ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

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イグナイトへの道標

 その日、俺はどういう訳か、冥界のテレビに出演する事になった。

 

 なぜ、その場所に呼ばれたのか、疑問に思っていると、そのまま俺は案内されるままに席に座る。

 

「なんか、緊張する。

 

 どうすれば良い、響、翼さん?」

 

 そう、今回はテレビ主演に多く出ている事で、慣れているだろう翼さんと、さっきからガチガチに緊張している響を見つめる。

 

「ふむ、冥界のテレビか。

 

 この手の取材は多く行っていたが」

 

「だっだっ大丈夫! へっ平気っへっちゃらぁ!?」

 

「う~ん」

 

 翼さんの方は大丈夫だが、響は既にインタビューを受ける前から緊張しているのか、身体がかなり震えている。

 

 自分よりも緊張している人間を見ると、一周回って冷静になった。

 

「それにしても、まさか、俺があぁ言う番組の主役になるとは」

 

「あぁ、実は私自身、ドラマ主演をした事ないが、合っているのだろうか」

 

「わっ私も、大丈夫だったかなぁ!!」

 

 そう言いながら、インタビューを受ける前に行った撮影を思い出す。

 

 その内容は、俺が以前、上級悪魔達が仕掛けた戦いが冥界中に流れていたらしく、それによって冥界の子供達の中で、人気が爆発したらしい。

 

 他にも兵藤が「おっぱいドラゴン」が人気になったらしく、俺の方は以前名乗った「仮面ライダー」がそのまま定着したらしい。

 

「にしても、まさか歌まで歌う事になるとは」

 

 慣れていた事とはいえ、戦い以外で誰かに歌を聴かれるとは思わなかった。

 

 しかも、何時の間にかマリアが憑依した事を知られた事によって、響、翼さんも一緒に出演する事になった。

 

「うぅ、こっちでは有名人になるのかなぁ」

 

「まぁ、あくまでも冥界のみだからね」

 

「しかし、こうして歌が冥界にも伝わるとは、なんだが誇らしいな」

 

 それは、俺も同じ意見だ。

 

 悪魔だろうと、天使だろうと、種族関係なく、多くの人に歌を聴いてもらえる事が素直に嬉しいと思う。

 

 すると、そんな話をしている間に、インタビューが始まった。

 

『それじゃあ、そろそろ今回のスペシャルゲストを紹介しましょう!!』

 

 司会役である女性の声と共に、カメラが回る音が聞こえてくる。

 

「今回、スペシャルゲストとして来てくださったのは、今、話題の仮面ライダーこと先記ソウゴさんです!!」

 

 そう言うと共に、俺は立ち上がる。

 

「えっと、初めまして皆さん!! 先程紹介してもらった通り、仮面ライダーをしている者です」

 

 俺がそう挨拶すると、一斉に歓声が上がる。

 

 そして、インタビューが始まる。

 

「それにしても、ある意味、とんでもないヒーローが出ましたね」

 

「そうでしょうか?」

 

 俺はそう言いながら、緊張しながら、身体が固まりながら言う。

 

「えぇ、人間でありながら、多くの悪魔を多くに圧倒した姿と共に、戦いながら聞こえる歌。

 

 それは冥界中の子供達が夢中になっているんですよ」

 

 そう言いながら、女性は笑いかける。

 

「きょっ、恐縮です」

 

「それで、お聞きしたい事が多くあるのですが、まずは仮面ライダーさんが初めて存在が確認されたコカビエル事件。

 

 これに関して、どのような経緯で?」

 

「いや、テスト勉強中に何か光ったので、気になって行ってみたら、何やらヤバそうだったので、思わず止めてしまいました」

 

「おぉ、これはまたなんとも大胆な行動ですね」

 

 確かに、大胆不敵と言えばそうなんだけれど、あの時は俺自身もどうして行ったのか良く分からないんだよなぁ。

 

 その後も、インタビューは続いていった。

 

 正直に言えば、この手の話題はこれまで言った事ないので、どういう風に答えれば良いか分からなかったのだが、何故か自然に答える事ができたので良かった。

 

 そしてインタビューが終わった頃合いを見て、そのまま子供達の歓声を受けながら、そのままスタジオから出た。

 

「はぁ、きっ緊張したぁ」

 

「おっお疲れ様」

 

 そう言いながら、響もまた緊張が解けたように座り込む。

 

「あの程度で、そこまでか?」

 

「翼さんは、何時もインタビューを受けているから、そう言えるんですよ!」

 

「まったく、その通りですよ」

 

 俺と響は翼さんの質問に同時に返した。

 

 すると。

 

「くっくっ、なかなかの対応じゃなかったか、先記ソウゴ」

 

「っ」

 

 そう、聞こえた声に、俺は見つめる。

 

 そこにいたのは。

 

「キャロル」

 

「えっ、キャロルちゃん!!」

 

 その言葉に、響は驚きの表情に、翼さんは同時に警戒する。

 

「何をしにここに来た」

 

「そう警戒するな、風鳴翼。

 

 私は別にここで暴れるつもりはない」

 

「ならば、どうやってここに?」

 

「お前のインタビューを見に来たんだ」

 

「いやぁ、面白かったですよ、マスターが他の子供達と同じような反応を見せる所はぁ」

 

 そうしながら、キャロルの後ろにいた人物を見る。

 

 メイド服の様な青い服を身に纏っており、一見可愛らしい少女に見えるが、その正体は既に知っている。

 

 

 

「ガリィ。

 

 まさか、既に復活しているとは」

 

「まぁな。

 

 戦力的には、まだまだ準備段階だがな」

 

「しかし、なんでこいつを先に復活させたんだ?」

 

 俺はそう言いながら、ガリィに指を差す。

 

「こいつは他のオートスコアラーと同様に対象の粘液から強制的に想い出を搾取する機能に加え、蓄えた想い出を分配するという独自の機能も備える。

 

 だからこそ、いの一番に復活させた」

 

「いや、その理由は分かるけど」

 

「マスターったら、さっきまでは他のお子様と一緒にキャーキャーと歓声出して、それはそれは可愛らしかったんですよぉ」

 

「なんで、こんな人を食ったような態度の奴を選んだ?」

 

「あくまでも機能という意味だ。

 

 まさか、奴らに隠れての接触方法がこれしかないと思わなかったからな」

 

 そう苦虫を噛みながら、先程までの出来事を思い出していた。

 

 というよりも、子供のような真似をして、それをガリィに話のネタにされている事にキャロルは恥ずかしさが込み上げる中、そんな事を知らない響達は呆然としていた。

 

「それで、キャロルちゃんは本当に禍の団に」

 

「あぁ、所属している。

 

 だが、所属する理由が無くなれば、すぐにでも出て行くつもりだ」

 

「その所属理由って?」

 

「マスターったら、寂しがり屋ですからねぇ。

 

 オートスコアラーを全員復活させるつもりなんですよねぇ」

 

「お前は、そういうのをなんで隠さない!!」

 

 そう、キャロルはガリィに向かって怒鳴ると彼女はニヤリとした笑みを浮かべた。

 

 どうもこいつは性格が悪い部分があるとキャロルは思った瞬間であった。

 

「それは、人に襲わせるか?」

 

「するつもりはない。

 

 思い出自体も、消費量は今の所は既に考えている。

 

 まぁ、そういう訳だからしばらくはオートスコアラーを復活する為に禍の団に所属するつもりだ。

 

 それに」

 

「それに?」

 

「お前も既に知っているだろ。

 

 錬金派には、アダムがいる事は」

 

「やっぱり、その情報は本当なのか」

 

 俺はそう、確かめるように、見つめる。

 

「奴もそうだが、オレを含めて、この世界にはお前の知り合いの多くが転生している。

 

 まぁ、知識方面の思い出も復活しているというおまけつきだから、しばらくは困らなかった」

 

「そうか」

 

 そう言いながら、俺はこれからどうすれば良いのか、困る。

 

 アダムという存在に勝てたのは、奇跡に近い。

 

 さらには、現状、俺達にはその時に使っていたダインスレイフがない。

 

「エルフナインの記憶で既に知っているが、イグナイトは貴様らは持っていないらしいな」

 

「あぁ」

 

 その為、現状、イグナイトを使う事ができない。

 

 エクスドライブになるには、膨大なエネルギーが必要とする為、実質は不可能。

 

 さらには、装者達は基本的に全員揃う事も難しい。

 

 だからこそ、現状のままでアダムと出会えば、勝つ可能性はない。

 

「くくっ、だったら良い情報がある」

 

「なに?」

 

「今度、貴様らに関係しているグレモリーのレーティングゲーム。

 

 その対戦相手が禍の団と繋がっている」

 

「なぜ、それを、わざわざ教える」

 

「なに、お前を通して、オレがそちらに行きやすくする為だ。

 

 司法取引という奴だ」

 

「そんな事言っちゃって、マスターってば、本当はあの子の事を可愛そうだと思っているんでしょう」

 

「お前は本当に黙っていろ」

 

 何やら、ガリィが騒いでいるようだけど、キャロルは無理矢理黙らせる。

 

「そこで、お前にはある物を手に入れろ。

 

 それを使えば、イグナイトを再び使えるだろう」

 

「なに?」

 

 その話に、俺は思わず首を傾げる。

 

「イグナイトを使えるって、それって一体なんなんだ?」

 

「蛇だ。

 

 まぁ、見れば分かる」

 

 それだけ言って、キャロルはそのまま立ち去った。

 

「蛇? 

 

 何かの聖遺物か?」

 

「それとも、別の何か?」

 

 結局、キャロルが何を言いたかったのか、分からなかった。

 

 だが、蛇か。

 

「とりあえず、この事は他の皆にも伝えた方が良いかもしれない」

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