超昂大戦SS さらばエスカレイヤー! 胸の鼓動は不協和音?! 〜レジェンド戦士よ、また逢う日まで〜   作:環 藍河

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※時系列は、原作第1部完結直後になります。
ネタバレ懸念の場合、第1部シナリオ完読後にお読みください。


プロローグ 突然の、無言のサヨナラ

どんどんどん! 

「沙由香さん! 沙由香さんっ!」

アカリの悲痛な声に、部屋の主…高円寺沙由香の返事は無い。

 

……

ある朝のダイビート基地、戦士居住棟。

 

昨夜、アカリは一晩中悩み続けた。

前日勃発したアクシデントと、それをきっかけに気づいてしまった、自分の心の問題。

アカリは自分との向き合い方を決められず、悶々としたまま朝を迎えていた。

 

シャワーで気分転換を、と思いつくことすらできず、そのまま食堂にふらふらと赴き、眠気プラス心のもやもやと戦いながら朝食をとるアカリ。

 

だが、たまたま向かい合う席に座ったうららが、追い打ちのように悲報を告げる。

「アカリ…聞いた? エスカレイヤー…沙由香さん、元の世界に帰るんだって。」

「…えっ…?!」

 

寝覚めの悪さを吹き飛ばす爆弾発言に、アカリの心はぽっかり穴を空けられ…、そして瞬く間に悲しみで包まれた。全身から血の気が引く思いに包まれ、アカリはしばし凍りつく。

 

我に返ったアカリは、突き動かされるように沙由香の部屋へ駆け出し、ドアを必死に叩く。

 

……

(…あれっ?)

扉がロックされていないことに気づいたアカリは、思わず扉を開けてしまう。

そこは。

 

私物が一切無くなった、殺風景な部屋。

本も、服も、ぬいぐるみも。

全ての身辺整理が終わり、この部屋を、この街を後にする準備が完了し…部屋の住人も既にこの地を発ったかのような、何一つ跡を残さない空虚。

 

「…そんな…。」

今度こそ全身の血液が引く感覚に襲われ、立つ力さえ喪ったアカリはへたり込む。

(沙由香さん…こんなのって、無いです…!

黙って…お別れも言わないでサヨナラなんて…!)

 

いつか、あの人みたいな戦士になる。

1年前、偶然の出会いで命を救われ、助けられた戦士に心を奪われた。

彼女に憧れて自らも戦場に身を投じた。

いくつもの失敗と挫折と苦い経験を重ね…それ以上にたくさんの大切な仲間との出会いと共鳴を重ね、難敵をことごとく倒し続け。

ついには地球最大の危機に立ち向かう戦いで、活躍できるまでになれた。

 

それなのに。

すべての始まりを与えてくれた、伝説の超昂天使・エスカレイヤー。

彼女との別れが、あまりにも呆気なく、突然で、そして…こんなにも一方的なものだなんて。

 

…だが、アカリは沙由香を責めることはなく。

(…違う…沙由香さんが悪いんじゃない。

私が…私が、沙由香さんに心を閉ざしてしまったから…!)

アカリの自責の思いが、住人の居なくなった空き部屋で、波紋を拡げていく…!




※今回は完結編まで一挙投稿のため、ご挨拶および後書きはまとめてエピローグにて。
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