実力を表し、これらによって『私はひでん技を使えるレベルですよ』という証明書替わりにもなるのだ。
そのため学校に通うのが面倒なトレーナーが「ジム戦勝てばいいじゃん」と軽い気持ちでジムに挑戦し、ジム戦の厳しさに「やっぱ学校行ったほう早いわ」と結局あきらめて学校に通う人々が毎年よく見られる。
まじめにリーグを目指しているトレーナーに加えて、免許目的のトレーナーも相手にしなければならないジムリーダーも大変である。
それにしても、ひでん技か…たしかにこれから旅をするなら使えたほうがいいだろう。
「…少し興味ありますね」
「そっか!それじゃあジム戦に向けて色々頑張らなきゃね!!…ちなみに、コウキ君の手持ちポケモンも見せてくれる?何かアドバイスできるかもだし」
「は、はい」
この人急にグイグイ来るな。ポケモンバトルが好きなのだろうか?
戸惑いながらも僕の唯一の手持ちポケモン―――ヒコザルをボールから出す
「ヒコ!「うわあぁぁぁ!!ヒコザルギザカワユスだよぉぉぉ!!はぁん、ゴウカギザの小さい頃を思い出すよぉぉ…もうたまらん!!」ヒコッ!?」
ボールから出した瞬間しょこたんがヒコザルに抱き着き頬ずりを始めた。ヒコザルが驚愕の表情を浮かべながらしょこたんの腕の中でもがいている。あっ、ぎゅーってされすぎてヒコザルの顔が青く…って冷静に分析している場合じゃない!
「あ、あの!ヒコザルが潰されちゃいますって!!」
「はっ!…ごめんごめん苦しかったよね!」
しょこたんがあわててヒコザルを開放する。ヒコザルは息を整えると警戒心丸出しでしょこたんから距離をとった。
「あはは…ごめんね。ゴウカギザ…私のポケモンの昔の姿を思い出しちゃって・・最近は情報部に所属してるヒコザルを愛でて抑えてたんだけど、最近他の町に取材に出てて愛でられなかったからつい…」
…この人悪い人ではないんだけど、自分の好きなものに対して暴走気味になるなぁ。
「えっと…ヒコザル以外にポケモンは持ってないの?」
「は、はい」
持ってたとしても暴走しそうだからあんまり見せたくない…
「うーん、ヒコザル1匹でジム戦かぁ…ここから近いジムはクロガネジムだからヒョウタさんかぁ…ちょっと厳しいかなぁ」
「えっダメですか」
悲報:僕氏、ジム戦絶望的らしい。
「ダメではないんだけど…ヒコザルはほのおタイプでしょ。ほのおタイプって優秀だけど意外と弱点多くて、対策組まれやすいんだよねぇ。それにここから一番近いクロガネジムはほのおタイプと相性最悪のいわタイプを得意とするジムだし、使用ポケモンも複数の場合が多いからヒコザル1匹で挑戦するのは酷かなぁ…って」
なるほど。
あんまり考えたことなかったけど、タイプ相性って大切なんだなぁ。
しばらくはヒコザル1匹でいいかなと思っていたけど、それだとヒコザルの負担が大きいし、なにより苦手なタイプと無理やり対面させるのもかわいそうだ。
うーん、これは真剣にほかのポケモンをゲットすることも検討したほうがいいかな…?
「…まぁ、どうしても1匹で挑戦しなきゃいけないときはヒコザルを今以上、それこそ進化させてから挑むことをお勧めするよ」
「…進化ってそんな簡単にできるものなんですか?」
「それは君の腕次第かな?」
…タイプ相性にトレーナーとしての目標、新しいポケモンのゲット、進化について…
一気に考えることが増えてしまった。
うーん、僕はこれから先やっていけるだろうかと少し不安になってきた。
ふと、視線をしょこたんから逸らすと、ヒコザルがヤミラミ、ピチュ―とタライの上でバランスをとる遊びをしているのが見えた。すごく楽しそうに笑っている。
…まぁ、先行きが不安だが、あいつと一緒なら何とかなるか。不思議とそう思った。
「あっ、君のヒコザル、むじゃきな性格っぽいね!こうげき路線もとくこう路線にもいけてすばやさ生かしてステロ撒くとかアンコールするとかのサポートもできるから将来有望だね!!」
…この人の言ってることたまにわからないよなぁ。
・ひでん技について
ジムバッチ持ってないとフィールドでひでん技が使えない理由がよくわからなかったので独自設定を採用。リメイク版ではポケモンに覚えさせなくてもポケッチを使えば、野生のビッパやビーダルが召喚されて代わりにひでん技を使ってくれる仕様に。多分この仕様のせいで旅パのビーダル採用率ががくっと下がった。
・ゴウカギザ(ゴウカザル)
しょこたんの手持ちポケモンの1匹。しょこたんからの信頼は厚く初期からバトルで使用している。インファイトやオーバーヒートなどの大技をよく使う。
・ヒコザル(情報部)
名前だけ登場した情報部所属のヒコザル♀。女の子っぽく毛の部分にピンクのリボンをつけているおしゃれさん。主人公の手持ちと被るという理由で他の町に取材に行ってもらって不在にした。いつか埋め合わせとして出す予定
・むじゃきな性格
すばやさが上がりやすい性格。素早さを生かして先制大技を決めてよし確実にステロやまきびし撒くもよし。ただし特防が弱いため注意。
もっとポケサンメンバーのポケモンを出したいと思いますが、あの番組DVD化もしていない、サブスクもないので情報が少なく、出したとしても生かし切れるかどうか…いい情報源がありましたら感想欄などで教えていただけたら幸いです。
ここまでご拝読くださりありがとうございました。