今、俺は話し合いはできない。
それは、目の前にいる八重垣さんは、その手に持つ天叢雲剣を真っ直ぐとこちらに振り下ろす。既に八岐大蛇と一体化しているその剣は、俺の目の前で8つの巨大なドラゴンの頭部が真っ直ぐと俺に襲い掛かる。
しかし、だからと言って、目の前の戦いから退く訳にはいかない。
「さぁ、実験を始めようか」
その言葉と共に、俺は動き出す。
この姿、ジーニアスとなった事で行える行為。
60本のフルボトルに宿る力を組み合わせる事で、様々な戦い方が行える。
それの証拠と言わんばかりに、俺は既に、自分の体の中に存在している一つのフルボトルを取り出していた。
『タカ! ガトリング!』
そして、その音声と共に、俺の手の中には、タカのような羽を持つ銃が握られる。
同時に、目の前に迫るドラゴンの頭に対し、俺はトリガーを引く。
「ッ!?」
次の瞬間、放たれた弾丸は、無数の光の弾となり、全てのドラゴンの頭を貫いた。
しかし、それらはあくまでも牽制。
その証拠に既に八重垣さんは次の動きを行っていた。
彼自身、歴戦の戦士という事で、動揺は僅か。
隙を決して見せないように、再び迫ってくる。
目の前にある天叢雲剣は振り下ろされ、俺はすぐに構える。
同時に現れたのはビルドの武器の一つであるフルボトルバスターだった。
それを手に持ち、迫りくる刃に対して振るう。
金属音と同時に火花が上がり、刃同士がぶつかり合う音が響く。
だが、それだけでは終わらない。
「っ!」
鍔迫り合いをしている中、八重垣さんの足蹴りが俺を襲う。
即座に反応し、後ろへと下がることで回避するが、それでも追撃として放たれたのは天叢雲剣による斬撃だ。
咄嵯にフルボトルバスターをバスターブレードモードからバスターキャノンモードへと変え、その銃口を向けて放つ。
撃ち出された光のエネルギー砲は一直線に飛んでいくが、八重垣さんはそれを避けるようにバックステップを行う。
そのまま地面に着地した彼は再び接近してくる。
どうやら、八岐大蛇の力によって身体能力が大幅に上昇しているようだな。
そうしている間にも、八岐大蛇の頭が、俺に向かって、次々と襲い掛かろうとしていた。
「1人で無茶しない」
そんな声が聞こえると共に、調がいた。
それと同時だった。
『クジラ! ジェット! ベストマッチ』
『キリン! 扇風機! ベストマッチ!』
鳴り響く音声と共に俺達の横を通り過ぎるのは二つのドローンロボだった。
二つのロボは先程鳴り響いた音声に合わせるような姿へと変わっており、そのベストマッチに合わせた姿で、眼前に迫っている八岐大蛇の首を全て、弾き返す。
「ソウゴ」
「あぁ、勝利の法則は決まった!」
その言葉と共に、俺は手に持ったフルボトルバスターをそのまま地面へと投げ捨てると共に、真っ直ぐと八重垣さんへと走る。
八重垣さんもまた、俺に向けて、真っ直ぐと天叢雲剣で斬り裂こうとする。
だが、俺は既に全身にあるフルボトルの力を解放させたような虹色の光と共に。
真っ直ぐと八重垣さんへと飛び、蹴る。
「「はああぁあぁ!!!」」
虹色の光に包まれながら、放たれた一撃。
対して八重垣さんもまた、その天叢雲剣に八岐大蛇の力を集結させたような巨大な剣で対抗する。
光と闇。
そう表現すべき二つと激突させながら、周囲に衝撃波を放つ。
互いに吹き飛ばされながらも、俺達は同時に立ち上がる。
「本当にとんでもないな、君は」
そう言いながら、その表情はどこか変わっていた。
「なぜ、そこまで」
「少し気になる事があったのでね。
あんたに聞きたい事がある」
「なんだ?」
「あなたはアナザーライダーを知っているか?」
「アナザーライダー?
それは一体、何なんだ」
その言葉と共に確信はあった。
おそらくは。
「ここで始末する」
その言葉と共に聞こえたのは、俺達を囲むように現れたアナザーシノビを始めとしたアナザーライダーの3人だった。