ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

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過剰な情報

 結局、あの後、先記は俺達にその詳細を話す事はなかった。

 

 いや、正確には、その話がまったくよく分からなかった。

 

「いやいや、この場合はやはりこちらが?」

 

『でもでも、一応、あっちの方が正しいデスよ』

 

「けど、行動的にはこっちの方が」

 

 そう言いながら、先記と切歌ちゃんと調ちゃんは俺達に何を話すべきかを言い合っていた。

 

 その会話の内容を少しでも聞き耳をしようとしたが、その内容はよく分からなかった。

 

「俺的には仮面ライダーで良いかもしれないけど、一応、巨人になったからな」

 

『でもでも、魔法少女にだってなったデスよ!』

 

『怪獣にもなった事がある』

 

「勇者にもなったからなぁ」

 

『劇団の一員というのは、どうデスか!』

 

『バンドを組んだのは駄目?』

 

「「????」」

 

 そう、3人の話の内容はまったく分からないものだった。

 

 仮面ライダーという全然知らない単語。

 

 それだけではなく、なぜか巨人に、男の癖に魔法少女に怪獣。

 

 そう、どの内容も理解できないものばかりだった。

 

 というか、そもそもなぜそんな話をしているのかすらわからない。

 

「なぁ、結局、お前は何者なんだ」

 

「だから、それを今、どれにするか話し合っているんだ」

 

「いやいや、そんなデタラメすぎるだろ」

 

「何を言っているんだ。

 

 全部、本当の事だぞ」

 

『まったくもって、心外デス』

 

『うん』

 

 そう、先記と切歌ちゃんに調ちゃんはまるで嘘をついていないように言ってきたのだ。

 

 ただ、どれもが意味不明すぎてまったく頭に入ってこないだけだった。

 

「あの、先記さん」

 

「なんだ?」

 

「その、聞きたいのですが。

 

 そもそも、私には見えないんですが、切歌さんと調さんの2人は、どのような人物なんですか」

 

「と言うと?」

 

「その、響さんを含めて、そんな伝説、聞いた事なくて」

 

「そうだよ、そもそも神殺しって、なんだよ」

 

 そんな事を行ったならば、俺は知らなくても、アザゼル先生が知らないはずはない。

 

「えっ、そりゃ、響達を含めて、全員、この世界の住人じゃないから」

 

「……えっ?」

 

「んっ?」

 

 そう、あっさりと先記はとんでもない事を言う。

 

「あの、この世界の住人じゃないって、どういう意味だ」

 

『えっ、私達は別の世界の住人デスけど?』

 

 そう、切歌ちゃんは当たり前のように言う。

 

 それに対して

 

『先記、切ちゃん、それクリス先輩と翼先輩から止められた事』

 

「『……あぁ!!』」

 

 その瞬間、2人は思わず叫んだ。

 

「えっえっ、ちょ、待って!?」

 

 2人の言葉からしても、明らかに嘘ではない事は分かる。

 

 だけど、別の世界の住人って、どういう意味なんだ!? 

 

「まぁ、キャロルが出た時点で、近い内にバレるかもしれないからな」

 

『そっその通りデスよ。

 

 この状況だったら、仕方ないデスよ、調』

 

 そう、先記と切歌ちゃんは調ちゃんに対して、言い訳を言うように答える。

 

 しかし、それでも俺達に理解できなかった。

 

 そうしている間、調ちゃんはジト目で2人を見ていた。

 

 やがて、ため息を吐きながら、こちらを見る。

 

『まぁ、もう隠す意味も無くなったから、説明すると。

 

 ギャラルホルンは異世界に自分の意識を送る事ができるの』

 

「なっ」

 

 それは、俺の想像を遙かに超える代物だった。

 

『先記は、それで意識を飛ばされて、私達と出会ったんデス。

 

 まぁ、どういう訳か、私達の世界では、私達やごく少数しか姿は見えなかったんデスけどね』

 

 そう、切歌ちゃんは語る。

 

「いや、だったらあの鎧の姿は」

 

「教えて貰ったんだよ」

 

「誰に?」

 

「世界の破壊者に」

 

「……」

 

 悪魔になって、これまで幾度も常識が覆るような事が起きた。

 

 それに対して、多少なりとも慣れたつもりだった。

 

 けど、まさか、ここで、世界の破壊者という単語が出るとは。

 

「いや、なんで世界の破壊者が?」

 

「いやぁ、向こうの世界で色々あって、月が落ちそうになった時に現れたんだ。

 

 その時に、なんでも俺の名前が知り合いに似ていたから、力の使い方を教えてくれたんだ」

 

「さらっと言っているけど、またとんでもない内容が出たぞ!」

 

 普通に月が落ちてくるのを、そんな軽く言うか? 

 

「あぁ、ついでにさっきの錬金派に、その黒幕がいる可能性があるから」

 

「だから、そういうのをさらっと言うなよ!」

 

 ほら、さっきから小猫ちゃんの表情が、宇宙猫のようになっているぞ。

 

「仕方ないだろ。

 

 だって、実際にそういう事があったんだから。

 

 それ以降も色々あって、しかも別の世界に繋がったり、別の世界の住人が来たりと、大変だったんだぞ!」

 

『中には、平行世界全部が滅びそうな件もあったんデスよ!』

 

『本当、大変だった』

 

 大変の一言で済まされないだろ。

 

 だけど、これで一つ分かった事がある。

 

「お前がそんなに強いのは、そんな経験をしたからなんだな」

 

 俺はここに来て、先記が人間でありながら、異常な強さを持った理由に納得した。

 

 そりゃ、世界を何度も救ってきたような奴なら強いわけだよ。

 

 俺はこれまでの話を整理する意味で口に出す。

 

「いや、俺よりもやばい人は普通にいるぞ」

 

「その世界の破壊者って言う人か?」

 

「それもだけど、司令がやばいな」

 

「司令?」

 

 また、ここに来て、新しい人物が出た。

 

『相手が人間かどうかは疑わしいのデス!』

 

『刑法どころか憲法に抵触しかねないレベル』

 

「……まさか、そんな強い人が。

 

 どんな神器を」

 

「いや、生身」

 

「生身?」

 

「しかも人間」

 

「「……」」

 

「いや、冗談ではなく、結構本当に」

 

 その言葉を聞いた後、俺達は家に帰った。

 

 その話の内容のほとんどはあまりにもとんでもない内容の数々だった。

 

 だからこそ、ほとんど覚えていない。

 

 だけど、分かった事としては。

 

「俺達、まだまだ常識の範囲だったんだな」

 

「えぇ」

 

 そう言いながら、俺と小猫ちゃんは頷く。

 

「本当に、何があったの」

 

 それを見た部長は心配そうに言うけど、これを話すには、かなり時間が必要だ。

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