突然襲い掛かってきたヴァーリとの戦いの疲れと共に、俺はそのまま屋上に座りながら、これから行われる戦いを見つめる。
「先記、本当にあいつに任せても良いのか?」
そんな俺に対して、クリスは首を傾げながら問いかける。
「さぁ?」
「さぁって」
俺の言葉に対して、クリスは呆れたように息を吐く。
「雪音、先記がこういう時には何か考えがあるはずだ。
そう気にする事はない」
そう言いながら翼さんはそのままクリスの肩に手を置きながら、抑えてくれる。
「先輩はこいつのマイペースな性格を信用し過ぎるんだよ」
クリスは俺に対して文句を言いながらも、とりあえずは納得したかのようにそれ以上は何も言わなかった。
「それにしても、あの馬鹿から聞いていたが、本当に天使や悪魔がいるとはな」
「あぁ、今更と言うべきか」
それと共に校舎の中にいるリアス先輩達を見つめながら言う。
アザゼルから言われていた通りだった。
俺達が通う学園には、悪魔が存在すると。
だがその話はあくまでもアザゼルから聞いた程度で、俺自身半信半疑だったが、まさか本当だとは思わなかった。
それでも、今回の三大勢力の会議に実際に参加して、アザゼルの言葉が正しい事は証明されただろう。
「先記」
「んっ?」
そう、俺が未だに起きている目の前の戦いを見つめていると、クリスは俺に話しかける。
「困った時があったら、遠慮無くあたし達を呼べ。
お前の声が聞こえれば、すぐに向かうから」
「そんなに気にするなよ。
こうして戦ってくれるだけでも、本当に」
「いいや、ここは雪音の言う通りだ。
お前の言葉で私達は救われたんだ。
何よりも惚れた男を助けるのは、当たり前だろ」
「うっ」
そう、真顔でイケメンな発言をする翼さんの言葉に俺は顔を赤くする。
「先輩はったくもぅ」
それはクリスも同じだったのか、そのまま俺の方をちらちらと見る。
「それじゃ、お願いするよ。
クリスも、頼むよ」
「あっあぁ、勿論だ。
そのっあたしもっお前の事がっすっすきだから」
最後の方は声が小さかったが、それでも確かに聞き取ることが出来た。
やっぱり可愛いな。
それだけでも嬉しく感じてしまう自分に笑いそうになる。
そう、こんなにも嬉しい事なんてないのだ。
そうしていると、共に戦いが終わった。
「先記、お前、途中まで戦っていたんだったら、最後までやってくれよ」
そうして、俺はそのまま一誠達の元へと向かう。
「えっ、いやだって、お前と因縁があるとヴァーリの奴が言っていたから、譲らないといけないと思ったからね」
「いやいやっ、俺そういうのは興味ないんだよ!」
そう一誠は、俺の方を睨む。
「というよりも、お前が何時の間にかハーレムのような事になっているのも結構驚きなんだよ!!」
「ハーレム?」
その言葉に疑問に思ったのはリアス先輩だった。
「なぁ、クリス」
「まぁ、それはあたしも気になったけど、今は黙ってろ」
そう俺の言葉をクリスは止める。
「イッセー、ハーレムって、どういう事かしら?」
「いやいや、先記の両隣に女の子がいるじゃないですか!」
「えっと」
「先輩、疲れすぎでは」
「私には見えないが」
「えぇ!!」
そう一誠が主張する中で、オカルト研究部の中で大半はクリスと翼が見えない様子だ。
だが
「イッセー君も見えるのか?」
「えっと、それじゃ、気のせいじゃないんですね」
「木場もアーシアは見えるのか!」
「あのっ僕も見えるんですかっまさかっ幽霊っ!」
「ギャスパーも!」
それと共に一誠に賛同したのは3人だった。
「神器使いにしか見えない幽霊という訳か。
結構気になるじゃないか」
「アザゼルも見えるのか?」
「俺も一応神器を持っているからな。
それの影響かもしれないけどな」
そう笑みを浮かべながら、翼とクリスを見つめる。
「それで、お前達2人は一体何者だ?」
そうアザゼルが問いかける。
「別に隠している訳ではないが、風鳴翼だ」
「雪音クリス」
そう、翼さんとクリスの2人は名乗る。
だが、その声が聞こえたのは、やはり一誠を始めとした神器使いだけのようだ。
「名前からして、日本人のようだが、結局お前達は何者なんだ」
「それを教える程、あたし達はお前らを信用していないんだよ」
「クリス」
クリスはそのままアザゼルに対して反論する。
「先記、お前も少しは警戒しろよ。
こいつらはまだまだ本音を出していない」
「クリス、けどさ、この場に響がいたら」
「悪いが、先記。
この場では雪音の意見に賛同する」
「翼さん」
同時に翼さんもまた周りを見る。
「未だに我々は出会ったばかり。
何よりも、これまで存在すら知らなかった悪魔や堕天使に天使を信用するのは今は無理な話だ」
「まっ、警戒するのも仕方ないな」
それに対して、アザゼルは苦笑いで答えた。
確かに俺達が知っている人間以外の種族というのは未だに信じられない。
それに、俺自身も、多くの戦いを間接的だが経験した。
「まぁ、それは良いとして。
お前さんはこれからどうするだ」
「どうすると」
「なに、お前さんの目的だよ。
そんな力を持って、まさか何もないというのは変だろ」
それはつまり、俺がテロリストになる可能性を怪しんでいるのか。
それに対して、翼さんとクリスは警戒するが。
「聞きたいけど、神器だっけ?
それにある意志とかを、具現化とかって、できるのか?」
「また、変な質問するな?
それに関しては、まだ分からないと言っておくぜ。
神器に関しては、未だに分からない事が多いからな」
「つまり、可能性はあるんだな」
「そうだが」
ならば、俺の目的はとりあえず決まった。
「だったら、デートしたいな。
翼やクリス達と」
「へぇ、そう来たか」
それに対して、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。
「おっお前っ、そういうのはっ、もっと、こうなぁ、なぁ、先輩!!」
そう、誰よりも反応したのはクリスだった。
頬を赤くしながら、わたわたしながら、助けを求めるように翼を見つめる。
「ふむ、デートか。
確かにやってみたいな」
「でしょ、翼さん」
「先輩!!」
頼りにしようとした翼さんに裏切られたようにクリスは思わず驚愕する。
「あぁ、これだったら大丈夫そうだな」
しかし、それに構わずアザゼルは笑みを浮かべて話す。
「そう言えば、お前の彼女って、あと何人いるんだ?
確か、コカビエルの時の子もいたけど」
「……一応、全員で6人です」
「おい、その間はなんだ!!」
「こっちにもこっちの事情があるんだよ!
あぁ、もぅやっさいもっさい!!」
そう、クリスもまた頭を掻く。
「あれって、ありなのかなぁ?」
「さぁ、分からん。
というよりも、そういう先記はどうなんだ?」
「どうって言われても、俺自身は告白したのは6人だけど、まさかそれがあぁなるとは思わなかったから。
何よりもなぁ」
「ふむ、確かにあれがあぁなるとは」
そう、クリスが混乱している間に、俺と翼さんは整理するように話し合う。
「まさか、ハーレムの先導者がここにいたとはっ!」
何やら一誠が反応しているようだが、こちらはこちらで混乱している。