英雄からの誘い
その日、俺は呼び出しを受けた。
その理由としては、どうやら禍の団による襲撃を受けたという連絡があり、俺はバイクに乗りながら、走っていた。
学校から帰ってきたばかりでの呼び出しで、少しぐったりしていたが、そのまま俺はすぐに向かっていた。
だが、その時だった。
道の先から感じた気配。
俺はすぐにバイクを止めた。
「誰だ」
問いかけると共に、その姿はすぐに現れる。
制服の上から漢服を羽織った男であり、年齢は俺に近い。
「まさか、こうもあっさりと見つけられるとはな。
初めましてと言うべきだな、先記ソウゴ」
「一応聞くけど、お前は何者だ」
「俺の名は曹操。
まぁ、君の言う所の禍の団の英雄派のリーダーを務めさせて貰っている」
そう笑みを浮かべながら、こちらに言う。
「そのリーダーが、俺に何の用だ?
まさか、俺をここで始末する為か?」
「まさか。
俺としては、むしろ君を尊敬しているぐらいだよ。
平行世界での地球の危機を救った。
それはまさしく英雄じゃないか」
「……英雄ねぇ」
その単語を聞いて、俺は思わずあの男を思い出す。
英雄を目指した最低の英雄、ウェル博士。
あの男と言動は違うだろう。
だが、その目は明らかにどこか似ていた。
「それで、何の様だ」
「君をスカウトに来た」
「なにを言っている」
その言葉に俺は思わず睨み付ける。
「君のような英雄が共に戦ってくれば、嬉しい限りだ。
何よりも神をも実際に倒した君とならば「それは俺じゃない」ふむ」
「何よりも、俺はそういう奴のスカウトを受け入れるつもりはない」
それだけ言うと、俺はギャラルホルンドライバーを出す。
「そうか、それは残念だ。
まぁ、今回は退散するが、その前に」
その言葉と共に、曹操はその手に黄昏の聖槍を持つ。
「君達の実力を知っておきたい。
かつて平行世界の地球の危機を何度も救ったという君達のね」
「俺はその張本人じゃない。
だが、断る。
悪いけど、ここでやると街の人々に被害がある」
「その心配はない。
この場では、俺の仲間が既に結界を張ってある。
つまり、心置きなく、戦える訳だ!」
その言葉と共に、曹操は真っ直ぐと黄昏の聖槍を突き出す。
「変身」
『Imyuteus amenohabakiri tron』
その槍に対して、俺はすぐに変身する。
同時に手に出現した、天羽々斬でその一撃を受け流す。
その動きは既に想定通りと言わんばかりにすぐに、黄昏の聖槍で追撃を行う。
曹操の繰り出す一撃に対して、俺は天羽々斬で防ぎながら、流れるように薙ぎ払う。
薙ぎ払った一撃に対して、そのまま曹操も身体を捻り回避する。
そして、お互いの刃が再びぶつかり合う。
鍔迫り合いを行いながら、曹操が口を開く。
その声音には笑みが含まれている。
どうにも戦いを好む性格らしいなこいつ。
「なるほど、この実力はなかなかだな」
同時にその槍先は俺に向けた。
それと共に矛先に光が集まる。
『ソウゴっ!』
「っ!」
翼からの声を聞くと共に、なんとかその矛先から放たれた光のレーザーが襲い掛かる。
俺はなんとかその一撃を避ける為にその場から飛び退く。
そんな風に思いつつ、俺は再び剣戟へと入る。
剣と槍による激しい攻防が続く中、曹操は楽し気に笑う。
「なるほど、確かにその実力は確かなようだなぁ!」
同時に、先程と同様にそのレーザーを次々と放っていく。
俺はその攻撃を
時には避けて、時に天羽々斬で弾く事を繰り返していく。
しかし、このままじゃジリ貧なのは確かだ。
「さぁ、どうする!」
「ならば、少し変えるだけだ」
『Change!Holy sword』
その一撃に対して、俺は天羽々斬を構える。
それと共に、それまでは刀を思わせる天羽々斬の形が徐々に巨大化する。
その形は大剣であり、そこから放たれるオーラは黄昏の聖槍の攻撃を受け止める。
「このオーラは、まさか聖剣だと?」
「聞いていなかったのか。
シンフォギアは未だに未完成だと」
そう言いながら、俺は構える。
そのまま俺はその手に持った大剣を構える。
それは先程までの武士を思わせる動きではなく、騎士のように堂々とした姿だった。
「シンフォギア。
黄昏の聖槍のような完全な形ではなく、欠片から力を引き出す不完全な神器。
だが、これは一体」
「未完成だからこそだ」
そう言いながら、俺はその大剣となった天羽々斬を構える。
「未だに未完成であるからこそ、変わり続けられる。故に、こうしてあらゆる武器に対応出来るように変化する事が出来るんだ」
曹操は俺の言葉に納得するように息を吐きながらも、嬉しそうな笑みを浮かべる。
「なるほど、まだ完全ではないと。
だが、それでも君の力の一端が見えるという事は素晴らしい限りだよ! はっ!!」
その言葉と同時に、曹操の持つ黄昏の聖槍が光を放つ。
だが、先程のような砲撃を放つのではなく、まるで槍の形を生かしたような一撃を放ってくる。
高速で繰り出される突きに対し、俺は咄嵯に天羽々斬を盾代わりにして防ぐ。
しかし、それだけでは防ぎきれず、僅かに身体に当たる。
だが、俺はその一撃に対して、ゆっくりと構える。
「悪いが、これ以上、時間をかけるつもりはない」
「っ!」
天羽々斬の光が大きく輝く。
同時に俺はその一撃を薙ぎ払うように放つ。
それと共に、曹操は光に呑み込まれた。
「……」
ゆっくりと、俺は見つめる。
そこには既に曹操の姿はなかった。
「いなくなったか。
それにしても、まさかギアの名前も知られるとはな」
『あぁ、向こうには櫻井女史がいるから、その可能性は既に分かっていた。
だが、同時に未だにこちらの手札は十分にある』
「あぁ」
この状況では扱う事はできないXDモード以外でも、デュオレリックを含めて様々ある。
「さて、今から、合流できるか?」
そう呟きながら、俺は再びバイクに跨がりながら、エンジンを鳴らす。