「神様に手伝ってもらったよ、あれ?みんなどうしたの?」
第5次鯖 スチャ 武器構え
「ランスロット!お前、大丈夫かよ!」
「カリヤ、まぁ…簡単に言えば……もうすぐ死ぬな」
「は?何でだ、お前元気そうで」
「真の王の力、ファントムソードって言うんだけどさ。アレ、生命削る奴なのよ。流石に……ギャラハッド守ったりしてたから、もう死ぬんだよね」
そう、魔力じゃない。命を使うのがファントムソード。しかも6神のうち5神まで来ちまうとは、流石に不味い。
「待って下さいランスロット卿!貴方は」
「陛下、俺の目的は聖杯戦争の崩壊ですよ?さっさと大聖杯を破壊したいのに」
「ソレは裁定者として」
「この世すべての悪が大聖杯の中に巣食ってる時点で終わりなんだよ。まったく、救国の聖女の割に、一般人を考えないか。哀れだな、生前なら違ったろうに、お前は初戦聖杯戦争を行わせるシステム。俺はさっさとお前を殺して………あ?」
そこで考える、言峰綺礼はどうしているかと。
ギルガメッシュは死んでいる、しかしここに居るのは………
「…あん?」
手にしている小聖杯がおかしい、確かにさっきギルガメッシュを吸った筈だ。
なのに、魔力を感じられない。
これじゃあ、レベル限界突破に使う為の素材だ。
「………なぁ、もしだぞ。魔力が変な所に流れてるとしたらどうする?」
「有り得ません、そんな事をできる存在は」
「…………終わったわ」
今、魔力が入ったのを感じた。
だが、やはり小聖杯の中には何もない。
「不味いな、これ大聖杯に直接流れてやがる」
「は?」
「おめでとう、おめでとう、おめでとう」
俺はつい、狂ってしまいたくなった。
「………陛下。終わったぞこれ。これで冬木は10年前の二の舞いだ。もう、止まらないぞ」
俺は小聖杯を相手に投げ捨てた。
もう、止まらない、抑えられない。
「何を」
「小聖杯に中身が無いんだよ!全部多分だが、大聖杯行きだ!アレの中身は溢れる寸前、冬木は終わりだよ。終わりだ!カリヤ、桜ちゃん、街を出るぞ。もう遅い、ライダーもだ。受肉させてやるよ、俺が生きてるうちにな!」
「待て友よ、つまり」
「イスカンダル、お前もウェイバーを連れてさっさと逃げろ」
「なっ、どういう事だよ店長!」
「……カリヤから話は聞いてるはずだよな?なら俺が教えるのはこれから来ることだ。この世すべての悪が溢れると10年前の冬木の災害の再来だ。俺はソレを陛下に知ってもらうためにその身にアレを入れた。しかしだ、ヤツの泥は俺を喰い破り、溢れ出ようとした。陛下が約束された勝利の剣で俺を殺さなければもっと人は死んでいた」
「……ランスロット、つまりは」
「その為にさっさと大聖杯を処分する気で居たんだよ。お目出度いよな、冬木の管理者さん?そんな事も知らずにお前の親父も、お前も聖杯戦争に参加した」
「止められないのかい?」
「親父殿、俺は知らん。友と家族を連れて逃げるよ。あいにく、俺は誰これ構わず助ける馬鹿じゃないし、上司からの命令もない。仕事じゃないのに動くわけがない」
そこで何故かギャラハッドは微笑む。
「素直じゃないですね、父さん」
「………止めろ」
そう、俺は今も変わらないのだ。
俺は円卓の騎士なのだから。
「ランスロット卿、ギャラハッド卿、これは民を守るための戦いです。どうか、私に力を貸してください」
「……陛下の御心のままに」
「円卓再集結とは行きませんか」
「なっ、セイバー!」
「シロウ、私は……私達が貴方を作ってしまった。なら、私が終わらせます。だから、だから安心して下さい。キリツグ、シロウを」
「……わかった、感謝はする」
「……まともに喋れましたね」
「セイバー!」
シロウは衛宮切嗣に気絶させられるとアイリスフィールがその手に触れる。
「……ごめんなさい、シロウ。
令呪を持って命ずる、セイバー、敵を討て、勝利せよ、生きて返って」
「わかりました、アイリスフィール。マスターをよろしくお願いします」
陛下は士郎君を気に入ってるんだろう、人なりも、マスターとしても、彼程勇気のある人間はそうは居ない。
「あ~あ、こりゃぁ生きて帰れないわ」
「なら、私も行きましょう」
「ルーラー」
「セイバーに対しての令呪はまだ2画ありますから」
「聖杯の導とかは無しにしましょう、今から我々が行うのは」
「今を生きる子供たちや友人達の未来の為だ」
「……なら、僕も行こう」
「なんでだよ衛宮切嗣」
「大体予想がつくからだ、言峰何だろ?なら、僕が殺す。今度こそ」
「反逆者、殺し屋、反逆者の息子、騎士王、
聖女、狂ったパーティーだな。嫌いじゃない」
「……おじさん」
「そうだな、早めにしとくか」
俺はフェニックスに顕現すると再生の炎を行う。
燃え盛る火の粉を彼等がどう感じるのだろうか。
「……温かい」
「魂の固定化、違うこれは」
「甦りだ、お前達は生きている。俺の願った者達もかな」
「ランスロット」
「母様」
「行きなさい、我が子よ」
「勝利を我が手に」
アロンダイトを地面に刺し、祝福を受ける。
俺はこれで死ぬ、聖女も、ギャラハッドもだ。
衛宮切嗣は知らん、生きていれば何とかするだろう。
「行くか、」
アロンダイトを肩に担ぎ、笑う。
「んじゃ……サヨナラだな!」
俺は即座にグラビデを使い全員をその場につなぎとめる。
「ランスロット!!!」
「死ぬのは一人でいい、言峰綺礼は任せるから」
屋根を跳び、空を飛ぶ。そんなチョコボ(白)に乗りながら俺は目的地へと走った。
「ありがとな」
待っているのは聖杯だ。
溢れ出んとする存在、ソレをキャスターが抑え込んていた。
「生きてたのか!」
「受肉もしたわよ!だから何とか……」
「変われ、こいつさえ消せば終わる話だからな」
「こんな物が聖杯だなんて」
「馬鹿だよな……さて、やることは終わりだ。異次元に捨てる、解体する必要もない」
「ランスロット、貴方は何者なの」
「俺は俺、子供に先立たれるし、嫌なことしか起きてない可哀想な男よ」
「あっそう……じゃあ、あと頼んだわよ」
そう、デジョンさえ使ってしまえばすべてが終わるんだよ。
前回の時は衛宮士郎を創り出すために、第五次を起こすためにやらなかったが、勝手に消えても問題はない。
「………よし、デジョン」
大聖杯と小聖杯を次元の狭間に弾き飛ばす。
戻ることなどできず、存在を保つこともできず、そのうち消滅する。
中にいる魂には悪いが、邪魔なんでな消えてくれて。
「……しっかし、騙して悪いがしまくってるな。まぁ、当たり前か」
騙して殺すのが仕事だった。
闇討ちが仕事だった、センチメンタルになることはない。
「言峰綺礼は彼奴等が殺すだろうし、どうでもいいや。桜ちゃんやカリヤとは話せたし、ギャラハッドとも話せた。もう、正直思い残す事無いしな。英雄王も仕留めたし、よし」
俺はフェニックスとして顕現し、冬木に転生の炎を撒く。
死ぬ寸前の奴や、傷だらけのやつらも治療されるだろうが問題ない。
クロエ達にも人間になる力は与えた。
「終わりだな、女神様」
「あら、満足したの?」
「これ以上はね?別に良いや」
「……そう、行きましょう。私のランスロット」
消えようとすれば何故か彼等がたどり着く。
「父さん……たった一人で」
何のことだ、デジョンで吹き飛ばしただけなのに。
「ランスロット、私は」
「ルーラーとシールダーも受肉したか、良かったな。さて、私の仕事は終わりだ。言峰綺礼には気を付けろよ」
「店長!」
「士郎君、お店は任せるよ」
「なぁ、ランスロット」
「カリヤ、桜ちゃん。守れよな」
「わかってるよ、馬鹿野郎」
「……おじさん」
「元気で生きるんだよ、君は間桐桜。ソレを邪魔するものはいない、君を守る存在なら隣りにいるだろ」
「まぁ……」
そして、ふと考える。
「カリヤ、聖杯戦争なんてクソ食らえだ。正直、魔術師とか言う奴等のことも俺は嫌いだ。そこの小娘は未だに俺を殺そうと狙ってるしな」
「えぇ…そうね、邪魔でしかないわよ。お父様を殺されて、聖杯戦争はアンタにめちゃくちゃにされた」
「遠坂家の悲願なんて捨てちまいな。まぁ、母親が死ぬ原因になった男が言う言葉じゃねぇか」
「くっ……」
「なら、殺し合うか?貴様のサーヴァントと俺とで。消えかけの俺だぞ?勝てる…かもな」
「しないわよ、なんで使えるサーヴァントをみすみす殺す訳?勝てない相手と戦わない。あんたみたいな化物とは特に」
アーチャーが何かしょぼくれているが、ここに居るサーヴァントで俺を殺せる相手はいない。
「んじゃぁ、お休みってな」
アロンダイトを自身に突き刺し消える。
後は知らん。無責任だが、これでいい。
桜は救った、カリヤも生きてる。
「まったく、他の世界なんて知ったことじゃない。俺は……俺だ」