ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

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冥界合宿のアガートアーム
龍と銀腕


 俺は、リアス・グレモリー先輩の事が苦手である。

 

 それは彼女の性格が悪い訳ではない。

 

 あの三大勢力の会議から後も何度か会話を行ったし、悪い人ではない事は既に分かっている。

 

 だが、それでも俺はあの人が苦手だ。

 

 いや、苦手な理由は分かっている。

 

『こうして、向き合ってみると、なかなかに奇妙ね』

 

 そう言いながら、俺の隣には今回、予定の合ったマリアが一緒にいる。

 

 数日前にアザゼルから冥界で挨拶する為に来てくれと言われ、俺はリアス先輩が所有する電車で向かう事になった。

 

 そうして、改めて、リアス先輩とマリアが同時にいる事で、思わず思ってしまった。

 

「えっと、先記、これは」

 

「なんとなく分かっただろ。

 

 俺がなんでリアス先輩を避けていたのか」

 

「うっうん、これは少し納得したかも」

 

 リアス先輩とマリアを交互に見ていく。

 

 幽霊状態と言えるマリアを見る事ができるメンバー。

 

「『どうかしたの?』」

 

「「「「声が、同じだ」」」」

 

 そう、リアス先輩とマリアの声が驚く程に同じだ。

 

 同一人物ではないかと疑う程に同じ声という事もあって、恋人であるマリアと間違えそうだ。

 

「えっと、本当に似ているの?」

 

「いや、マジで。

 

 一瞬、部長が先記と付き合っているのではないかと疑う程に」

 

「そっそう。

 

 先記が苦手だと思ったというよりも」

 

「はい、先輩が苦手というよりも、恋人と間違えそうで嫌だったので、無意識で」

 

 俺の答えに対して、リアス先輩も思わず苦笑いをする。

 

「そういう理由なのね。

 

 それじゃ、嫌われている訳ではないのね」

 

「いやぁ、その、間違えると失礼だと思うので」

 

 流石に本人を前にすると気まずくなる。

 

「いやぁ、これは面白いな。

 

 それじゃ、とっと冥界へと行くとするか」

 

 そんなアザゼルの言葉と共に、俺はそのまま案内される。

 

 冥界の入り口という事で、最初は物騒なイメージをしたが、その行く方法がまさか電車だとは思わなかった。

 

 電車に乗り込んだ俺達はそのまま各々の席へと座っていく。

 

「それにしても、本当にそっくりですけど、よく聞いたら、違う所がありますね」

 

「まぁ、マリアさんはメンバーの中でも母親的な立場だからな」

 

「まぁ、年齢的にはそうかもしれないわね」

 

 そう言いながら、マリアは特に気にした様子もなく言う。

 

 普段はあまりスケジュールが空けられないので、今日は少し楽しみにしていたはずのマリアだが、どうも様子が変だ。

 

「……」

 

「何か気になるのか?」

 

「少しね」

 

 そう言いながら、マリアが見つめた先が気になり、見てみる。

 

 そこには、確かオカルト研究部の部員の1人である確か小猫だったはず。

 

「なんとなく、少し前の私と似た悩みをしていると思ってね」

 

「マリアって、年長者だけど、結構そういう所があるよな」

 

「あら、そういう面倒な女は嫌いかしら?」

 

「好きに決まっているけど」

 

「なら、良いでしょ」

 

 そう、どや顔で言うマリア。

 

「とりあえず、眠いから、少し寝るわ」

 

「寝るって、結構自由だな」

 

「だって、まだまだ到着まで時間があるだろ」

 

 そう言いながら、俺は一誠の言葉を気にせず、そのまま寝る事にした。

 

 電車の独特の揺れで、既に眠気があった俺はそのまま熟睡してしまった。

 

 だが、一瞬、大きな揺れが起きる。

 

「なんだ?」

 

「ようやく起きたようね」

 

 聞こえた声、それと共にマリアの声に釣られて、起きる。

 

「何が起きた?」

 

「さぁね、けど、一瞬でどこかに移動したようだけど」

 

 同時に見えたのはドラゴンだった。

 

 巨体のドラゴンが一誠達を襲っていた。

 

「よく分からないけど、やらないといけないようだな」

 

 その言葉と共に俺はそのまま立ち上がる。

 

「頼めるか」

 

「どうやら、それしかないようね」

 

 マリアの声が聞こえると共に、俺はそのまま構える。

 

『Seilien coffin airget-lamh tron』

 

 そう、ベルトから鳴り響く音声と共に変わる。

 

 黒い基本的な姿の上に重なる鎧。

 

 それは銀色の甲冑。

 

 甲冑が重なっていく。

 

 その鎧の中でも一際目立つのが、左腕の籠手。

 

 他の部位とは明らかに重要視されている。

 

 その籠手に俺に右腕に触れると共に、籠手から出てきたのは短剣。

 

 その短剣を構えながら、その変身を完全に変わる。

 

「銀色の姿」

 

「腰にあるのってまさか」

 

「先記なのか」

 

 そう、俺の姿が変わった事に一同が驚く。

 

 その中でも、ドラゴンがこちらを見て、笑みを浮かべると同時に、その炎を吐き出す。

 

 それに対して、俺は籠手から瞬時に無数の短剣を召喚し、飛ばす。

 

 短剣は宙に浮かび、そこから光が出る。

 

 光はそのまま三角形の形を作ると共にバリアとなり、ドラゴンの放つ炎を防ぐ。

 

 それと同時に、俺はそのまま炎を防ぐと共に、飛び出す。

 

 ドラゴンはすぐに頭に生える両角で、俺の短剣を受け止める。

 

 互いの武器が火花を散らしながら、俺はそのまま地上へと降り立つ。

 

 同時に短剣を蛇腹状に変化させての多角的な斬撃を放つ。

 

 だが、それをドラゴンは受け止めると共に、今度は尻尾を振るう。

 

 振るわれた尻尾に対して、俺はすぐに短剣をぶつけて防ぐ。

 

 互いに武器をぶつけ合う中で、ドラゴンは再び炎を吐く。

 

 それに対して、俺は再び右手に持った短剣を投げ飛ばし、炎を防ぐ。

 

 そして、そのまま左腕の籠手に短剣を接続し、大剣状に変形させ、ブースターで突撃し、ドラゴンに向かう。

 

「面白いっ!」

 

 同時にドラゴンもまたその口から炎を吐き出す。

 

 その威力は先程までとは比べものにならなかった。

 

 だが、俺はそのまま炎を真っ二つに切り裂き、突進する。

 

 一瞬にして距離を埋めた俺に対し、ドラゴンはその巨体にも関わらず素早い動きを見せる。

 

 そして、俺に向けて鋭い爪を受け流す。

 

「それで、満足か」

 

「あぁ、十分だ」

 

 同時に俺はそのまま短剣を解除する。

 

「えっと、どういう事なんだ?」

 

「さぁな。

 

 ただ、どうも戦っている間から殺気がまるで感じなかった。

 

 こちらを試す程度しかない気配があったからな」

 

「よく言う。

 

 お前も未だに本気を出していないだろ」

 

 そう言いながら、目の前にあるドラゴンと話していると。

 

「相変わらず、力の底が未だに分からないなぁ。

 

 ますます、興味深いな、それは」

 

「アザゼル、それにリアス先輩も。

 

 という事は、そのドラゴンはやっぱり」

 

「あぁ、魔龍聖のタンニーンだ。

 

 それにしても」

 

 そう言いながら、タンニーンは俺の身体を見つめる。

 

 アザゼルが何やら一誠達が話している間にも、俺の身体を見つめる。

 

「それは本当にギャラルホルンなのか」

 

「へぇ、やっぱりお前も気づいたか」

 

 そう、アザゼルは笑みを浮かべる。

 

「えっ、何か分かったんですか?」

 

「お前のそれ、ギャラルホルンの力以外に何か隠しているだろ?」

 

「隠していない。

 

 俺はそもそもマリア達の力を借りているだけだからな」

 

「だったら、そのマリア達って、一体何者なんだ?」

 

「恋人達から許可を得たら良いけど」

 

 そう言いながら、マリアを見つめると。

 

「却下よ。

 

 悪いけど、マッドサイエンティストには見せたくないから」

 

「という事なので」

 

「なんか、それに嫌な思い出でもあるのか?」

 

「うぅん、まぁ結構ね」

 

 そう言いながら、俺の脳裏にはウェル博士の事を思い出しながら、苦笑いをする。

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