「これは、一体何が起きているんだ」
そうトライヘキサへと変身しているディードは、その現象に目を見開き、驚きを隠せない。
幸い、その表情は、仮面に隠れており、ソウゴ達には決して見られる事はない。
それでも、その驚いている様子を明らかに隠す事ができずに、見渡す。
オーマジオウの力を使った。
それは理解できた。
だからこそ、様々な世界の『仮面ライダー』達が戦った怪人達の力を取り込ませたトライヘキサを触媒に仮面ライダーへと変身した。
同様に、隣にいるフィーニスもまた、そんな怪人達の恨みや暗い感情を糧に、シンフォギア装者達に敗れたウロボロスを媒介にした。
負の感情が集まったウロボロスを媒介にすれば、既に存在しないアナザーライダーの力を再現する事も簡単に行う事ができた。
それらの計画を通して、オーマジオウの力すらも取り込もうとした。
かつて、スウォルツが実行しようとして、あえなく敗れた計画を。
完璧に。
だが、目の前にいるオーマジオウは、そんなディードの予想を遥かに上回る力を備えていた。
「君の誤算はただ一つ。
立花響達、シンフォギア装者を通じて、成長した我が王の力だ」
「成長だと」
そう、ディードの疑問に答えたのは、ウォズだった。
「ギャラルホルンを通して、様々な世界を救ってきた彼女達。
そんな彼女達と共にいた我が王は、ライドウォッチで力を納めないと手に入れられなかった力。
それを自在に使う事ができるようになった。
何よりも『仮面ライダー』だけではない。
様々な、それも数えきれない世界と手を取り合う事ができる力を得られた」
「だが、それだと」
「世界の融合。
確かに起きる可能性は以前だったらあった。
だが、今の我が王は、それすら無くした」
「なんだよ、それは」
その言葉と共に、ウォズは語りかける。
「この世界。
様々な神話が入り交じるこの世界で、生まれた事により、我が王は無意識だが受け入れる『身体』を得た。
そして、シンフォギアが存在する世界で、彼女達を通して、人と繋がる愛、歌を得て『心』を得た。
そして、王が生まれる前から供えられた絶対的な『力』!
それら3つが合わさった事によって、我が王は、完全無欠な存在へとなった」
「いや、そこまでじゃないから」
そんなウォズの言葉に対して否定したのは、ソウゴだった。
「俺は、一人の力じゃ何もできない。
ジオウだった時も、俺の力じゃない。
皆の力があったからこそ。
そして、この時も、皆の力が合わさったからこそできた」
そう言いながら、ソウゴは言う。
この状況。
本来だったら、その世界の住人の力を借りなければギア。
だが、オーマジオウの力を通して、それを力を得る事が出来た。
「それを纏める事ができたのは、ソウゴの力。
そうでしょ」
そう言った響の言葉に対して、ソウゴもまた、頷く。
「だからこそ、お前達を、ここで止める」
「ならばっ来るが良い!!」
その言葉と共に、ソウゴ達の戦いが始まった。
そして、ソウゴが、完全にオーマジオウの力を使った時。
その波動はゲイツ達にも伝わった。
「ソウゴ、ようやく、力に覚醒したのか」
それと共に、今はここにいないソウゴの力の覚醒を確信し、頷く。
「これが、オーマジオウの。
なるほど、まさかこれ程までとはな」
「悪いが、あいつは今は忙しいんだ。
ここは俺が相手になる」
それと共に、交響は、自分のベルトを外す。
それは、ツクヨミも同じだった。
自殺行為ではない。
ソウゴの波動を通じて、彼らもまた、その使い方を確信した。
同時に、ゲイツ達の腰には、既にジクウドライバーがあり、各々のライドウォッチが装填された。
同時に、その手に持ったドライバーも変化し、新たなライドウォッチに代わり、もう片方に装填する。
「「変身!」」
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!アーマータイム!ガングニール!アガートラーム!神獣鏡!交響!』
鳴り響いた音と共に、その姿は大きく変わる。
そこには、ゲイツが本来変身していた仮面ライダーゲイツ。
同時に交響の力を、身に纏う。
ベースカラーは赤と金。
マントを装着しており、その身体の各部には奏のオレンジ、、セレナの白銀、未来の紫。
その三色が合わさった事によって、その姿はまるで騎士だった。
そして
『ライダータイム!仮面ライダーツクヨミ♪ ツ・ク・ヨ・ミ!アーマータイム!ラピス・フィロソフィカス♪フロー』
ツクヨミもまた、姿が大きく変わっている。
その姿は黄金の、錬金術師を思わせる装甲を身に纏っており、身体の各部には錬金術師達をイメージさせる宝石が装着されていた。
「まさかっ、オーマジオウの影響で、ここまでとは!!」
それを見たアジ・ダハーカが笑みを浮かべながら、すぐにゲイツに向かって、接近する。
それに対してゲイツが取り出したのは、ガングニールを手に取り、構える。
それに合わせるように、その背中にはアガートラームの短剣と神獣鏡の鏡からのビーム。
その援護の攻撃と共に、真っすぐとアジ・ダハーカに接近する。
「ほぅ!!」
同時にアジ・ダハーカはその爪が火花を散らせる。
ガングニールの槍と爪による激突。
そして、そのままアジ・ダハーカの右肩から首がゲイツに伸びる。
しかし、それを止めたのは。
「私達も、まだいるんだぜ!」
その言葉と共に、振り下ろした斧。
その斧の持ち主は、奏だった。
それは、かつて別の世界でロイドという人物達と共に戦った姿。
そして、その仲間の一人であるプレセアの力を借りた姿で、真っすぐとアジ・ダハーカの首を消し飛ぶ。
「ほぅ、まさか。
私が知らない魔法っ」
そう、驚いている間にも未来は魔導士の一人であるはやての魔法を受ける。
そして、セレナは、その身体にある2つの触手と共に、真っすぐと光でアジ・ダハーカのもう一つの頭を消し飛ばす。
「まさか、この世界にない魔法に未知の存在!」
そう、アジ・ダハーカは、ゲイツとの戦いに興奮を覚えていた。
これまでにない未知の力。
それはアジ・ダハーカの中にあった退屈を消し去るには十分だった。
だが
「っ」
それは、すぐに終わる事を告げられた。
アジ・ダハーカの時が一瞬、止まる。
それは魔法ではなく、神の力。
ツクヨミの、時が止める力。
それが、アジ・ダハーカの身体を止める。
『フィニッシュタイム!交響!タイムバースト!』
『フィニッシュタイム!フロー!タイムジャック!』
鳴り響く音声と共に二人のライダーが真っすぐとアジ・ダハーカへと叩き込まれる。
「あぁ、本当に。
人間のような事を思うとはな」
その時、アジ・ダハーカが最後に思った事は。
もっと、この戦いを楽しみたかった。
それだった。