銀の鍵で行くテラ旅行記   作:YouRe:Admira

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修正点
・10/25 サブタイトル追加


「多分タイムスリップした」

詳しくは知らないけど、トンネルだとか、雪国だとかがうんちゃらっていう小説があるじゃん。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった、から始まるアレ。

一度は言ってみたいセリフベスト10に入るセリフなんだけどさ、やっぱこういうタイミングで言うべきだよね。他には「知らない天井だ」とか、「ここは任せて先にいけ」とか言ってみたい。

 

…さて、ではご唱和ください。

 

「国境長いトンネル…ではなく短い家の玄関をぬけるとIt's So FLY-DAY CHINATOWN…」

 

私も異国人ね★*1

 

 

 

 

★ꄗ★

 

 

 

 

うん。結局ここはどこなんだ。

ネオンっぽい看板と聳え立つビル、昼間なら街行く人々で溢れるであろう街のど真ん中、そこには呆然と立ち尽くす男の姿があった。と言うか俺だった。

 

地名は分からんし、なんならコンビニ行くために外に出ただけなのに見覚えのない場所に出るし。どうなってんだ。

今のところどこでもドアなんて開発されたなんて聞いた覚えは無いし、学園都市のレズ風紀委員と知り合った覚えも無いのだが、どうだろう。

 

「……タイムスリップですかねぇ、コレ。」

 

思わずそう呟き現実逃避をする。

ずっと見ない振りしてたけどどっからどう見てもケモ耳の生えた美少女と聖書の天使よろしく頭の上にヘイロー浮かせてる美少女がバイクで黒スーツとカーチェイス*2をしてるし。

 

多分アレだ、遠い未来で動物の遺伝子とか混ぜ混ぜしてファッションとしてケモ耳生やせるようになったんだよ、多分。

天使についてはアレ蛍光灯って思っとこう。行き過ぎた技術は魔法と同じって言うし、ウン年前からきたローテク人間には理解できなくて当然ということで。うん。

 

そんじゃそういう事で、ローテク野郎はマフィアっぽい黒服とかいう面倒事に関わらずそのまま部屋に引っ込ませて頂きます…と振り向くと、果たしてそこにあったハズの玄関は綺麗さっぱりと消えていたのであった。

辞めてよね、そういうの。

 

なんの準備も出来ていない上にサンダルにクソダサTシャツ、あとジーンズとかいうコンビニ行き装備なのよ?こんなのどうしようも無いじゃん。

もうマヂ無理…と、絶望しながら周囲をもう一度じっくりと、玄関が何処かに落ちていないか探す。*3

少なくとも背後や見渡した周辺には無かった。では足元はどうだ、もしかしたらあるかもしれないゾ。

 

ヤケクソ半分、おふざけ半分で視線を足元に移す。

コンクリの道とデカい銀色の鍵が落ちているのみで玄関は見つからない。神は死んだ。

 

「…ん?これ何の鍵?」

 

新手のキーブレードちゃんですか?*4

 

 

 

 

★ꄗ★

 

 

 

 

結論から言うと、それはキーブレードでは無く、家の鍵ではあった。

正確に言うと、使うと玄関を召喚して自由に出入りできるようになる鍵である。

まぁ要するにそのまんまクトゥルフ神話に出てくるソレ*5を、まるで魔法使いの杖のように長くしたものだ。

ただし、検証の結果としては元ネタのように夢の国やら全く別の空間やらに行けるわけでも無く、我が家の玄関固定のどこでもドアといった感じだった。

全く、もしもクトゥルフ神話TRPGを履修してなければ野垂れ死んでいたところだぜ…

 

ちなみに、鍵の先のわが家の窓は開かず、玄関をもう一度潜ると先程の中華街と思われる場所に出た事から本格的に日本には戻れないらしい。でも電気とネットは通ってるからオタ活には支障がでない。やったぜ。

 

折角だしここは開き直って旅でもしてみようかな。

どうせ戸籍なんて上等なモノはこの時代では持ち合わせていないし、お手軽宿泊施設は銀の鍵のおかげで自前で用意出来る。

下手したらこんなマフィア蔓延る街にいるより安全な気もするし、旅先で何か元の時代に帰れる手がかりがあるかもしれないからね。

食料や金に関しては…まぁ最悪物乞いで★

 

そんなこんなでノリで始めた旅*6、まずはどうにかこの街から出る事が第一目標!!

 

「ソレじゃあ未来旅行with銀の鍵、行ってみよう!」

「ちょっと!?キミ一体何処から出てきたんだ!?」

 

おっと国境ではない短い玄関を抜けたら丸耳の別嬪の姉ちゃんが目の前に。

*1
フライディ・チャイナタウン/泰葉 より歌詞一部拝借

*2
これが本当の爆走エンジェルじゃん。レゲエかな?

*3
※現実逃避

*4
※違う

*5
奇妙なアラベスク模様に表面が覆われた、長さが5インチ近くある大きな銀の鍵

*6
まだ始まってない

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