そこは、まさに荒野だった。
周りには、何も存在せず、荒廃していた。
「ここが8人の俺が戦った世界か」
そう言いながら、俺は周りの景色を見ながら言う。
「それにしても、本当にここで何が起きたのか」
その言葉と共に、俺と一緒に同行してきたヴァーリが呟く。
今回の戦いにおいて、トライヘキサがどのような手で来るか分からない以上、これまで以上の特訓が必要だと感じたヴァーリは今回の俺の旅に同行する事になった。
「言っておくけど、俺は戦う気はないからな」
「それは無理な相談だ。
元々、俺は先記ソウゴと戦うつもりではない。
だが、この世界の別の世界にいるソウゴとは戦うつもりだ。
そういう意味では、俺は君と戦うのは間違いないだろ」
「あぁ、こういう時、結構ややこしい」
そんな言葉を嘆きながら、言う。
今回の8人の俺が戦ったという時空に興味を持ったメンバーはかなり多い。
だが、その中でも俺自身に関わる事もあり、なるべくメンバーを絞った結果、特に戦いに執着のあるヴァーリが選べた。
「だが、そういう意味では、彼女達の存在は大きいね。
時空を越える事ができるからこそ、君がいれば、そこにすぐに駆けつけられる」
「あぁ」
この時空では、何が起きるか分からない。
そういう意味では、この時空で手助けしてくれる響達は頼もしい。
そんな言葉を言いながら、俺達は荒野を歩いて行く。
だが、その気配に、俺達はすぐに察する。
「ヴァーリ」
「あぁ、気づいている。
まさか、これ程に凶悪なのがいるとはな」
その言葉を意味するのは何なのか、俺達はすぐに周りを見る。
同時に俺達に向かって、襲い掛かる気配。
それは卵を思わせる虫のようなモンスターであり、全体的に灰色で内部組織は蒼赤緑の3色が確認され、顔もその色によって異なっている。
あまり大した事のないと思える奴らだが、その数は、見る限り数え切れない。
「なるほど、少しは面白いようだな」
「油断はするなよ」
その言葉と共に、俺はすぐにギャラルホルン・ドライバーを取りだし、同時にヴァーリもまた白龍皇の光翼を出す。
「変身!」『RIDERTHYME!』
その言葉と共に俺はすぐに仮面ライダーへと変身する。
荒野で取り囲むように、襲い掛かってくるモンスター。
一体一体の強さはそれ程ないのか、軽く蹴るだけでもすぐに倒せる。
だが、問題はその数だった。
その姿が虫を思わせる事もあってか、次から次にワラワラと湧いて出てくるのだ。
「ちっ……」
舌打ちしながら、目の前にいる敵を倒す。
「数が多いな……」
そう言いながら、俺はすぐに蹴り上げる。
モンスター達は吹っ飛び、地面に叩きつけられる。
そして、また別の奴に向かって殴りかかる。
すると、今度は後ろの方にいたモンスター達が俺に襲いかかって来た。
どうやら仲間意識があるのか、それとも本能なのか。
どちらか分からない。
だが、容赦なく襲いかかって来る。
しかし、俺には通用しない。
向かってくるモンスター達に拳を振りかざす。
一撃で吹き飛ぶモンスター達。
まるで、ハエを叩き落とすかのように簡単に倒して行く。
そして、次々と現れるモンスター達。
それをただひたすら倒していく。
その時だった。
「なんだぁ、こいつっ」
「んっ?」
聞こえた声、見てみるとそこにいたのは。
「俺?」
そこに立っていたのは、俺だった。
だが、どこかオタクを思わせる格好をしていた。
「ここにいる化け物の仲間かっ、だったら」
「おい」
そう俺が止めようとする前に、もう一人の俺が取り出したのは、ライドウォッチだった。
そのまま見た事のないベルトを腰に巻くと共に
「へっ変身!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
鳴り響く音声と共に、目の前にいた俺が変身した姿。
それは、俺がオーマジオウへと変身した時の姿。
だが、どこか違った。
「お前は一体」
「うおぉぉ」
『ジカンギレード!銃!』
そう、戸惑っている間にも、目の前にいる俺はその手に持った銃をこっちに向けた。
震える手で、ぶれている銃口は既に俺に向けていた。
同時に、引き金を引き、俺に向かってビームが襲い掛かった。
「うわっ何をしやがる!!」
「消えろ!消えろっ!!消えろっっ!!!」
狂ったように叫びながら、何度も撃ち続ける。
その銃から放たれるビームはまるで弾切れをする様子はなく、無限に出てくるようだった。
しかし、その威力はあまり大きくないようだ。
「あぁ、もぅ、少しは大人しくしろよな!!」
言葉での説得をするよりも、落ち着かせる為にも、一回倒す事にする。
そう考えた瞬間、俺はすぐに走り出す。
迫り来るビームを全て避ける事は可能だが、それだと時間がかかる。
必要最低限に、ビームを受けながら、俺はそのまま真っ直ぐともう一人の俺に向かって、跳び蹴りを喰らわせる。
その一撃を受けて、後ろに吹き飛ぶもう一人の俺。
そのまま、なんと。
「えっ、消滅したっ!」
俺はその事に驚きを隠せなかった。
何がどうなっているのか、困惑している俺を余所に、何かが近づく。
見れば、それは車のようだが、一体。
「ほぅ、まさかこの次元に別の仮面ライダーがいるとは」
それと共に出てきたのは。
「しっ師匠!?」
「師匠だと?」
まさか、ここで俺の師匠とも言える人物である士さんがいるとは。
「なんで、ここに?」
そう、俺は変身を解除させ、近づく。
それを見て、師匠は目を見開く。
「常磐ソウゴ?
いや、違うな。
お前は一体」
そう言いながら、師匠の目は俺の腰にあるギャラルホルン・ドライバーに目を向ける。
「・・・なるほど、だいたい分かった。
だとしても、少し確かめないといけないな」
「師匠?」
「悪いが、お前の力、試させて貰うぞ」
その言葉と共に、師匠は、その腰に変身アイテムでるディケイドライバーを巻く。
同時に変身アイテムであるカードを構える。
「変身」
鳴り響く音声。
無数に現れる幻影。
それと共に師匠の姿は変わる。
「仮面ライダーディケイド」
俺がこれまで出会った誰よりも最強のライダー。
その師匠が、今、俺の目の前に姿を現す。