京都へと辿り着いた俺達。
実体化したクリスは、俺から少し離れていても食事などを行えば、そこからエネルギーを得て、実体化を保てるので、別の部屋になっても問題なかった。
それと共に、俺と兵藤は、そのままアザゼル先生から渡された鍵に記された部屋へと向かったけど。
「なっなんだよ、これ」
そう言いながら、兵藤は驚きを隠せない様子で見ていた。
八畳一間の和室であり、古ぼけたテレビに丸テーブルなどの必要最低限の物ばかりだ。
「ああはははっ!マジかよ!この部屋だけ和室じゃん!しかも八畳ぐらいの!!」
「ベットではなく、敷き布団か!しかも1人だけ!これは旅行資金のやりとりがこんな所に影響を及ぼしたのか?」
そう言いながら、松田と元浜が言っていた。
そんな話をしている間にも、兵藤とロスヴァイセ先生が何か話しているようだ。
よく聞こえないが、俺は特に気にせず、備え付けられていたお茶を飲む。
「ぐっ、そっそうだ!
ソウゴだって、同じ部屋なんだから、この部屋にしなくても」
「えぇ、俺、結構こういうの嫌いじゃないよ。
なんだか、まさしく和室っていう感じで」
「けどよぉ」
「それに、京都ではほとんどクリスと一緒に過ごすつもりだから、別に部屋は寝るだけだから、そこまで拘るつもりはないけどね」
「「「ちくしょう!!彼女持ちがぁ!!」」」
俺の言葉を聞くと同時に面白い程に同時に落ち込んだ3人。
「ロスヴァイセ先生。
俺、なんか可笑しい事言いました?」
「ソウゴ君。
夜間は部屋から出るのは基本的に禁止されていますよ。
不純異性交遊はあまりしてはいけません」
「あぁ、そっか。
まぁ、昼に一緒に居れば、良いか!」
「まぁ、それだったら」
そう言いながら、ロスヴァイセ先生も納得するのか、どうか分からない表情で首を傾げる。
そんなやり取りを行った後、俺達は改めて、京都の観光を行う事にした。
そうして、観光に向かった場所は神社のある伏見稲荷。
見ると、そこには両脇に狛犬のような狐の像も見える。
「にしても、神社ね。
神社と言ったら、色々あったな」
「あぁ、そう言えば、結構、縁があるよな、神社とは」
向こうの世界での戦いの時でもそうだが、様々な出来事で神社が中心に起きる事件を経験していた。
「えぇ、神社に縁って、何があったの?」
「んっ、クリスの場合はアイドルデビューしそうになった事だね」
「あっ馬鹿!
そんな昔の事を言うのかよ」
武者ノイズに関わる事件の時の事を思い出していると、そのままクリスは顔を赤くしていた。
「アイドルデビュー?
まぁ、クリスちゃんだったら、あり得るわね」
「アイドル衣装のクリスちゃん。
見てみたい」
「歌を歌いながら、あれが」
そう言いながら、各々が反応していくと。
「実際に可愛かったし。
ねぇ、クリス!
あの衣装を「もぅ、あの衣装はやらねぇぞ」えぇ」
せっかく平行世界で、代役とはいえ、確かにアイドルになったのに、残念だ。
「わりぃ、俺、ちょいとお先にてっぺんまで行ってみるわ!」
そう言った兵藤は、そのまま階段を勢い良く駆け上がっていった。
「んっ?
もしかして、競争?
面白そう!!」
「なっ、おい、ソウゴ!」
何やら、面白そうだと感じた俺もまた、兵藤の後ろに着いていく。
他の観光客の邪魔にならないように、勢い良く駆け上がりながら、走って行く。
「なんというか、お前は本当に、どういう鍛え方したんだ?」
「男の鍛錬は食事と映画鑑賞と睡眠だけで十分」
「いや、そんなので、強くなれないだろ」
「そうか?」
だけど、実際に俺の知り合いにそれでほとんど最強の人物がいるけど。
この前も、向こうの世界に遊びに行った際に訓練を行って貰ったけど、普通に負けてしまった。
変身しても、まるで敵う気配がないのは、本当にあの人ぐらいだよ。
「それって、前に言っていた人の事か?
もしかして、お前が言っていた司令?」
「あぁ。
あの人、向こうでは戦えない事情があるけど、絶対に俺達よりも強いからな」
「なんか、仙術とか、そういうのは」
「強いて言うならば、映画を見て学んだカンフーかな?」
それを言うと、兵藤は、頷く。
「なんか、俺にも目標になる人ができたけど、お前にとっての目標って、その人なのか?」
「まぁね。
あんな大人になりたいと思っている。
いや、ならないと」
じゃないと、響達を守れない。
「そっか、というよりも、神社についたぞ」
「おぉ!!」
俺達はやがて辿り着いた古ぼけた社だった。
「へぇ、なんだか、風情があるなぁ」
そう神社を見つめながら、俺は思わず笑みを浮かべながら言う。
ここまで走ってきたけど、そこまで疲れていないし、クリスが来る頃に一緒にいけるように準備を。
「おい」
「んっ?」
俺がそう考えていると、後ろから声をかけられた。
見ると、制服を着ているけど、どうやら俺達とは違う学生だろうけど、何やら無表情のようだけど。
「お前、あの悪魔と仲間か?」
「えっ?」
そう言われて、後ろを見ると、そこには丁度兵藤が何やら願い事をしているようだけど。
「まぁ、そうかな?
えっと、君は?」
「俺はこの地を守る陰陽師だ。
お前らのような奴からな」
「えっちょ!?」
そう、俺が疑問に思っていると、目の前にいる彼はその手に持った何かを振り下ろした。
俺はすぐに後ろに避ける。
見ると、地面を大きく抉る程の威力を持っており、その手に持っていたのは、斧だった。
「いきなり何をするの!?」
「お前には聞きたい事があるからな。
八坂様を帰させて貰うぞ」
「八坂って、誰だよ!?」
俺はそう言いながら、斧をこちらに振ってくる彼に対して、すぐに避ける。
同時に俺はそのまま腰にギャラルホルン・ドライバーを巻く。
「なに?」
それを見て、何やら、驚いた顔をしているが。
「あれ、もしかして、これで和解なんて「どうやらお前にはまだまだ聞きたい事ができたようだな」えぇ?!」
そうしていると、彼もまた構える。
同時にその腰に出てきたのは、俺のと同じ黄金のギャラルホルン・ドライバーだった。
「それは」
「どういう訳か、こいつを拾ってから変な声が聞こえるんだ。
お前には、それを聞かせて貰うぞ、変身!」
『RIDER TIME』
鳴り響く音声。
それと共に、その姿が見える。
それは、俺が変身した黒い昆虫を思わせる鎧ならば、向こうはその反対の白い昆虫を模した鎧。
銀色のボディを持つ点や差し色で緑が特徴的な姿だった。
「俺も、少し聞きたくなったかな」
兵藤の方でも何か起きているようだけど、目の前にいる彼を放っておく事はできないだろ。
「変身」
『RIDER TIME』
今は、近くにクリスがいない。
その事もあって、俺はそのままの姿で、対峙する。
目の前で、色以外は鏡映しのような存在に対して、疑問に思いながら、見つめる。
「そう言えば、名前は?」
「名前だと?」
「俺、先記ソウゴ。
それで、この姿は仮面ライダーシンフォ」
「仮面ライダー?
まぁ、どちらでも良いが」
そう、彼はため息を吐きながらも。
「坂田景都。
あえて、名乗るならば、仮面ライダー交響」
「えっ、漢字?
読みにくそう」
「適当につけたからなぁ!!」
同時に、そのまま戦いが始まる事になった。