その日、俺達はクリスマスの企画の為に天界へと向かう事になった。
未だに、事件は解決していないが、それでもチーム『D✕D』の仕事の一環だから。
「それにしても、平行世界ですか。
以前、マリアさんから資料を渡されましたが、こうして見ても未だに信じられません」
その言葉と共に、ミカエルさん達は呟く。
俺達も実際にあの船の見学をさせて貰ったが、それはまさしく特撮番組に出てくるような光景だった。
さらには、その中の資料として、ソウゴが実際に言った立花さん達の世界に関しての資料も見せて貰ったが。
「灰に変える存在であるノイズ。
まさか、そんな存在がいるとはね」
「観測した世界の多くはそのノイズが確認された。
この世界ではそのノイズに似た存在がない事もあってか、以外と平和な方だと言われた時には驚いたけどね」
実際に俺もその話は半信半疑だったけど、実際にノイズによる被害を見てみると、冗談ではないと察した。
「それにしても、まさか天界にこうして入れるなんて」
その言葉通り、本来ならば悪魔が決して入る事ができない天界に入れた。
それには、本当に感激としか言えない。
「えぇ、この天界には普通の人間は入れません。
それこそ」
そう俺達が話している時だった。
何やら、天界が騒がしかった。
何が起きたのか、疑問に思っていると
「たっ大変です!!」
そう、入って来たのは、一人の天使だった。
何やら慌てた様子だけど、一体。
「何があったんですか」
「しっ侵入者です!!
天界で、侵入者です」
「なんですってっ」
その言葉に俺達は思わず警戒した。
まさか、この天界も既に奴らが迫っていたのか。
「侵入者は一体、どこに」
「それが、未だに見つからず。
数も、現在、不明です」
「このままじゃ」
「ミカエルさん!
俺達も一緒に探します!!」
「ですが」
「こんな時に助け合わないといけないじゃないですか!」
「それに、このまま天界を荒らされる訳にはいきません!」
「皆さん、分かりました。
お願いします」
ミカエルさんの言葉と共に、俺達はさっそく侵入者の捜索を行った。
広い天界の中で、侵入者の目的は未だに分からない。
だからこそ、天界のどこにいるのかも、未だに分からない。
多くの人数で、その捜索を行っていた時だった。
「あれは」
そう探している間に、イリナが何か気になった様子で誰かを見つめる。
それは、教会の神父の格好をしている男性であり、特に怪しい様子はなかった。
けど
「あの人、見覚えがないわ」
「見覚えって、そんなの、こんだけ人がいれば」
「そうだけど、なんというか違和感というか、とにかく聞いてみよう」
そう、イリナに言われるがままに、男性に近づく。
「あの」
「んっ何かな?」
「ごめんなさい。今、人を探していて。
その、あなたはどこの所属の者なんでしょうか?」
「僕かい?
僕はつい最近に日本から派遣された神父だよ。
いやぁ、まさかこうして天界に入れるなんて、感激だよ」
そう、男の人は笑みを浮かべながら言う。
だけど、イリナは。
「その、どこ所属でしょうか。
日本から、派遣されたんだったら、少なくとも見覚えがあるはずですが」
「んっ、そうかい?
君のようなシスターは、僕は知らないけど」
「シスターですか」
それと共にイリナは警戒の色を強くした。
「私は、ミカエル様のA。
だからこそ、私が天使である事は知っているはずです」
その言葉と共に。
「あぁ、しまった。
こういう調査はしっかりと行うべきだったのにね。
たまにこういうドジをしちゃうから」
そう、神父は軽い笑みを浮かべる。
「お前っ一体何者なんだっ!!」
「なに、ちょっと天界に興味があってね。
ここにある知恵の樹の果実に興味があってね、一つ、取らせて貰ったよ」
そう言いながら、神父が懐から取り出したのは、とんでもない物だった。
「なっ返しなさい!」
「お前っそれを使って何をするんだ!
まさか、禍の団!」
それと共に、俺達はすぐに警戒して、そのまま構える。
「禍の団?
なんだい、それは?
悪いけど、僕は徒党を組むのは好きではない。
何よりも君達みたいな人外とは特にね」
そう言うと、懐から取り出したのは、銃だった。
青い、メカニクルな銃であり、かなりの大きさだ。
神器ではないようだけど、なんだあれは。
「そっちがそう来るなら、仕方ないね」
その雰囲気に俺達が警戒していると、神父が取り出したのはカードだった。
『KAMENRIDE』
そのカードをそのまま銃に挿入すると共に、ゆっくりと構える。
「変身」
『DIEND』
その音声が鳴り響くと共に、俺は目の前の光景に驚きを隠せなかった。
幾つもの残像が、神父の周りを飛びながら、ゆっくりと神父の身体に重なる。
それと共に、そこに現れたのは、青いバーコードを思わせる戦士が、そこに立っていた。
その容姿は明らかに違うが、俺達には見覚えがあった。
「仮面」
「ライダーっ」
俺とイリナは思わず言ってしまう。
「さてっと。
悪いけど、僕としてはこのままお宝を頂いて、帰りたいけど」
「そのまま渡せるかよ!」
仮面ライダーという事は、決して油断はできない。
俺はすぐに禁手となると同時に、目の前にいる仮面ライダーに向かって、突っ込む。
しかし
「ほぅ、赤い龍の鎧か。
なかなかに珍しいし、パワーもなかなかだ」
「なっ」
俺の攻撃を軽々と避けると共に、背中に衝撃が走る。
『どうやら、奴の使っている物ははったりでもないようだ』
「あぁ、分かっている」
ソウゴとクリスちゃんの二人が既に銃を相手に警戒する意識があった。
しかし、それが分かっていたはずなのに、俺は攻撃を避ける事ができなかった。
素早い動きに、かなり高い火力による銃弾。
実際に、イリナや、増援に来てくれた天使の人達を相手にも、仮面ライダーはあまり苦戦をしていない様子だった。
「ふむ、なるほど。
これだけ天使が相手だと、面倒ではあるね。
だったら」
その言葉と共に仮面ライダーが取り出したのは、先程の変身に使ったカードだ。
それを、そのまま銃に装填する。
『KAMENRIDELIVE』
「あれはっ」
なぜか分からないが、警戒しなければならない。
そう考えている間にも
「そっちの君にはこれかな」
『KAMENRIDECROSS-Z』
そう、カードが挿入され、同時に引き金を引く。
それと共に現れたのは、幻影。
だけど、そうしている間にもイリナ達の前に現れたのは、まるで白い蝙蝠を思わせる仮面ライダー。
そして、俺の前に現れたのは、青いドラゴンを思わせる仮面ライダーだった。
「なっ、なんだこいつはっ」
そう考えている間にも、目の前にいる仮面ライダーはそのまま襲い掛かってくる。
俺はすぐに両腕をクロスして、防御するけど、芯に伝わる程の衝撃が俺に襲う。
なんだっこいつはっ。
「天使の諸君が相手しているのは仮面ライダーライブ。
そこの赤いドラゴン君が戦っているのは仮面ライダークローズだ。
それじゃ、楽しんでいたまえ」
『ATTACKRIDEINVISIBLE』
その音声と共に、奴の姿はなくなった。
「あっあの野郎!」
こっちを揶揄うだけ、揶揄って、姿を消しやがった。
そうしている間にも、俺は目の前にいるクローズ相手に苦戦をする。
動きは、どこか俺と似たような感じがする。
『どうやら、相棒と似たタイプのパワーで戦うタイプみたいだ。
その上』
「うわ!!」
その戦闘技術は俺以上だ。
向こうの方も似たような感じなのか、その戦い方に苦戦をする。
「どうなったらっ」
「お前ら、下がっていろ!!」
同時に聞こえた声と共に現れたのは、今回の企画で一緒に参加する事になった坂田だった。
奴はそのまま、クローズを思いっきり殴り飛ばした。
「なっ、こいつはクローズ!それにあっちにいるのは、ライブっ!!」
「知っているのか?」
「以前、俺に力を貸してくれた仮面ライダーだ」
「そんな人達がなんで」
『こいつらにはどうやら、意思はないようだ。
力と技術だけを具現化させた存在のようだ』
「あぁ、中身はない空っぽだ。
だから、本来の存在と比べれば、弱いっ!」
そう言って、坂田はそのまま殴る。
それによって、後ろにいたライブもまた巻き込まれるように倒れる。
「これ以上、その姿で暴れさせるか。
少し離れろ」
『DualUP!grouseVine!』
鳴り響く音声と共に、坂田の身体にはまるで合体ロボを思わせる白い装甲を身に纏う。
「未来、決めるぞ!」
「うん」
それと共に、既に実体化していた小日向さんはその背中から幾つもの鏡を出すと同時にビームを放つ。
既に味方は待避していたので、ビーム砲を鏡面反射によって倍増して対象にぶつけていく。
威力は徐々に増大していき、二人のライダーにダメージを与えていきながら、最後には坂田がライダーキックと共に、一撃で倒す。
「どうにかなったのか」
「今の所はな。
しかし、ソウゴから聞いていたが、厄介な奴が来たな」
「知っているのか?」
そう、坂田は既に知っている様子だった。
「お前達、ソウゴが仮面ライダーになるきっかけになった話は覚えているか」
「確か世界の破壊者だっけ?」
ソウゴから聞いた話ではあるが、様々な事を教えてくれた仮面ライダーであり、ソウゴにとっては師匠のような存在らしい。
かなり我が儘らしいけど。
「その世界の破壊者と呼ばれた仮面ライダーディケイドと互角に戦う存在。
そいつの名は仮面ライダーディエンド。
様々な世界に渡り歩いて、その世界の宝を盗む、怪盗だ」
「怪盗って」
「奴は1人でありながら、あの能力で分かるが、他の仮面ライダーを呼び出す事ができる。
はっきり言うと、厄介としか言えないぞ」
「あぁ」
実際に戦ったが、本物とはいえ、仮面ライダーを次々と呼び出せる。
しかも、倒しても、すぐに別の仮面ライダーを呼べる上にディエンド本人も強い。
「ソウゴは今、どこにいるんだ?
確か炎神ワルドとかに行っていると聞いていたが」
「あぁ、今はその出先の一つである忍者ワルドという所でおでん屋の手伝いをしているらしいよ」
「なんで、おでん!!」
サンタの手伝いはどうなったんだ!?
「いやぁ、それにしても、まさかサンタさんが手伝ってくれるなんて、感激だ!」
「気にしないでよ。
俺としても、少し気になった事があったからね」
「あっしに何か気になる事でも?」
「うん。
実は、少し記憶の片隅にある事がね。
もしかしたら、今だったら見つけられると思って」
「はぁ、それで、あっしに何を手伝って欲しいと?」
「えっと、それは」
「これを被って」
「んっ、これは一体っ!?」
「並行世界間の同一人物同士は干渉し合うのを利用した装置。
これを使えば、あなたの平行世界の同一人物を探す事ができる」
「えっと、それは一体?」
「サンタの仕事ついでにね。
なんだか、夢に見て、気になってね」