大晦日が終わり、新学期に入った。
既に先輩達は卒業式に備えているが、俺はどこにも所属していない帰宅部という事もあってか、なぜかゼノヴィアの選挙活動を手伝う事になってしまった。
「まぁ、別に良いけど。
これはこれで、面白そうだし」
「なんと言うか、話に聞いていたけど、先記は先記で変わっているよねぇ」
そう、今回の選挙で俺以外に一緒に手伝う事になった桐生。
どうやら、去年の12月頃には既に裏の世界の事を知っているらしい。
「というよりも、先記の知り合いに生徒会長とかいないの?
色々な異世界に行っていったんだったら、そういう知り合いぐらいいそうだけど」
「生徒会長かぁ。
うぅん、どうだろう。
その世界の司令とかは会ったけど、生徒会長はそういえばないな」
「桐生は、そういうのには驚かないのか」
そんな俺達の会話を聞いて、ゼノヴィアは首を傾げるが、そんな彼女に対して、桐生は笑みを浮かべる。
「舐めないで欲しいわね。
確かに驚きはしたけど、耐えきれない程ではない。
むしろ、私としてはソウゴと12人の彼女というのは気になる所だわ」
「そこに行きつくのか」
そう言いながら、俺は思わずにやにやする。
「いやぁ、私としては色々と気になる所だけどね」
「まぁ、そうだけど、まぁ、今回、多分来るのは「お待たせデス!」あっ来た」
その言葉と共に、入ってきたのは、切歌だった。
ただし、腰まで伸びているロングヘアの平行世界の切歌だ。
そう、彼女は平行世界の切歌である。
「この子が、12人の彼女の一角な訳ね」
「おぉ、なんだか四天王みたいでなかなかに格好良いデスね」
そう言いながら、切歌は笑みを浮かべている。
「にしても、珍しいな。
調とは別行動なのか?」
「はい、今日はあの子の調整もありますので」
「あぁ、なるほど」
その言葉に納得するように、頷く。
「調整?」
「あぁ、この子はメンバーの中で一人だけシンフォギアを持っていないんだ」
「シンフォギアって、確かソウゴの彼女達が持つ武器だっけ?
持っていなくても大丈夫なの?」
「そこは大丈夫だよ。
確かにシンフォギアは持っていないけど」
そう、俺が話していると、何か違和感を感じた。
それは二人と話していたはずなのに、二人が硬直して動かなくなった。
それに疑問に思うよりも先に
「こうして会うのは久しぶりだな、常盤ソウゴ」
「誰?」
そう、俺に話しかける人物に、俺は振り返る。
そこにはスーツを身に纏っている男性であり、どこか見覚えがあった。
しかし、同時に俺の事を『常盤』と呼ぶという事は。
「あんた、俺とは違う俺と会った事があるの?」
「そうだな。
確かに会ったと言っておこう」
そう不適な笑みを浮かべながら言う。
「俺はスウォルツ。
今は様々な世界を渡り歩いているただの旅人だ」
「ただの旅人ね。
その旅人がなんの用なんだ?」
「何、俺の元同僚が少し迷惑をかけていたようだからね。
その事を教えに来たんだ」
「元同僚?」
そう俺は首を傾げる。
「奴はかつては同じ組織に所属していた。
だが、仮面ライダーという存在自体が邪魔だと感じた奴は、仮面ライダーの存在を消そうとした。
しかし、結局はそれは失敗に終わった」
「それで、死んだ訳じゃないんだ」
「アナザーライダーを倒したとしても、変身した奴は死なない。
奴は一瞬の隙で、逃げた。
同時に奴は対抗する為にとあるライダーの力を手に入れた」
「とあるライダー?」
「オーマジオウが絶対的な力がある2068年より先の未来にある仮面ライダーの力。
それを手に入れ、本来ならば存在しない時空からアナザーライダーを作り出す能力を得た。
それ単体では作り出す事はできないが、お前に恨みがある組織と手を組んだ結果、アナザーライドウォッチを作り出せるようになった」
「そっか、なるほどね」
だから、本来だったら存在しない未来のアナザーライダーが再び現れた訳か。
「それで、その同僚の名前は?」
「奴の名はディード。
自ら、スーパーショッカーと名乗る俺の敵だ」
「敵ねぇ。
それで、あんたも俺の敵だった訳?」
そう言いながら、見ると
「あぁ、元敵だ。
別の世界のお前とは教師と生徒の関係だ」
「そっか。
それじゃ、元敵の元同僚を倒す為に手を組む訳か」
「残念ながら、俺ができるのは情報提供までだ。
俺には既に戦う力は残っていないからな」
その言葉だけ告げると、その姿は消していった。
「ソウゴ、どうかしましたか、ぼーっとして?」
「なんでもないよ」
俺はそう、切歌に笑みを浮かべながら言う。
とりあえず、今後の事を含めて、話す必要があるかもしれないな。