「新年、あけましておめでとうございます(デース!)」
そう言いながら、俺達は新しい年を迎えたという事もあり、家の中で新年の挨拶を行った。
これまでも幾度となく行った新年の挨拶だが、今年は全員が一緒に新年を迎える事ができた。
その事が嬉しかったのか、俺を含めた全員が笑みを浮かべながら、机を囲んでいた。
「こうして、皆で正月を過ごせるなんて、不思議な気持ちね」
そう呟きながら、目の前にあるおせちをゆっくりと箸を伸ばしながら、マリアは笑みを浮かべる。
確かに、これまで何度もあった年末年始に全員で過ごすというのは初めてだな。
そんな事を考えていると、ふと視線を感じた俺は顔を上げる。
「調、どうしたんだ?」
そこには調が何やら驚いた様子で、テレビを見ていた。
「ソウゴ、あれ」
「あれ?」
俺は疑問に思い、テレビの画面を見る。
それはどうやら、駒王街にある神社だった。
その名前は。
「しっ調神社!!」
「えっ」
その言葉に俺達は思わず声を揃えて見てしまった。
「まさか、こっちの世界にもあるとは」
「質素な感じだけど、雰囲気が似てるわね」
そう言いながら、マリアはお茶を口に含む。
確かに向こう側の世界では質素だったが、こちら側でも似ている。
「それじゃ、初詣、ここに行ってみるか?」
「良いの?」
「あぁ、せっかくだしな」
そう言うと、調はどこか嬉しそうな表情を見せる。
それと共に、俺達はそのまま彼女達と共に調神社に向かって行った。
辿り着いた調神社には。
「兎さんが沢山」
そう、マリアはいつもの調子で、神社にいる兎を眺めていた。
そして、その横では調もまた目を輝かせている。
……うん、いつも通り。
そんな風に思っていると、参拝客がそれ程多くない。
「なんというか、少し寂しいな」
「そうなんですよ、だからとっても大変なんですよ」
そう言ったのは、巫女服姿の少女であった。
「大変って何がですか?」
俺は思わず聞き返すと、少女は困ったように頬に手を当てる。
「実は最近、色々と物騒になっていまして。
街も大変な事が多かったので」
「そうかそうか」
そう俺は頷くと。
「誰(デス!)」
俺達は思わず、振り向いてしまう。
「えっ、私の事、見えるんですか!!」
「まぁ、色々とね。
というか、君は」
「うぅ、この調神社の神主の兎調です」
「えっと、兎調ちゃん? 」
その見た目は、確かにウサ耳がついている事もあって、おそらくはこの神社の関係者だという事は分かる。
そして、どこか調の面影はあった。
ただし、その胸は調と比べても確実に大きい。
「何か、思いました」
「何でも無いです」
調からの視線に俺は目を逸らす。
「それで、何か困っているんですか?」
それと共に響が兎調に近づく。
「うぅ、実は参拝客が少なくて、このままじゃ、私の生活費が」
「それはまた切実だな」
俺が苦笑していると、マリアは兎調を見てから首を傾げる。
「だったら、皆!」
「んっ?」
「手伝いましょう!」
「えぇ」
響の提案に、俺達は思わず声を出してしまう。
すると、兎調はその手を合わせる。
「ありがとうございます!! これで助かります!!」
そう言って頭を下げる。
既に断れない様子だ。
「仕方ない、こうなったら、やるしかないか」
そう言いながら、どうやら今年の正月早々、大変な事になりそうだ。