憑依転生ランスロット(偽)   作:影後

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最終決戦へ

「□□□□□□□ッ」

 

「五月蝿いぞデカブツ!!!」

 

「(´・ω・`)」

 

キラキラした粒子を撒き散らしながら、

心臓にナイフの刺さったランスロットはモルガンに

怒鳴られ、しょんぼりしている。

その姿に円卓のメンバーだった者達は苦笑いだ。

 

「貴様、よくも我々の眠りを妨げ」

 

「□□□□□……」

 

まるでヘラクレスだ。昨日は最低限喋れていたというのに、

今はまともに喋れず唸り声で表現している。

 

「てか、本当に退去しない執念が怖いねぇ」

 

「MASSAAAAACREEEE」

 

「殺戮なんてよしたまえ!君は本当に英霊か!」

 

「Noooooo!!!!」

 

「NOじゃない!YESだろうが!!」

 

ランスロットに弄ばれるダ・ヴィンチを尻目にしていると、

ダ・ヴィンチの悲鳴が上がる。

 

「「は?」」

 

「WYYY....WEAPONs」

 

ガトリング砲、機関銃、戦闘機、爆撃機、戦車、バズーカ砲、

其れ等がランスロット曰く虚空から無限に出てくるのだ。

話を聞くと、昔聖杯戦争に現界したさい、アメリカ軍、

自衛隊駐屯地を襲撃し、無理やり防具として押収、

その際一人も死傷者を出していないとのこと。

 

「盗賊じゃないか!君、騎士だろ!」

 

ダ・ヴィンチが叫ぶとランスロットはヤレヤレといった

風に体を動かす。

 

「戦士とは常に武器を求めて戦う。

死体から略奪してでも相手を殺し戦う。

実際使い勝手がいい、人は一人も殺してないさ。

おっと……やべ」

 

「喋れるじゃないか!」

 

「ちっ……判らないふりしてた方が楽でいいからな。

さて、取り敢えずあの獅子王とその配下は全滅させる。

どんな手を使っても、卑劣と卑怯の罵られても、

俺に……俺に二度もガレスを殺させた。

その報い、その怒り、あの獅子王の生首を

この手で引き千切らんと収まらん」

 

バーサーカー、いや憤怒に燃える騎士。

もはや、アベンジャーのサーヴァントだ。

 

「……丁度いい、見た目も変えるか」

 

そうして出てきたのは何処か

ノクティス・ルシス・チェラム似の好青年。

髪色はランスロットだが、漆黒のスーツを身に纏い、

アロンダイトを片手で持っている。

 

「あっ、お義父さんが若返った」

 

「……その姿、あの時の」

 

「よぉ、士郎。

君にはウチのバイトしていた記憶はあるのか?」

 

「色々と若々しいです」

 

「まぁ、俺選ばれし王の偽物だから」

 

「……前々から聞きたかったのですが、

ランスロット。その選ばれし王とは?」

 

「別の世界、そこで闇を屠る為の贄に選ばれた王。

それが選ばれし王だ、だから俺は神々を呼べるし、

魔法を使える。この世界の魔法とは意味が違うけどな」

 

「……異界の王?では貴方は何故騎士に」

 

「別に、俺は選ばれし王本人じゃない。

あくまでも、選ばれし王と同じ力を持ち、

神に見初められ、より強大な力を有しているだけ。

その世界の更に上位の女神様に愛されて、

永遠なる命を貰って、仕えることを命じられただけ。

だから………」

 

「ランスロット、お遊びは終わりよ」

 

その声に誰もが息を呑んだ。

ランスロットはその場に跪き、冷や汗をかいている。

それどころか、数多の英霊が動けず命の危機を感じている。

 

「私の、私のランスロット、その顔をあげなさい」

 

それは白絹を纏いし麗しい乙女。

だが、何処か顔を認識できなくなった。

美しい、だがどんな顔と言われれば判らないのだ。

それだけではない、言葉を発する事を許されない。

 

「はっ……」

 

ランスロットの整った顔をその手で撫でると、

唇へ優しく口付けを交わす。

 

「貴方の本体を降ろしました。

もう、枷に囚われる事はないわ。

存分に暴れ、貴方の目的を果たしなさい。

敵を屠り、私の神子としてこの世界に刻みなさい。

世界の理から外れし、貴方の力を」

 

白絹の乙女が消えると、皆が汗を流しながら呼吸をする。

あり得ないほどの重圧と濃密な殺意、

世界をなんとも思っていない様な遥かな気配。

 

「宰相、今のは……」

 

「はぁ……ハァ……我が主神女神―――様です。

良かった、誰も不敬を働いていないな?

あの御方は外なる神だ、絶対に歯向かうな。

英霊なんてちゃちいものじゃ太刀打ち不可能だ。

ビーストじゃない、そもそも次元が違うんだ。

勝てないんだ、平行世界とかそんなんじゃない。

俺達がいる次元の外側、クトゥルフ神話の

アザトースのような御方だ。歯向かえば、存在がなくなる。

死じゃない、その場に居たという事実だけが残り、

名前も、記憶も、思い出からも消える」

 

「それは……そんな神秘の塊がなんで今顕現したのに」

 

「何も起きないか?違う、起こす必要がないんだよ。

神の顕現とはその世界へ権威を示す事。

俺が召喚した六神はその通り神秘の塊だ。

だからあのような天変地異を起こすことができる。

何処からともなく現れ消えていく。

だが、そこにいたという爪痕は確かに残るんだ。

でもあの御方は違う、いるはずなのに居ないんだ。

人に溶け込み、神であるにも関わらず自然でいられる。

権威なんて必要ないんだ。

言葉一つ、吐息一つで何もかもが変化するのだから」

 

滝汗を流しながら話すランスロットに納得する一同。

そして、常に上には上がいるというのを意識した。

 

「そう言えば、お父さん。なんで昼にガウェイン卿と」

 

「ガレスへの手向けだ。

俺はあの日、ガレスを手に掛けた。

実力ならギネヴィアをさらい、

人知れず始末することも出来たのに俺はやっちまった。

あの娘が警備にいるはずがないと思ってしまった。

それなのにガレスは俺を救ってくれた。

だから円卓の騎士共を根絶やしにする。

俺が円卓を壊したんだ、結末は俺が……」

 

「止めろ馬鹿、お前の気持ちは俺等も知ったから

いちいちそんなナイーブになるんじゃねぇよ」

 

「ランスロット卿、かつては貴方を憎みました。

ですが、今までの話を聞いて……

貴方に背負わせてしまったんですね。

我々は」

 

「ケイ、ベディヴィエール」

 

「その、ランスロット卿。ありがとうございます。

私は……私は貴方に、感謝を伝えた事は無かった。

義務的な言葉なら何度もかけましたが、

こうして話すのは初めてで……その、だからこそ、

ありがとうございます。私の騎士になってくれて」

 

「……そんな言葉、いりませんよ。

勝手に記事になり、勝手に絶望した馬鹿に…

そんな優しい言葉は…要らないね。

ったく……若造共が」

 

ランスロットはその鎧を変えた。

純白の騎士、腰にはアロンダイトを携え、

40代程、しかし生気の満ち溢れた男性がそこに居る。

 

「モードレッド陛下、お言葉を」

 

「騎士ランスロットよ。

逆賊を討ちその名を世界に轟かせろ!

お前こそが、最強の騎士であると知らしめろ!

これは、王命である」

 

「…御意に」

 

ランスロットも決まった。だからこそ続くのだ。

 

「我が円卓の騎士達よ、前へ」

 

騎士王がそう言うと、ケイ、ベディヴィエール

が騎士王の前に立つ。

 

「マシュ、君もだよ」

 

「あっ……はい!」

 

そして、マシュも。

 

「ケイ卿、ベディヴィエール卿、キリエライト卿、

私達が相手にするのは同じ円卓の騎士。

そして、私自身。とても厳しい戦いになるでしょう。

ですが、どうか…どうかその生命を未来の為に。

私ではなく、そこに居る少女のいた時代の為に。

どうか」

 

「ったく、

んな堅苦しい言葉言う前に助けて

お兄ちゃんぐらい言えないのか?」

 

「ケイ兄さん?!」

 

「陛下、あの獅子王は私の罪です。

もとより、我が生命はその為に」

 

「アルト……陛下。

私も円卓の騎士と呼んで頂きありがとうございます。

ですが、私は先輩の1stサーヴァントであり、

最強の戦士ランスロットの娘です!

絶対に死にませんので!」

 

それぞれが思いを口にする。

そして、最後に言葉を出すのはやはり彼女だ。

 

「…みんな、この特異点を修復するよ!

皆で…皆で勝って笑おう!」

 

「「おぉ!!!」」

 

モルガンの魔術により聖都へ繋がる道ができる。

 

「民達は私達に任せろ」

 

「決戦に行けないが、君達の勝利を信じていますよ」

 

山の翁達はモルガンと共に民間人の護衛、

後に仲間がいる。だからこそ、進むことができる。

 

「皆、ありがとう!!」

 

そして、騎士と戦士達は最終決戦へと歩みを進めたのだ。

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