ハイスクールG✕S   作:ボルメテウスさん

87 / 106
オーマジオウ

オーマジオウ。

 

その姿になった瞬間から、その場にいる全員が恐れていた。

 

味方であるはずの、彼らすら、その姿を見ると、震えが止まらなかった。

 

何よりも疑問に思えたのは、オーマジオウからまるで気配を感じない。

 

それは、強者から感じるプレッシャーがまるでない事。

 

その事に、疑問を感じる。

 

だが

 

「オーマジオウになったが。

 

だが、貴様の歴史程度では、このセンチュリーの力には敵わない!」

 

そう、アナザーセンチュリーは跳び上がり、赤い粒子のように変わると共に瞬間移動する。

 

それと共にオーマジオウに向けて、無数の赤い歯車が襲い掛かる。

 

縦横無尽というべき、その歯車は、オーマジオウに襲い掛かる。

 

だが、次の瞬間、無数の歯車は全て砕け散る。

 

「無駄だ」

 

その言葉と同時に、全ての歯車が粉々になり、消滅する。

 

そして、オーマジオウの姿も消える。

 

アナザーセンチュリーの背後に回り込み、蹴り飛ばす。

 

そのまま、空中で回し蹴りを放つと、アナザーセンチュリーは地面に叩きつけられる。

 

更に拳を叩きつけようとするが、アナザーセンチュリーはすぐに立ち上がる。

 

「貴様のような奴に!」

 

「無駄だと、言ったはずだ」

 

そう、オーマジオウは冷たく呟く。

 

その言葉が皮切りだった。

 

オーマジオウの手には、ジオウの顔が特徴的な剣、サイキョーギレードを持つ。

 

同時に、オーマジオウの背後には次々と現れたのは、数々の武器。

 

それは、オーマジオウの持つ歴代の仮面ライダー達が使っていた武器。

 

それが、宙を浮かんでいた。

 

そして、オーマジオウの合図と同時に、それらの武器は、真っ直ぐとアナザーセンチュリーに襲い掛かる。

 

「っ!」

 

その脅威を感じたアナザーセンチュリーはすぐに瞬間移動で、その攻撃を避けようとした。

 

だが、アナザーセンチュリーの動きを既に予測していたように、多くの武器は真っ直ぐと襲い掛かる。

 

剣がアナザーセンチュリーの身体を斬り裂き、銃やビームが身体を貫く。そして、爆発が起きる。

 

煙の中から、アナザーセンチュリーは転がりながら出てくる。

 

大きなダメージはあった。

 

しかし、生きている。

 

アナザーライダーの特性上、同じライダーの力でなければ倒せない。

 

だからこその不死性。

 

しかし、それは今は。

 

「この程度で死んでは困る。

 

お前には、彼女が味わった苦しみを幾億倍にして、受けてもらう」

 

オーマジオウからの地獄から響くような声を聞きながらも、アナザーセンチュリーは立ち上がり、構えを取る。

 

「ふざけるな! 俺が、こんなところで負けるかよ!」

 

叫びと共に、アナザーセンチュリーは跳ぶ。

 

空から降り注ぐ雨粒のように、無数の赤い歯車がオーマジオウを襲う。

 

だが、その攻撃が届く前に、オーマジオウの周りに浮いていた武器達は、一斉に飛んでいく。まるで意思があるかのように、正確に、一直線に向かって行く。

 

その攻撃を、アナザーセンチュリーは避ける。

 

だが、避けた先にも、武器は待ち構えていた。

 

再び、武器達による攻撃が始まる。

 

それを避ける。また、避ける。

 

それは、まさに圧倒的だった。

 

しかし。

 

「こんなのあんまりだ」

 

確かに敵だ。

 

許されない存在だ。

 

しかし、それでもここまで惨い事はできない。

 

「ぶひゃひゃひゃ、いやぁ、こうして見ると、オーマジオウ。

やっぱり、とんでもないなぁ」

 

「お前は」

 

その笑い声を聞き、見ると、そこにはリゼヴィムが立っていた。

 

「どういう事だ」

 

「なに、オーマジオウへと変身したと聞いたからね。

思わず見に来てしまったんだ。

いやぁ、これであとは楽しむだけだな」

 

「目的?

まさか、ソウゴをオーマジオウにする事が目的なのか」

 

そう、リゼヴィムに問いかける。

 

「そうだよ。

オーマジオウ、それはまさに魔王と呼ぶに相応しい存在。

そんな彼が、時空を越えた神と戦う。

これを見たくて、見たくて、やっていたんだから!!」

 

「以前から狂っているとは思ったけど、まさかそれが目的だったとは」

 

「だけど、もう達成された。

あとは、その戦いを見るだけだねぇ」

 

そう、リゼヴィムは愉快そうに笑う。

 

この状況下、兵藤達には何もできない。

 

そう思った時だった。

 

「大変な事が起きていると聞いたけど、まさかここまでとは」

 

「えっ」

 

その声と共に聞こえたのは一人の少女だった。

 

いや、正確には少女の形をしたロボットだった。

 

両手は鎌となっているその少女には、見覚えがあった。

 

「あなたは、切歌ちゃん?」

 

「えぇ、なんだかやばいと報告を受けたので、ここまで来ました。

それにしても、ソウゴ」

 

そう、切歌は、今も圧倒的な強さでアナザーセンチュリーを蹂躙するオーマジオウを見つめる。

 

ロボットで、無機質なはずの目。

 

だが、それは操作する切歌の感情を表すように、悲痛さが伝わる。

 

「今頃、来ても遅いと思うけどなぁ」

 

「ソウゴを舐めないで欲しい。

ソウゴはいつだって、声を聞いてくれる。

それを諦めたら、終わりだから」

 

その言葉と共に切歌は真っ直ぐと走り出す。

 

それは、人間が出せる出力ではない。

 

激しい攻撃が飛び回る戦場の中で、真っ直ぐと向かう。

 

「切歌ちゃん!」

 

その攻撃の嵐の中、すぐに兵藤達も向かおうとする。

 

だが

 

「きひひっ、そうはさせないよ。

こんな面白いイベントは見逃せないからねぇ」

 

「なに?」

 

「恋人が1人、失っただけで、これだ。

もしも、また1人失ったらねぇ」

 

「お前っ」

 

「まさにカウントダウンだよ。

12人の恋人はまるで時計のように、1人消えれば、消えるだけ、彼はオーマジオウへと近づく!!」

 

それはまさにその言葉通りだった。

 

様々な攻撃の嵐は、切歌に襲い掛かろうとしていた。

 

それを受ければ、まさに致命傷になるだろう。

 

そう、味方がいなければ。

 

『ガアアァァァ!』

 

「はい?」

 

ソウゴの元へと向かう道中、切歌を守るように現れたのは怪獣だった。

 

両腕に鎌を持つ鳥のような怪獣が、切歌へ向かう脅威を守る。

 

それだけではなかった。

 

立体的・直線的な意匠が目立つ顔立ちと真っ赤な体色、胸から肩にかけて備わった鎖帷子のようなプロテクターを持つ巨人。

 

全身が宝石を思わせ、様々な乗り物が一つとなった煌輝の巨神。

 

その手に、星の力を宿した剣を持つ女性。

 

それらの、多くの存在が、まるで切歌を守るように、オーマジオウからの攻撃を守っていた。

 

「はい?

なんだ、あれは」

 

「リゼヴィム、どうやら、君の計算違いがあるようだね」

 

それらの光景と共に現れたのはウォズだった。

 

顔は隠し、正体を見せなようにしていた。

 

「計算違いだと?」

 

「我が魔王。

今の彼には歴代の仮面ライダーだけではない。

次元を越えて、結んだ絆によって、様々な存在と一つとなる。

そして、彼らは、彼女達の願いを叶える」

 

そうしている間にも、オーマジオウに近づくと同時に、その手を握る。

 

鎌ではなく、人間と同じ手に。

 

それを握られた事によって、オーマジオウは、切歌の存在に気づく。

 

「ソウゴ。

そんなの、ソウゴらしくないよ。

ソウゴは私達の笑顔を、そして皆の笑顔の為に戦う。

そうでしょ」

 

「・・・あぁ、そうだったな」

 

それと共に、その冷たい声は鳴りを潜める。

 

それと共にアナザーセンチュリーから離れる。

 

「ぐっ、これ以上は無理かっ」

 

アナザーセンチュリーは既に体力の限界だった。

 

それと共にアナザーセンチュリーはその場から消えた。

 

それすら、今のオーマジオウには、ソウゴには関係なかった。

 

オーマジオウは、その手を真っ直ぐと翼に向ける。

 

『ドライブ』『ビースト』

 

音が聞こえる。

 

それと共に翼の近くに現れたのは、ドライブとビーストだった。

 

「治療を頼む」

 

『タイヤコウカーン! マッドドクター!』

『ドルフィ!Go!ドッ ドッ ドッ ドルフィ!』

 

その2人のライダーは、ソウゴの言葉を聞くと共に、翼に向けて、能力を発動する。

 

それと共に、瀕死の状態であった翼は瞬く間に回復する。

 

「すげぇ」

 

その言葉はまさに圧巻だった。

 

「あぁ、残念。

僕ちんとしては、このままオーマジオウへと活動して欲しかったんだけどな」

 

「ならば、ここで消えるか」

 

「いいや、止めておくよ。

楽しみは後でとっておくから」

 

そう言い、リゼヴィムはそのまま転移魔法を発動させる。

 

「君がオーマジオウへと覚醒する日を楽しみにしているよぉ」

 

リゼヴィムは、その言葉を最後に消える。

 

「・・・ふぅ」

 

そう、落ち着きを取り戻すと同時に、ソウゴは息を吐く。

 

それと共に。オーマジオウのベルトは、まるで時を戻すように、ギャラルホルン・ドライバーへと戻る。

 

同時にオーマジオウの力によって実体化した数々の物も消えていく。

 

「ソウゴ、今のは」

 

「まぁ、俺がもしかしたらなっていた魔王の姿。

別になりたくないけど、力は今でもあるみたいだから」

 

そう、呟いたソウゴの顔はどこか悲しそうだった。

 

それだけが、兵藤達には強い印象を受けた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。