新年を迎えた俺達は寂れた神社。
その神社を栄える為に、俺達は、その神社で働く事にした。
その神社には、これまで何度もお世話になっている為にさっそく動き出した。
「いやぁ、それにしても、こうやって巫女服を着ると新鮮だよね」
そう言いながら、響は渡された巫女服を見つめながら、俺に言う。
まあ、確かに響が着ている巫女服は似合っていると思う。
今、俺達は神社の前で初詣に来る客の為に餅の露店に立っていた。
「というよりも、響」
「なに?」
「さっきから餅の方に目を向きすぎ」
それはこの季節では欠かせない餅である。
正月といえば餅であり、そんな餅を見てはしゃいでいる響に対して俺は注意する。
しかし、それでも響は餅に夢中だった。
「だって美味しそうなんだもん!」
そう言って餅を頬張る響。
目線を真っ直ぐと餅に向けているその姿からは幸せそうだ。
「いや、だからと言って、店の物を勝手に食べちゃ駄目だろ」
「食べると言っても味見だよ!
美味しいのじゃないと、こんな事しないよ」
そう言って、また一口と餅を食べる響。……うん、やっぱり幸せそうに見える。
そんな様子を微笑ましく見ていると──―
「だから、そうやって呆けるな、馬鹿共」
「あうっ」「うわっと」
そう俺達が立っていると、俺と響の頭を叩かれる。
「うぅ、酷いよ、クリスちゃん」
「当たり前だろ。
店の物を勝手に食うからだろう」
「うぅ、それは、悪かったよ」
クリスからの一言に、さすがに反省し、俺は謝った。
だが、隣にいる響は、まだ未練があるのか、餅をじっと見つめていた。
「たく、お前らは本当に……って、なんだこれ?」
すると、突然クリスが首を傾げた。
どうしたんだろうか?
「どうかした、クリス?」
「なんで、こんなに種類があるんだよ」
そう言い、俺が既に大量の餅の料理を見る。
「いやぁ、こういうのは美味しそうな方がいいと思ってね」
「それで種類を増やした訳か……」
餅の種類は多くあり、色々とあった。
そして、それを見た瞬間、響の目の色が変わった。
「よし、私もこれにする!」
そう言って、響は餅を選ぶ。
「だから、勝手に食うな馬鹿」
「うぅ」
そう、まるで餌をお預けになった犬のように響は落ち込む。というより、このやり取りはいつもの事なのか……。
そう思いながら、俺は他の餅を見ていく。
「にしても、随分と種類があるんだな」
餅にも種類があり、それぞれ味が違うようだ。
その中でも特に多いのが──
「定番のあんこにきな粉もあるし、大根おろしに醤油とか、海苔巻きまであるのか」
様々な種類の餅があった。
それにしても、これだけ作るとは思わなかった。
「うぅ」
それを見ながら、涎を垂らしている響。
「響、響」
「ソウゴ?」
そんな、響に対して、俺は。
「張り切って、全部売れたら、あとで全種類作るよ」
「本当!」
俺の言葉を聞いた響に対して、サムズアップで答える。
「よっし!
だったら、売りまくるよ!!」
「なんだか、急に張り切りだしたな、この馬鹿」
「ふふんっ、響の扱いならば任せてくれよ」
自信満々に言うと、クリスは溜息をつく。
「……まあ、いいけどさ」
そう言いながら、クリスも準備を始めた。
それからしばらくして、餅の香りに釣られたお客さんがやってきた。
「はい、焼きたてですよー」
その言葉を聞き、買っていく人が多くいた。
やはり正月になると、こういった物を食べたいと思うものらしい。
それと共に餅に釣られると共に、多くのお客さんと共に、神社が賑わい始めていた。
「うわぁ~、やっぱり凄いな」
そう言いながらも、俺は手を動かす。
現在俺は一人で餅の販売を行っている。といっても、もうすでに売れ切れたのだが。
そうして、初詣による作戦は上手くいった。
「あぁ、労働の後のお餅は最高っ!」
それと共に響は大量に積まれているお餅を次々と食べて行った。
しかし、本当によく食べるな。
「本当に食べるよ」
「そりゃ、そうだよ!
なんだって、君が作ってくれたお餅なんだから」
そう言ってくれた響の笑顔を見て。
「そっか」
俺もまた嬉しくなって笑った。
こうして、今年も楽しい一年になりそうな予感がしていた。