光速の走り屋オオサキショウコ   作:まとら魔術

41 / 53
ACT.36 リベンジ

あらすじ

 

 ワンエイティが進化した状態で、オオサキの元へ戻ってきた

 そのクルマと共に戦場へ向かうものの、そこにDUSTWAYの秋山とRX-8がバトルを挑んで来る。

 その勝負を受けるも、新技を使って撃退した。

 

 午後9時55分、おれは赤城山のスター卜地点へ着く。

 

「ワンエイティが来たぞ!」

 

 ここに葛西サクラのJZA80が停車していた。

 ワンエイティから降りて、話しかける。

 

「遅れてごめん……」

 

「お前が遅れたことは気にしない……」

 

 これまでの思いをぶつけることにした。

 

「君との戦いは2度目だけど、今日まではこんなことを考えていた」

 

「何だ? 教えてくれ」

 

「前の戦いの時、勝てるか不安だった。おれは本格的なバトルを1度もしたことがなく、相手が強いと聞いてしまったからそう感じてしまった。けど、それとは裏腹に勝つことができた。そして現在。君とのバトルがまた行われる! おれはリベンジを止めて見せる!」

 

「オレはお前を16だとナメていて……ここでオレより速い走り屋は雨原さんと母さんしかいないと考えていた…しかしお前の16歳とは思えない威圧感に圧倒された……だが……今は怯えない……お前とのバトルが始まるからな……」

 

 サクラにもそういう思いがあった。

 それぞれをぶつけあうと、バトルの説明に入る。

 

「それぞれの話はここまでにして、バトルを始めよう……前に言った通り、ダウンヒルを終えたらヒルクライムで戻ってくる往復式だ……準備が出来たら、クルマに乗れ……」

 

「カウントはあたし、雨原芽来夜がやるぜ」

 

 スタート地点前の駐車場。

 

 そこにプラズマ3人娘と斎藤智がいた。

 クルマも停車している。

 

「サキはん大丈夫なんやろうか? 来る途中でRX-8にバトルを挑まれ、そのバトルで精神力を使ってもうたし……」

 

「さぁな。げど、サギさんの能力ってピンチの時にパワーアップだがら、支障はねーと考えているべ」

 

 ここで妹、ヒマワリが乱入してくる。

 

「今までと同じ手でサクラ姉ちゃんに勝てると思うなよ、メス熊ァ!」

 

「DUSTWAYの葛西ヒマワリィ! サギさんが負げるだとォ? 能力の弱点が分がるのかよォ!

 そっちごそ葛西サクラの加速重視のセッティングが裏目に出るかも知れねーべ!」

 

「いやいや、同じ能力を使ってきたから対策が分かるからな。あとうちが行った剛性強化による重くなったボディが裏目に出るかもな」

 

 この2人の喧嘩に智が横槍を入れてきた。

 

「お前たち、言い争っているうちにバトルが始まったぞ」

 

 重要なことを見逃している。

 

「やれやれ、この2人が争ったら低レベルの戦いだね」

 

「せやな」

 

「いや、サクラ姉ちゃんが追い抜いて勝つぜッ!」

 

「先行したサギさんが勝つべッ! 抜ぎ返されても、抜ぎ返すべ!」

 

 くだらない2人の争いは置いといて、視点をバトルに移そう。

 オオサキが先攻で、サクラが後攻だ。

 後者は先攻のほうが得意なはずだが……。

 

 コース:赤城山往復(下り→上り)

 

 大崎翔子(RPS13)

 

 VS

 

 葛西サクラ(JZA80)

 

 最初の左寄りの高速S字セクションを抜けて、左低速ヘアピンに突入する。

 両者ともドリフト走行で攻めていき、互角だった。

 

「先行を取っちゃったけど、相手はいつ攻めてくるのか分からない。以前のおれみたいに攻めてくるかもしれない。

 

「いつもは先攻を取ってきたけど……今回の相手の走りを確かめるために後攻を取った……様子見させてもらおう……」

 

 最初の左寄りの高速S字セクション前の駐車場……。

 WHITE.U.F.Oの2人がギャラリーしていた。

 バトルの今後をこう語っている。

 

「戸沢、バトルをどう見ているじゃん?」

 

「覚醒技次第でバトルの激しさ激しさは変わるだろう。今のところ、どちら覚醒技を使う気配はない。ただしバトルは変わると考えている」

 

 別のギャラリーをしている智はバトルの今後をこう見ていた。

 

「バトルの今後だが、こう見ようか。サクラは前の仕返しとして、"ある場所"を狙っているだろう。あとオオサキの能力についてだが、ダウンヒルの最中に発動して欲しくないと考えている。いつもよりバトルが長いからな」

 

 バトルは第1高速セクションに突入する。

 サクラのJZA80がおれのワンエイティを追いかけていた。

 

「やっぱ前より速くなっている! 距離を離そうとしても、ひっつているかのように離れられない!」

 

「あっちも前よりは速くなっていると感じている。だが……前のクルマにはこうするか……」

 

 ハンマーヘッドヘアピンを抜けて第2高速セクション。

 サクラはおれの後ろを煽り出す。

 

「どうだ……? これで逃げられるか……?」

 

「く……喉がつぶれるような焦りが出てくる。

 相手が煽ってきてプレッシャーを仕掛けてきた……」

 

 その近くである人物がギャラリーをしていた。

 おれが戦場に向かう途中の上りでバトルした走り屋だ。

 彼女の近くにRX-8も停車している。

 

「サクラさんがあたしを破ったワンエイティを狙っている。先攻のほうが得意だけど、今は後攻なのにうまく勝負している。この状態が続いたまま、前に出て欲しいと考えている。出来れば、前のバトルで抜かれたあのコーナーで……」

 

 第2高速セクション終盤のジグザグゾーンに入った。

 

「相手が張り付くなら、あれを使って離そう!」

 

 おれは透明なオーラを発生させる。

 

「小山田疾風流<ズーム・アタック>」

 

 ジグザグに続くコーナーをガードレールギリギリの走りで攻めていく。

 

「イケイケイケイケイケェー!」

 

「ついに使ってきたか……葛西血玉流<フェイントモーションダンス>!」

 

 サクラのほうは透明なオーラと共に振り子のような動きででジグザグゾーンを抜けていく。

 S字セクションに入ると、その技で離した距離は水の泡になった。

 

「縮められたァ!?」

 

「この日のために……母さんから教わった技を使って離された距離を消してやった」

 

 サクラのJZA80がワンエイティの横へ並んでくる。

 

「サイド・バイ・サイドに入ったら……あれを使うか……」

 

 JZA80が緑のオーラに包まれていく。

 自然に萌える植物のようなオーラだ。

 

「葛西血玉流<サイド・バイ・サイド草結び>」

 

 ワンエイティの後輪の近くに草で結んだ罠が発生し、それを踏んでしまい減速しだした。

 

「今の使った技は相手が重いほど、精神ダメージが大きくなると同時により減速してしまう技だ……剛性チューンをしないほうが安全だったかもな……」

 

 ヤレ対策が裏目に出たかもしれない……。

 

「サクラさんがワンエイティを追い詰めている!」

 

「この状態が続けば、前に出るかもしれない!」

 

「予告する……次はあの技だ……」

 

 U字ヘアピンを挟んで、S字中速セクション。

 JZA80が再びオーラに包まれる。

 今度は鉄のように固いオーラだ。

 

「サイド・バイ・サイドに入ったら、ある楽器を演奏してやろう……葛西血玉流<新幹線音波>」

 

 おれの耳に鼓膜が避けそうな音が鳴る。

 

「なんなの……この音……」

 

 この変な音を聞くと集中できくなる!

 不快だ……。

 

 バトルはいよいよあのコーナーに入る。

 

「ここの向こうは、前のバトルでオレが抜かれたコーナーだ……前の仕返しをするために……」

 

「なんかヤバい……背中が凍えてくる!」

 

「いよいよ……抜きに入る……」

 

 因縁のコーナー、2連続ヘアピンの1つ目、右低速ヘアピンだ。

 JZA80はさっき以上に攻める気全開だ!

 

「ヤバい……後ろから怪しい気配を感じる!?」

 

「このコーナーはサイドバイサイドで入り……技を使う」

 

 JZA80は黒く禍々しいオーラに包まれだした。

 

「葛西血玉流<ウィル・シー・へブン>」

 

 サクラはおれの前に出た……!

 後攻になったおれは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

 あの時の仕返しの如く、因縁のコーナーで逆転されてしまった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。