俺とゲイツは、すぐにでも八坂を救出する為に向かった。
だが、その向かう最中には、英雄派からの刺客だと思われる連中が襲い掛かってくる。
「本当に数は多いな」
そう言いながら、俺は襲い掛かってきた刺客の一人を蹴り飛ばす。
しかし、それだけでは終わらず、英雄派は俺たち三人に向かって攻撃を続ける。
それを難なく避けて、逆にこちらから攻撃を繰り出す。
そこまで強くはないけど、襲い掛かってくる人数が多く、奇襲を何度も受けてしまう。
一応、襲撃してきたのは全員で十名ほど。
それにしても、どうしてこいつらはこんなにも妨害してくるんだ?
疑問に思っている間にも。
「ソウゴ、後ろだ!」
「っ!」
ゲイツからの声を聞くと共に、俺はその場を避ける。
そこには鞭があり、俺はその鞭の持ち主を見る。
「ネフシュタン」
「よぉ、まさかここまですぐに罠にかかってくれるとは思わなかったぜ」
「罠?」
その言葉に疑問に思った。
見れば、ゲイツ達と遠く離れているようだけど。
ここから、距離としては少し遠い。
同時にゲイツの前には
「完全に孤立するのを狙っていた。
けど、まぁ、十分な結果ね」
「なに?」
その言葉に疑問に思う。
同時に森の影から出てきたのは見覚えのある二人。
「まさか、こっちが当たるとは」
「という事は」
「ご名答」
その言葉と共にネフシュタンの顔にあるバイザーを脱ぐと、そこには俺の予測していたヴァネッサがいた。
「予想はしていたけど、なんで」
「悪いけど、私達も逆らう事はできないのでね」
「あんたには恨みは結構あるけど」
「それとこれとは別でやらせて貰います!」
その言葉と共に3人はこちらに向けて、手を向ける。
俺はすぐにその場から離れようとしたが、既に遅かった。
「ダイダロスの迷宮っ」
以前、ヴァネッサ達と戦った際に見た技。
エルフナインからの説明で、「迷宮には怪物がいる」という、多くの人が長き時間に渡って積層してきた認識を元に、「怪物がいる場所こそが迷宮」と因果反転させることで実現した哲学兵装にして、ダンジョンエディット機能。
それは、通常では脱出する手段はない。
そして、この技で恐ろしいのは。
「もぅ来やがった!」
目の前に迫る光は、俺を倒す勢いで迫ってくる。
すぐに俺はその光から避けるように後ろに下がる。
しかし、このダイダロスの迷宮に閉じ込められ、ほとんど逃げ道はない状況。
「くそっ! これは最悪だな」
既に万策尽きたのか。
そう考えていた時だった。
俺の手から、感じる。
『ソウゴ、聞こえるか!』
「クリス!」
それは、俺がいる場所の外にいるクリスからの声だった。
『今から、合わせるぞ。
悪いが結構無茶なのは分かっている』
「合わせるって、心象変化で」
『いいや、デュオレリックだ!』
「デュオレリックって、必要な聖遺物は」
『一応あるよ。
まぁ、これだけ離れていたら、成功するかどうか分からないけどな』
そうクリスは皮肉そうに言う。
だが
「やってみないと分からない、だろ!」
『あぁ、一気に行くぜ!!」
その言葉と共に、俺は迷宮の外にいるだろクリスと手を合わせるように、イメージする。
「『デュオレリック!!』」
『DUAL UP! Nehushtan!!』
その音声と共に、俺の身体は大きく変化する。
これまでとは違い、身に纏ったフードは、そのカラーリングと相まって死装束のようにも見える。
同時に身体の各部はネフシュタンの特徴とも言える紫色の結晶がまるで鎧のように纏う。
俺はダイダロスの迷宮の爆発に巻き込まれる。
しかし、俺にはまるでダメージはなかった。
それと共にクリスは、俺の横に立つ。
そこには確かにデュオレリックとなっているクリスだった。
「クリス、これは一体?」
「話は後だ。
とりあえず、今は」
「あぁ、なんとかする方が先決だな」
その言葉で、戦いは再開される。