俺達と教会側のクーデター側からの戦いは終わった。
それと共に、教会側とは別に魔女の夜に所属するヴァルブルガが侵入してきた。
奴はこちらが疲弊した隙に、襲撃して、一気に倒す計画だったらしいが、ロスヴァイセさんと幾瀬さんのおかげで、阻止された。
あとは、ヴァルブルガ本人を倒せば、終わりだと思っていた。
だが、それは違っていた。
「えっ」
その驚きの声は誰からだっただろうか。
ヴァルブルガの禁手である200メートル級の大きさを誇る炎の十字架に八岐大蛇の最終審判者による覇焔の裁きを何かが容易く吹き飛ばす。
それを行ったのは、ここまでほとんど戦いで見かけなかったソウゴだった。
「お前、何時から」
「おい、さっさと離れろ」
同時に、何時ものソウゴからの余裕の声ではなかった。
まるで緊迫しながら、何かを見つめる。
それが何か、探るように俺達も視線を向ける。
そこには、普段、俺達が見ているソウゴやゲイツの奴が変身している飛蝗の姿によく似た奴だった。
どこか近未来的な印象を持つそのスーツ。
それとは違い、その顔は骨を思わせる禍々しい存在。
「あれは」
「アナザーライダー。
それも、かなり厄介な奴だ」
「アナザーライダー、あいつが」
そうしながら、ソウゴはそのまま構える。
確かに見た目は恐ろしいけど、そこまでなのか。
『相棒っ、警戒しろ!
先記ソウゴの言う通りだ』
「っ!」
同時にそいつは両手に巨大な歯車を思わせる武器を作り出す。
その武器は真っ直ぐと投げられる。
すぐに、その攻撃を俺は跳ね返そうとしたが。
「はぁ!」
その攻撃を跳ね返す事ができなかった。
なんとか、身体を僅かにずらして、攻撃を受け流す程度はできたが、それ以上に身体にはこれまでにないダメージがある。
「これはっ」
『聖剣っいや、それとは比べものにならない。
まるで、存在自体を否定するように』
「当たり前だ。
この力、センチュリーは100年賭けて、悪魔を殺す為に作られた仮面ライダーだ。
よって、お前達の攻撃も防御も、全てが無意味」
そう、俺が疑問に思っていると、そのアナザーライダーが答えた。
「それって、私達にとっては天敵」
その言葉にリアスは戦慄を隠せなかった。
「本当に厄介だよ。
けど、負ける訳にはいかないから」
その言葉と共に、ソウゴは立ち上がる。
「無駄な事を。
今のお前では勝てない。
オーマジオウではない、お前にはな!!」
「オーマジオウ?」
これまで聞いた事のない単語に、首を傾げる。
同時にアナザーライダーが再び攻撃を仕掛けてくる。
まさに縦横無尽と言うべきだった。
身体を赤い粒子へと変え、アナザーライダーはそのままソウゴに攻撃を仕掛けてくる。
『界時!既読!』
その音声が鳴り響くと共に、ソウゴの姿は一瞬消える。
「無駄な事を」
だが、それはアナザーライダーも同じく消えた。
そして、気づけば。
「ぐっ」
「ソウゴ!」
何時の間にか、傷だらけになっているソウゴが近くにいた。
『まさか、時を止めたのか。
しかも、それすら認識させない程に』
「なっ」
ギャスパーの能力が、使われた。
それに衝撃が走りながらも。
「終わりだ、そこで無様に死ね」
その言葉と共に、アナザーライダーは、その手に巨大な歯車を真っ直ぐとこちらに向けて放つ。
すぐに避けようと、行動するが、一瞬で、目の前に迫る歯車に、俺達は動けなかった。
だが、それはこちらに向かう事はなかった。
「ぐっ」
「翼っ」
そこには、ソウゴと共に戦っていた翼さんがいた。
その手に持つ剣で、全てを防いでくれた。
だが、それでも全てを防ぐ事ができた訳ではない。
ボロボロな状態となって、倒れそうになった。
全身は血が流れている。
「翼さんっ」
すぐに駆け寄る。
なんとか息をしている程度であるのは、分かる。
それでもこのままでは危険だ。
急いでアーシアが治療してくれるが、それでも。
「まさか、自分から飛び出してくるとはな。
全く、馬鹿な女だ」
「・・・お前」
怒りに、すぐにアナザーライダーへと睨む。
だが、それよりも感じたのは違和感だった。
『祝福の刻!』
聞こえた音、それを見つめれば、それはソウゴの方からだった。
だが、可笑しかった。
先程まで感じていた強さが、まるで感じない。
しかし、そんな俺達の動揺を余所に、ソウゴの腰にあるベルトが変化する。
まるで内側から書き換わるように、その形は黄金に変わる。
『最高!最善!最大!最強王!』
同時に地面には、溶岩で満たされた「ライダー」の文字が射出され、いくつもの歯車や文字盤のようなイメージが天球儀のようにソウゴを包む。
『逢魔時王』
そうして、現れたのは、これまでのソウゴからは考えられない姿だった。
「悪趣味な高級時計」のような印象を与え兼ねない、華美が過ぎる装飾が増え全身が黒と金で統一されている姿。
「あれは」
「まさか、そいつがオーマジオウへのトリガーだったとはな」
「あれが、オーマジオウ」
それが、一体何なのか、俺は分からない。
ただ、一つ分かるとしたら。
それは、次元を遙かに超えた強さだという事。