ディオドラとのレーディングゲームから時が過ぎ、駒王学園の体育祭が行われていた。
先日の激闘がまるで嘘のように、オカルト研究部のメンバー、そして今回はアーシアの応援の為にと、切歌と調の2人は来ていた。
そんな応援を余所に、ソウゴはとある人物に呼び出されていた。
「今日は叔父さんが来るとは思わなかったよ」
「なに、私も色々と忙しいからね」
そう言いながら、ソウゴは目の前にいる保証人となっている人物を見る。
ソウゴの幼い頃に出会ってから、その叔父の容姿はほとんど変わらない、イケメンである。
怪しげな雰囲気と慇懃ながらも腹に一物ありそうな言動が多く、胡散臭い人物である。
そんな人物が、こうして駒王学園に来ていた事に、驚きを隠せなかった。
「なに、普段は仕事で忙しくて中々会えない息子の顔を見に来ただけさ」
そんな事を言っていたが、未だに胡散臭さは拭えなかった。
「そうか、それじゃ、俺はそろそろ自分の競技があるから、行かせて貰うよ」
「あぁ、頑張ってくれ、我が息子」
この会話の後、ソウゴは自分の出る競技へと戻っていく。
そして、彼は走る際に、何かを感じ取ったのか後ろを振り返る。
しかし、そこには誰もいなかった。
(気のせいだったかな?)
ソウゴはそのまま走り出す。
彼が感じた事など知る由もなかった。
そうして、ソウゴが立ち去った後、叔父に近づく人物がいた。
「あのソウゴの叔父さんねぇ」
その言葉と共に、叔父の後ろに現れたのは、アザゼルだった。
「おや、まさか先生がここに来るなんて珍しいですね、どうしたんです?」
アザゼルは顎に手を当てながら言う。
「いやー、なに、ちょっと用事で来てたら偶々あんたが居るところ見てねぇ」
そんな会話をしながら、アザゼルはニヤリとした笑みを浮かべる。
「まぁいいや。
あんたには聞きたい事があるからな」
「私にかい?
それは一体、何を聞きたいと?」
アザゼルはそのまま尋ねる。
「俺も少し先記ソウゴという奴に興味があって、調べさせて貰った。
両親は既に事故で亡くなり、現在は一人暮らしの一軒家に住んでいる。
保証人であるあんたが、定期的に生活費を送っている」
「私自身、あまりにも忙しくてね。
ソウゴは私にとっても大切な存在だからね」
「何よりも、お前が一番の謎なんだよ。
一体何者なんだよ、先記のお父さんよ」
そう言いながら、アザゼルは真っ直ぐと問いかける。
それに対して、叔父は、その手には何時の間にか本があった。
「この本によれば、とある青年は英雄の王となるはずだった。
19の英雄の力を得た彼は、まさに時の王者となるはずだった。
しかし、彼はそれを放棄した」
「時の王者だと?」
「しかし、既に先に記録された物語には意味をなさない。
彼は、新たな王としての道を進み始めた。
手と手を繋ぐ、戦姫達との出会いによって」
同時に叔父はまるで物語を語るストーリーテラーのようにゆっくりと歩き出す。
「音楽、電光、災害、進撃、光の因子、魔法、物語、守護者、歌劇、星、宝石、強竜、少女、戦場、勇者。
これらは、決して仮面ライダーの王では、手に入れる事ができなかった16の力。
あの子は、王の覇道を捨てた事で、全く異なる、新たな道を切り開いたのだ!」
「何を言っているんだ、てめぇは」
豹変し、物語を紡ぐように語り出した叔父の言葉に、アザゼルは思わず聞いてしまう。
「なに、気にしないでくれ。
それでは、私はこれで失礼するよ、先生」
そう、叔父はそのままアザゼルの前から消した。
「結局何者だっただ。
それにしても」
同時に叔父を見失う前に、見えた文字。
「真逢魔降臨暦だって?」