ロキの襲撃から、翌日
キャロルに助けられた事に未だに驚きを感じながら、俺達はその場に集まっていたメンバーは警戒していた。
それは、ヴァーリを始めとしたメンバーと共に、キャロルも同様だった。
彼らの目的に関して、俺以外の全員が警戒している。
「それにしても、この嬢ちゃんがかつて平行世界で悪さをした錬金術士」
「何か用か、小娘共」
そう言いながら、キャロルは相変わらずの態度と共に、リアス達に返答する。
「俺達としても、未だに錬金派の目的には多くの謎があるからね。
今回の一件に、まさか来てくれるとは思わなかったよ」
「別に、私自身が協力するのは、先記ソウゴに死なれては困るからだ」
「ソウゴが?
それはなんでだ?」
なぜか、その場で俺が生きていなければ困るのか、疑問に思ったアザゼルはすぐに返答を求める。
「簡単な話だ。
私達の目的は、現在は錬金派のボスであるアダムを殺す事だからな」
「えっ、自分達のボスを?」
それには兵藤は驚いた様子で聞いていたが、俺は反対に少し納得していた。
「キャロル、もしかしてだが、ファウストローブはないのか?」
「反対にあると思うか」
その言葉に納得すると共に頷いた。
「ファウストローブ?
なんだ、それは」
「俺達、錬金術士が、聖遺物を元に作り出した鎧だ。
まぁ、お前達が既に事情を知っていれば、こいつのシンフォギアのような物だ」
「まったく、そっちの錬金術士はそう簡単に作れるのかよ」
「いや、キャロルはこの見た目だけど、既に数百年は生きているはずだぞ」
「すっ数百年!?
えっ、人間って、そんなに生きれるのか?
いや、平行世界ならば」
「いや、平行世界でも普通はあり得ないよ。
キャロルは、まぁ、とある方法でな」
「そんな話はどうでも良いがな。
とにかく、今の私も、あいつらも残念ながらファウストローブも完全聖遺物もない。
あるのは錬金術に関する知識だけだが、それだけでアダムに勝てる程甘くないからな」
「アダムって、確か神が初めて作り出した人間という奴か?」
「まぁ、私達の世界では、そうなるな」
実際に、アダムは人間ではない。
その事については、今は話す事はない。
「だが、奴はこの世界での活動を行う為に、同じく転生した私達を手駒にするのを考えた。
それと共に、私達は奴には逆らえなくなったわけだ」
同時にキャロルが見せたのは、手に巻かれている腕輪だった。
「こいつは奴の意識一つで爆発できる。
この周辺を簡単に巻き込むぐらいにはな」
「なっ、それって、まさか」
「そういう事で、私はお前達を直接助ける事はできない。
できるとしても知識程度だがな」
「さっきの戦闘では助けてくれたようだが?」
「そこにいるヴァーリを送るついでだ。
その程度だったら、奴はどうでも良いと感じただろう」
そうしながら、キャロルは俺の方を見る。
「まぁ、こちらも奴を殺す手段を見つけたからな。
奴を倒した、立花響、そして先記ソウゴが揃っている」
「なんか、改めて凄いな。
と言う事は、あのロキにも!」
「あぁ、神相手ならば、むしろ出番だ」
そう、キャロルは俺を見るが。
『悪いが、それは無理だ』
「なに?」
そう、翼さんはキャロルの提案を断る。
「あぁ、今はそれは無理だ」
「・・・どういう事だ。
まさか、この緊急事態で信用できないとでも言うのか」
そうキャロルは言うが。
「いや、その。
響は・・・」
『しばらく補修をうけなくてはならない。
だから、この1週間はこちらに来れないんだ』
「・・・・はぁ、補修だと!?
あの馬鹿はぁ!!」
そうキャロルは思わず叫んでしまう。
分かる。
確かにこの状況ならば、響の出番なのは分かる。
しかし、今はそれができない。
「ならば、マリアはどうなんだ!
奴にガングニールを使えば」
『マリアは現在は任務の為、同じく無理だ』
「ぐっ、この状況でっ」
そう、基本的に俺は彼女達のプライベートを最優先したい。
さらには、何時、襲撃があるのか分からない以上、無理にはできない。
「それで、どうするんだ?
この状況は想定していなかったようだが」
「あぁ、まったく。
頭が痛い。
仕方ない、少し危険な手だが、ロキを相手にするならば、必要だろう」
そう言いながらキャロルには何か考えがあるようだ。
「何を考えがあるんだ?」
「奇跡などに頼るつもりはない。
だが、神を相手するならば、あれが必要になるだろ」
「あれ?」
そう言い、キャロルは頷く。
「XDモードだ」
「XD?
それって、なんだ?」
「簡単に言えば、シンフォギアの全ての力を解放した姿だ。
この形態そのものが奇跡の産物に等しく、起動条件があまりにも厳しいため、戦術的起用はほぼ不可能に近い」
「そっそんなのが、本当に?」
「別に不可能ではない。
何よりも、奇跡だとして、何の問題がある」
「なるほどね」
彼女自身が、奇跡を嫌っている。
ならば、それを必然に変える事もできるだろう。