憑依転生ランスロット(偽)   作:影後

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「もう、失うものは無い」

10年後、10年後必ず第5次が起こる。いや、起こらなくてはいけない。だから、だからこそ、すべての罪を俺は背負うんだ。これから、幾千もの無垢なる民を殺し、衛宮士郎を作る。その日常に桜ちゃんが居るかは判らない。判るはずもない。
だが、俺はやらなくちゃいけない。

「…アロンダイト」

俺はランサーの様に宝具を構えた。



ランスロット最後の戦場

小聖杯に焚べる英霊はもういない、なのに小聖杯が具現した。大聖杯は破壊できない、破壊するには……時間も、俺の未来も足りない。

 

「…ランスロット」

 

「ふむ、ギルガメッシュ王が来るかと思いましたが……まさか、アーサー王が先にいらすとは」

 

「ランスロット、聖杯を渡しなさい!私は…聖杯で祖国をブリテンを」

 

変わらない、いくら仕えていた。否、仕えていても、俺の心の闇は浮かばれない。俺は第四次になぜ、バーサーカーで呼ばれたか、ただ原作をなぞる為だけかと思った。バーサーカーなのも、アーサー王、アルトリア・ペンドラゴン陛下を敬愛して止まないからだと…だが、違うのかもしれない。ずっと閉まっていた、隠していた感情がこうして受肉したからか、溢れ出る。

 

「…私はいや…俺は貴女を愛し…憎んだ。何故、ガラハッドを円卓の騎士にした。何故だ、何故……俺が護ろうとしたものを奪った!そうか…受肉し、やっと理解した。これが憎しみ、これが俺がバーサーカーとなる所以!」

 

「ランスロット、何を……」

 

「そうだ、ガラハッド!お前は戻らなかった!聖杯をその身と供に灰にした。お前がそうしたのなら……俺も同じ道を辿ろう」

 

「ランスロット卿!ガラハッド卿など何処にも!!」

 

「あぁ、ガウェイン!貴様も…貴様も俺を信じないのか!なぜだ!なぜだ!俺は…俺は王の為に…王の為に総てを捧げたと言うに!!!」

 

「何を……ランスロット卿!!!」

 

俺は頭に浮かぶ憎しみの思いを抑える。

喋らなくては、話さなくては……

 

「陛下、私は憎い、貴女が。何故、信頼してくれなかった。何故、理解してくれなかった。駄目だ。そして…剰えブリテンの再興だと?!ならば!死んだガラハッドは!ベディヴィエールは…貴様を慕い…死後も仕えた者たちに示しが付かんだろうが!!!」

 

「ランスロット卿、それでも、私はブリテンを再興する」

 

「ほざくか…良いだろう、今ここにこのランスロット。反逆の騎士となろう、こい騎士王。俺はこのアロンダイト以外では戦わん」

 

エクスカリバーとアロンダイトがぶつかる。既に神秘の秘匿なんてものはない、斬撃音を響かせ、余波が冬木の街を破壊する。

 

「はぁ!!!」「ぐっ…ランスロット!!!」

 

エクスカリバーを弾き、胴にアロンダイトをぶつける。

 

「ぐぁ…」

 

「ふっ」

 

蹌踉めいた隙をついて俺はアロンダイトを振り降ろした。だが、騎士王はその程度の隙で負ける女性ではない。

 

「ふっ…ふふっ…」

 

一撃も受けていないはずだった、だが、フルフェイスヘルメットに隙間ができている。

騎士王は俺が気付かぬうちに俺に一撃入れていた。

 

「…ランスロット」

 

鎧は砕け、所々から血すら流している騎士王。俺はそれに……刃を向けた。

 

「立て、王ならば…敵を確実に仕留めるまで!そして、敵を前にして膝をつくな!」

 

「何故です……ランスロット!!!」

 

「言葉か?無様だな、死ね。騎士王、夢を抱いて眠れ」

 

動けないはずだった。騎士王は既に死に体、動けないはずだった。

 

「令呪を持って命ずる!セイバー!ランスロットを倒しなさい!」

 

「アイリスフィール・フォン・アインツベルン!!!!」

 

騎士王の雰囲気が変わった。俺がすぐさま斬り捨てようとした瞬間、俺をエクスカリバーが斬り裂く。死ぬところだった。プレートアーマーは真っ二つになり、ヘルメットも使い物にならない。

身軽になったといえば聞こえはいいが、実際は防御力が死んだだけだ。

 

「ありえない、マスターは衛宮切嗣のはずだ!」

 

「切嗣から令呪を2画貰ったのよ!セイバーとのパスは繋げた!問題ないわ!」

 

「デタラメを!」

 

つまり、二人のマスターが居るセイバー。魔力供給も、元聖杯のアイリスフィールと衛宮切嗣の二人から……気付けなかった。まさか、アイリスフィールを助けた弊害と、衛宮切嗣に遠坂時臣の令呪を渡した弊害が2つ揃ってきたのか!

 

「よせ、貴様ァァ!!!」

 

衛宮切嗣だった、聖杯を狙っていたのだろう。確保しようと動いていた、だがそれをアーチャーの宝具が貫かんとしている。

 

「馬鹿者が!」

 

ボロボロなのは言峰綺礼との戦いを終えたからか。わからない、だが、後々を考えたら切嗣に呪いがかかるのは本当にまずい。勿論、アイリスフィールもだが………

 

「ほぉ…セイバーもおるとはな」

 

「英雄王……ココでか………」

 

「ほぉ、勇者よ。それで?愉快になる得るのか」

 

「貴方がいらしたことで確実に愉快になりますね。ふふっ……フハハハハ!!!!」

 

「ランスロット?」

 

「英雄王、貴方の狙いは?」

 

「無論、セイバーである」

 

だろうな、関わり合いになりたくなかったがしょうが無い。

 

「この物語の終わりに……そして、俺の死にふさわしい場所だ」

 

ここまで来たら確実に切嗣が聖杯をすることは無いだろう。だが、未来の為。

 

「英雄王、私の愉快を見るといい」

 

「貴様」

 

「聖杯よ、我が身に宿れ、そして、我が敵を討ち果たさん」

 

歪んだ聖杯が俺と同化する。いや、霊基と同化させた。受肉したから無い?いや俺の霊基は無限に成長させられる。それは、受肉したとて同じこと。

 

「さぁ、見せた事が無かったな。騎士王、魔法使いランスロットの実力って奴をさ!」

 

肉体が若返る、何故、理解できない。だが、やってやる。

 

「らぁ!」

 

アロンダイトを騎士王に投げると俺の位置が変わる。魔法、ソレが俺の真骨頂。

 

シフトブレイク、ルシス王家の持つ力。俺にはそれもある。

 

「ぐぅ!」

 

「ちっ、5mぐらいじゃあんまし倍率出ないか。だが、ダメージはあったよな」

 

「貴様…その力は」

 

「流石の英雄王様でも判るはずないさ、言ってやる。こいつは魔法だよ。魔術なんて簡単なもんじゃない、真の魔法だ!」

 

「ぐ…ならば…我が財をくらえ!」

 

王の財宝、だがな、こんなのもあるんだよ。

 

「あんたが財宝あるみたいに、俺にも有るんだよ!」

 

「貴様…なんだそれは!」

 

「うるせぇな!」

 

英雄王、いや…ギルガメッシュに俺は伏龍王の投剣を投げる。弾かれる?いや、弾かれる前にシフトが終わる。シフトブレイク、ゲームだと2回ダメージ与えたが、俺も同じことができる。しっかし、魔法のハズなんだけど……これらって別物だよな。

 

「貴様!我が肉体に傷を付けたこと…後悔するといい」

 

「アーチャーなにを!」

 

来た、成功だ。

 

「天地乖離す開闢の星 」

 

慢心でも、本気でもない。怒りによる一撃、俺はこれを待っていた、慈王の盾。出来るはずだ、俺ならば。

 

「シールド!」

 

究極の防御魔法と、盾そして、見極める。

来た、防いでも霊基が段々と砕けていく。

 

「選ばれし王よ、我が力を持って敵を打ち払え」

 

激しい頭痛が頭を襲う、ノクティスはこれを耐えていたのか。

 

「貴様、何を呼び出した!!!」

 

急に積乱雲があたりを覆う。遥か上空から何かが空に現れる。

 

「半神を仕留めるには……神の力だ」

 

〘風の八衝〙

 

強大な風の力が総てを巻き込んだ。英雄王といえど、サーヴァント。所詮影法師、本物ならいざ知らず。本物より弱いのなら、勝てぬどおりはない。

 

「しっかし……死にかけは同じか」

 

「ランスロット」

 

「ほら、どうした?セイバー、そうか……衛宮切嗣君。今決めた、アイリスフィールを殺そう。やはり、邪魔な存在だ」

 

「ランスロット!」

 

セイバーを切り捨て、アイリスフィールへ向かう。何故か、アイリスフィール自身は動かない。恐怖している訳では無いだろう。

 

「ソレが……貴方の選んだ結末?」

 

「………そうだな、終わりだアイリスフィール」

 

「よせ!」

 

「令呪を持って命ずる!セイバー!ランスロットを殺せ!」

 

「切嗣!!!」

 

エクスカリバーが心臓を、霊基を、聖杯を貫いた。

 

「………ガハッ」

 

「ランスロット?」何故…何故避けないのです

 

「やっと、行ける。真の道に………アーサー王、10年後……聖杯戦争が起こります。どうか、どうかその時のマスターに……付きあっ……てぐぅ!!!」

 

体が中から食い破られる様な嫌な気配、衛宮切嗣、アイリスフィール・フォン・アインツベルンを視界に入れる。

 

「テレポ」

 

二人がこの後の世界をどう生きるのか、どうするのか俺は知らない。だが、

 

「ぐぞっ……どおがぁ〜…」

 

体中から泥があふれる。

 

「へぇがぁ……ごろぜぁあ!…ごろぜぁあ!!」

 

「ランスロット……これが聖杯?ちがう…貴方は知っていた。だから…!」

 

「ごろずぅぇ……セあ!バー……」

 

「……ランスロット、貴方の言葉忘れません。我が宝具を開放します。すみません、アイリスフィール。イリヤスフィール、もう貴女とは遊べません」

 

セイバーが何かしている、殺してくれ、もう、苦しい。耐えられない。

 

「……眠りなさい、ランスロット。

約束された勝利の剣」

 

俺を果てない閃光が包んだ。これで……未来は保たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、冬木市にて大規模な災害が起こったことが世間で報じられた。

 

「…ランスロット、これがお前の目的なのかよ」

 

「おじさん?コレを、ランスロットさんが」

 

「ふむ、何かあると踏んでいたが……まさか」

 

「なぁ、カリヤさん。僕はイギリスに帰るけど」

 

「…あぁ、ウェイバーくん、ライダーもありがとう」

 

俺は二人と握手をした。いまは、それだけだ。

 

「ふむ、ウェイバーよ。我もついて行こう」

 

「本当か!」

 

「うむ、我が配下との世界一周も良さそうなのでな」

 

「なにいってるの!このライダー?!」

 

俺は仲良さそうに笑い合う元マスターと元サーヴァントの二人を見る。ランスロットが居れば…桜ちゃんも、もっと。

 

「…ねぇ、雁夜おじさん。私、魔術師になる。魔術師になって…ランスロットさんにまた会いたい」

 

魔術師、俺は嫌だ。桜ちゃんには普通に過ごして欲しい。でも……

 

「判った。でも、小学生までだよ、桜ちゃん。中学生からは冬木で過ごすことになる。不味いけど、俺も、桜ちゃんも間桐家の人間だから」

 

「…お家は嫌だけど、判った」

 

桜ちゃん、頑張って。

俺は新たな家を建てた。間桐家として、表向きの遺産は全て慎二が相続する。だが、裏の魔術師としての遺産は俺の物となる。俺は守る必要がある、蟲の技術は焼き捨て、純粋な魔術師としての資料は必要だ。今更、俺が勉強したところで意味は無いかもしれない。でも…家族の娘の為だから。

 

 

 

ここからは、皆の結末を書こうと思う。

一週間後、桜ちゃん、いや、娘の桜は時計塔と呼ばれる組織の現代魔術科しかも学長はウェイバー君らしい。ライダーは何故か貿易公社を立ち上げ巨万の富を稼いでいる。それはウェイバー君と世界一周という夢に向けた資金稼ぎなのか。一瞬で貿易経済のトップに躍り出たライダーは現代の征服王と呼ばれてる。ジャーナリストの俺も何度か話した。

時臣が死んでから、遠坂がどうなったのか。

セイバー陣営がどうなのか、アサシン陣営がどうなのか、判らない。昔のつてを使って調べる必要はあるだろう。

 

「…これで終わりか」

 

俺の手帳もとい、第四次聖杯戦争の記録。

どうなるだろう、未来は…誰にも判らない。

 

 

 




テロップ
ランスロットの奴死んじゃった!!!

女神
やってくれたわね!でも…どうしようかしら、誰に呼ばせる?誰を呼ばせる?

ランスロット
はぁ……座に帰りたい
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