「なんというか、どんな所だろうと腐っている奴は腐っているんだな」
それが、今回の話を聞いた時に思った答えだった。
そう、俺は言いながら、天井を見る。
「やはり、そう思うのね」
そして、その答えに対して、その場にいる全員もまた頷いた。
それぐらい、今回の事件は三大勢力の、今までのツケが回ってきた。
「別にリアス先輩を責めている訳じゃないよ。
そもそも、土地が前に管理していた人の身に起きた悲劇なんて、確認する術は本当に資料しかない。
だけど、同時に俺は、その八重垣って言う人の復讐が、全部間違っているとは思えない」
「間違っていないのか」
「あぁ、だって、兵藤。
お前だって、既に経験しただろ」
「それはっ」
同時に兵藤が思い出したのは、アーシアの一件の事。
あの時、確かに兵藤はその力を暴走させた。
「大切な人を殺されたら、誰だって復讐を望む。
復讐は何も生まないと言うけど、それもまた違うんだ」
復讐というのは、大切な誰かへの思い。
「復讐を否定するのは他人ではない。
復讐をしようとしている本人しかできない」
この場の誰もが、1度は誰かを殺したい程に恨んだ事がある。
それこそ、軽々と間違いだと言う訳にはいかない。
「だからこそ、かもな」
そんな一言がきっかけのように連絡が来る。
それは、天界の襲撃の連絡が来たのは。
そのまま、俺達が向かった先には、まさに邪龍達の襲撃があった。
その光景に対して、どこから侵入してきたのかという疑問があった。
「まさか、冥界からか?」
「そのようだ。
どうやら、ハーデスの奴から連絡が来た」
「ハーデスって、冥界の?」
また、神様からの連絡に首を傾げる。
「あの野郎が、なんでまた?」
「別に3大勢力がどうなろうと、奴には関係ないようだ。
けど、どうやら奴にとっては会いたい奴が死んでは嫌だと言うらしい」
「死んだら嫌な奴?」
それは誰なのか、俺は思わず首を傾げる。
「お前だよ、ソウゴ」
「・・・俺?」
それには、その場にいる全員が首を傾げた。
「奴はどうやら少し前に海東という奴からお前の事を聞いたらしい」
「えっ、それってもしかして、あの人が侵入できたのは」
「ハーデスの奴の仕業だ。
天界に一泡吹かせて、嫌がらせができるという理由でな。
だが、その際の隙で、今回の騒動になったから、責任を持って、知らせに来たらしいんだ」
「嫌がらせって、俺になんで興味を?」
「人間でありながら、その活躍には結構気に入ったらしい」
「ふぅん、まぁ、そう言われると悪い気はしないね」
「あいつがある意味、協調路線に賛成したのは、あくまでもお前を心配しての事らしいぞ」
「なんか、俺達に対する態度で、思いっきり悪い奴だと思っていたけど」
「実際にこいつがいなかったら、絶対に今回の騒動を引き起こしていたんだろうな。
とりあえず、この状況をどうにかしないとな」
その言葉と共に、俺が一番に興味があったのは、今回の八重垣さんだ。
未だに分からない事が多いが、今回に関しては俺も完全に無関係とは言えない。
「さて、どうしたもんか」
「主犯は分からないけど、八重垣という人がここにいるのは既に分かっている」
「えっ、分かるのか?」
「お前達からある程度話を聞いていたおかげでな」
彼の持つ天叢雲剣。
それは少なくとも、俺達にとっては因縁のある武器だ。
その本人である翼は今はここにいないが、それでも彼女の為にも、止めなければならない。
「悪いけど、俺がなんとかする。
多分、本当に無関係な俺だから言える事があるかもしれないから」
それだけ言い、俺は真っ直ぐと進んでいく。