ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

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その手は

 周りに被害はなく、遠慮無く戦える。

 

 これまで、街中での戦いを多く行っていた俺達にとって、それはまさしく戦う為には絶好の場所だった。

 

 既に仮面ライダーへと変身していた俺達は、こちらに囲んで襲い掛かってくるアナザーライダー達に向けて、戦っていく。

 

 アナザーライダーの一体は、俺に向かって、その身の丈はあるだろう刀を振って来た。

 

 俺はそれを避けると共に、カウンター気味に拳を放つ。

 

 しかし、相手もただではやられないらしく、刀を持っていない方の手を盾にして、俺の攻撃を防ぐ。

 

 同時に、既に構えていた他のアナザーライダーが、襲い掛かる。

 

「はあああぁぁ!!」

 

 だがそれを阻むように、横から割り込んできた響が蹴りを放ち、そいつを吹き飛ばす。

 

 そしてそのまま流れるような動きで拳を振るうと、また別のアナザーライダーの腹を殴りつける。

 

 吹き飛ばされた方は、そのまま地面に倒れて動かなくなる。

 

 同時に俺もまた、目の前にいるアナザーライダーに向けて、蹴り上げる。

 

 それによって相手の体は宙に浮かび上がり、地面を転がる。

 

 そこへ、背後から迫る影があった。

 

「ハッ!」

 

「……っ!?」

 

 振り向き様に放たれた回し蹴りを同時に受け止める。

 

 それと共に俺と響は息を合わせるように足を振り抜き、相手を蹴り飛ばした。

 

 互いに距離を取りながら着地すると、俺は懐から別のペンダントを取り出す。

 

「響、一気に終わらせよう!」

 

「あれだね!」

 

 俺の言葉に頷くと同時に、すぐに手を伸ばす。

 

『Change! solbright!』

 

 鳴り響く音声と共に、俺と響に後光をイメージしたリングが背中に装着される。

 

 同時に光輝く拳を真っ直ぐと、迫り来るアナザーライダー達に向けて、放つ。

 

「ハァッ!!」

 

「えぇーいっ!!」

 

 放たれた一撃は、俺達の周囲にいたアナザーライダーを巻き込みながら、爆散する。

 

 だが、倒されたアナザーライダー達は、すぐ復活する。

 

「このアナザーライダー達って」

 

「あぁ、どうやら、加古川を倒さないと、どうにもできないようだ」

 

 ある程度、予想していたとは、いえ、これは本当に厄介だ。

 

 ウロボロスの力なのか、アナザージオウの力なのか。

 

 その両方が揃っている為なのか。

 

 加古川を通じて、アナザーライダーの形となったウツセミ達は倒したとしても、すぐに復活する。

 

「だったら、さっさと決着をつけろ!」

 

 同時に聞こえたのはゲイツだった。

 

 それと共に、アナザーライダー達に向けて、薙ぎ払うように紫の光線が放たれる。

 

『響、ここは私とゲイツさんがなんとかするから!』

 

「未来! うんっ!!」

 

 それと共にゲイツの横で未来が並び立つ。

 

 聖遺物に対して、特攻とも言える神獣鏡。

 

 そのギアを身に纏うゲイツと未来が、すぐに俺達の道を開くように現れる。

 

 そして

 

『Change! Carbuncle』

 

 鳴り響く音声と共に、ゲイツ達は宝石を思わせる鎧を身に纏う。

 

 そして、宝石はまるで意思を持つように、ゲイツ達から離れ、次々とレーザーを放っていく。

 

 それによって、俺達に近づこうとするアナザーライダー達の進路を塞ぐ。

 

「ソウゴ!」

 

「あぁ!!」

 

 それを見た俺達はすぐに走り出した。

 

 その向こうでは、既に待ち受けていたようにアナザージオウが、加古川が待ち構えていた。

 

「ソウゴォォ!!」

 

 同時にアナザージオウはその手に時計の長針と短針を模した双剣を構える。

 

 

 

 俺と響はそのまま拳を振り下ろす。

 

 対して、アナザージオウは双剣で受け止める。

 

 火花を散らしながら、俺達は力任せに押し切ろうとする。

 

 だが、アナザージオウはまるで俺達の動きが見えるように、攻撃を受け流す。

 

「……くぅっ!」

 

「こっちの動きが見えているの!?」

 

 思わず苦悶の声を上げる俺の隣で、同じように響も歯噛みをする。

 

 同時に、アナザージオウは素早く踏み込むと、俺の顔目掛けて拳を放つ。

 

「ぐあっ!?」

 

 咄嵯に腕を交差させて防いだが、それでも勢いを殺しきれずに吹き飛ばされてしまう。

 

 地面を転がりながらもどうにか受け身を取ると、すぐさま立ち上がって構える。

 

 そんな俺の前に、ゆっくりと歩いてくるアナザージオウの姿があった。

 

「どうなっているんだ」

 

「俺には、お前が捨てた力を持っている」

 

「なに?」

 

 その言葉に、俺は疑問に思う。

 

「お前が王となるのを辞めた結果、この力は俺の物になった」

 

「力?」

 

「未来予知だ」

 

「未来予知っ」

 

 その言葉に、響は驚きを隠せなかった。

 

 まさか、アナザージオウが他のアナザーライダーを具現化させるだけではなく、未来予知まで持っているとはね。

 

「それもこれも、お前に復讐する為だ!」

 

「復讐ね。

 

 それで、加古川はなんで俺を恨む訳」

 

「言ったはずだ、お前がいなければ、俺の両親は死ななかった。

 

 俺が孤高な人生にはならなかった!!」

 

「その理由は」

 

「なに?」

 

 俺は同時に立ち上がり、加古川を見つめる。

 

「お前が、加古川が俺が原因だと言ったのは、その声だけ。

 

 それ以外に何か原因だと調べたのか」

 

「そんなの、あの声が」

 

「お前は結局は、自分の人生の失敗を俺のせいにしたかっただけだろ? 

 

  だからって関係ない人達を巻き込んでいい理由にはならないよなぁ?」

 

「貴様ァッ!!」

 

 怒りに任せるように、加古川はこちらへと駆け出す。

 

 真っ直ぐと、その剣を突き出してくる。

 

 それを俺は見切りながら避ける。

 

 そのまますれ違い様に腹に一撃を入れる。

 

「うごぉっ!?」

 

「ふんっ!」

 

 更に振り向きざまに裏拳を叩き込み、地面に叩きつける。

 

「何よりも、加古川は、自分から誰かに手を伸ばそうとしたのか!」

 

「何?」

 

 俺はそのまま睨み付ける。

 

「孤高で、寂しい。

 

 けど、お前は誰かに手を伸ばさなかったのか」

 

 加古川は、確かに孤独だった。

 

 だが、彼がここまで立派に育ったのは、彼の親戚が彼を思って育てたからだ。

 

 だけど、彼はずっと死んだ両親の事しか目を向けなかった。

 

「誰かに手を伸ばせば、きっと変えられた。なのに、お前は自分の人生を自分で終わらせたんだよ」

 

「黙れぇえええっ!!!」

 

 加古川は再び立ち上がる。

 

 そして再び向かってきた。

 

 しかし今度は、ただ闇雲に向かってくるだけではない。

 

 その手に持つ双剣は、2本を連結することで槍状にして、構える。

 

 それを真っ直ぐと俺に向けて、放つ。

 

「だからこそ、俺は…いや」

 

「私達は」

 

「「皆の笑顔の為に、戦う!!」」

 

『DUAL UP! Mjolnir』

 

 だが、その攻撃は、俺達に降り注ぐ雷によって、防がれていた。

 

「なに?」

 

 それと共に、俺達の姿も変わる。

 

 響の背中には、背中にコイルのような物が装着されており、それこそが響のミョルニルのデュオレリックギアだった。

 

 そして、俺も一瞬、黒い鎧を身に纏う。

 

 だが、響から流れる雷が、その黒い鎧を黄金へと変える。

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