ルーマニア。
吸血鬼が多く住むその城では、現在はツェペシュ派とカーミラ派の二つの勢力が争っていた。
その城の中には数多くの吸血鬼がおり、その誰もが吸血鬼としては上位に位置しており、さらには幽世の聖杯の力によって、その力は大幅に上がっている、
そんな吸血鬼は、現在、2人の襲撃者に対して、手も足も出なかった。
「なっなんだよっ、こいつらはぁ!!」
その叫び声は、吸血鬼の1人が叫ぶと共に、次々と吸血鬼達はその魔力を込めた一撃を真っ直ぐと放っていく。
まるで光の雨を思わせる魔力弾の数々は歴史ある城の壁や柱を削り取りながら、2人の衝撃者に対して放っていく。
その威力は、並の相手ならば確かな力を持っているだろう。
だが、それらの攻撃は全て、2人の襲撃者にはまるで効かなかった。
光の雨の中に動く銀と緑の光。
その光はさながら流星であり、魔力弾の雨を容易く避け、それと共に吸血鬼の集団の前にその姿が見える。
1人はソウゴが変身している仮面ライダーの姿。
その姿は希望の魔法使いである仮面ライダーウィザードの最強の姿であるインフィニティスタイルのようにダイヤモンドを思わせる輝きを身体から放っていた。
それだけではなく、まるでその輝きのように、光を思わせる動きで近くにいる吸血鬼を瞬く間に気絶し、そのまま床へと眠らせる。
それと共に、近くにいた吸血鬼が攻撃を仕掛けた際には、その手にはダイヤのような輝きと共に、身の丈はあるだろう斧、アックスカリバーで殴り気絶させる。
「デース!」
同時にソウゴと同じく現れた少女、暁切歌もまた姿を現す。
身体の各部にはソウゴと同じようにエメラルドを思わせるアーマーを身に纏っているが、何よりも特徴的なのは、その格好だった。
まるで吸血鬼ハンターを思わせる帽子とコートを身に纏っており、手に持つ鎌も鎌から十字架を模した2本の十字槍に変わっている。
それを軽く叩きつけるだけでも、吸血鬼は簡単に気絶する。
切歌が、現在使用しているのは、かつて吸血鬼ハンターであるクルーニクスが使用していた弾丸の一つである純銀の弾丸。
それを使ったデュオレリックによって、呪いの力を払いのけることが出来る。
それによって、吸血鬼達が強化に使用した幽世の聖杯の呪いもまた払いのけていた。
そして、ソウゴもまたインフィニティスタイルの能力である圧倒的な防御力と、時間干渉による高速移動、そして自身の使用した魔力を再吸収することにより実質無制限に魔法を使用できるという、永久機関じみた能力が使用できる。
そして、その2人の能力が共鳴する事によって、あらゆる呪いは効かず、圧倒的な防御力と高速移動、そして尽きぬ事がない魔力を秘めたコンビが誕生した。
それは既に、吸血鬼達にとっては天敵と言っても過言ではない。
「くそっ、このままっ!!」
そう言いながら吸血鬼の1人であるツェペシュ家の1人であるマリウス・ツェペシュはすぐに魔方陣を真っ直ぐとソウゴ達に向けた。
だが、それよりも早く、ソウゴはマリウスの背後に回ると同時に拳を叩き込む。
「うごぉ!?」
「遅いぞ?」
その言葉と共に、ソウゴはマリウスを殴ったまま、その勢いを利用して背後にいた吸血鬼を殴り飛ばす。
その一撃で吸血鬼の男は壁に激突すると、そのまま気絶した。
「くそっ、だが、奴らは手加減している!
ならば、死ぬ事のない我ら相手に」
「何か勘違いしているね」
同時に、ソウゴはその手に持つアックスカリバーを吸血鬼の1人に向ける。
「俺達の手にある武器。
これは元はイガリマと呼ばれる鎌が変形した武器だ」
「イガリマだと?
それが、なんだと言うんだ」
「このイガリマは凶悪な性能を持っている。
それは対象の魂を一閃し物質的な防御を無力化するこれの意味が分かるか」
「魂をっ?まさかっ!?」
同時に言葉を理解した上級吸血鬼達は後ろに下がる。
「どんなに弱点を克服し、どんなに強化されたとしても、魂まで鍛えてないお前ら程度だったら、この刃の前では無力なんだよ」
それはまさに吸血鬼達にとっては死神が2人、目の前にいる。そう錯覚する程の威圧感を放ちつつ、ソウゴは剣を振り上げた。
「やめろっ!」
「お断りだぁああああっ!!!」
ソウゴの言葉と同時に振り下ろされた剣から放たれたのは衝撃波。
その衝撃によって全ての吸血鬼達が吹き飛ばされる。
城の内部はボロボロとなっており、その威力の高さがよく分かる。
だが、そこにいる吸血鬼のほとんどは生きている。
虫の息というべきか。
白目を向け、口から血を流しているが全員生きていた。
「ふぅ……」
そんな光景を見て、ソウゴは一息つく。
「さて、見ているんだろ」
同時にソウゴが目を向けたのは吸血鬼だった。
しかし、それらの集団はツェペリ派の者達ではなく、カーミラ派だった。
「これはこれは、まさかこうしてサービスでツェペリ派を潰しくれるとは、感謝します。
これで私達も安心ですわ」
そう、カーミラ派の代表とも言えるエルメンヒルデが前に出る。
「それで、どうするつもり?」
「勿論、全員、処刑します。
我らに反逆したのを『バインド! プリーズ』えっ」
そう言ったエルメンヒルデだが、その瞬間、護衛ごと、鎖で縛られていた。
「これは」
「いや、あんたは勘違いしているようだけどさ。
俺、別にあんたらの味方じゃないから」
その言葉と共にソウゴは真っ直ぐと見つめる。
「だっだったら、誰のっ」
「さぁね、けど、もしもこれ以上、くだらない戦争をするんだったら、俺も容赦しない」
そう言うと共に、ソウゴの言葉は城に広がる。
(駄目だ、もしも裏でこの男を殺そうとしても、その先に待っているのは…)
エルメンヒルデを始めとした吸血鬼達の思考はソウゴに対する抵抗だった。
三大勢力への和平の条件での始末。
だが、それを行っても、ソウゴが殺せるか分からない。
いや、むしろそれを知られれば、反対に自分達が殺される。
「お前らを殺さない条件は二つ。
一つはくだらない派閥争いを止める事。
二つ目はギャスパーやヴァレリーさんを馬鹿にするな。
それをやった時には」
その言葉と共に、エルメンヒルデを始めとした吸血鬼は恐怖で支配された。