中原ミズキがスパダリ男装美女にレズ堕ちする話 作:あんみつ炙りカルビ
後半はひたすらミズキ達がイチャイチャしてるだけです。
「ふわぁ………ドラマとかでよく見るレストランでのディナーとかこれは一生ものの思い出ですな〜」
「すみません、私達までご馳走になってしまって」
「別にいいけど、アンタらの支払いは私持ちなんだから、あんまり高いもの買うんじゃないわよ?」
案内された場所は、労働者たちが働く光を肴に贅を踏んだんに使った料理とお酒を楽しめるイタリアンディナー。
急遽、席を増やしてもらったが、オーナーが椿のお得意様なので滞りなくJK2人を案内し、ウェルカムドリンクまでサービスしてくれるなどのいたせり尽せりに千束は感激、たきなは居心地が悪そうだ。
「はは、構わないよ。これが今日のメニューかな。2人で1冊でいいかい?」
椿から差し出されたメニュー表を受け取り、開くたきなと千束。中身はイタリア語で書かれているが、2人からすれば問題はない。リコリスの教育である程度の外国語は抑えてあるのだから。
「私、自家製サルシッチャがいいな!」
「私は………すみません、カラマリのリピエーニとは何ですか?」
「イタリア版のイカ飯の事だよ。ヤリイカの胴体に色々な具材を詰めて、米の代わりにパン粉を詰めたものだね。でも、たきなさん、全部メニューに書いてあるよ?」
「………へ?」
「何、言ってんの。ほら、私達のメニューには書いてあるわよ」
たきなも千束もメニューに目を落とすが書かれているのは、イタリア語の料理名だけだ。しかし、ミズキのメニューには全て日本語で書かれていてる上に説明まで記載されていた。
それを見た瞬間、千束とたきなは自らの失態に気づく。
「最近の高校ってイタリア語も教えてるのかい?」
「い、いやぁ〜私達、実はイタリアが大好きで初旅行はイタリアにしようかなぁって話してるんですよ! ねっ! たきな?」
「そ、そうですね、千束」
椿の言葉に、背中を伝う冷や汗を隠して千束は答えた。迷彩を装うJKの制服だが、どこの高校にイタリア語まで教える普通の高校があるのだろうか。
それが示すのは椿に疑われていること、少なくともただの女子高生なのかと思われているらしい。千束の顔から血の気はひいたし、ミズキの指先は微かに震えている。
(ま、間違いなく疑われてるよね〜たきな〜!)
(すみません、千束。私のミスです。どうしますか、口止めですか?)
(ふざけんな、ガキども! 私の旦那候補を撃ち殺す気か!! やらせるわけないでしょうが!)
(ここまで焦るって事は、僕の尾行は予想外………なのか? DAに疑われるのは仕方ないけど、これは頂けないな)
リコリコ喫茶の絆とも言うべき、アイコンタクトを交わす三者三様を大体の目星をつけた椿はウェルカムドリンクのシチリア産レモネードを飲みつつ、考えを纏めていた。
(彼女達が何者かは、ミズキを問い詰めたらわかるけど………僕が元DAのセカンドリコリスだって事は知られたくないしなぁ………)
カエデから聞いていた限り、DAのリコリスに対する態度に嫌気が差して、彼女はDAをやめて支部に移動したようだ。そんな彼女に、君の恋人は元リコリスだよ!と言って嫌われたりしたら、
(あっ、やばい。想像しただけで泣けてきた………マジでむり………自殺しちゃう………)
つまるところ、椿がやらなくてはいけないのは彼女達リコリスがどの立場にいるのか。
逆に、ミズキ達リコリコ喫茶は彼女に正体を勘付かれずに無事食事会を終えられるか。
((((正体を、バラすわけにはいかない!))))
かくして、せっかくの食事会なのに、緊張のあまり、料理の味がしない人狼ゲームが幕を開けた。
「2人は喫茶店でバイトしてるみたいだけど、バイトは何で始めたの?」
「ミズキは出会いの為だよね〜私は人を探してて、それで接客業をしてます!」
「私は………以前のバイト先で失態を犯し、クビにされたので、新しいバイト先で働いています。逆に椿さんは何でマジシャンで働いてるのか、聞いてもいいですか?」
まずは牽制のジャブが椿から飛ぶ。それを千束とたきなは華麗にかわす。美しく受け流した言葉のブローを返すように、たきなのカウンター。
「マジシャンになった理由か………人を笑顔にしたかったからかな。昔、とある人に励まされてね。『泣いてるより、笑顔でいなさい! 人生笑えば、幸せな未来は自分からやって来るわ!』ってね」
「………うん? その言葉どっかで」
「にしても、君たちの制服。よく見かけるけど、2人はどこの高校なのかな? たきなさん」
それを受け止めて、思いの丈をストレートに表現すれば、何故か巻き添えを受けたミズキが記憶を辿ろうとしている中で、椿のワンツーがたきなに飛ぶ。
「私達は………彼岸花高校の学生です。こちらが学生証になります」
狙い撃ちされた、たきなは滞りなくすらすらと答えながら、学生証を見せる。DAから支給されている証明書だ。夜間に警察からの職質を免れる為に、存在しない学校と証明書を作り上げている。
たきなの1年生を表す、青い学生証を見た椿はふんふんと頷いて、チラッと鞄を見た。
「そういえばさっき、声をかけた時に鞄から何か取り出していたけど………護身用の道具かな?」
「〜っ! それは、ですね………」
「実は私達、演劇部でして〜たきなは最近、凄腕のボディガード役を練習してるんですよ! だから、ついうっかり反応しちゃったんだよね〜たきな〜」
「言ってたわね、アンタら。近々、何かやるって」
畳み掛けるような突きつけるボディブローに、たたらを踏んだたきなを千束がバトンタッチで救い出し、ミズキがごまかすように賛同。
なかなか、尻尾を出さないリコリコ喫茶店に椿は笑っているが、目が笑っていない。
「因みになんだけど〜何で、椿さんは私達が後を追いかけてるって気づいたんですか? 私達、結構上手く尾行してたつもりでしたけど」
「海外で、女一人だと危ないからね。ストーキングとかには気をつけるようにしてるんだ。過去にそれで痛い目を見た事があるからね」
それに気づいた千束が危険止むなしのインファイトを仕掛けた。たきなもミズキもやめろという制止を目で訴えたが、先に勝負に椿が乗った為に、止める機会を見失う。
「どんな気をつけ方を?」
「例えば………カーブミラーやショーウィンドウ、それらに映る虚像を逐一目で追うようにすれば、自分の背後も確認出来るんだ。千束さんもやって見るといい」
「へえ〜まるで映画に出てくるスパイみたい〜まさか、実は007だったり?」
「まさか。強いて言えば『グランドイリュージョン』に出てくるホースメンだよ。千束さん、結構映画詳しいね。おすすめとかあれば教えてほしいな」
「おっ、椿さんも映画行けるクチですか? いいですね〜例えば………『SAW』とか? 1作目だけはミステリホラーでおすすめですよ〜」
綱渡りみたいな言葉の争いに、たきなもミズキもたまったものではない。ヒヤヒヤしっぱなしで美味しい筈の料理がまるで濡れ雑巾を口に運んでいるようだ。
「SAWシリーズは見たことあるよ。マジックの参考にね。人を騙すテクってのは視線誘導以外にもあるってのが演出面で勉強になる」
(まあ。本当は罠とかの勉強メインだったけど)
せっせと再現した罠は楠木司令や顧問のミカから『あまりに人道に配慮がない』と言われて、廃止させられた事は記憶に新しい。カエデにすら泣きつかれたので、ひたすらヨシヨシと甘えさせられたくらいだ。
「そ、そういえば、椿さんは学生時代はどんな生活してたんですか? わ、私達も進路に迷っていて」
「………そう、だなぁ」
千束の試す物言いに心臓が飛び出そうなたきなの言葉に、椿は僅かに瞑目、ゆっくりと言葉を選ぶように紡いで、
「学生時代に少し、事件に巻き込まれてね。迂闊だった僕もいけないが………表沙汰にできなくて、暫く塞ぎ込んでいたんだ。それ以降かな。僕がこんな感じになったのは」
「え、アンタ。昔からそんな感じじゃなかったの?」
椿の言葉にミズキが疑問をぶつけるが、彼女は誤魔化すように笑って。
「正確には、昔から女の子が恋愛対象だったけど、それが強くなった感じかな。後は自分の弱さが気に入らなくなって、王子様っぽい振る舞いをする様になったんだ」
「へえ………因みにいつ頃から?」
「渡米してからは、今の性格のままだよ。理想を貫けば現実になる。もう、昔の僕がどうやって振る舞っていたかなんて忘れちゃったよ」
食後のコーヒーを飲み終わった彼女は告げるように語る。
自分のようにはなっていけないと、嗜めるように。
「進路は君たちが決めていいんだ。誰かに邪魔される必要はない。何をしたいか、を挙げてからどこまでなら妥協出来るかを考えるといい。僕から言えるのはそれくらいかな」
*
「いい子達だったね」
「まあ、いい子達ではあるのよ。馬鹿だけど」
ディナーを食べ終えた2人を、駅前で送った足で、椿がミズキを連れてきたのは屋上に備え付けられた夜間プール………つまり、ナイトプールである。
ボトルカラーの白と赤でデザインしたサンベッドやパラソル、浮き輪などが空間を彩り、正面に見える延空木が点灯するころにはライトアップが加わり、華やかな暑い夏の夜が過ごせそうとの噂だ。
現在では、南仏をイメージしたガーデンプールでフォトジェニックでラグジュアリーなひとときを満喫できるらしいので、ミズキはうっきうっきで買っていた水着に袖を通す。
この日のために仕上げたと言ってもいい、お腹周りを曝け出して。でも足回りやお尻が不安なために、翠と水色のパレオにしたミズキはプール入り口で恋人を待つ。
ミズキは美人だ。翠のビキニに隠されたしなやかな肢体と、健康的な色気は正直なところ、一夏のアバンチュールを望む男たちから狙われてもおかしくないが、
「ミズキ、ほら、もっとギュッてくっついて。じゃないとボートに乗れないだろ?」
「い、いやいや………だって、背中に、その………当たってるし………」
「ふふ、ミズキが大好きなFカップのふわふわなおっぱい当てられて嬉しくないの? 素直じゃない子には悪戯かな」
そこらの男が路傍の石になるような、竿のないイケメン、おっぱいがある男、めちゃくちゃ男前な美女が、ミズキですらガン見するくらいの谷間を晒した水着をつけているのだから。
そんな美女同士の戯れに混ざろうとする男はいない。だって、下半身に血液集まりすぎて、声かけた時に幻滅されそうだし、美女2人とも一般男性くらいなら返り討ちにできる実力者なので。
なので、ボートの上で座りながら、ミズキの背後から抱きついてる椿はマーキングとばかりにミズキのうなじにキスを降らせる。くすぐったさと恥ずかしさに身をよじるが、椿の白魚のような指先がミズキのお腹を撫でて、ミズキが吐息を漏らす。
「今日は2人に邪魔されたから………この後は思う存分、愛を交わそうね」
「あ、明日は………私、仕事なんだけど………」
「大丈夫。跡は見えないところにだけきっちり残しておくから」
「つけないでって言ってんだけど!? 更衣室で千束やたきなに、うわぁ………って目で見られる私の気持ちを考えて!?」
「………いや?」
頸に顔を埋めながら、甘えたように声を出す自分の恋人に対して、甘やかしたくなるのがミズキであった。惚れた弱みもあるのだが、普段甘やかされてばかりなので許したくなってしまうのがいけないところ。
「ねえ、椿? 椿は何で、私を選んだのよ。女好きで割と遊んでいたのは知ってるけど………私以外に浮気とかしてないでしょ、アンタ」
「うん? どうして浮気してないって分かるの?」
「実はアンタの携帯に追跡アプリ仕込んでんの。気づいてた?」
「それは………知らなかったなぁ」
これには本当に気づいていなかった椿から感嘆の声が漏れた。かつて、彼女はDA情報担当でもあった、それで培った技術だろうが、
「何でバラしたんだい? バレたら、幾らでも対策は打てるのに」
「バラした代わりに教えてほしいのよ。今日、アンタが話してくれた過去………私、気づいたの。アンタ、自分の事を何も話してないって」
触れ合う素肌の心地よさを逃さないように、椿が自分を離さないように、逃げないように、ミズキが椿の腕を自分の前に回して、抱き締める。
「多分、話したくないは分かってる。私もアンタに話してない事いっぱいあるし………だからせめて、私を選んだ理由だけ聞きたい。それさえ分かれば、私は………アンタの恋人として自信を持てる気がする」
ミズキの絞り出すような声に、水面が跳ねて、飛沫が上がる。水面に映った彼女は思い悩んでいて。
わざわざ約束なしに今日、会いに来たのもそういう話がしたかったからなのかと察して。
「自信なんて………いや、そうだね。付き合ってから、僕は君に何も話してなかったもんね。疑いたくなる気持ちもわかる。分かった。君を………ミズキを選んだ理由はね」
椿もまた、彼女に応えるように勇気を出す。彼女にバレたら幻滅されるかもしれない。それでも彼女が望むならと、彼女の肩に顎を乗せて、
「僕は………今から7年前にミズキと会ってるんだ。その時に君に言われた言葉に僕は救われた。それだけだよ」
「その言葉って………やっぱり、さっき言ってた、アレ? 道理で聞き覚えがあるわけね。私が言ったのよね? 7年前………か」
ミズキは記憶を巡らせるが、その頃はまだDAに籍を残しつつ、喫茶店業務に励んでいた筈。椿はリコリスではないと仮定しても出てこないことに歯噛みする。
「ごめん………覚えてないわ」
「いいんだよ。世の中はそんなもんさ。言った相手が覚えてなくても、何気ない言葉に傷ついた、救われた人はいっぱいいる。ミズキを選んだ僕もそれってだけさ」
ミズキの申し訳ない顔に椿は頬に唇を寄せて、リップ音を鳴らす。気づかないのも無理はない。椿はリコリス時代と、性格も容姿も変わっているのだから。
だから、ミズキが出来ることはただ一つ。
「だったら──私に今の貴方を刻ませて。椿。貴方がいないとダメな私に、何を考えても貴方を思うような………私に作り替えて」
椿の後頭部を手で迎えに行って、ミズキが振り向き、寄せた唇が互いに数センチのところで椿にミズキはお願いする。
「私を──貴方のものにして」
甘く、溶けるようなその誘いを渡すようにミズキは唇が剥がれそうなほどにキスをした。溢れた唾液が胸元を伝ってもやめないくらいに情熱的なそれは、揺れたボートから落ちるまで続いて。
水中から光が舞う水面に上がる中で抱き合ったまま、2人は自らの体温を伝えるように、腕を背中に回したまま。互いの顔を見つめていた。
「今日は私がリードする。貴方に私を刻み込むから」
こちらを見る彼女の瞳は吸い込まれそうな青色で、先程まで快楽を漏らしていた形のいい桜色の唇に目を奪われて。
「──愛してるわ、椿」
彼女の夜空色の藍瞳が目蓋に遮られ、連れられて自分も目を閉じた。
小さな暗闇の中、体の内側から漏れ出る情念を必死に押さえつけた中、感じたのは唇から伝わる熱で。思わず漏れたこの言葉と、
「──好きだよ、ミズキ」
この熱が君に伝わればいいと思った。
ストーリー絡めた方がいいのか、単純にミズキとスパダリ彼女の話を書いた方がいいのか、アンケート取りたいのでやってみたい。
原作にオリ主混ぜるor原作関係なくひたすらミズキといちゃつかせる
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原作に混ぜてほしい
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原作関係なくミズキといちゃついてほしい