ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

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魔法少女

その日、立花響の目は死んでいた。

 

その格好は、普段から着慣れているシンフォギアとしての衣装ではなく、青いスカートを身に纏っており、小さな髪をツインテールのように纏めている。

 

「それで、なんで私、これに参加しているの」

 

「いやぁ、もう1人の響が興味を持って参加したのは良いけど、今は用事があって、参加できないんだ」

 

そう俺は言う。

 

これは先日、響が魔法少女ミルキーの映画のオーディションに参加しないか誘われた。

 

当人である響は過去に出会った本物の魔法少女との想い出もあって、やる気を出して参加したまでは良かったのだが、その用事のせいで参加ができなくなった。

 

既に参加申し込みをしてしまったので変える事ができなかった為、その代役としてもう1人の響ことグレ響が参加する事になった。

 

「いやぁ、本当だったら切歌に調にクリスにも声をかけていたんだけど、三人共都合が悪かったから、無理だったんだ」

 

「あの2人は分かるとして、雪音が?」

 

俺の一言に疑問に思っているようだけど、クリスは意外と魔法少女にドハマリしている。

 

それもうたずきんという作品にドハマリしている。

 

さらには実際に魔法少女としての衣装まであるので、問題ない。

 

「・・・ねぇ、今からでもガングニールでも良い?

それか、エレクライトでも」

 

「いやぁ、採用されないと思うから、駄目」

 

「そぅ…」

 

それだけ言うと、グレ響はそのまま遠くの景色を見るように窓の外を見る。

 

そこに近づく人影。

 

「うわぁ、クオリティがなかなかにグッとだね!

さすがは響ちゃんだよ!!

ソウゴの推薦だけあるねぇ!」

 

「でしょでしょ!レヴィアたんも分かっているよね!」

 

どうやら、今回の主催者であるレヴィアたんが来たので、そのままハイタッチをした。

 

いやぁ、こういうのも大事だからね。

 

すると、背後から殺気が。

 

「ねぇ、つまりこれって、あんたが望んでやった事という訳」

 

「うんっ」

 

俺はそのまま頷く。

 

「いやぁ、正直、俺って魔法少女って、色々いたから興味あったんだ。

そこで、今回の魔法少女のオーディションを見て、思わず参加しようと思ったんだ」

 

「ソウゴちゃんから聞いた魔法少女はなかなかに参考になったよ。

シンフォギアの衣装も良いけど、まさか異世界の魔法少女の事まで知っているとは、思わなかったよ」

 

そうレヴィアたんは俺の話に興味津々だった。

 

「・・・もぅいいわ。

とりあえず、この魔法少女のオーディションだっけ?

それに参加すれば良いんだよね。

まぁ、不合格になると思うけど」

 

そう言いながら、グレ響は渋々ながら、参加した。

 

そう雑談している間にも、監督だと思われる人物が既に合格発表をしていた。

 

グレ響は既に帰る準備をしていたが

 

「立花響さん」

 

「・・・はい」

 

その言葉に、グレ響は思わず振り返った。

 

困惑しているグレ響はそのまま呆然としていた。

 

「いやぁ、こういう主役を狙っていなくて、ダークヒロイン系というのはなかなかにいなくて良いねぇ」

 

「だよねぇ、まさか敵役の魔王の為に魔法少女と敵対するとは、これはこれで面白そうだねぇ」

 

そう監督が何か言っているようだけど。

 

「あっ、実はこのオーディションが始まる前にプロフィールに恋人ありって書いて置いたんだ。

そこで、ソウゴの叔父さんだっけ?

彼がノリノリに設定を書いて送ったら、採用されたらしいよ」

 

「へぇ、叔父さんが」

 

そう言えば、あのレヴィアたんがいた時に何やら笑っていたようだけど、そう言う意味でもあったんだ。

 

「ちょ、待って!

そんなの恥ずかしいんだけど!!」

 

「えぇ、良いんじゃない。

だって、映画デビューで恋人と一緒になんて、なかなかロマンチックじゃない」

 

そうレヴィアたんが言う。

 

それに対して、グレ響は何やら困惑している様子だった。

 

「・・・そうよ、立花響。

あなたには、その資格があるわ」

 

「諦めずに、その座を勝ち取って下さい」

 

そう、グレ響を励ますようにリアス先輩と生徒会長が言う。

 

その格好が魔法少女なのは、言わない約束なのか。

 

「・・・それって、私に役目を押しつけようとしている訳ですか」

 

同時にグレ響の目はさらに周囲の人物を鋭く見つめる。

 

「そっそっそんな訳ないわ。

ただ、護衛という立場であれば、あなたがいれば必然的にソウゴも一緒にいるわ。

これ以上ないぐらいに頼りになる存在はいないわ」

 

「えぇ、そうね。

私達が必要ないぐらいにね」

 

「悪魔の身内なんだから、貴方達が護衛すれば良いんじゃない」

 

そう3人は互いに役目を押しつけ合っている。

 

「いやぁ、仲が良いね、3人共」

 

そんなレヴィアたんの一言と共にオーディションは進んでいく。

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