トライヘキサが復活してから、5日。
たった5日で、世界は大きく混乱していた。
世界各地は、トライヘキサに対応する為に多く動いており、その攻撃に備えるようにしていた。
だが、それはある意味、効果は出なかった。
それは、トライヘキサの攻撃に意味がなかったからじゃない。
本来、トライヘキサが動き出せば、犠牲は多く出た。
しかし、一人も犠牲は出なかった。
どの陣営にも大きなダメージはなかった。
それはなぜか。
トライヘキサが動かなかった。
そう、単純な理由だった。
当時、トライヘキサが復活した時に、その場にいたメンバーから見ても、その力の脅威は確かに感じた。
その場にいた全員が力を合わせても、おそらく止める事すら不可能なぐらいに、トライヘキサの力は強大だった。
では、なぜトライヘキサは動かなかったのか。
その理由は明白だった。
「あいつは警戒したんだよ。
おそらくは封印中に感じた力に対して」
「それは、まさか」
「あぁ、オーマジオウ。
それで、間違いないだろうな」
本来ならば、トライヘキサの復活と共に、リゼヴィム達の計画と共に激突するはずだったオーマジオウ。
しかし、その力がほんの一時間にも満たない期間とはいえ、復活した。
その力の余波は凄まじく、封印していたトライヘキサも早々にその動きを封じた。
「だが、未だに脅威が去った訳ではない。
何よりも、既に目撃情報はあるんだろ」
「あぁ、トライヘキサを監視する者達から、確かな情報があった。
トライヘキサに接触する者達がいた。
すぐに阻止をしようとしたが、まるで時が止まったように、その場を動けなかった」
「十中八九、タイムジャッカーの奴らの仕業だな。
奴らは、一体何をするつもりか、分かるか、ソウゴの叔父さんよ」
そう、アザゼルはその会議で平然と参加しているウォズに対して、疑問を投げかける。
それに対してウォズは、静かに本を見ながら、呟く。
「仮面ライダー」
「何より?」
「奴らはおそらく、仮面ライダーを作りだそうとしている」
「仮面ライダーを?」
その言葉に、アザゼルは疑問に思ったように首を傾げる。
「仮面ライダー。
全ての始まりである1号、本郷猛は、世界征服を企てる悪の秘密結社・ショッカーに捕われてしまう。
本郷の能力に着目していたショッカーは、アジトで1週間かけて彼をバッタの能力を持つ改造人間に改造した。
しかし、本郷は脳改造される寸前、ショッカーに協力させられていた恩師・緑川博士に助けられてアジトから脱出する。
以降、仮面ライダーとなった本郷は、ショッカーが送り出す怪人たちを次々に倒していく」
「まるで、物語のようだな」
「実際にそうかもしれない。
だが、仮面ライダーの力は元々悪である事。
それを意思によって、正義に変える事ができる。
しかし、中には、その悪のまま仮面ライダーとして戦った者もいる」
「つまりは、タイムジャッカーはトライヘキサを改造して、仮面ライダーにするつもりか」
「もしくは自分自身をだな。
そして、猶予はそれ程多くない」
「というと?」
「ここまで5日間、何も動きはなかった。
それは確かに我が王に対して警戒をしているのもそうだが、同時にトライヘキサを仮面ライダーへと変える為に1週間使う必要がある。
つまりは」
「残り2日。
それまでにトライヘキサをなんとかしないと」
「おそらくは、この世界で、最凶最悪の仮面ライダーが誕生する」
その一言だけで、どれほど絶望的な状況なのか。
「対抗できる手段はあるのか?」
「さぁね、なんだって、幾度目になる世界の危機だ。
しかし、おそらくは、既に決断しているんだろう」
そう言いながら、ドアが開かれた。
そこにいたのは、ソウゴだった。
「ソウゴ君、なぜここに」
「ちょっと、叔父さんに話があってね。
叔父さん」
そう、ソウゴはゆっくりと見つめる。
「俺の力、貰える方法って、今はある?」
「力を貰う?」
「あるね。
ただし、それは同時に死を覚悟しなければならない。
いや、死では生温い。
下手をしたら、全世界を崩壊させる可能性はある」
その言葉に、戦慄した。
だが
「どちらにしても、このままじゃ世界は終わる可能性はあるんでしょ。
だったら、俺はやるよ」
「そうか。
ならば、向かおう」
「向かうって、どこにだよ」
「8人の我が王が戦った時間。
そこに向かう」