光速の走り屋オオサキショウコ   作:まとら魔術

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ACT.22 ゼロカウンター

 第2高速セクションが終わり、ジグザグゾーンへと入っていく。

 

 熱ダレ、精神力の消耗、毒状態とかにおれは苦しめられ、目に見えるアルテッツァは小さくなっていく。

 

「離されて毒に魘されて苦しんでいるだろ」

 

 先行するモミジは、さらに覚醒技の能力を使う。

 

「ボクのデータは完璧で、能力も完璧だ。

 

 大崎翔子、君の技は能力で収集済みだよ」

 

 

 

 今から能力で見抜いたおれの技、すべてを言いだす。

 

「君の使える技は……。

 

<コンパクト・メテオ>

 

<ハヤテ打ち>

 

<フライ・ミー・ソー・ハイ>

 

<ズーム・アタック>

 

<スケルトンアタック>だ。

 

 以上、これらの技を覚えていると分かったよ」

 

 全ての技を言い終え、ジグザグゾーンを風のごとくドリフトで駆け抜けていき、次のナイフの形をした右ヘアピンに入る。

 

 しかし、同時にこんな脳裏がモミジの脳天を打ち砕いた――。

 

「――ヤバい感じがするよ……そのヤバい予感はサクラ・ゾーンで起きそうかもな――」

 

 この予感は逆転されるかもしれないという予感だ。

 

 一方、離れて後攻にいるおれのワンエイティは雨の路面、毒による精神力低下、そしてタイヤの熱ダレとかで車をツルツル滑らせていく。

 

 滑るタイヤでハンドルの自由が効かないダンスに苦しめられながらジグザグゾーンを抜けていく。

 

「溝の少ないドライタイヤだから雨の路面は走りにくい。

 

 他にも毒で精神力をむしり取られ、敵の技を喰らって熱ダレ――ワンエイティ、おれは苦しいよ――。

 

 ワンエイティは苦しくないよ?」

 

 雨のダンスをするクルマのハンドルを丁寧に握り、ジグザグゾーンを事故無くクリアすることができた。

 

 次のコーナー、ナイフ型右ヘアピンに入ると同時におれの精神から毒が消えた。

 

 ここを出ると、直線が来る。

 

 間にS字2連続ヘアピンを挟んでいて、1つ目は左、2つ目は右と構成されている。

 

 そこを黒い左足で減速してからのグリップ走行で抜けていく。

 

 ただし、おれはワンエイティがいつもより遅いと感じた。

 

「あまり速く走れない、縮められないかもォ?」

 

 ワンエイティに積まれているRB26は低速トルクが低いという欠点を持ち、ワンエイティが履いているのはウェットタイヤではなくドライタイヤだ。

 

 さらにそれだけでなく、エンジンがヤレていていつもよりパワーを生かすことができないのだ。

 

 

 

 なのであんまりスピードが出ず、距離を縮めることができない!

 

「縮めたくても離せない――おれはピンチだ……精神力は残り少ない――」

 

 さっきまで毒だったので苦しめられた。

 

 ――しかし……サクラ・ゾーンの後、戸沢戦のような逆転をおれは見せるだろう――。

 

 それを知っているのは智姉さんだった。

 

「オオサキはピンチだな。

 

 しかし、そのピンチをチャンスに変えるものがある。

 

 それは能力だ。

 

 効果は精神力が残り少なくなるとドライバーと車の全性能を全て上げる。

 

 前行われた戸沢戦ではこの能力を使ったことでDC5を操る戸沢に勝利することができた。

 

 他にもとあるバトルでも能力が発動し、あそこでも勝利を収めた

 

 もうすぐ発動してもおかしくない頃だろう――」

 

 智姉さんはそんなことを予測する。

 

「今日の朝、私は手加減していたものの、オオサキはゼロカウンタードリフトで私とR35を追い抜いてきた。

 

 ゼロカウンタードリフトというのはカウンターを当てないから普通のドリフトより速く走れる技術だ。

 

 この技は走り屋時代のドリキンを最速の走り屋にした技であり、さっき言っていた覚醒の力と合わせたゼロカウンタードリフトは覚醒技の技より強力に走れるかもしれないな。

 

 サクラ・ゾーンの2連ヘアピンで決めてくれるだろう」

 

 それを語ると、手で雨を掴む。

 

「雨が弱くなっている――もうすぐ止みそうだ。

 

 雨が止めばドライタイヤを履いているオオサキが有利になりそうだ。私はこの雨はにわか雨だと感じる――」

 

 今駆けるS字直線を終えて、おれは左U字ヘアピンへ突っ込む。

 

「ここでは朝使ったあれを使ってみようッ!」

 

 ここへ突っ込むとハンドルを一瞬だけ左へ曲げて、スライドを発生させる。

 

 左足でブレーキ、右足でアクセルを踏みながら攻めていく!

 

 ――朝のことを思い出す……。

 

「ゼロカウンタードリフト――久しぶりに使ったようだな……」

 

「智姉さんのR35から逃げようとして使ってしまいました――」

 

「ゼロカウンタードリフト――今回のバトルにはいい技かもしれないな――。

 

 相手は3姉妹最速のコーナリング性能を持ち、他にも頭がいい。

 

 今まで使ってきたコーナリングが通用しなかったり、駆け引きに苦しんだら使った方がいいぞ」

 

 同時に、ワンエイティのボデイは風と光のオーラが纏った!

 

「ゼロカウンタードリフトと同時に能力が発動した!」

 

 オーラによる力さらに速いでヘアピンを突っ込み、まるで技を使うような速さで突っ込んでいく!

 

「なんだ⁉

 

 あのワンエイティ!

 

 すごいスピードで攻めているんじゃあねーか!」

 

 それを眺めたギャラリーはゼロカウンターの速いドリフトを見て、口を大きく開けている!

 

 このことはスタート地点にも伝えられる。

 

 おれのゼロカウンタードリフトを見たDUSTWAYのメンバーがそれをトランシーバーを使って雨原に報告する。

 

「ピ!

 

 こちらサクラゾーンのU字ヘアピン!

 

 大崎翔子のワンエイティ、目に止まらぬゼロカウンタードリフトで攻めております!」

 

「分かるぜ、あいつが能力を発動させたんだろ?」

 

 

 

 それを聞いたあと、2人はトランシーバーを切る。

 

「戸沢のように逆転してくるかもな――もう1回あの能力を使って逆転するしれねーぜ!」

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