光速の走り屋オオサキショウコ   作:まとら魔術

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ACT.45 赤城最速決定戦

 あらすじ

 雨原はただ本気を出す、オオサキはこれまでの総集編で行く。

 それぞれの作戦が決まった。

 バトル当日。

 他の峠や県外からもギャラリーから来るほど注目されていた。

 赤城最速決定戦が始まろうとした。

 

 バトルの会場へついたおれの前に智姉さん、プラズマ3人娘、従業員たちが来る。

 

「サキはん、頑張ってな!」

 

「勝ってぐれると信じているべ!」

 

「絶対に負けるんじゃないぞ」

 

「最速になってください」

 

「どうか事故だけせんように」

 

「期待しているぜ」

 

 皆に応援に応えなければならないなァ。

 雨原がおれの前に来る。

 

「ずっと前からあたしはあんたと戦ってみたいと思っていた。具体的にはあんたがサクラを倒してからだな。16歳にしてかなりのテクニックを持っているからな」

 

「ただ智姉さんと走ってきただけだよ。13歳の頃から走ってきただけなんだ」

 

「ただ走ってきただけじゃないぜ。お前は走る度に、斎藤智に鍛えられているからな」

 

 雨原はFDのそばへ移動する。

 

「そろそろ始めるか。最高の夜になりそうだぜ」

 

コース:赤城山・大沼複合往復

 

大崎翔子(RPS13)

 

VS

 

雨原芽来夜(FD3S)

 

 おれも乗り込む。

 ワンエイティとFDはスタート地点へ並ぶ。

 ギャラリーたちはバトルするクルマを邪魔しないように、各地のガードレールの中へ入る。

 

「サクラ姉ちゃん、オレは観光案内所前の駐車場前に向かうぜ!」

 

 ヒマワリはSW20に乗り込み、そこへ向かっていった。

 

 各地にいるギャラリーから、トランシーバーで道路の状態を聞く。

 

「こちら5連ヘアピン、異常ありません!」

 

「こちら第2高速セクション、いつでもOKです!」

 

「こちら観光案内所前のストレート、異常無しだぜ。イィーネッ!」

 

「よし、いつでもスタートしてもおかしくない状態だ。行こう!」

 

 スタートの合図はDUSTWAYの秋山が行うようだ。

 

「ものすげぇドキドキだべ……2人共覚醒技超人としてのオーラも走り屋としてのオーラもすげぇ……。逃げだしてぇ気分だべ」

 

 クマさんはバトルをする2台を見て、身体を震えさせている。

 

「最速を決めるバトルと言うんもあって、重い空気に包まれとるからなァ。両方のオーラもすごいし」

 

「大丈夫なの、サキちゃん」

 

「オオサキ、勝ってくれよ……そして事故も起こすなよ」

 

「オオサキさん、頑張ってください」

 

「絶対に勝ってやー!」

 

「最速の走り屋相手だから、油断するなよー!」

 

 おれの関係者から応援の声が届く。

 

「本気の雨原さんは負けるはずはない……」

 

 サクラは雨原のFDを見てそう考えた。

 

 秋山は2台の前に立つ。

 両腕を上げ、カウントを数える準備に入った。

 

「カウント行くよー!」

 

 と考えられたものの……。

 

「待ってくれ……」

 

「サクラさん……!?」

 

「カウントはオレがやる……! ずっと前から雨原さんとオオサキのバトルが始まったオレがやりたいと考えていた……!」

 

 カウントの合図が秋山からサクラへ変わった。

 

 改めて行い、サクラは両腕を上げた。

 

「カウント始めるぞ……5……4………3……2……1……GO……!」

 

 カウントを数え終えると両腕を下ろし、2台をスタートさせる。

 先行を取ったのはおれだ。

 

「サキさんが先行だべ! このままずっとサキを走って欲しいべ!」

 

 クマさんがそう願っているとは裏腹に、智姉さんは今の状況を見て険しい表情をしていた。

 

「本気の雨原さんはいつも後攻を取る……。後攻にいればいるほどFDの性能が良くなる覚醒技の持ち主だ……」

 

 サクラは本気の雨原についてそう語る。

 

 バトルは最初の5連ヘアピンに入る。

 

「まずは柳田とのバトルを思い出しながら攻めよう」

 

 そういう気持ちで、グリップとドリフトの中間の走りで5つのコーナーを攻める。

 雨原の方はドリフト走行で攻めていく。

 距離が離れた。

 

「なかなかやるなァ、オオサキちゃん」

 

 次の第3高速セクションにてパワー差で距離を縮められるものの、サクラゾーンの入り口辺りである右中速ヘアピンで再び引き離す。

 

「こちらサクラゾーン! ワンエイティが雨原さんを引き離している!」

 

 ジグザグゾーンを通って第2高速セクションへ突入した。

 その中腹で、S15の女がギャラリーしていた。

 

「来たのう」

 

 2台が女の前を通りすぎる。

 

「雨原は今、後ろにおるんか。じゃが、彼女はここからじゃけぇ」

 

 女は今後の展開を予知するような事を言う。

 

 第2高速セクションの終盤。

 SC430の少女がギャラリーをしていた。

 2台がそこを通りすぎる。

 

「来たね」

 

 通りすぎる2台の赤い光を見て、こう考えた。

 

「ワンエイティの方、焦ってきているかもしれないね」

 

 SC430の読みは当たっていた。

 おれは焦っている。

 それは走れば走るほど、それが強くなる。

 

「離せない……。コーナーで離してもパワーで接近される……」

 

 先攻だと相手の前を走れる一方で、プレッシャーに弱くなる。

 前を走る者にそれは重いものだ。

 そのため速い走り屋の大半は後攻を選び、相手の様子を見ながら走っている。

 

 先攻の焦りが襲ってきたのは第1高速セクションの終わりである2連ヘアピンの1つ目だ。

 

 雨原を離せない焦りから、おれはアンダーを出してしまう。

 

「うわッ!」

 

 幸い抜かれなかったものの、焦りのせいで前を走るのが辛くなっている。

 

 S字からのU字ヘアピン。

 ここであれを発生させるのだった。

 おれとワンエイティは透明なオーラに包まれる。

 

「<ハヤテ打ち3>! イケイケイケイケイケイケイケイケェー!」

 

 この間の練習で手に入れた立ち上がり重視のグリップ走行で攻めていく!

 雨原との距離が離れた。

 

 この話は一旦だけに過ぎなかった。

 

 3連ヘアピンでさらに離したものの、直後の全開区間で大きく縮められてしまう。

 

「たくさんの走り屋を倒しただけあるな。けど、そろそろ行かせて貰うぜ」

 

 雨原に煽られたまま、左高速ヘアピンへ入る。

 

 スタート地点近くの駐車場。

 ここでおらはサギさんの状況について智さんと会話した。

 

「サギさんの先行、いつまで続ぐんだべ?」

 

「本気の雨原は中盤か終盤まで仕掛けないらしい。今はヒルクライムの終盤だからそろそろだろう」

 

「今だァ~!?」

 

 普段ならヒルクライム最後のコーナーとされている、右高速ヘアピン。

 ここにWHITE.U.F.Oの2人とそれぞれのクルマが停車していた。

 

「来るじゃん!」

 

「どっちが先だ?」

 

 おれたちが乗る2台がそこへ来る。

 抜かせないために技を発生させる。

 ワンエイティと透明なオーラに包まれた。

 

「<ハヤテ打ち3>! イケイケイケイケイケイケイケイケェー!」

 

 立ち上がりを意識したグリップ走行で攻めていく!

 しかし先行時の焦りのせいで、アウト側に膨らんでしまった

 

 雨原の方も技を発動させていた。

 FDと共に水のような青いオーラを纏う!

 

「赤城のテイルガンナー流<禁断のレジスタンス>!」

 

 超高速で、右へ左へ切っていく「卍(まんじ)」と呼ばれるドリフトをする!

 それをしながら、おれの前に出た!

 

「先に行かせてもらうぜ! ウェーフッフッフッフ!」

 

 前に出た雨原は興奮気に笑い声を上げた。

 FDに離されながら、観光案内所前のストレートを抜けていった。

 

 それを眺めていた人がいた。

 BRZ乗りの少年だ。

 

「ポジションが入れ替わったか。果たしてワンエイティは赤城最速にどうついていくのか見せていただこうかな」

 

 彼は今後の展開が気になるようだ。

 

「こちら、観光案内所前のストレート! ガラ姉がオオサキを抜いたぜ! イィーネッ!」

 

 ヒマワリがトランシーバーでスタート地点に報告する。

 

「そうか……。雨原さんが前に出た」

 

 それをサクラはそこのギャラリーたちに伝えた。

 

(ヤバい予感がする……)

 

 同時にある不安がサクラの心に過る……。

 

「サギさんが抜がれたべ! ごれがらどうなるんですが!?」

 

「あれを待つしかないな……早く発動すれば代償が大きくなるが……」

 

「早ぐ発動させるとどうなるんだべ!?」

 

「それは私が言いたくない事だ……言うと私でも辛くなる」

 

 言いたくないと言っても、分からない。

 

 ポジションが入れ替わった最速決定戦。

 ヒルクライムはもう終盤。

 バトルは大沼に入る!

 

 後攻となったおれはどうなるのか!?

 

The NextLap

 

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