「訓練って、ソウゴもなのか」
その日、俺はアザゼル先生から呼び出される形で、兵藤達のいる訓練所を借りる事になった。
「まぁね。
訓練と言っても、俺自身が身体を動かすんじゃなくて、向こうの響達の世界で普段は一緒に鍛えているから」
「そっそうだったのか。
まさか、訓練は普段は異世界でやっているのか。
色々な意味で違うからな」
「違うって、どういう事なんだ?」
「あぁ、そういうのは、実際にやってみた方が早いんじゃないの」
そう言いながら、俺の横から出てきたのは翼だった。
「つっ翼さん」
「んっ、俺の事を知っているのか?」
「おっ俺?」
そう、翼の一言が気になったのか、ロスヴァイセさんは首を傾げる。
「俺は確かに風鳴翼だけど、歌手という訳じゃないんだ。
平行世界で別の組織に属しているけどな」
「私もだけどね」
そう言いながら、同時に並行世界のクリスも出てくる。
平行世界という事もあるが、この2人は俺がよく一緒にいる2人と比べても性格がかなり違う。
そして、その関係もかなり違う。
「平行世界の天羽々斬とイチイバルか。
これは少し戦ってみたいな」
「おっ、その言葉からして、向こうの俺と戦ったという感じか」
そう、ヴァーリが構える。
「おっ付き合ってくれるの」
「勿論だ。
俺としても、興味深いからな」
「そう言ってくれると、助かるよ。
という事で、二人共、お願いね」
「あぁ」
「分かった」
その言葉と共に俺はそのままギアペンダントを二つ取り出す。
「二つ?」
「あぁ」
仮面ライダーシンフォは本来だったら変身する時には1人ずつしかできない。
それは、シンフォの変身は基本的に俺と装者同士の思いが共鳴する事で初めて変身できるからだ。
「それ以外に2人同時に行えるのは切歌と調のコンビだけだった。
今までは」
「今まではだと」
「あぁ、俺とクリスならば、それができるって事だ」
そう、翼の笑みと共に、俺はそのままギアペンダントを掴む。
『Imyuteus amenohabakiri tron』
それと共に、まずに俺は翼のアーマーを身に纏う。
その身に纏うアーマーは普段、一緒に過ごしている翼とは異なり、片方のマントが生えており、同時に俺の手には身の丈はあるだろう双刃刀を手に持つ。
それだけでも、通常の翼とは違う事は分かる。
だが、同時に俺は双刃刀の持っていない方の手にギアペンダントを掴む。
『Killter Ichaival tron』
その音声と共に、今、身に纏っているアーマーに追加するように下半身に赤い装甲が追加される。
それと共に、両肩にはイチイバルを模したキャノンが両肩に装着する。
同時に手に持っていた双刃刀も僅かだが、小型になる。
「これは、二つの聖遺物を一つに。
噂のデュアレリックと似ているが、少し違うようだな」
その言葉と共に、ヴァーリは笑みを浮かべながら、真っ直ぐとこちらに近づく。
それに対して、俺は双刃刀を軽く振るい、剣先を向ける。
「よっと!」
同時にヴァーリは俺の一撃を避けた瞬間、即座に拳を放つ。
(流石に、戦い慣れしているだけあって速い!)
そう思った時だった。
俺の攻撃を避けると同時にヴァーリは素早く動き、魔方陣を展開し、こちらに向けて放つ。
それに対して、俺は両肩にあるイチイバルで荷電粒子を放ち、相殺していく。
その攻撃を見ながらもヴァーリはそのまま俺に向かって殴りかかる。
その一撃に対して、俺は咄嵯に身を捻りながら避ける。
避けながら、双刃刀を振るうが、ヴァーリはその攻撃をあっさりと受け止める。
「ほぅ、これは確かに厄介だな」
「それはそうかっと!」
そう俺はすぐにイチイバルをヴァーリの間近で撃ち込む。
それに対し、ヴァーリはすぐにその場から離れるが、その隙に俺は再び双刃刀を構える。
それに対して、ヴァーリは再び構え直す。
しかし、次の瞬間だった。
「よっと」
『REVOLVEUP!』
その音声と共に、俺の手に持っていた双刃刀こと天羽々斬は分離する。
同時に両肩にあるイチイバルはそのまま巨大なライフル銃へと変わる。
そして、天羽々斬は先程までイチイバルがあった箇所に翼のように装着する。
「姿が、いや、まさか」
「よっと」
同時に俺はそのまま天羽々斬で空を駆けるように飛び、巨大なライフル銃を真っ直ぐとヴァーリに向けて銃口を向けて引き金を引く。
すると、凄まじいまでの魔力砲が放たれ、ヴァーリを襲う。
対して、ヴァーリは両腕を前に出すと、そこに魔方陣が展開されていく。
恐らく、防御系の魔法だろうが。
その予想通り、展開された魔方陣から強力な障壁が現れ、俺の放った砲撃を防ぐ。
「ぐっ、なっ」
だが、瞬時に引き金を二度引くことで二発目の砲撃が発射され、更に三発目を撃ち込み、四発目を撃つ。
それによって障壁は完全に破壊され、五発目が直撃したヴァーリは大きく吹き飛ばされた。
「これは、なかなかに厄介だな」
そう、ヴァーリは笑みを浮かべながら、先程のように魔方陣に魔力を込めていく。
しかし、それよりも先に俺は動く。
背中のブースターを展開させ、一気に加速して接近しながら、銃弾で牽制を行う。
ヴァーリはそれを防ぐ。
それに対して、ヴァーリも同じように腕を振るって迎撃してきた。
だが、それよりも早く。
『REVOLVEUP!』
「はあぁ!」
「なっ」
その手に持ったイチイバルを手放し、代わりに双刃刀へと切り替わり、そのままヴァーリに斬りかかる。
すぐに両手を構えて、受け止めるが、至近距離から放ったイチイバルによる一撃にそのまま吹き飛ばされる。
「ふぅ」
そう、俺は再び構えるが
「そこまでじゃ。
さすがに、それ以上は駄目だ」
「おっと」
そう言われ、俺の目の前では先程までヴァーリ達を訓練していた孫悟空が止めた。
「いやぁ、さすがは俺とクリスの合わさった力だぜ。
これが俺達の連携もあったら、どうなるのか」
「うん、実際に色々と使えるね」
そうしながら、今回は見学していた翼とクリスが来た。
「なるほど、世界が変われば同じ武器でも使い方が変わる。
確かに厄介としか言えない」
「俺の赤龍帝の鎧もあんな風に瞬時に切り替える事ができたら」
「ある意味、これは翼とクリスの2人だからだ」
切歌と調の2人で行う姿とはまた違う連係攻撃。
それが行えるのが、この姿の特徴だ。
「それにしても、俺達が今度、学校にねぇ」
翼はそう言いながら、この訓練を行う前に誘われた事を思い出す。
生徒会長の夢の第一歩。
その手伝いを僅かでもする事になり、悪魔の事について知る為にわざわざ平行世界の翼とクリスは来ていた。
「私も翼も学校に通っていないから、少し不思議な気持ち。
勿論、その事には後悔はないけど」
「まぁ、子供達の為になるならな」
そう言った2人は、心配そうであるが、確かな決意が見えた。