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堕天使との接触
謎の黒いコートの人物との戦いから数日の時が経った。
あの時、戦いが行われたはずの駒王学園の校庭は、まるで何も無かったように修理されていた。
その事に対して、俺は疑問に思いながらも、普段通りの日常生活を送るように心掛けている。
何よりも、あの校庭で戦った時にはオカルト研究部のメンバーがなぜいたのか、俺は未だに分からない事ばかり。
なので、結局あの事は俺の中で謎のままで終わっている。
「にしても、本当に謎過ぎるだろ」
オカルト研究部は、俺からしたら謎が膨れ上がっていた。
一般人だと思っていた彼らがなぜ黒いコートの男と戦っていたのか。
「まぁ、考えたってしょうがないよな。だって、普通じゃないし。さすがファンタジーだなって思う」
そんな事を考えていると、チャイムと共に授業が始まった。
午後の授業は何事も起きずに終わり放課後となった。
俺はそのまま何も用事がない事も考えて、そのまま家に帰ろうとした時だった。
「へぇ、お前さんか」
「んっ?」
聞こえてきた声。
それと共に振り返ると、そこには金髪の男性であり、世に言うイケオジと呼ばれるような男性が立っていた。
しかし、それが問題ではない。問題は目の前にいる人物だ。
「俺に何か用か?」
「いや、なに。
お前から少し珍しい気配を感じてね」
「珍しい?」
それが何を意味するのか、よく分からず俺は首を傾げる。
「なに、コカビエルを倒した奴がどんな奴かと思ってな」
そう、俺に問いかける。
「……コカビエル?」
本当に誰だか分からず、首を傾げる。
話している感じだと、俺がどこかで知り合ったらしいが、まったく覚えていない。
ただ、なんというかその言葉遣いといい態度といい、なんだろう。
俺の中にあった警戒レベルが上がる。
この人の目的は不明だが、絶対に危険な人間だという事が分かる。
「だったら、これを見せた方が早いな」
その言葉と共に、その男の背中から翼が生えた。
それは、確かに、あの時に戦った黒いコートの男と同じだった。
「っ」
「ははっ、どうやら見覚えありのようだな」
俺の反応を見て、まるで悪戯に成功したように笑みを浮かべる。
「俺の名はアザゼル。
まぁ、コカビエルの上司みたいな存在だな」
「それって、つまり、そのコカビエルさんの仇討ちみたいですか」
俺は思わず構えてしまう。
思わず、勢いで言ってしまったが、状況が把握していないのに倒した。
だからこそ。
「あぁ、別に敵討ちという訳じゃない。
むしろお前には礼を言いたいぐらいだからな」
「礼だと?」
「あぁ、お前のおかげで三大勢力での戦争を防ぐ事ができた」
「戦争だって」
その言葉に俺は驚きを隠せなかった。
「なんだ知らなかったのか?
まさかと思うが、堕天使や悪魔は」
「えっ、そんな存在いるのっ!」
驚きを隠せない俺はつい叫んでしまう。
いや待て、落ち着いて考えれば当たり前の事じゃないか。
悪魔とか堕天使がいるなら、逆にいないと考える方が難しい。
というより、冷静になれば普通にあり得る話ではないか。
うん、そうだよね。おかしいと思ったんだよ。だって、こんなファンタジーの世界に現代科学があるなんてありえないもの。
「まぁ良いわ。
とりあえず、お前の神器を見せてくれないか?
結構気になっていたからな」
「神器?」
「あぁ、お前が身に纏っていた鎧の事だよ」
「鎧」
既に向こうは俺の正体がばれている以上は、隠しても無駄かもしれない。
「一応、聞くけど、この姿?」
俺はそのままベルトを出す。
そのベルトと共に、俺の身体は黒い鎧を身に纏う。
何も纏っていない素体となっている。
「ふむ、あいつからの報告とは違うようだな。
にしても、見た事の、いやちょっと待て」
そうしていると、アザゼルは俺の腰にあるベルトを見て、驚きを隠せなかった。
「ギャラルホルンなのか?
なんで、ここに?
というか、ギャラルホルンの神器って、一体どうなっているんだぁ!!」
「っ」
アザゼルは一目で、これがギャラルホルンだと分かった。
「いやぁ、驚きを隠せないぜ。
まさか、ラグナロクの始まりを意味するのが、こんな姿になるとはね。
それで、何時からだ」
「子供の頃からだ」
響達との戦いを通して、何時の間にか会得した姿だ。
「まぁ良いか。
とりあえず、お前には少し頼みたい事がある」
「頼みたい事?」
首を傾げる。
「今度行われる三大勢力の会議。
そこに出て欲しい」
いきなりとんでもない事を言って来たよ。
思わず固まってしまう。
「えっと、理由としては」
「お前さんはコカビエルを止めた英雄となっているからな。
会議に出てきてくれれば、他の勢力との繋がりも作れるし、今後の活動にも役立つ筈だろ」
確かにそれはあるだろう。
しかし、俺にとっては重要な問題があった。
「俺、人前に立つ事が苦手なんだが」
正直なところ、そういった事は得意じゃない。
というより、そもそもの話として注目されるのが好きではないのだ。そんな俺の言葉に、アザゼルは苦笑いを浮かべる。
「まぁ安心しろ。
そんな難しい事は言う必要はないと思うからよ」
「はぁ」
ため息をつくしかなかった。
とりあえずは、当日は誰かに来て貰う必要がありそうだな。