雷鳴を奏でる装者《リメイク》   作:不知火 秋

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UAが393になったので3話目です。
多くの方に読んでいただき、とても嬉しいです!


3人目の装者

 

 

 

 あれから数年後。私達、特異災害対策機動部二課はある少女との出会いを果たした。

 

 

 その少女は、ノイズに襲撃された長野県皆神山の聖遺物発掘チームの唯一の生き残り。名前は、天羽奏という。彼女のその目にはノイズへの強い殺意が込められていた。

 

 

「辛いかもしれないが、ノイズに襲われた時のことを教えてくれないか。我々が君の家族の仇をとってやる」

 

「仇をとってやる?眠てぇこと言ってんじゃねぇよ、オッサン!あたしの家族の仇はあたしにしかとれねぇんだ!

 それに仇をとってやるってことはノイズに対抗出来る手段があるってことだろ?それならあたしにノイズをぶち殺させろ!」

 

 数少ない会話から、彼女は特異災害対策機動部二課がノイズに対抗出来る力があるということを見抜いた。頭がキレる人物のようだ。

 

 その後、司令は私の時と同じよう質問をした。

 返答は私と同様。進んで地獄に落ちることになってでも受け入れる所存のようだ。

 とりあえず、数日は体をしっかり休めるために天羽さんには部屋で休んでもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 それから約3日後。天羽さんがベストコンディションであることを確認した上で、私の時のように実験部屋に天羽さんと数人の研究員を入れて適合試験を行うようだ。

 櫻井さんには機器の観測に集中してもらいたいので、余程の緊急時以外では、私がマニュアルを参考に進めることとなった。

 ちなみに、今天羽さんの目の前ある聖遺物はガングニールだ。

 

 

「それじゃぁ、天羽奏さん。そのネックレスを手に取ってください」

 

「あぁ、これでいいか?」

 

「なにかが、胸の中に浮かんできたりというのは?」

 

「いや、特にねぇな....」

 

「そうですか....」

 

 櫻井さんに視線を向けるが、櫻井さんは首を横に振りモニターを私に見せてくる。

 そこにはシンフォギアを装着するには低い適合率が表示されていた。

 

 適合率はどうにからないのかと聞くと、手段がない訳では無いらしい。だが、手段を用意するのに暫し時間がかかるらしく、それまでは訓練を積むしかないようだ。

 

 天羽さんはすぐに適合出来なかったことに悔しそうな顔をしていたが、私が櫻井さんに聞いたことを伝えると『わりぃ、掛け合ってくれてサンキューな律歌』と言って頭を撫でてくれた。

 

 

 お姉ちゃんがいてくれたらこんな感じなのだろうか。と、ふと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、改めて適合試験を行うこととなった。今回は前回の人員とガングニールに加え、櫻井さんが製作した適合率を補う薬品《LiNKER》を使用することとなった。

 

 LiNKERを注入する。だが、天羽さんは苦しみ暴れるだけで適合率はそこまで上がらなかった。

 

 

「ここまでしてもダメか.....なかなか上手くいかないものね....」

 

 

 司令も同意見だったのか一旦実験を中止にしようとしたその時。

 実験室内の天羽さんが拘束されていた台が倒れており、天羽さんがフリーになっていた。

 

 

「ここまでなんてつれねぇこと言うなよ。パーティ再開といこうや、了子さん」

 

 

 

 天羽さんはそう言うと、いつの間にか手に持っていたLiNKERを自分で投与する。

 

 瞬間、了子さんの操作する端末から警報が鳴った。

 咄嗟に、向き直り端末を見ると適合係数が飛躍的に上昇していた。そのまま、第一段階、第二段階、第三段階を突破するが、第三段階を突破したタイミングで天羽さんは大量の血を吐き出していた。

 

 

 早く止めなくちゃ

 

 

 そう思い。ギアを展開しようとしたその時。

 研究員の方達が吹き飛ばされた後、目の前のガラスに天羽さんが血まみれの手をたたきつけた。

 

 

 

「手に入れた.....!」

 

 

 

 まさか...!

 

 

 

Croizal ronzell gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

 

 

 

 天羽さんは聖詠を口にした。すると、天羽さんの姿が変わり、その身にはシンフォギアが展開されていた。

 

 

「これが...奴らと戦える力......!あたしのシンフォギアだ!!」

 

 

 

 本当に手に入れちゃった.....。すごいや....。

 でも、賞賛を送るその前にしなければいけないことがある。

 

 

 

「天羽さん」

 

「ん?どうした?」

 

「さっさとシンフォギアを解除して体内洗浄してきてください」

 

 私がそう言うと、天羽さんの顔が何かとてもおっかないものを見たような表情になっていた。

 

 

「お、おう.....。あ、アンタらも吹っ飛ばしてすまねぇ....。体内洗浄頼んでいいか...?」

 

「は、はい.....。とりあえずこちらへ...」

 

 

 

 

 

 天羽さんに起こされた研究員さん達は天羽さんを連れて実験室を退出、天羽さんは即医務室送りとなった。

 

 

 

※※※※※※※※

 

 

 

 

 

 あたしがシンフォギアを纏ったその日の夜。あたしの病室をとある人物が訪ねてきた。

 

 その人物は、あたしの前に特異災害対策機動部二課に来た上倉律歌だった。

 

 

 

「ん?あぁ、律歌か。どうした?」

 

「天羽さん。あんな無茶は今後しないでくださいね?」

 

 無茶。多分、さっきやったLiNKERのオーバードーズのことだな。

 

 

「善処するよ...」

 

「善処じゃなくて普通にやらないでください。下手したら死にますよ?復讐したいのに、自爆で死ぬって結構アレですよ?」

 

 うぐっ、痛いところを....。まぁ、確かに言う通りだ。まだ、成したいことを成せてないのに死ぬのは勘弁だしな。無茶は程々にしよう。今はやれることをやろう。

 

 

「あ、あぁ.....わかった。肝に銘じとくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 後日、シンフォギアを纏えるようになったあたしは正式に3人目の装者として特異災害対策機動部二課に所属することとなった。

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
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